2022/12/31

Money通帳・あっと家計簿のバージョンアップについて

 _WindowsPC向け家計簿ソフト「Money通帳」(フリーウェア版)と「あっと家計簿」(シェアウェア版)のバージョンアップが2022年12月に行われました。公式サイトの告知は以下のリンク先を参照してください。

_バージョンアップの内容ですが、両方ともに、軽微なバグ修正・機能改善のほか「電子明細ファイルのインポート機能を改良しました」とあります。つまりOFXファイルのインポート機能(2020/08/20 Money通帳・あっと家計簿にOFXファイルでデータをインポートする 参照)に改良があったとのことなのですが、ちょ~っと試してみたところどこがどう改良されたのはよく判りませんでした。

_当BlogではMoney通帳・あっと家計簿へのOFXでのデータインポートはお勧めしておりませんでしたが(2020/08/25 Money通帳・あっと家計簿の運用に関するまとめ 参照)、それをひっくり返すほどの機能増強は無かったということです。

_しかし、それでもPC家計簿ソフトのアップデートが継続されているのは喜ばしきことです。2022年の大晦日にささやかな朗報をお届けできました。では、皆様良いお年をお迎えください。

2022/12/17

てきぱき家計簿マム10のアップデートは絶対に適用してください

←てきぱき家計簿マム10関連の前回記事


_WindowsPC向け家計簿ソフト「てきぱき家計簿マム10」は、ユーザー向けメールマガジンによれば

>11月22日(火)から開始した「家計簿マム10 先行ダウンロード販売」では、
>初日からたくさんのご購入をいただき、誠にありがとうございました!

_とのことで、それに伴ってバグ報告も多く寄せられているようでして、早速アップデートが行われています(2022/12/17現在でVersion10.0.0016となります)「家計簿マム10 アップデートのご案内」を参照してください。体験版にも適用されます。

_前回の2022/12/04てきぱき家計簿マム10にCSVファイルのデータをインポートする方法を解説しちゃいます では、「マム10は口座振替取引を自動認識できないので、転記の際にユーザーが振替取引の振替元口座を指定しなければならない」と申し上げましたが、この問題も解消されております。これ、かなり重要な修正なのに、なぜか公式サイトでは修正項目に挙げていないんですよね…

_ま、とにかく喜ばしいことではあります。マム10のユーザーの皆さんには必ずアップデートを適用されたく。

2022/12/04

てきぱき家計簿マム10にCSVファイルのデータをインポートする方法を解説しちゃいます(追記あり)

てきぱき家計簿マム10 前回の記事


_2022/11/23 【速報】てきぱき家計簿マム10はCSVファイルのデータインポートができるようになりました【朗報】 に対応したMFFマクロV2.41を活用して、他の家計簿アプリで作成した取引データをマム10にインポートする方法を解説します。

1.マム10へのインポートにはACFが必須

_マム10は、CSVファイルに費目が書き込んであればインポート時にそのまま認識できるようになっております。しかし、マム10に登録されていない費目に対しては、ユーザーがひとつひとつ既存の費目に割り付けなければならず、しかもその際には学習機能なんてものはありません。口座名にしても同様です。

_つまり、インポートする前に、データの費目・口座名をマム10に設定済みのものに整えておく必要があります。その作業を支援するのがMFFマクロの特徴的な機能であるACF(Account and Category Fixer)です。その詳細は固定ページ「ACF(費目・口座変換支援)機能の動作と操作法」に解説してありますが、今回の記事でも大枠をご紹介したいと思います。

_マム10のデフォルトの費目構成は2020/05/12 てきぱき家計簿マム9 レビューその1:費目構成 で解説しているとおりで、最も使用されるであろう「一般家庭(標準)」は↓のようになっています。今回は、この費目構成のままでインポート作業を進めることにしましょう。 

てきぱき家計簿マムの「一般家庭(標準)」の費目構成

2022/12/03

らくな家計簿に新PC家計簿機能が登場

 先日、らくな家計簿のAndroidアプリを開いたらVersion4.6.28に更新され、↓のような表示が出ました。

らくな家計簿アプリを開いたらいきなり出てきた

 らくな家計簿には、従来から、スマホをWebサーバとして、同じ無線LANネットワークに存在するPCのブラウザによりスマホ内の家計簿データを直接閲覧する「PC家計簿」機能がありました(2020/12/06 らくな家計簿のPC家計簿機能は有料ながら残念なところも 参照)。今回、家計簿データをサーバーに保持し、そのデータにPCの専用アプリでアクセスする「新PC家計簿」サービスが開始されましたので、概要をご紹介します。

2022/12/01

MFFマクロV2.41公開 てきぱき家計簿マム10へのCSVファイルインポートに対応

_MFFマクロ Version2.41の旧版に対する変更点は以下のとおりです。

1.てきぱき家計簿マム10のCSVファイルインポート機能に対応

 2022/11/23【速報】てきぱき家計簿マム10はCSVファイルのデータインポートができるようになりました【朗報】に対応したCSVファイルを出力する機能を新設しました。詳細はいずれ解説します。

2.らくな家計簿の新PC家計簿から出力したデータファイルに対応

 こちらはまだ当Blogではご紹介しておりませんでしたが、らくな家計簿のPC家計簿機能がリニューアルされた(旧版に関する記事はこちら)に伴い、新PC家計簿から出力されるExcelファイルの中身が従来と微妙に異なっているため、新たに対応しました。こちらも詳細はいずれそのうち解説します。

3.かけ~ぼ からバックアップ出力したcashbook_all.csvを変換する際にコンパイルエラーが発生する場合があったのを修正

 2020/09/27「かけ~ぼ」V1.52以降のデータを他の家計簿アプリ向けに変換する(前篇)について、読者の方からMFFマクロ動作時にコンパイルエラーが発生する旨をお知らせいただきまして対応しました。原因は、筆者が手を抜いてマクロプログラムをExcelの「マクロの記録」から得た際に、未公開の仕様に基づくパラメータが含まれており、それがコンパイルエラーを誘発していた、というものです。


 以上の変更により、動作概念図も新しくしました↓。

    MFFマクロV2.41の動作概念図

    _ソースリストと導入方法はこちらのページ、導入済のマクロプログラムの更新方法はこちらのページをご覧ください。

    2022/11/29

    てきぱき家計簿マム10 まずエクスポート機能からレビューします

    ←てきぱき家計簿マム10関連 前回の記事


    _11月22日に先行発売されたWindowsPC用家計簿ソフト「てきぱき家計簿マム10」をぼちぼちレビューしていきます。

    _まず、データエクスポート機能に謎の仕様変更があります。マム9では、出力するファイルはCSVファイルとなっていましたが、マム10ではTXTファイルとなりました。ところが、中身はCSVファイルそのままなのです。つまり、デフォルトで設定されている拡張子が間違っている蓋然性が高いです。

    _そのため、↓の画面のフォルダアイコン(赤枠)を叩いて保存先指定のダイアログを出し、ファイルの拡張子を手で.txtから.csvに変更しなければなりません。なんでこんな余計なことをさせられるのかなあ~

    てきぱき家計簿マム10のエクスポート機能のダイアログ

    _なお、保存したCSVファイルはShift-JISでエンコードされており、Excelで問題無く開けます。列の割り付け等はマム9と同じであり、MFFマクロによるデータ変換はこれまでと同様に行えます。


    _次回は「マム10」に対応したMFFマクロの新バージョンを公開します→

    2022/11/23

    【速報】てきぱき家計簿マム10はCSVファイルのデータインポートができるようになりました【朗報】

    _2022/11/09 てきぱき家計簿マム10が出現するそうです で既報のとおり「10」の先行ダウンロード版が発売されました。公式サイトから、体験版(30日間動作する)と、カラー図解マニュアルのPDFがダウンロードできます。

    _てきぱき家計簿マム10の目玉は、LINEを使って記帳ができる「スマホ記帳」機能とされています(これは体験版では動作しない)。しかし、筆者が思うに、真の目玉はCSVファイルでのデータインポートが可能となったことです(電子明細(CSV)取込機能)。この機能が何ができて何ができないか、は、残念ながらカラー図解マニュアルの当該部分(184ページ~)を見ても明らかにはなりません。そこで、取り急ぎ筆者が体験版でテストした画面↓を示します。

    てきぱき家計簿マム10はCSVファイルのデータ取り込みができる

    _前バージョンまではOFXファイルの取り込みしかできず、同時に1口座のデータのみで、しかも取り込み後に費目を個別に割り付けなければなりませんでした。

    _実のところ、筆者は、「10」にCSVファイル取り込み機能が実装されるとしても、2022/05/06「ゆう子の家計簿」に他の家計簿アプリの収入・支出データをCSVファイルで入力する方法 で述べたような、OFXファイルと同レベルのデータ取り込みしかできないものになるのでは、と恐れていたのです。

    _しかし、現物を見ますと、OFXファイル取り込み機能はそのままに、CSVファイル取り込みの場合は複数口座のデータに対応し、しかも費目・内訳をCSVファイル内で指定することができるようになりました。これは大した進歩です。振替取引をインポートデータで直接記帳できないのは変わりませんが、これは振替収入・振替支出というダミー費目をでっち上げれば対処可能です。

    _これは久しぶりの朗報です。今後、詳しくレポートしたいと思います。

    2022/11/09

    てきぱき家計簿マム10が出現するそうです

     _ユーザー向けのメールマガジン「マム倶楽部☆ニュースレター」によれば、PC家計簿ソフト「てきぱき家計簿マム」の9年ぶりの新バージョンが登場します。11/22にダウンロード版(既存ユーザー向け:3,080円)が先行発売、12/6にパッケージ版(4,620円)とダウンロード版(通常版:3,740円)が発売されるそうです。

    _ある意味で驚くべき情報であります。このご時世にPC家計簿ソフトのメジャーバージョンアップが行われるとは…!

    _入力UIの改良はアナウンスされていますが、筆者が注目するのは「データインポート機能はどうなるんだよ?」の一点。ここは現時点では不明。

    _現行製品たる「てきぱき家計簿マム9」はOFXファイルでしかデータをインポートできず(2020/05/16「てきぱき家計簿マム9」に他の家計簿アプリのデータを変換してインポートする(前篇) 参照)、データを投入するのは相当な苦行です。OFXファイルが我が国では定着せず、金融機関サイトも取り扱わなくなってかなり経っていることを考えると、2022年に出現する新バージョンがOFXのみ対応のままであったら、これは不祥事ですよ。この点が改善されることを願ってやみません。


    本件の続きはこちらです→

    2022/11/07

    マネーフォワードMEの無料プランにおける金融機関サイト連携可能数が10から4へ減少する件

    _本日2022/11/07にマネーフォワードMEの運営側から届いたメールによりますれば、2022年12月7日から、無料プランにおける金融機関サイト連携機能の上限数が10から4に変更されるそうです。

    _そのような判断に至った事情は公式を参照していただくとして、これはかなり痛いサービスダウンです。ユーザーひとりの連携数としては10あれば大抵の需要は満たせるでしょうが、4となると銀行口座1、クレジットカード1、電子マネー1、証券会社1で使い切ってしまいます。資産管理が可能なレベルではなく、家計改善効果を享受するには有料プランが必須になる流れです。

    _こうなってくると、いよいよ気になるのが競合サービスたるZaim、Moneytreeの動向です。今のところ、両方とも無料プランでの金融機関サイト連携機能に上限はありません(データを外部に持ち出させないことで差別化している)。しかし、銀行とのAPI接続契約の費用負担が重いという事情は変わらないでしょう。いずれ、マネーフォワードMEと同様に、ユーザーを有料プランにより強く誘導するものと思われます。

    _かつて無料サービスとは長続きしないと申し上げましたが、マネーフォワードMEも例外ではなかった…いや、10年続いたのはむしろ上出来だったと言えます。サービスに必要なコストを企業努力で吸収する時代はもはや終わりました。サービスによる恩恵を享受するならそれなりの対価を支払え、という考え方が、他のネットサービスと同様に家計簿アプリにも拡大してきただけのことです。ただ、すでに有料プランに加入しているユーザーの要望には、もっと迅速かつ誠実に対応していただきたいものですな。例えばこの件とか。

    2022/11/01

    マネーフォワードMEが競合製品と認識している家計簿アプリとは

    _マネーフォワードMEのアプリは、ユーザーにしばしばアンケートを求めてきます。回答してもユーザー側にはメリットらしきものが無く、筆者としてはむしろ「どんな設問をしてくるのか?」という点が興味深いので回答するようにしています。

    _最近のアンケートはプレミアムサービスに関するもので、その中で筆者が注目したのは↓の設問でした。

    マネーフォワードMEが競合製品としているらしい家計簿アプリ

    _Moneytree(←リンク先は当ブログの関連記事です。以下同様),Zaimはいわゆるアカウントアグリゲーションサービス(AAS)を備えたオンライン家計簿サービスの老舗としてライバル視されるのは当然。OsidOriも新興ながらAASを備えた有力な競合製品です。らくな家計簿 は、AASを備えていないものの全世界で1000万以上DLされており、筆者としても有力な家計簿アプリと見ています。

    _しかし…シンプル家計簿(これはマネーフォワード側ではMoneyNoteのことを指しているつもりなのでしょう)が天下のマネーフォワードMEの競合製品足り得ているか?と見ると、リストアップされているのが不思議です。レシーピは何となく判るんですがね。

    _そして謎を極めるのが「すぐ家計簿」。当Blogで名前が挙がったことは無く、Google Playで検索しても、最終更新は2017年3月13日で、本日時点ではすでに配信されていません(iOS版は配信されています)。マネーフォワードの運営は一体どういう意図でこれを挙げたのだろう…

    _ちなみにOne Stockは、野村證券とマネーフォワードが提携して開発した資産管理アプリで、筆者としては おかねのコンパス と似たようなものだろうと思って、これまで取り上げておりませんでした。自分たちが他社と連携して開発したアプリを競合製品に挙げるというのもおかしなものでしょう。


    _このように、家計簿アプリはアンケートひとつ取っても非常に面白いことが起こる世界です。これで回答者にもう少しメリットを享受させてくれればありがたいのですがね…

    2022/10/29

    最近、ボランティア活動ってものを始めまして

    _当Blogもボランティア活動のようなものではありますが、 リアルでもやってみたくなりまして、近所にある地域コミュニティサロンで開かれているパソコン教室の先生を体験させていただく機会がありました。

    _生徒さんはコミュニティサロンの常連的な方々(高齢者が中心)で、カリキュラムがあるわけではなく、時間になるとそれぞれ自分のPCを持ち込んで、自分がやりたいことを好き勝手に始めます。その中で判らないことが出てきたら先生を呼んで対処法を教えてもらう…という形式です。

    _ところがまあ、皆さんのニーズは結構レベルが高く、例えば、書類の全ページをスキャニングしてデータ化したいとか、CDをリッピングしたデータをiPhoneに入れたいとか、年賀状作成ソフト(もうそういう季節です)をインストールしたいとか… 一回手順を教えたぐらいでできるような中身ではないことばかりです。

    _よくよく聞いてみれば、実際、手順を教えても大抵は再現できないので、結局「やってあげる」という形になってしまうそうで…それでも出来なかったことが出来たときに大いに喜んでもらえたのは素直に嬉しかったです。

    _しかし…スマホではできないニーズが多く、だからこそパソコン教室は盛況であるものの、その原因は、今のPCと周辺機器が初心者が使えるものには全然なっていないことにあります。例えば、生徒さんが持ち込んだスキャナプリンタを、教室内の無線LANネットワークに接続するだけでも大騒ぎです。アクセスポイントがどこにあるのか探し出して、AOSSのボタンを叩いて接続待ちになっている間にスキャナプリンタ側を操作して…これでも昔に比べればかなり楽にはなってますけど、それでも「そういうことをしなければならない」ということを理解してもらうのは大変です。

    _また、厄介なのが、しょっちゅう出てくる、ポップアップでの通知やガイダンス! これが初心者の皆さんを大いに惑わせます。ほとんどは無視してよいのに、ポップアップの目的からして注意を引くようになっているので気が散ってしまうのです。「ああ、これは無視していいですよ」と何度繰り返したか…

    _体験したのはたかだか数時間。充実感はありましたが、正直くたくたになりました。お一人お一人に対応する時間が長くなる(しかも不定)ので順番待ちが発生してしまい、一息入れる余裕が無く、明らかに先生側が不足している…読者の皆さんも、ぜひ体験してみては如何でしょうか。運動量はかなりのものですよ。

    2022/10/16

    MFFマクロV2.40 控えめに登場 マネーフォワードMEのデータの変換に関する仕様変更

    _MFFマクロの導入法と使用法 のページにてソースリストを公開しています。変更点は、

    1. Dr.WalletのデータをMFF形式に変換する際、Dr.Wallet側の「ショップ名」欄の文字列をMFF形式の店名欄に二重に書き込んでしまうことがあるバグを修正した
    2. ワークシート上のデータをMFF形式に変換する際、エラー状態のセルがある場合にデータファイルをMFFマクロで読み直すことをユーザーに提案する機能を廃止した
    3. マネーフォワードMEからダウンロードしたデータにおいて、ID欄のセルがエラーを起こしている場合は無視して、MFF形式のID欄を空白にするようにした
    4. MoneyProが、インポートするファイルの名前に全角文字が入っていると、インポート時にアプリがクラッシュするようになってしまったため、デフォルトの出力ファイル名を"MoneyProImport.csv"に固定した

    _2022/08/31 マネーフォワードMEからDLしたCSVファイルのID欄に記号が入って困る件の朗報とは言えない続報 で報告しましたが、マネーフォワードMEが出力するデータファイルには深刻な問題があります。これまで、Web版からDLしたデータについてはMFFマクロ側でそれをフォローしてきましたが(↓の画面例)、AndroidアプリからDLしたデータについてはお手上げの状態になってしまったため、方針を転換して積極的な対処を取り止めました。

    マネーフォワードMEからDLしたデータをMFF形式に変換する

    _MFFマクロV2.40以降の動作は↓のようになります。J11セルに入っているID欄の文字列にの先頭にマイナス記号が入っているために、Excelはこれをセル参照の式として解釈しようとしてエラーを起こしています。このようなセルの情報は無視してMFF形式への変換を行うようにしました。

    _この仕様変更の副作用としては、このデータを変換後、IDを使って重複取り込みを防止する機能を有する家計簿アプリ(例えばマイクロソフトマネー)にインポートする際には、重複していることを検出できなくなるケースが発生します。まあ、発生頻度は稀ではありますが…

    マネーフォワードMEのエラーを含むデータへの対処を変更した

    _当Blogとしては、マネーフォワードMEのデータは

    • Web版の家計簿画面からCSVファイルをダウンロードする
    • Excel上で空のワークシートを開いた状態でMFFマクロを起動
    • MFFマクロのファイル選択ダイアログで読み込むファイルを指定する
    • データが自動的にMFF形式に変換される

    _という手順で取り扱うことを激しくお奨めします。

    _アプリ版からDLしたデータには、どういうわけか途中にTabが含まれることがあり、データの区切りの認識が狂うという問題も発見しています。こりゃ相当な難物だぞ…


    _また、2022/09/20 Money Pro突然死の原因はどうやらインポートするファイル名に2バイト文字を入れていることにあるらしい の対処として、MFFマクロが出力するMoneyProインポート用ファイルのデフォルトの名称に全角文字を入れないようにしました。


    _あまりパッとしないバージョンアップで恐縮ですが、特に上記の2.と3.は重要な仕様変更であるため、MFFマクロのバージョンアップの手順により、ユーザー各位の環境におけるマクロプログラムを更新していただきますよう、お願いします。

    2022/10/09

    2023年の家計簿が売り出されました

     _最近は書店という存在そのものが非常に貴重になっておりますが、先日店頭を観察しておりますと、来年の家計簿が売りに出されていました。

    2023年の家計簿が売り出されている

    _これだけ家計簿アプリが普及していても、やはり紙ベースの家計簿の需要は底堅いようです。

    2022/09/24

    MFFマクロの操作マニュアル のページを新設しました

    _MFFマクロは、さまざまな機能を有しているにもかかわらず、これまでそれぞれの機能を個々に解説しているだけで「どんなときに、どんなことをすると、どうなるのか?」という総合的な説明を怠っておりました。先日の 2022/09/10 Dr.Walletのレシートデータを「らくな家計簿」にインポートすると順序が変わってしまう謎を解く からの連載でその問題に気づかされまして、今回、固定ページに追加いたしました。ぜひご参照ください。

    2022/09/20

    MoneyPro突然死の原因はどうやらインポートするファイル名に2バイト文字を入れていることにあるらしい

    _2022/09/19のMoneyProにCSVファイルをインポートしようとすると突然死するようになった件ですが、Money Pro開発元のiBear.LLCとメールをやり取りしている間に、原因らしきものを発見しました。

    _iBear.LLCに、インポートしようとしたCSVファイルを送る際に、日本語入りのファイル名だと相手側が迷惑するかもしれない、と考えてファイル名を1バイト文字のみにして送ったのですが、「もしかすると…」と思いついてそのファイルをMoneyProに取り込んでみますと…突然死は起きませんでした。

    _MoneyProは、インポートの際に、CSVファイルのデータ列の割り付けを指定するダイアログを出してきます。最初の1列目の割り付け指定のダイアログの段階ではファイルは読めています。しかし、ここで【次へ】ボタンを叩くと…MoneyProはここでもCSVファイルを読みに行くようでして、第2列目の割り付け指定のダイアログを出す前に突然死していたわけです。

    _つまり、第2列目以降を割り付ける際にCSVファイルを読み込むプログラムに問題がありそうです。しかも、これはV2.7.5では発生していなかった(2021/01/07 MoneyProの目標管理機能ってナニ?で確認済み)ので、それ以降のバージョンでエンバグしたものと考えられます(【2022/10/16追記】:開発元からは「そのあたりはいじっていない」と否定されましたが)。

    _現在、これらの情報を開発元に提供して対処を待っています(【2022/10/16追記】:打ち切りました)。が、MFFマクロがMoneyPro向けに出力するCSVファイルのデフォルトのファイル名に全角文字を入れないように対策する必要はありそうです。当面は、ファイル名指定のダイアログでユーザー各位が修正してください。→MFFマクロV2.40で対処しました。

    _ところで、CSVファイルを読み込むプログラムが改変された、ということは…2020/10/11 MoneyProアプリのV2.5.4バージョンアップでも不具合は解消せず で指摘した「CSVファイルインポート時に、収入取引のデータにカテゴリーを指定してもまともに取り込めない」というバグが修正されたのか? と一瞬期待しましたが、それは修正されていないままでした。残念~!

    _【2023/07/09追記】:これらのバグはV2.8.35(?)で解消されましたので、MFFマクロV2.43で対応しました。

    2022/09/19

    MoneyProにCSVファイルをインポートしようとすると突然死するようになった件

    _すでにTwitterで速報した内容ですが…

    _MoneyProのWindowsアプリ版にデータをインポートする方法については、これまでに以下の記事でご紹介してまいりました。

    _その後、個人的にいろいろありまして、しばらくMoneyProを触っていなかったのですが…先日、久しぶりにデータをインポートしようとしたら、とんでもない事態になっておりました。

    _インポートするCSVファイルを指定すると「第一列は日付なんだな?」という意味のダイアログが出てくるまでは良いのですが、ここで【次へ】ボタンを叩くと、アプリが突然死するのです。本来は「第二列はカテゴリーなんだな?」という意味のダイアログに移行するはずです。

    MoneyProにCSVファイルをインポートしようとすると突然死するようになった

    _なお、インポート用CSVファイルの列の並びが影響しているのか?と考え、配列を何通りか変えてインポートを試しても、必ず2列目の割り付けを確認する前の段階でアプリが落ちます(ダイアログが消えるのではなく、メインウィンドウもろとも消えてしまう)

    _現在のMoneyProのバージョンは↓V2.8.31。いつからこうなってしまっているのかは不明ですが、少なくともV2.5.4V2.7.5ではこの症状はありませんでした。

    MoneyProのバージョン情報

    _なお、2020/05/31 MoneyProにOFXファイルを取り込む方法 でご紹介したとおり、OFXでのデータ取り込みは可能ですが、凄まじい手間がかかります。CSVファイルで取り込めないとなるとMoneyProは死んだも同然。しかも、かつてできたことができなくなるというのは論外の外の靴の裏です。

    _MoneyPro開発元のiBear.LLCには日本語版公式サイトの連絡フォームを通じて通報しましたが、果たして言わんとすることが通じるだろうか…

    _【2023/07/09追記】:このバグはV2.8.35(?)で解消されましたので、MFFマクロV2.43で対応しました。

    2022/09/18

    Dr.Walletのデータを、順序が変わらないように「らくな家計簿」にインポートする方法を検討する(後篇)

    前篇では

    • 「らくな家計簿」にカテゴリ構成を設定(収入分類として「値引き分」を追加)
    • ACF機能で使用する設定ファイル"らくな家計簿カテゴリーリスト.csv"を作成
    • Dr.WalletのデータをMFF形式に変換し、値引きに相当するデータのカテゴリを「値引き分」に修正

    _ここまでの手順を解説しました。今回の後篇では、

    • ACF機能を使って費目と口座名を変換
    • MFFマクロで「らくな家計簿」にインポートするTSVファイルを出力
    • 「らくな家計簿」で一括確定させてデータを取り込み

    _と進みます。

    4.ACF機能による費目と口座名の変換

    _データが再びレシート単位に並んだら、次に「値引き分」以外の費目を「らくな家計簿」と一致させる作業を行います。D1セルのプルダウンメニューで「らくな家計簿」を選択し、D1セルの中身が「らくな家計簿」に変わったら、セルカーソルをD1セルに合わせたままACF機能を動作させます。

    らくな家計簿を対象にACF機能を動作させる

    2022/09/17

    Dr.Walletのデータを、順序が変わらないように「らくな家計簿」にインポートする方法を検討する(前篇)

    _前回の 2022/09/10 Dr.Walletのレシートデータを「らくな家計簿」にインポートすると順序が変わってしまう謎を解く では、

    • (データ出力元)Dr.Walletは、商品の価格を負の値、値引き額を正の値として同じカテゴリに計上するようにレシートデータを入力するようになっている
    • (データ入力先)らくな家計簿は、データをインポートする際に、アプリに未登録の資産・分類(カテゴリ)を含むデータがあった場合はその場で追加・修正をして、支障が無くなったデータから順次確定させることができる

    _以上の二点を見出しました。

    _このような両者の仕様が絡まって、Dr.Walletのデータをそのまま らくな家計簿 にインポートしようとすると、

    • らくな家計簿に、支出・収入に同じ名称の「分類」(カテゴリ)ができる
    • らくな家計簿にインポートする際、確定させた順序によりレシートデータの並びが変わる

    _という事態が発生するわけです。

    _本件におけるユーザーHさんの要望は「Dr.Walletのデータを『らくな家計簿』にインポートする際に、同じ日の異なるレシートのデータが混ざって並んでしまうのをなんとかしたい」というものでした。今回はその方策を検討します。

    1.らくな家計簿側の準備

    _まず…らくな家計簿側の分類(費目のこと)構成を変更します(もちろん、その前に全データを初期化しておきます)。 「らくな家計簿」の費目構成は突っ込みどころだらけであり、また、Hさんは「ファイナンシャルプランナーが作った家計簿」(以下、FP家計簿)のデータも「らくな家計簿」に取り込むことを望んでおられるので、今回の例ではFP家計簿のカテゴリ構成に合わせます。

    _なお、らくな家計簿は大分類の下に小分類を設定することができますが、今回はその機能はOFFにして、FP家計簿の「費目」のみのカテゴリ構成とします。また、Dr.Walletのデータに含まれる値引きを正しく記帳するため、収入分類に「値引き分」を追加します。

    らくな家計簿の分類構成をFP家計簿に合わせる

    2022/09/10

    Dr.Walletのレシートデータを「らくな家計簿」にインポートすると順序が変わってしまう謎を解く

    _皆様こんにちは。

    _7月から、Hさんという読者の方から「Dr.Walletのデータを『らくな家計簿』にインポートする際に、同じ日の異なるレシートの内容が混ざってしまうのをなんとかしたい」というご相談を受けておりまして、そのニーズに応えるための研究を重ねてまいりました。

    _当初、筆者はMFFマクロの動作に原因があるのか、と考えてマクロを改修(2022/08/07 MFFマクロV2.38出現)しましたが、実は残念ながらこれだけでは解決しませんでした。

    _結論から言えば、これは Dr.Wallet と らくな家計簿 の両者の仕様が絡み合った結果生じていた現象だったのです。その内容と解決策について、これから数回の連載で解説します。

    1.Dr.Walletのデータを変換する

    _Dr.Walletからダウンロード(その方法は 2020/09/12 Dr.Walletのデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法 を参照)したデータを抜粋したものを↓に示します。同じレシートに記帳されているデータに対しては同一のレシートIDが付与されていることが判ります。

    Dr.Walletからダウンロードしたデータ

    _↑のデータをExcelで開いた状態でMFFマクロ(V2.38以降)を動作させると、MFF形式に変換されます↓。V2.38から、ID欄に入るレシートIDの枝番の振り方を"-NNN"のように改善しております。データの順序はこの時点では変わっていません。

    2022/09/05

    MFFマクロのバージョンアップ手順の解説を固定ページに追加しました

    _固定ページ「MFFマクロのバージョンアップの手順」を新設しました。MFFマクロは頻繁にバージョンアップを行っているのに、これまで、導入済の環境においてどうやってVBAプログラムをアップデートするのか解説をしておりませんでした。大変申し訳ございません。今更ながら説明を付け加えましたので是非ご覧ありたく。

    2022/09/03

    MFFマクロV2.38の便利機能:「MFF形式データの比較」について

    _今回は、MFFマクロV2.38で新設した便利機能「MFF形式データの比較」についてご紹介します。二つの家計簿アプリから取り出してMFF形式に変換したデータを比較し、お互いに存在しない(日付・金額が一致しない)データを抽出して、残高不一致等の原因を調査する機能です。当Blogの主題が「家計簿アプリ間のデータ変換」にある以上、データ変換の結果が一致しているかどうかを確認するツールは必要かと思いまして作成しました。

    1.比較するMFF形式データを準備する

    _サンプルとして↓のようなデータを準備します。このデータはExcelブックの第一ワークシートに配置します。

    MFFデータ比較ツール解説用元データ

    _次に、比較対象のデータを第二ワークシートに配置します↓。第一ワークシートのデータとの差異は、

    • 4行目、8/12の459円の買い物の内容欄(シェービングクリーム)が空になっている
    • 7行目、8/12の120円のペットボトルの支出額が120円ではなく150円になっている
    • 第一ワークシートの11行目にあったチケットショップでの売却益のデータが抜けている
    • 16行目、8/11の「富士山のおいしい水」が"72明細分離用"口座からではなく"71給与振込用"口座からの支払いになっている

    _の4か所です。赤文字は、判りやすいように筆者が色を入れました。

    MFFデータ比較ツール解説用比較対象データ

    2.MFFマクロの便利機能を動作させる

    _Excelの操作を第一ワークシートに戻し↓、F1セル("COMMAND"が入っている)のプルダウンメニューから"MFF形式データを比較"を選択。セルカーソルをF1セルに合わせたままMFFマクロを動作させると、↓のようなダイアログが出現します。なお、ここでキャンセルするような機能は設けていません。この機能は、ただセルに黄色を塗るだけで、データそのものは何もいじらないからです。

    _なお、この機能で比較するのは日付・支出・収入欄のみです。

    第一ワークシートの元でMFFマクロを動作させる

    3.データ比較の結果

    _まず、第一ワークシート側の結果を解釈しましょう。

    • 7行目、ペットボトル130円のデータに黄色が塗られていない。これは、このデータが比較相手(第二ワークシート)に無いことを示している。第二ワークシートではここは150円になっているから。
    • 11行目の売却益も同様。このデータはそもそも第二ワークシートから抜けている。
    第一ワークシートの比較結果

    _次に第二ワークシートの結果を解釈します。

    • 4行目の日用品459円は第一ワークシートではシェービングクリームを買ったことになっているが、第二ワークシートでは内容欄が空になっている。しかし、内容欄は比較対象ではなく、日付と金額は合っているので黄色に塗られている
    • 7行目のペットボトルは第一ワークシートでは130円のところ、こちらでは150円のため「第一ワークシートには無いデータである」として黄色を入れていない
    • 16行目は、第一ワークシートが"72明細分離用"口座、第二ワークシートでは"71給与振込用"口座からの支払いになっているが、口座名も比較対象ではないので黄色を入れていない

    _このように、日付と金額についてのみ、比較相手のワークシートに存在しないデータに「黄色を入れない」という形で比較結果を返すようにしています。

    第二ワークシートの比較結果

    _なお、この便利機能は…二つのデータの順序が狂っていても正しく動作します。ただし、実行速度はかなり遅く、データ量が多いほどより実行時間がかかります。原始的な手順で処理を行っているためですが、まあ頻繁に行う操作ではない、ということでご容赦ください。

    2022/08/31

    マネーフォワードMEからDLしたCSVファイルのID欄に記号が入って困る件の朗報とは言えない続報

    _2022/08/24 マネーフォワードMEがアプリからのCSVファイル出力機能を新設 で述べた件ですが…

    _筆者から運営側にお伝えしたのは

    • UTF-8でエンコードされているのでExcelで開くと文字化けする(それはそれで対処法はあるんだけどさあ)
    • 他の方法で読み込んだとしても、ID欄の先頭に記号が入っていると、Excelが式として解釈しようとして失敗しエラーになるので、マクロで処理する際に途中で止まる
      →ID欄に記号を入れないようにして!

    _の二点。

    _前者に対しては、8/29に、アプリからDLしたファイルがBOM付のUTF-8エンコードとなったことでExcelで正常に開くことができるようになりました(WebサイトからDLしたCSVファイルのエンコードはShift-Jisで変更なしです)

    _しかし、後者に対しては対応がなされず、再度運営側に要望したものの

    >今後の対応について検討してまいります。

    _ということでございました。

    _うぬう… ID作成のハッシュ関数の変更をするだけなのに、Dr.Walletができていて、天下のマネーフォワードMEができないほど難しいのかこれは…?

    _本件に関する当Blogの対応はこちらです。

    2022/08/28

    今更ながらTwitter始めました

    たこぶつの家計簿アプリ研究所@takobutsu2 にて、当Blogの更新情報と、ここに掲載するほどでもない情報や雑感等を呟きます(Bloggerは記事をアップするハードルが高いので…)。筆者へのお問い合わせやご要望等は引き続き当Blogの連絡フォームからお願いします。

    2022/08/24

    マネーフォワードMEがアプリからのCSVファイル出力機能を新設

    _これまで、マネーフォワードMEはWebサイトからしか入出金履歴のCSVファイルをダウンロードできませんでしたが、先日2022/08/22にリリースされたAndroidアプリVer15.9.0では、アプリからのCSVファイルダウンロード機能がサポートされました。

    _↓の②の画面の文中で「Ver.15.10.0から」とあるのはVer.15.9.0の間違いのようです。

    _↓の④の画面でダウンロードが終わった後は、Androidの標準共有メニューにより、クラウドストレージやメール、SNS等の方法でファイルを外部に送信できます。

    マネーフォワードMEがアプリからのCSVファイル出力機能を新設

    _Webサイトからは、データのダウンロードは1か月単位で、Shift-JisエンコードのCSVファイルもしくはExcelファイル(.xls)が選択できましたが…アプリからのダウンロードは1年単位で、UTF-8エンコード(改行コードはLF、BOM無し)となっており、仕様が大きく異なっています(データの形式そのものはWebサイトと同じです)

    _そのため、アプリでダウンロードしたCSVファイルをExcelで直接開くと文字化けします。このデータをMFF形式に変換するには、空のワークシート上でMFFマクロを動作させ、データ変換するファイルを選択して、MFFマクロ自身にファイルを読み込ませなければなりません(MFFマクロの導入法と使用法を参照)。

    _しかし…「ID欄に、Excelが式と解釈しようとしてエラーになる文字列が含まれる」という、以前からのマネーフォワードMEの問題点は変わっていないのです。↓の画面ではJ12セルに"-"で始まる文字列が入っており、Excelはこれを式と解釈しようとして失敗し(だから"-"の前にさらに"="が付いている)エラーを返しています。

    マネーフォワードMEのアプリからDLしたデータにエラーが含まれている

    _このエラーを内在したままのワークシートをMFF形式に変換しようとしても、MFFマクロは途中で止まってしまいます。エンコードがShift-Jisであればこの問題を回避する手段はあり、MFFマクロにも実装しておりましたが、エンコードがUTF-8になったことでその手段は使えなくなりました。この問題を解決するのはかなりの労力を要するため、当面、当BlogではマネーフォワードMEアプリから出力したCSVファイルへの対応は見合わせます。

    _また…本来はExcelに読み込ませることを想定した機能であるのに、Excelに読み込ませたらエラーになるようなデータを吐き出す、というマネーフォワードMEの仕様には大きな問題があります。取引データにIDを付ける機能はDr.Walletにもありますけど、そちらではこんな問題は起きないのです。そこで、ID欄に入れる文字列に記号を含めないように、マネーフォワード運営側に要望を出しました。

    2022/08/18

    シンプル家計簿MoneyNote(3/3) データ変換篇

    ←前回の記事:シンプル家計簿MoneyNote(2/3)


    _今回は、MFFマクロV2.39を使用して、シンプル家計簿MoneyNoteのデータをMFF形式に変換する方法の解説です。

    1.MoneyNoteからCSVファイルを出力する

    _MoneyNoteのホーム画面下部の【その他】メニュー内にある【PC用データの出力】を叩き、データ出力機能にアクセスします。文字コードをUTF-8とShift-Jisから選ぶことができますMFFマクロはどちらにも対応していますが、ここではUTF-8を選択します。改行コードはLFで、BOMはありません)。なお、出力先はスマートフォン内部のフォルダですが、クラウドストレージで同期しているフォルダを選択すれば手間をかけずにCSVファイルをPC側に持ち出すことができます。↓の例ではDropboxの「モバイルアップロード」というフォルダに出力しています。

    _デフォルトのファイル名は、komorebikakeibo_daily_YYYY_MM_DD.csv のように出力した日付に基づいて命名されます。つまり、同じ日に同名のファイルを同じフォルダに出力すると重ね書きすることになるわけですが、(筆者のスマホでは)それをすると出力したファイルの中身が空になるという不具合が発生するため、出力するたびに手動で(↓③の画面で)ファイル名を変えています。

    MoneyNoteからCSVファイルを出力する

    _なお、以前の記事で、MoneyNoteはレポート機能にメモ欄をキーワード検索して抽出したデータをCSVファイルとして出力できる、とご紹介しましたが、その場合のファイル名はkomorebikakeibo_daily_YYYY_MM_DD_7125874894898427103.csv のように訳のわからない数字列が付加されるようになっています。

    2022/08/17

    シンプル家計簿MoneyNote対応 MFFマクロV2.39登場

    ←シンプル家計簿MoneyNoteに関する前回の記事


    _MFFマクロV2.38の新機能の解説もしないうちに、V2.39を公開することにしました…筆者はどうもMoneyNoteって家計簿アプリを気に入ったようでして、善は急げってやつです。

    _マクロの導入法と使い方については例によって例のページをご覧下さい。

    MFFマクロV2.39の動作概念図

    _Moneylookが↑動作概念図から消滅して、直後に新たな家計簿アプリを見出しました。ネタが尽きそうで尽きないのがこの分野の一大特徴ですね。

    _次回は、先にMoneyNoteのデータをMFF形式に変換する方法の解説をアップする予定です。V2.38で新設した「便利機能」の解説はもうしばらくお待ち下さい。



    2022/08/16

    シンプル家計簿MoneyNote(2/3)

     ←前回の記事:シンプル家計簿MoneyNote(1/3)

    3.入力ユーザーインタフェース

    _シンプル家計簿MoneyNoteの入力ユーザーインタフェースは、アプリ名称どおり、極めてシンプル。口座という概念を排したことでプルダウンメニューのようなUIを避け、カテゴリーも一階層のみなのでアイコンをタップするだけで選択できます。金額入力の場面のみ、電卓モードか電話モードかを選ぶことができますが…フツーは電卓モードですね(キーの文字が小さいのが残念)。また、日付はカレンダーで選択する方式であり、ドラムロールUIを使ったアプリより格段に優れています。

    _ただし、欠点もあります。Google Playのユーザーレビューにもありましたが、収入を記帳するつもりが支出で記帳していて「いけね!」と咄嗟にモードを切り替えると、それまで入力してあったメモ欄や金額がパーになってしまう、というものです。ここは改善が必要。MoneyNoteは自由記入できるのがメモ欄しかなく、かなりの情報量を書きこむことになります。苦労して入力した情報が一瞬の操作ミスで消滅する、というのは切なすぎますからね。

    MoneyNoteの入力UI

    _で、そのメモ欄ですが…

    _当Blogとしては、後述するようにMFFマクロで他の家計簿アプリにデータを持ち出す場合に備えて、(口座名/)(内容)(@店名)(※備考)の形、いわゆる拡張MFF書式で記帳することを激しくお薦めします(()内はいずれも省略できます)

    _また、MoneyNoteの稀有な仕様として「メモ欄の中に改行を入れることができる」というのがありますが、これは絶対にやってはいけません。改行を含んだデータをCSV出力するとそこでデータ構造が崩れて、それ以降の情報が欠落することになります。

    2022/08/15

    シンプル家計簿MoneyNote(1/3)

    _2022/08/14の記事で予告しましたとおり、シンプル家計簿MoneyNoteの連載を始めます。

    _スマートフォンにインストールするとアイコン名は「家計簿」とだけ表示されます。MoneyNoteにすればいいのに…

    1.カテゴリ構成

    _いきなりですが、カテゴリ構成からご紹介します。「シンプル家計簿MoneyNote」のホーム画面はすなわち入力画面なのでカテゴリ構成は直感的に把握できます。シンプルを標榜しているので一階層のみです。

    MoneyNoteのホーム画面とカテゴリ構成

    _カテゴリのカスタマイズは↑の【編集する】ボタンを叩いて行います。追加・削除(左にスワイプする)・名称変更・順序変更(右側の4本線をロングタップして動かす)・アイコン変更・カラー変更が可能。特にカラーの選択は重要で、後述するグラフの色がここで決まります。

    MoneyNoteのカテゴリのカスタマイズ画面

    _なお、MoneyNoteには口座の概念が無く、基本的にできるのは収支管理のレベルです。よって、口座間の振替取引も記帳できませんし、する意味もありません。

    2022/08/14

    シンプル家計簿MoneyNoteに親しむ

    _現在、MFFマクロV2.38の解説記事を先送りにして、Android家計簿アプリ「シンプル家計簿MoneyNote」に取り組んでおります。

    _実は以前にもスマホにインストールしたことがあるのですが、その際はアプリがしょっちゅう落ちるために印象が悪く、当Blogで取り上げることは無いだろうと思っておりました。しかし、久しぶりにGoogle Playのレビューを見ますと、そんな記述は見られず、むしろ評価は高い…

    _そこでもう一度挑戦してみたところ、このアプリは「シンプル家計簿」と銘打ってはいるものの、名前どおりなのはデータ項目だけで、機能的にはけっこういろんなことができ、意外に奥が深そうです。データをCSVファイルとして出力する機能も実装されており、MFFマクロの機能増強も考えております。もしかするとV2.38の解説をアップする前にV2.39を公開することになるかも…結構間抜けだ…

    _今後の展開にご期待ありたく。

    2022/08/13

    マスターマネー6やマイクロソフトマネーのような古いPC家計簿アプリはWindows11でも動作するが特殊な設定が必要

    _このたび遅まきながらPCをWindows11の新型機に更新しました。

    _以前「マスターマネー6はWindows11でも動作するのか?」というお問い合わせをいただいており、「開発元たるPLATOのホームページでは使えることになっている」とお答えしたままでしたが、筆者自身で大昔のマスターマネー6のファイルを使ってインストールしたところ、アップデートのパッチがサーバ経由でインストールされ、無事動作することを確認できました。

    _また、卒業しようとして何度も挫けた「マイクロソフトマネー」についても、保存しておいたインストールファイル(参考:2022/01/17 マイクロソフトマネー Microsoft Money Sunset Deluxe の入手方法を使ってインストールを試みたところ、既存のデータファイルにアクセスする設定に手間取ったものの、とりあえず稼働はできています。

    _ただし、両方とも開発時期が古いので高解像度画面には対応しておらず、フォントが見づらくなります。2020/07/25 マイクロソフトマネー、マスターマネー等のPC家計簿ソフトを高解像度ディスプレイで活用する でご紹介したような設定が必要です。この記事はWindows10での設定について述べておりますが、Windows11でも大体同じですので、ぜひお試しください。

    2022/08/12

    カナヘイの家計簿ストーリーとふれあう(後篇)

     前回の記事:←2022/08/11 カナヘイの家計簿ストーリーとふれあう(前篇)

    3.入力ユーザーインタフェースは少々残念

    _「カナヘイの家計簿ストーリー」の入力欄は、支出/収入の別と、日付・金額・カテゴリ・メモのみ。自由記入できるのはメモ欄のみです。メモ欄は妙な文字数制限は無いようで、途中で改行もできます。

    _金額の入力は電卓で行いますが、この電卓がこれまたかなりクセが強く、フツーはこういうふうに動くだろう、という動作をしてくれません。例えば、すでに123円と入力されている金額を125円に修正しようとしているとすると、電卓に123が入力された状態から操作が始まります。そこから数字キーを1・2・5と叩いたら、フツーはすでに入っている123をクリアして125が入りますよね? ところが、この電卓はなんと123125と入力されるのです。

    _この動作はかなりがっくりしました。最近まで連続計算ができなかったという話もあるので、まだまだ改良の余地があります。

    カナヘイの家計簿ストーリーの入力画面

    2022/08/11

    カナヘイの家計簿ストーリーとふれあう(前篇)

    _今回から「カナヘイの家計簿ストーリー」を取り上げます。100万DLを越える人気家計簿アプリですが、残念ながら当Blogの主題であるデータのインポート/エクスポートはできないので、使い勝手の面のみのレポートとなります。

    1.ホーム画面など

    _↓の画面のとおり「ピスケ&うさぎ」のかわいいイラストと、手書き風のフォントが特徴的です。また、このアプリの最大の特徴が、データを記帳していくにつれて「おはなし」という要するに紙芝居を見ることが出来る、という点です。家計簿が続かないユーザーに対するインセンティブとしては、2021/10/16 マネーフォワードMEのバッジ vs オカネレコのレコパス で述べたようなものがありますが、こういう方法もあるんですね。

    カナヘイの家計簿ストーリーのホーム画面など

    2022/08/07

    MFFマクロV2.38出現

    _2022/05/03 MFFマクロV2.36公開「ゆう子の家計簿」との入出力に対応しました から3か月ぶりのマクロ更新です。ソースリストと導入方法については例によりまして MFFマクロの導入法と使用法 のページをご覧ありたく。

    _更新の内容は以下のとおりです。

    MFFマクロV2.38に新設した「便利機能」
    • F1セルに「便利機能」のプルダウンメニューを新設し、家計簿データ変換以外のデータ処理を実行できるようにした。V2.38で実装したのは以下の二つのコマンド。
      • レシート単位でソート(←詳細はこちら):ユーザー要望により、Dr.Walletからエクスポートして変換したMFF形式データに対して、日付降順・ID昇順でソートする便利機能。同じレシートのデータがバラけずに他の家計簿アプリにインポートできるようにした。
      • MFF形式データを比較(←詳細はこちら):第一・第二ワークシートのMFF形式データで日付・口座・金額が一致するデータに黄色を塗るツール。異なる家計簿アプリのデータが残高不一致となる原因を探索するために使う。
    • Dr.Walletからエクスポートしたデータに対し、同じレシートIDが連続する場合にIDに通し番号を付加する機能を設けていたが2020/09/12 Dr.Walletのデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法 参照)、ソートすると正しく整列されないことが発覚し、"-001"のように、マイナスの後に三桁の数字を付加するように改良した。また、レシートの先頭のデータに通し番号を付けていなかったのを付けるようにした。

    • データをエクスポートする際に対象期間を指定できない家計簿アプリ向けに、MFFマクロ側でデータ変換する対象期間を指定する機能を設けていたが、高速化のために、事前に日付でソートして対象期間の前後のデータを一挙に削除する方式を採用していた。しかし、MFFマクロが勝手にデータの並びを変えるのは好ましくないため、日付ソートをせず、各行の日付と抽出対象期間を比較してちまちま削除する方式に戻した(V1.81以前の方式に先祖返りすることになる)

    • MoneyLookの一般消費者向けサービスが終了したに伴い、MoneylookからダウンロードしたデータをMFF形式に変換する機能(2022/03/03 MoneyLookから出力したCSVファイルの明細データを家計簿アプリ向けに変換する方法 参照)を削除

    _この新バージョンの動作については、また改めて解説します。

    _Moneylookからのデータ変換機能を削除したことで、動作概念図も縮小することになりました。当BlogのタイトルヘッダーからもMoneylookの文字が消えます。残念!

    MFFマクロV238の動作概念図

    2022/07/28

    そんなことを書いたら「まんがライフ」誌が休刊だって

    _前回、4コマまんが雑誌が手に入らないよ~ なんて記事をアップしましたが…

    _本日書店店頭で見て愕然としました。まんがライフ誌9月号の表紙に「38年間ありがとう」と大書されています。…実は、先月の8月号の次号予告で見開きいっぱいに「まんがライフは次号9月号をもちまして休刊いたします」と大書されていたのを見落としていただけでした。

    _連載作品の大半が姉妹誌の「まんがライフオリジナル」に、一部が「まんがライフWIN」に移りますが、一部はWebメディアに移ったり最終回を迎えたものもあります。

    _いやいや、泣けてきますな。これまで読んでいなかった「まんがくらぶ」に走るしかないのか…? まさかそちらも風前の灯火なんてことはないだろうな…



    2022/07/15

    4コマまんが雑誌が手に入らないよ~

    _筆者は「まんがライフ」「まんがタイム」「まんがホーム」等の4コマまんが誌を読むのが大好きなのですが、最近、この種の雑誌の入手が大変困難になってまいりました。

    _通勤経路として使っている某駅のエキナカから、4コマまんが誌を取り扱っている書店が姿を消したのです。ネットや電子書籍の普及で、リアルの書籍・雑誌類が商業上苦しい立場に立たされているのはご承知のとおりですが、書店の消滅という形でその影響をモロに被ることになるとさすがに困惑せざるを得ません。

    _このテの雑誌を取り扱っているお店として次に考えられるのが、比較的規模の大きいコンビニ、ということになります。しかし…コンビニは、どういうわけか、複数ある4コマまんが誌のうち特定のものしか入荷しないケースが多く、「行けば必ず手に入るわけではない」という状況がまた不便を極めます。

    _イヤイヤながら電子版に移行するか? と考えても、思うに、4コマまんがほど電子書籍に向かないコンテンツも無いのです。ちょっと時間が出来たときに、ぱっと手に取って、目に入った作品を読む、というスタイルは電子書籍とは全く相容れません。

    _通勤の途上で、取り扱っている書店がある駅で降りて購入するしかないようです。最近、職場の移転で通勤時間が延びたのに、さらに時間を食うことになります。困ったもんだ。

    2022/07/12

    家計簿アプリを使いこなすなら足の速いスマホは必須

     _先日、スマートフォンを機種更新したわけですが、「なんでもっと早くやらなかったんだろう」と激しく後悔しております。

    _それまで使っていたスマホは6年前の機種でして、最新バージョンのAndroidや各種アプリを稼働させるにはどうにもこうにも力不足で、LINEのメッセージを確認するにも数十秒待たされるという体たらくでした。電池持ちも最悪で、朝出勤してから帰宅するまで充電無しというのはあり得ません。

    _そんな状態では、たくさんインストールした家計簿アプリも動作の足を引っ張るだけなのでほとんどアンインストールしており、過去にご紹介したアプリの最新動向も実は最近は全く追えていませんでした。

    _最近導入した機種は、これまでとは比べ物にならないほどサクサク動きます。電池持ちも大きく改善されて、こんなくだらないことでストレスを抱えていたのか…と、早く決断しなかった自分がアホに思えてきます。

    _当Blogの主題である家計簿アプリは、ユーザーのスマホ使用体験の中ではかなり大きな部分を占めるでしょう。そこでイラつかないためにも、足の速い機種を使うことが非常に重要です。PCが遅いのは我慢しても、スマホが遅いのは我慢してはいけません。それを思い知った機種更新でした。

    2022/06/20

    クレジットカードを鉄道等の自動改札機にタッチして運賃を直接決済する「オープンループ乗車システム」について

    _ネット上の記事で大変興味深いものを見つけました。オープンループ乗車システムはSuicaの地位を塗り替えるのか? という鈴木淳也氏の記事です。

    _オープンループとは、既存のクレジットカード等の決済システムを利用して別の決済システムを構築するもので、この場合は鉄道等の公共交通機関の運賃を決済する仕組みを構築するものを差します。その対語となるのがクローズドループであり、チャージから運賃引落しまでの全ての資金の動きを1つのシステム内で完結するものを差します。Suicaがその代表例です。

    _で、鉄道の自動改札機やバスの運賃収受機にクレジットカードをタッチして、直接的に運賃を決済する「オープンループ乗車システム」について述べているのが前述の記事というわけです。詳細についてはそちらをご覧いただくとして、筆者が興味があるのが「クレジットカードで運賃を決済した場合、履歴にはどれだけ詳細な情報が残るのか?」という点です。

    _Suica(およびモバイルSuica)の大きな欠点として、電子マネーとして買い物をした場合に、利用履歴に店舗名が残らず、全て「物販」となってしまう「物販の嵐」問題が挙げられます。しかし、ストアードフェアシステムとして利用した場合は「入 ○○○○ 出 ◇◇◇◇」のように入場した駅と出場した駅の名前がしっかり残るので、後でその日の行動を遡行するのに大変便利なのです。モバイルSuicaをサポートしたアカウントアグリゲーションサービスを利用すれば、そのまま家計簿データとして取り込むこともできますからね。

    _ただ、オープンループ乗車システムが普及するとなると…

    1. 鉄道会社等からクレジットカード会社に入場駅・出場駅の情報は渡されるのか?
    2. クレジットカード会社に入場駅・出場駅の情報が渡るとしたら…クレジットカード会社はその情報をマーケティングに利用するのか?

    _この2点が厄介事になりそうです。

    _1.については、鉄道会社(等)とクレジットカード会社の個人情報に関する縄張り争いに過ぎませんが、この争いにクレジットカード会社側が勝利したら…? クレジットカード会社は個人情報・決済情報(しかもかなり高額な範囲まで)を分析・活用する高度なノウハウを有しているところに、普段の公共交通機関の利用状況という非常に濃い情報を得ることになるわけです。こうなると、他の決済サービス(QRコード決済など)のライバルどころではない、強大過ぎる存在になるのではないかと思われるのです。

    _我が国では、SuicaをはじめとするFelicaベースの電子マネーが、(改札通過時の処理速度の関係から)当分の間は一定のシェアを維持し続けるでしょうが、電子マネーのシステムを維持するコストの大きさに耐えかねる動きもあります(例えば、広島電鉄は電子マネーからQRコードでの運賃決済に切り換えるそうです)。それと似た理由で、(すでに資金回収の仕組みを確立している)クレジットカード決済に乗り換える事業体も出てきそうです。たとえカード会社に手数料を払うとしても…

    _そうなったときに、当Blogの主題である家計管理にはどういう影響が出てくるでしょうか。上記の1.と2.が共にTrueとなったとき、クレジットカードの明細に入場駅・出場駅を含んだ情報が含まれるようになるのか…? 筆者の関心は、世間とはちょっと違った方角に向きます。こちらの動向も横目で睨んでおきたいものです。

    2022/06/19

    マスターマネーにもう一つカテゴリーのひな形がありました

    _WindowsPC用家計簿ソフト「マスターマネー」の初期設定のカテゴリー構成を紹介している記事に欠落があったことが発覚しましたのでフォローします。実は、個人事業主向けのカテゴリー構成をご紹介していませんでした…

    _当時のアホな筆者が「家計簿用途ではない」と判断して記載しなかったものと思われますが、家計簿ソフトの紹介記事としては不完全なままでした。お詫び申し上げます。

    2022/06/18

    らくな家計簿のデータインポート機能の動作が変わった

    _スマートフォンを機種変更した際にアプリの再インストールが発生したため、久しぶりに「らくな家計簿」を触る機会がありました。設定画面の右上に表示されているバージョンは4.6.18です。どうやら4.6に更新された際に、重要な仕様変更があったようです。

    _以前の 2020/11/30 他の家計簿アプリのデータをらくな家計簿向けに変換してインポートする の記事では、

    出力されたTSVファイルをメール等の手段でスマートフォンに送り、 ファイル操作アプリ等を使用して"/MoneyManager/import"フォルダに持ち込みます。

    _と手順を示しておりましたが、TSVファイル(↓の画面例の中では「Excelファイル」と呼んでいるもの)の格納先が"/Download"フォルダに変更されたのです(↓の③画面)。また、このフォルダでなくても、「らくな家計簿」側から格納先を指定できるようになりました(↓の④画面)。ちなみに②・④画面に表示されている"らくな家計簿import 全口座.txt"は、MFFマクロで「らくな家計簿」向けに出力したTSVファイルを"/Download"フォルダに格納したものです。

    らくな家計簿のインポートの動作が微妙に変わった

    _”/Download"は、例えばメールアプリで添付ファイルを保存するような場合に標準で使用されるフォルダです。上記の変更により、ファイル操作アプリという初心者には敷居の高いモノを使うステップが無くなりました。地味ですが大変喜ばしい重要な改良と言えます。

    2022/06/07

    結局Money in Excelは頓挫したらしい…2023年6月にサービスを停止

    _Microsoft、Excel向け財務データ管理機能「Money in Excel」を2023年6月30日で提供終了 という記事を目にしました。アカウントアグリゲーションサービスで取得した金融機関の残高情報・明細情報をExcelに直接取り込むという機能です。サービスクローズは一年先のことですが、これはMicrosoftらしいユーザーへの配慮という奴なのでしょう(先のリンク先の記事の本文には2022年6月30日となっているところもありますが、英文記事を読んでいると2023年6月30日が正解のようです)

    _当Blogでも 2020/06/20 Money in Excelがじわじわと襲来中…しかし未だに謎は多い のように横目で睨んではおりました。しかし、結局米国のみの提供であり、我が国ではサービス展開はされないままでした。何だったんだ… 既存のサービスが飽和している市場に打って出ても、Excelと連携できる程度の機能では割り込めなかった、というところでしょうか。

    2022/06/04

    WindowsPC家計簿ソフト「がまぐち君」にV5.50が出現

    _WindowsPC向け家計簿ソフト(シェアウェア)「がまぐち君」に新バージョン5.50が出現しました(2022/05/07)。「試作品」という位置づけですが、従来のV5.45に比して大きく改良されています。主なところを挙げると

    1. 高解像度モニタ対応
    2. クレジット調整画面のリニューアル
    3. (Windowsの仕様変更に起因し)費目・口座設定の起動に長時間を要していたのを修正
    _特に3番目は待たされる時間が半端でなかった(数分以上かかった)ので嬉しい改善です。

    _また、当Blogの主題である家計簿データの変換に影響を与えかねない重大な仕様変更がありました。がまぐち君は、データ項目の名称変更と、使用/不使用の切り換えが可能という希有な機能を実装しているのですが、V5.50では、設定変更が可能なデータ項目が増えたのです。

    _↓は以前のバージョンの費目・口座の設定ダイアログですが、「支出」の画面において、【数量】と【備考】の2つのデータ項目の使用/不使用を切り換えられるようになっていました。

    がまぐち君の以前の設定ダイアログ

    _ところが、今回のV5.50では(支出画面において)【数量】・【店名】・【出金元】・【備考】・【使用者】・【税率】・【税扱】の7項目が使用/不使用を切り換えられるようになりました↓。

    がまぐち君Ver5.50の設定画面(支出)

    _これはユーザーにとって自由度が高まる良き改良…と一見思えるのですが、がまぐち君は 2020/08/11 がまぐち君からエクスポートしたデータを他の家計簿アプリ向けに変換する で述べておりますように「画面表示の状態をそのまま再現する形でデータをExcelファイルやCSVファイルとして出力する」機能を実装しているため、データ項目の使用/不使用を切り換えると、出力したデータ列の並び方が変わってしまう…という大変困った事態になるのです。

    _そのため、当Blogでは、がまぐち君のエクスポート機能で出力したデータ(=全項目が含まれている)のみをMFFマクロでのデータ変換の対象としています。

    _しかし…がまぐち君の前述の機能は、実は大変魅力的なのです。そこで、エクスポート以外の機能で出力したデータもMFF形式に変換できるようにしようか…と思っていたところ、V5.50の出現で逆により難しくなってしまいました。

    _がまぐち君は、掲示板を拝見している限りでは)けっこう古いバージョンを使っているユーザーが少なくない、という点も気になるところです。ユーザー各位に最新バージョンのインストールと、MFFマクロで参照するデータ欄は使用必須、参照しないデータ欄は不使用必須、という具合に設定変更を強いるしかないのでしょうか…どうしよ。

    2022/06/01

    さらばMoneyLookよ…大変お世話になりました

    _2022/02/21 MoneyLookが無料サービスを終了 でお知らせしましたとおり、昨日2022/05/31をもってMoneyLookの無料版のサービスが終了しました(公式案内)。では、「有料版」はどうなったのか…?と言いますと、どうやら一般消費者向けには提供されないままのようです。

    _これまでMoneyLookによって取得してきた明細データは、2022/06/30まではCSVファイルとして取り出すことができます。そのデータをMFF形式に変換する機能は、2022/03/03 MoneyLookから出力したCSVファイルの明細データを家計簿アプリ向けに変換する方法 にてMFFマクロに実装済です。データの移行はお早めに。

    _MoneyLookは2002年にサービスを開始した、この分野の草分け的存在です。Zaimが2011年、マネーフォワードが2012年のカットオーバーですから相当先行していたわけです。ただし、当初のMoneyLookは専用のPCソフトを使用するものでした。金融機関へのログイン情報は、ユーザーのPC内に暗号化して保存され、他人に握られることは無いため安全性が高い…という触れ込みだったのです。もちろん、当時は金融機関とのAPI接続なんて仕組みは無く、MoneyLookが金融機関サイトに勝手にアクセスして、スクリーンスクレイピングによって残高や明細データを得ていたので、今から思えば大して安全でもなかったわけですがね。

    _その後、いつのことか失念してしまいましたが、専用PCソフトでのサービスから、Internet Explorer用のアドインモジュールとしてログイン情報マネージャーをインストールする形に移行しました。しかし、この方式は「金融機関へのログイン情報をユーザーのPC側に保存し、サーバー側には保存しない」というMoneyLookの理念を守ってはいたものの、ユーザーにとっての利便性はイマイチで…後発のZaimやマネーフォワードが「クラウド側に金融機関へのログイン情報を保持する」という仕組みであってもユーザーの支持を得た(もちろん、これを危険視する人はまだまだおいでですが)のと対照的に、MoneyLookはマイナーなサービスに転落して行ったのでした。

    _2020年5月31日に、「新MoneyLook」として、銀行サイトとのAPI接続をサポートしたクラウドサービスが開始されました。しかし、この期に及んでも「Moneylook口座情報管理ツール」というブラウザプラグインで金融機関へのログイン情報を管理するという仕組みは残され、すでにクラウドサービスとして確固たる地位を築いていたZaim・マネーフォワードMEとの格差をどうにかするには遅すぎたようです。

    _ちなみに、筆者は2020/06/24 我が友マスターマネーはPC家計簿ソフトの基本であります で述べましたように、2011年にMicrosoft Moneyが「MSNマネー残高照会サービス」というアカウントアグリゲーションサービス(AAS)を停止したのを機に、その代替策を探す過程で家計簿アプリ間のデータ変換の研究を開始しております。その際にAASとして採用したのがMoneyLookでして、当時は↓のようなデータ変換の仕組みを構築しておりました。ML2CSVというExcel用VBAマクロが、こんにちのMFFマクロの先祖ともいうべきものです。

    2011年当時の家計簿間データ変換のチャート

    _↑のチャートの中で、「gooワンビリング」・「Ultrasoft MoneyLink」は、すでに使えないものになってしまいました(「Felica2Money」は一時サイトが消えていましたが復活したようです)。そして、MoneyLookも過去帳入りの存在となります。家計簿アプリ/サービスは継続的に提供されるべきもの、と申し上げてきたものの、現実にはこのように入れ替わりが極めて激しい世界なのです。

    _MFFマクロのMoneyLook関係の機能はいずれは削除する予定であり、動作の概念図のチャートからもMoneyLookは消え去ります。寂しい限りですが、一時は筆者の家計管理の生命線ともなったサービス(最期まで無料でした)に敬意を表して今回の記事を締めたいと思います。さらばMoneyLookよ…大変お世話になりました。

    2022/05/29

    MFF形式データを手入力する方法

     _MFFマクロにはMFF形式のデータの手入力を支援する機能があります。これは2年以上前のVersion1.50から実装していたのですが、これまで解説記事を作成するのをすっかり失念しておりました…誠に申し訳ございません。

    _家計簿アプリ(データインポート機能を実装しているものに限ります)を起動することなく、ちょっとしたデータであればMFF形式で手入力して、後でインポートしよう…というような使い方ができます。または、入力UIに問題があるアプリへのデータ手入力にも有用です。

    _空のワークシート上でMFFマクロを動作させると、MFFマクロに読み込ませるCSVファイル(またはテキストファイル)を選択するダイアログが出現するわけですが、そこで【キャンセル】を叩くと、「MFF形式データを手入力しますか?」というダイアログが出てきます↓。ここで【はい】を選択すると…

    MFFマクロの手入力モードへの入り方

    2022/05/21

    「家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較」をさらに更新しました

     【追記】本記事を更新した記事は 2023/07/14 第4版 家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較をご参照ください。


    _当Blogの主題は家計簿アプリ間でのデータ変換の手段を提供することにあるわけですが、肝心な家計簿アプリ側の性能評価をしなければ、ユーザーの皆さんの家計簿アプリの選定の参考になりません。そこで、前回の 2021/08/22 「家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較」を更新しました の続編(第三弾)として、筆者の独断と偏見で評価した結果を公開します。今回は7つの家計簿アプリの評価を追加し、OsidOriの評価の見直しを行いました。

    _なお、↓の表の評点は、インポート/エクスポートの際にユーザーが受ける制約や手間といった「障壁」を点数化しており、「低い点数ほど好ましい」ものとなっています。

    家計簿アプリ別のデータインポート・エクスポート機能の性能比較(Ver3)

    2022/05/16

    「ゆう子の家計簿」の入力UIの課題

    ←前回の記事:2022/05/08「ゆう子の家計簿」から出力した明細データを他の家計簿向けに変換する方法


    _今回は、Windows PC向け家計簿ソフト「ゆう子の家計簿」の入力時のユーザーインターフェースについて解説します。

    1.収入・支出取引の入力

    _「ゆう子の家計簿」は、↓の基本画面がすなわち入力画面となっています。オレンジ枠で日付を指定すると、その月度における取引データが青枠の中に表示されます。緑枠がデータ入力欄で、↓の状態では日付が15日であること以外は何も入力されていません。

    ゆう子の家計簿の起動直後

    2022/05/08

    「ゆう子の家計簿」から出力した明細データを他の家計簿向けに変換する方法

     ←前回の記事:2022/05/07「ゆう子の家計簿」に他の家計簿アプリの振替取引データをCSVファイルで入力する方法


    _今回は「ゆう子の家計簿」から出力したデータをMFF形式に変換する方法を解説します。が、その前に…

    1.MFFマクロを小改修しました

    _V2.36をV2.36bに改修しました。何をやったのか、と言いますと…「ゆう子の家計簿」のデータを変換する際の、半角カナを全角カナに変換する処理を改善しました。"ペ"が"ヘ゜"と変換されてしまっていたのを"ペ"と変換されるようにしています。ソースリストはMFFマクロの導入法と使用法のページから入手して下さい。

    2.「ゆう子の家計簿」からデータを出力する

    _メニュータブの【帳票作成】>【口座別明細表】にアクセスすると、↓のように口座別明細表を出力するためのダイアログが出現します。ここでまず操作すべきは【帳票設定】というボタンです。

    「ゆう子の家計簿」口座別明細表出力のダイアログ

    2022/05/07

    「ゆう子の家計簿」に他の家計簿アプリの振替取引データをCSVファイルで入力する方法

    ←前回の記事:2022/05/06「ゆう子の家計簿」に他の家計簿アプリの収入・支出データをCSVファイルで入力する方法


    _今回は、前回の収入・支出データに対し、振替取引を「ゆう子の家計簿」にインポートする方法を解説します。正確には「インポート後に振替取引に修正する方法」と言うべきかもしれません。

    1.CSVファイルを取り込むところまでは前回と同じです

    _問題は、そのデータに振替取引がどのように含まれているか?という点です。MFFマクロV2.36以降では、MFF形式データに、”オートフィルタで絞り込んだ口座A”に対する振替取引(振替相手を口座Bとする)が含まれている場合、

    • 振替収入であれば"★口座B→口座A"
    • 振替支出であれば"★口座A→口座B"

    _という文字列を備考欄に入れるようにしています。ユーザーは備考欄の★を目印にして、その取引を「ゆう子の家計簿」で言うところの口座間振替取引として入力することになります。↓の例では、"11MSuica"という口座Aに対して、"52その筋カード"という口座Bから9,000円振り替えています。すなわち、クレジットカードにより電子マネーをチャージしているわけです。この取引データを選択(赤枠)すると、↓の画面の青枠で囲った部分に暫定的なデータが入ります。

    入力データに含まれている振替取引を選択する

    2022/05/06

    「ゆう子の家計簿」に他の家計簿アプリの収入・支出データをCSVファイルで入力する方法

    ←前々回の記事:2022/05/03 MFFマクロV2.36公開「ゆう子の家計簿」との入出力に対応しました

    ←前回の記事:2022/05/04「ゆう子の家計簿」の口座と費目を調査する


    _今回は、MFFマクロによりMFF形式データを「ゆう子の家計簿」向けに変換しインポートする方法をご紹介します。MFFマクロV2.36以降では、ある家計簿データをMFF形式に変換した後、他の家計簿アプリ向けに再変換する際に、再変換先のアプリとして、D1セルのプルダウンメニューに「ゆう子の家計簿」が加わっています↓。

    1.MFF形式データの状態では単一の口座に絞り込む

    _「ゆう子の家計簿」は、2022/05/01 PC家計簿ソフト「ゆう子の家計簿」をご紹介します で触れたとおり、2021年7月の更新で、OFXファイルの取込機能がCSVファイルによるデータ入力機能に変更されています。が、取り込めるデータ項目は日付・入金額・出金額・備考 の4つしかなく、費目どころか「どの口座の取引なのか」という情報すら無いという惨状です。

    _そのため、MFFマクロV2.36では、OFXファイル出力の際と同様に、MFF形式のデータが単一の口座のみで構成されているか、「口座名」欄を(Excelのオートフィルタによって)単一の口座で絞り込んでいないと「ゆう子の家計簿」向けのデータを出力しない仕様としました↓。

    ゆう子の家計簿には複数口座からなるデータをインポートできない

    2022/05/04

    「ゆう子の家計簿」の口座と費目を調査する

     ←前回の記事:MFFマクロV2.36公開「ゆう子の家計簿」との入出力に対応しました


    _今回は、PC家計簿「ゆう子の家計簿」の家計簿ソフトとしての基本的な事柄、すなわち日付関係の設定項目と、口座種別、費目構成をご紹介します。

    1.日付に関する設定項目

    _「ゆう子の家計簿」は、家計管理に必要な日付に関しては↓のように設定できます。率直に言えばかなり高機能です。

    ゆう子の家計簿の基本情報設定

    2022/05/03

    MFFマクロV2.36公開「ゆう子の家計簿」との入出力に対応しました

     _前回から取り上げている「ゆう子の家計簿」に対して、インポート用のデータ出力と、エクスポートデータの変換機能を追加したMFFマクロV2.36を公開しました。

    MFFマクロV2.36の動作概念図

    _久々にチャートの右側に家計簿アプリが追加されました。前回追加したのは昨年11月のV2.27(GnuCashへのインポートに対応)ですから半年ぶりです。データインポートができるアプリってもっとあっても良さそうなものなのですが…


    次回は「ゆう子の家計簿」の口座・費目の構成について解説します→

    2022/05/01

    PC家計簿ソフト「ゆう子の家計簿」をご紹介します

    _ゆう子の家計簿は古参のPC家計簿ソフトながら当Blogでは初登場となります。これまでの開発履歴を見てみますと、

    • ゆう子の家計簿(16bit版) Ver.1.0〜2.6D 1995年11月〜 1997年12月
    • ゆう子の家計簿32 Ver.1.0〜2.5F 1997年 5月〜 2002年12月
    • ゆう子の家計簿V3 Ver.3.0〜3.5B 2002年12月〜 2014年 8月
    • 2014年9月15日にVer4.0aリリース

    …1995年11月ってことはWindows95の時代からあるわけで、かなり歴史は長いです。しかし、最近のメジャーアップデートは2021年7月2日のVer4.4Aで(ちなみにPDFのマニュアルも4.4Aとなっている)、このときに「インターネットバンキング入力関連の改善」として

    • 銀行WebサイトからCSVファイルをダウンロードし入力する「CSVファイル入力」を追加
    • 「Webデータ貼り付け入力」「CSVファイル入力」で入力済み明細のチェック機能を追加
    • 「ofxファイル入力」を削除(サポートする銀行がないため)

    _このような改良が行われています。つまり、CSVファイルのデータをインポートできるようになったのは結構最近のことなのです。ちなみに現在の最新バージョンは2021年11月30日公開のVer.4.4Eであり、現在もサポートが継続されているようです。


    もともとは

    _Web明細入力とOFX取り込みという機能がありました。前者は、マニュアルの24ページに

     インターネットバンキングやクレジットカード会社のWeb には「入出金明細表」という表示があります。この一覧表を表示し、それをコピー&ペーストすることで家計簿へデータを取り込むものです。ただし取り込むことができない銀行もあります。対象ブラウザはインターネットエクスプローラ(IE)のみです。他のブラウザはコピー形式が違うため動作しません。

    _と書かれていて、MicrosoftがIEのサポートを終了した今日にあってはもはや無用の長物と言えます。よって当Blogでは取り上げません。

    _一方、OFX取り込みは前述のとおり2021年7月に機能が廃止されています。我が国におけるOFXの廃れぶりを見ればやむを得ないところでしょう。これを代替するのが新設されたCSVファイル入力機能ですが、

    インターネット・バンキングのWebからCSVファイルをダウンロードし、それを読み込むことで明細を入力します。ただし、費用項目に関する情報はダウンロードしたファイルに含まれていませんので、家計簿の項目とダウンロードした明細データとの間で対応付けを行う必要があります。

    …このように、銀行やクレジットカードのサイトからDLしたCSVファイルを前提としているので、費目情報が含まれていないと、はなっから決めてかかっているわけです。ただし、

    この家計簿では、以前にCSVファイルから入力した内容を覚えていて、口座と備考の情報から、適切な項目、内訳を選択するようにしています。

    …と、学習機能を備えているらしいです。つまり、当Blogがマイクロソフトマネーの使い方として提唱しているMode2のように、備考欄へのデータの入れ方次第では、費目と結び付けて、比較的楽にデータを再構成できる可能性があります。

    _というわけで、CSVファイル入力機能は、結局のところ取り込めるのは

    明細データの編集で利用する項目は「日付」「入金」「出金」「備考」です。

    _なお、備考欄は半角で24文字までしか入りません。これは困ったな…

    _ただ、「てきぱき家計簿マム」のように口座種別によってインポート機能が使えなかったりするような仕様にはなっておらず、インポートした後に、どの口座での取引かを指定するようになっています。すなわち、複数口座のデータをまとめて投入することはできません。

    バックアップ機能を利用したインポートはできない

    _「ゆう子の家計簿」には30世代までのバックアップファイル作成・復元機能があります。それを使って一挙にデータを取り込めないか?と考えたのですが、どうやら独自形式らしく不可能であるようです。

    他の家計簿明細データの取り込み という機能がある

    _「入力」>「他の家計簿明細データの取り込み」で、「ゆう子の家計簿」で作成した、他の家計簿データをマージできます。これは他の家計簿ソフトでは見たことが無い機能です。口座・項目が一致していることが望ましいのですが、そうでないデータでも取り込みは一応できるようです。


    _このように「ゆう子の家計簿」へのデータインポートは決して楽にはできそうにありません。エクスポートについては、また稿を改めてご紹介するつもりです。


    次回は「ゆう子の家計簿」に対応したMFFマクロの新バージョンを公開します→

    2022/04/13

    家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ

    _今回の主題は…家計簿アプリとデータをやりとりするときに使用するファイルの形式について、です。筆者がこれまでMFFマクロに対応させてきた家計簿アプリは27種類(Money通帳とあっと家計簿は別カウント)。まず、家計簿アプリからエクスポートする方向では↓のようになります。この表は、MFFマクロの動作概念図と順番を揃えてあります。

    家計簿アプリからエクスポートする際のファイル形式

    _SHIFT-JisとUTF-8が拮抗していることが判ります。最近エクスポート機能を実装したアプリはUTF-8が優勢ですね。BOMの有無も混沌としています。

    _現状のMicrosoft Excelは、BOM無しのUTF-8でエンコードされたファイルを開くと文字化けしてしまうので、事情を知らない人は家計簿アプリのデータを活用したくてもできないという困った状態になっているはずです。本来ならExcel側で対処すべき問題、のようにも感じます。

    _なお、Excelファイルを出力できる家計簿アプリは少数派ながら存在しており、くだらないことで悩まなくてよい、というのはありがたいですね。

    2022/04/12

    MFFマクロV2.35出現 テキストファイルのエンコードを自動判定して読み込む機能を追加しました

    _今回、MFFマクロをV2.35に更新するにあたり、重要な動作の変更を行いました。

    _MFFマクロは、空のワークシート上で動作させると、ファイル指定ダイアログ↓でユーザーが指定したCSVファイルまたはTXTファイルを「マクロ側で読み取り処理を行ってから」MFF形式への変換を行う、という動作をします。

    _これは、ファイルがUTF-8(BOM無し)でエンコードされていて、普通にExcelで開くと文字化けするような場合に備えた機能で、V2.34以前のバージョンでは、

    _これら4つの家計簿アプリからエクスポートしたファイルであることをファイル名から判断し、個別に読み取り動作をするようになっていました。

    _しかし、MFFマクロが対応する家計簿アプリが増えるにつれて、UTF-8(BOM無し)でエンコードされたデータファイルが増えており、さらに、昨今は日本語を含んだテキストファイルのエンコードはShift-JISからUTF-8に業界標準が移り変わりつつあります。

    _そこで、MFFマクロV2.35では、ファイル指定ダイアログでユーザーが指定したファイルのエンコードを自動的に判定して、Shift-JIS/UTF-8いずれであっても読み取れるように改善しました。これにより前述の4種類の家計簿アプリに関する判別処理を廃止しています。

    _まだ、

    _の3つについてはファイル仕様がさらに特殊なため個別の判定処理が残っていますが…

    _また、BOM無しのUTF-8でエンコードされたテキストファイルを文字化けせずにExcelに読み取れる汎用的なツールとしても使えるようになりました(テキストファイルウィザードやPowerQueryで読み込むのは結構面倒くさいですからね…)

    _テキストファイルのエンコードを自動判定する処理については、『ぽぽろんのパソコンつれづれ日記(ぽぽづれ)』というブログの「VBAでファイルの文字コード判定を行う」という記事のコードを使わせていただきました。ありがとうございますです。【追記】当該ブログでぽぽろんさんからコメントをいただきました。

    2022/04/04

    「ファイナンシャルプランナーが作った家計簿」のデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法

    「ファイナンシャルプランナーが作った家計簿」に関する記事
    ←前々回:2022/04/02 「ファイナンシャルプランナーが作った家計簿」をレビューします
    ←前回:2022/04/03 MFFマクロV2.34公開 「ファイナンシャルプランナーが作った家計簿」からのデータ変換に対応しました


    _今回は、FP家計簿のデータをMFF形式に変換する手順を解説します。

    1.FP家計簿の検索機能からCSVファイルを出力する

    _FP家計簿の検索機能はマスターマネー並みに強力で、抽出した結果をそのままCSVファイルとして出力できる優れものです。↓の画面の【検索結果 エクセル出力】のボタンを叩くと、CSVファイルの名称と保存先を尋ねるダイアログが表示されます。すなわち、デフォルトのファイル名はありません。

    FP家計簿の検索機能から取引データを出力する

    2022/04/02

    「ファイナンシャルプランナーが作った家計簿」をレビューします

    _「ファイナンシャルプランナーが作った家計簿」略称=FP家計簿をレビューします。これまで当Blogには一切登場しておりませんでした。その理由は、PC家計簿ソフトでありながらデータをインポートする機能が無い、というけしからん仕様にあります。が…ある読者の方のニーズにお応えして、今回、FP家計簿→MFF形式の片道のデータ変換方法を検討してみました。

    1.FP家計簿の入力UI

    _FP家計簿の最大の特長たる手入力UIをまず取り上げます。とは言っても、詳しくは公式サイトの説明を参照していただいた方がよろしいかと思いますが…最も標準的な「入力マット」画面での支出の入力手順を例にしますと、

    1. 日付を選択
    2. お店の種類を選択
    3. 店名を選択(事前に店名をいくつか設定してある前提)
    4. 費目を選択
    5. 内訳を選択(費目を選択することで選択肢が絞り込まれる)
    6. 品名を選択(費目・内訳を選択することで選択肢が絞り込まれる)
    7. 金額を入力
    8. 支払元の口座を選択し【口座支払】を叩いて入力完了
    9. 支払元の口座を選択すると…
    10. 先ほど入力した取引が表示される(費目・内訳・品名欄を叩くと↓の画面のように編集メニューが現れ、その中で削除できる)

    …このように、使い込めば使い込むほどに手入力が少なくなるように設計されています。しかも画面遷移が一切ありません。欠点は、一度入力した取引の「口座」をこの画面では修正できないこと。後に解説する予定の「検索画面」で修正できます。

    FP家計簿の入力手順説明

    2022/03/28

    金融機関からダウンロードした明細データをMFF形式に変換できるMFFマクロV2.33を公開しました

    _みなさまこんにちは。このたび、MFFマクロをVersion2.33へ更新しました。例によりまして導入法とソースリストをこちらで公開しておりますのでご参照下さい。

    _今回の更新では、銀行やクレジットカード等のサイトからダウンロードした明細データ(CSVファイル)をMFF形式に変換する機能を加えました。なぜこれまで実装していなかったのか、と言いますと…金融機関ごとに全くフォーマットが違うデータにいちいち対応するのが大変だからです。その問題に対して、かつてのFelica2Moneyなどは、日付が入っているセル位置(行・列)、金額が入っているセル位置、適用が入っているセル位置をそれぞれ個別に指定する「定義ファイル」を作成して応じていたわけですが、それとて面倒を極めます。

    _そこで、当BlogのMFFマクロでは、データ変換の度に、データ項目が入っているセルの位置をユーザーが指定するという方式を採りました。これも煩雑と言われればそのとおりですが、金融機関から明細データをダウンロードする操作なんてせいぜい月一回程度でしょうから、許容範囲ではないかと勝手に想定しての仕様です。

    _具体的な操作方法ですが、まず、↓のように金融機関からダウンロードした明細データをExcelで開いた状態でMFFマクロを動作させます。このとき、MFFマクロはワークシート内に含まれている半角カナを全角カナに変換します。

    クレジットカードのサイトからダウンロードした明細データの例

    2022/03/17

    「家計簿アプリ経済動向分析プロジェクト」とは…?

    _本日、「200名にAmazonギフト券5,000円分ー経済動向の調査」なるタイトルのメールが届きました。その中にあったリンク先にアクセスしますと…

    現在、内閣府では家計簿アプリを利用して経済動向を分析するプロジェクトを実施しており、マネーツリー株式会社も協力しております。本プロジェクトのため、アンケートの回答およびMoneytreeのデータ提供にご協力いただける方を募集いたします。ご協力いただいた方には抽選でAmazonギフト券を進呈します。

    _現在隆盛のオンライン家計簿サービスでは、しょっちゅうアンケートの類が行われております。しかしMoneytreeが、しかもけっこう破格のプライズを用意してくるとは意外でした。もしかしてこれってフィッシングの一種? ということで、この「家計簿アプリ経済動向分析プロジェクト」なるものをぐぐってみましたところ…こちらのサイトがヒットしました。

    RICH プロジェクトとは?

    _京都大学の宇南山卓研究室が「家計収支に関する新たなデータを構築する学術的なプロジェクト」として実施する調査だそうです。個人情報の塊である家計簿データを、匿名性を維持したまま分析してもあまり意味が無いので、当人の合意を得て個人の属性の情報と紐付いたデータを得ることを狙っています。

    _なかなか面白そうではありますが、壮大なフィッシングではないという保証も無いわけで…。話に乗るべきか、悩むところであります。

    2022/03/13

    レシーピ!をレポートする(後篇)

    ←前回の記事:2022/03/12 レシーピ!をレポートする(中篇)

    6.予算・グラフ・集計機能

    (1)予算機能

    _レシーピ!の予算機能は【設定メニュー】>【毎月の予算の設定】で↓のように設定します。大抵の家計簿アプリは費目ごとに予算を設定するところ、レシーピ!は毎月に使えるお金の総額のみを設定します。かなり大雑把ですが、レシーピ!は家計簿の記帳を続けられるようにすることを狙ったアプリですから、精緻な機能を備える必要性は薄く、このような造りで十分とも言えます。ただし、後述のように、予算機能の動作そのものは極めて特異です。

    レシーピ!の予算設定

    2022/03/12

    レシーピ!をレポートする(中篇)

    ←前回の記事:2022/03/10 レシーピ!をレポートする(前篇)

    4.レシーピ!のレシート読み取り機能

    _レシーピ!の最大の特長であるレシート読み取り機能↓についてです。Dr.Walletと同じく、レシートに印字されているお店の電話番号を、サーバーのデータベースに登録されている店舗リストと照合して、店舗名を特定するようになっています(店舗名そのものを読み取っているわけではないようだ)。読み込んだ品目のカテゴリの自動判別はできないようで、ユーザーが品目ごとに指定しなければなりません。

    レシーピ!のレシート読み取り機能

    注目の記事

    家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ

    _今回の主題は…家計簿アプリとデータをやりとりするときに使用するファイルの形式について、です。筆者がこれまで MFFマクロ に対応させてきた家計簿アプリは27種類(Money通帳とあっと家計簿は別カウント)。まず、家計簿アプリからエクスポートする方向では↓のようになります。...

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