2021/08/29

悩み深き新ネタ「MoneyLink」に挑戦中

_ソリマチ株式会社が提供しているアカウントアグリゲーションサービス「MoneyLink」に関する調査を行っております。

_ソリマチは「みんなの青色申告」「会計王」「給料王」などの会計ソフトのベンダーですが、これらのソフトとの連携を主目的にMoneyLinkというAASを提供しています。

_MoneyLinkは、今時珍しく専用PCソフトが用意されており、ソリマチのサーバーを経由して金融機関サイトからデータ(Web明細と呼んでいる)を得るようになっています(同様に専用PCアプリが有った、昔のMoneyLookとは動作は異なります)。このデータはExcelの形式で出力可能であり、また、手入力専用の口座を設定して、その明細データをExcelシートの形でアップロードできます。

MoneyLinkでモバイルSuicaのデータを取り込んだ

_しかも(2021年8月現在)無料です。これは、主力の会計ソフトの販促を狙ったものと思われます。もちろん家計簿ではないので、予算管理だのグラフだのといった機能は一切ありませんし(そもそも取引を費目別に仕分けるという機能自体が無い)、AASを提供している金融機関も銀行・クレジットカード・電子マネーのみで、証券会社・各種ポイント・通販等は対象外です。

_このように純然たる業務用ではありますが…(ミロク情報サービスのAccount Trackerを採用している)OsidOriMoneytreeのように、同様のAASがどれもこれもデータ出力を有料機能としているなかで、無料でデータのダウンロード/アップロードまで可能というのは大変大きな魅力であります。

_そこで当Blogでも取り上げるべく動いております。ダウンロードの方は(多少手を焼いたものの)見通しは立ちましたが、問題はアップロードの方でして、かなり特殊な方法に拠っており、果たしてMFFマクロに実装できるのか、できたとして意味があるのか、かなり悩んでおります。

_研究成果を披露するにはもう少しお時間をいただきたく。

2021/08/26

マネーフォワードME、OsidOriのデータ欄をどうやってMFF形式に変換するか?【追記・修正済】

【2021/09/04追記】2021/08/05公開のMFFマクロV2.21にて行った、本記事に基づく仕様変更部分に重大なバグがありました。V2.22にて修正してありますが、本記事の内容もそれに伴い追記・修正を加えました。


_金融機関サイトから取引データを取得する「アカウントアグリゲーションサービス」(AAS)を提供している家計簿アプリのうち、マネーフォワードMEとOsidOriは、取得した取引データをユーザーが好き勝手に編集することを許さない仕様となっています。データの削除も、日付と金額の変更もできません。

_マネーフォワードMEについては、2020/07/23 マネーフォワードMEからダウンロードしたデータを他の家計簿アプリ向けに変換する で解説しましたように、AASによって取得した取引データの「内容欄」の文字列は編集不可。OsidOriについては 2021/08/05 MFFマクロV2.21出現と、OsidOriのデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法の解説 で触れましたが、同様に「お店欄」の文字列が編集不可となります。

_このような仕様は、金融機関側と家計簿アプリの取引履歴の認識が一致することを保証するために必要なのだ、とは一応理解できます(一方で、Zaimは、このあたりはユーザーの自己責任と割り切っているようです)。しかし…金融機関サイトが「内容欄」(マネーフォワードME)あるいは「お店欄」(OsidOri)に入れ込んでくる文字列にはカタカナや略称が使われていて、それを家計簿アプリからエクスポートしてMFFマクロMFF形式に変換しても、家計管理に便利とは到底言えず、これをユーザーが編集できないのは少々困りものです。

_そこで、MFFマクロでは、マネーフォワードMEとOsidOriで(AASで取得した取引データであっても)ユーザーが自由に文字列を入力できる「メモ欄」に特殊な書式(MFF書式と呼んでいます)で入力することで、内容欄あるいはお店欄に入れられている文字列を上書きしたり、解釈を変えたりできる機能を備えています。

_ところが、その機能がどのように動作するのかについては、前述の二つの記事でもあまり詳しく触れておらず、また、正直なところ筆者自身も脳内でモヤっとしたままコードを書いており、時折、意図しない動作をすることが不満ではありました。そこで、Ver2.21への更新を機に、マネーフォワードMEとOsidOriのデータをMFF形式に変換する際のルールを以下のように明確化しました。

2021/08/22

「家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較」を更新しました

【2022/05/21追記】:本記事を更新した記事はこちらをご覧下さい。


_2021/01/15「家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較」を更新いたしました。この記事をまとめて以降、Clev家計簿、DARUMA家計簿、家計簿カケイ、OsidOriの各アプリについてインポート/エクスポート機能をご紹介しており、今回、その評点を追加しております。なお、↓の表の評点は、インポート/エクスポートの際にユーザーが受ける制約や手間といった「障壁」を点数化しており、「低い点数ほど好ましい」ものとなっています。

家計簿アプリ別のデータインポート・エクスポート機能の性能比較(Ver2)

2021/08/09

DARUMA家計簿のさらなる進化に期待

 _2021/07/19「DARUMA家計簿からのデータエクスポートの方法も新しくなりました」でデータインポート/エクスポート機能をご紹介して以降も、DARUMA家計簿の進化は続いております。

1.DARUMA家計簿の新機能を簡単に紹介すると

  • ①…DARUMA家計簿の基本画面。ここで日付欄を長押しすると…
  • ②…Android標準UIにより日付をジャンプして選択できるようになりました(これは登場直後にはありませんでした)
  • ③…日付を2021/04/01にした状態で【集計】ボタンを叩くと…
  • ④…当月を「2021年4月」とした集計画面に移行します。
  • ⑤…2021年4月から過去13ヶ月の「01財布」という資産の残高推移が棒グラフ表示されます(これは登場時からの機能)
  • ⑥…2021年3月の支出について、円グラフを表示します(これは最近新登場した機能)。なお、この円グラフは、描画の開始位置をぐりぐりと回転させることができます。
  • ⑦…2021年3月の「01財布」の取引一覧を表示します(これも最近新登場した機能)。マスターマネーにおけるマネービューアから取引一覧を表示させる機能に似ています。
  • ⑧…⑦の画面で個別の取引をタップすると、その取引日(ここでは2021年3月3日)の基本画面に移行する(これも最近新登場した機能)
DARUMA家計簿の新機能

2021/08/06

OsidOriのデータをMFF形式経由で他の家計簿アプリ向けに変換する方法

【2021/09/26追記】:OsidOriのバージョンアップに伴い、本記事の内容は古くなってしまいました。こちらの記事を参照して下さい。

_前回の記事に引き続き、OsidOriのデータをMFF形式経由で他の家計簿アプリ向けに変換する方法をご紹介します。やっとここまで来たか…

1.OsidOriのデータをMFF形式に変換する

_今回サンプルとするOsidOriのデータは、以前の記事の再掲です。

OsidOriから出力したCSVファイル

_MFFマクロV2.21を導入した状態で↑の画面例のようにMFFマクロを動作させますと、

MFFマクロが出力するダイアログ

2021/08/05

MFFマクロVersion2.21公開

_家計簿アプリ間データ変換ツール「MFF(むふふ)」マクロのV2.21を公開しました。以下の固定ページを参照して下さい。

_今回のバージョンアップによる追加・変更点は以下のとおりです。

  • OsidOriのデータバックアップ機能で出力したCSVファイルをMFF形式に変換する機能を追加した
  • マネーフォワードMEのデータをMFF形式に変換する際に「メモ欄」に入力したデータの取り扱いを変更した(別途解説します

_これに伴い、MFFマクロが変換元・変換先としている家計簿ソフト/アプリに関する概念図も変わりました。OsidOriは金融機関サイトとの連携機能(アカウントアグリゲーションサービス)を備えているため、ユーザーにとっては家計簿データを入手する手段が大きく広がることになります。ああ、これで振替取引がまともに出力できれば、OsidOriの存在意義はマネーフォワードMEやZaimにも匹敵することになるのですが…現時点では、残念なことにそこにはとどいていません。

MFF_V221概念図

2021/08/04

OsidOriのデータバックアップ機能実装は家計簿アプリ業界の画期となるか

_2021/07/23「OsidOriにデータダウンロード機能が加わりました(追記あり)」からだいぶお待たせしてしまいましてすみません。

_OsidOriのデータバックアップ機能についてご紹介します。ただし…開発元はデータバックアップ機能、と称していますが…実態としてはバックアップというよりはダウンロードやエクスポートと言うべきものになっています。

1.OsidOriからCSVファイルを出力する

_①OsidOriのメイン画面左上方にあるメニューボタンから【データバックアップ】をタップします。②の画面では、上部に【月次集計】と【取引明細】の二つのタブがありますが、当Blogで用事があるのは後者ですので必ずこちらを選択してください(よく忘れます)。「取得する画面」とは、現在操作中のユーザーから見て、個人画面に表示する取引明細を出力するか、家族画面に表示する取引明細を出力するか、を選択します。実のところ、両方のデータを得なければあまり役には立たないでしょう。

_③はデータ取得期間の開始日・終了日を指定するところですが、なんとドラムロール式のUIが採用されていて、使いにくいことこの上なし!

_②の画面で【データを出力する】ボタンを叩くと、Androidの標準共有メニューが現れ(スクリーンショットが撮れない)、メールやクラウドストレージ等の方法で出力したファイルを外へ取り出せます(④はDropboxを使用している例です)

_ファイル名はYYYYMMDD(開始日)-yyyymmdd(終了日)_osidori_trans.csvとなります。先の「取得する画面」が個人/家族に拠らず同じなのは少々困りものですね。なお、出力されるファイルはUTF-8でエンコードされており(BOM付)、改行コードはLFのみ。CSVファイルがExcelに関連付けられている状態で(たいていの環境ではそうなっています)エクスプローラ上でCSVファイルをダブルクリックすれば、文字化けせずに開くことができます。

OsidOriからCSVファイルを出力する

2021/08/02

OsidOriの精算管理機能の不可思議な動作を追う(追記あり)

_前回に続くOsidOri新機能の解説第二弾は、「わたし」と「パートナー」との間での割り勘や傾斜配分のやりとりを支援する「精算管理機能」(2021年5月26日リリース)をお届けします。コイツも一筋縄ではいかないですよ…

1.まずはフツーに取引明細を入力する

_↓の画面例のように、その筋亭というお店で夫婦二人でラーメンを食べて、「わたし」(妻)が1,600円払った、という取引明細をを入力してみます。このとき、画面最下段にある【未清算リストに入れる】をONにします。この取引を表示する画面は個人画面でも家族画面でも構いませんが、ここでは【個人画面】を選択しています。

まずはフツーに取引明細を入力するが、未清算リストに入れるようにする

2021/08/01

OsidOriの代行入力機能も簡単なようで複雑です

_皆様お暑うございます。

_OsidOriについては前回を除けば2021年1月以来しばらく記事が途絶えており、その間に新機能の追加がいくつかありました。が、自分とパートナーの取引明細・口座残高等の情報の開示/非開示を制御するうえでOsidOriはかなり複雑な動作をしますので、新機能の動作も公式のヘルプ(アプリ内でアクセスします)以上の解説が必要でしょう。まずは2021/03/19にリリースされた代行入力機能から。

1.代行入力機能とは

_パートナーがずぼらでなかなか明細を入力しやがらないので、仕方なく自分が代理で入力してやるから有り難く思え…という機能です。

_↓は妻の立場から取引明細を入力しているところですが、ここで支払担当を「パートナー」と指定すると、本来は夫が入力すべき明細を代行で入力することになります。この場合、支払方法は自動的に「現金」というダミーの口座に固定されます(よって、夫側で事前に「現金」を設定していなくてもこのようにセットされる)。また、この取引明細を表示する画面を(夫の)個人画面に設定して保存しようとしても、「それはできない」と怒られます。

代理入力機能でパートナーの個人画面に表示する取引明細は入力できない

注目の記事

家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ

_今回の主題は…家計簿アプリとデータをやりとりするときに使用するファイルの形式について、です。筆者がこれまで MFFマクロ に対応させてきた家計簿アプリは27種類(Money通帳とあっと家計簿は別カウント)。まず、家計簿アプリからエクスポートする方向では↓のようになります。...

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