2024/03/30

家計簿アプリとデータをやりとりするファイル形式のまとめ(第二版)

 二年前の2022/03/14 家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめでご紹介した情報をアップデートしました。

1.家計簿アプリからエクスポートされるファイルの形式一覧

家計簿アプリからのエクスポート

2.家計簿アプリへインポートするファイルの形式一覧

家計簿アプリへのインポート

…これは筆者の備忘を兼ねた参考情報です。何かのお役に立てば幸いです。間違っていたらごめんなさい。

2024/03/29

GnuCashV5シリーズからエクスポートした取引データに対応したMFFマクロV2.54登場

 2024/03/23 GnuCashからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する機能を修正中 で予告しましたように、GnuCashは、V5.0以降で、エクスポートした取引データの形式が変更されたようで、従来のMFFマクロではMFF形式へのデータ変換がうまくできなくなっておりました。そこで、今回MFFマクロをV2.54に更新してこの問題に対処しました。

1.GnuCashの仕様変更とは?

 GnuCashV5シリーズからの取引データのエクスポートは、V4シリーズと同じで、2021/11/17 GnuCashからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する(前篇)でご紹介した方法で行えます。

 GnuCashV4シリーズからエクスポートした取引データの例を↓に示します。

GnuCashV4から出力したCSVファイル

 V4シリーズのGnuCashは、通常、複式簿記の貸方・借方に相当する2行で1データを構成します(貸方・借方の順序は決まっていない)。また「スプリット取引」(1回の取引で複数の貸方・借方を記帳する、いわゆる複合仕訳)では、取引の1行目に相当する「親取引」にのみ日付~アクションの8列に情報が入り、2行目以降(当Blogでは便宜的に「子取引」と呼びます)はこの8列は空欄となります。

 このデータ構造は、データ変換のうえでは結構面倒臭そうに思えますが、「取引データの境界がはっきりする」というメリットがあるのです。

2024/03/23

GnuCashからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する機能を修正中

 本日、GnuCashにデータを投入する作業をしていた際に気が付いたのですが、GnuCashはどうやらV5.0に更新された時点で、取引データをエクスポートする際のデータ形式が変更されているようです。

 現在、MFFマクロの修正に着手しています。データの入れ方の基本方針が覆っており、相当な難物ですので更新版公開までかなりお待ちいただくことになると思います。ご容赦ありたく。

 なお、MFF形式→GnuCashへのインポートは現バージョンV2.53のMFFマクロで可能です。

2024/03/20

MFFマクロV2.53が控えめに登場

 V2.52公開後、こっそりMFFマクロV2.521というバグフィックス版に差し替えていたのを、V2.53で上書きしました。MFFマクロの何たるかについてはこちらソースリストと導入法についてはこちらをご覧下さい。

 これまでは、MFF形式データを出力する際、何もメッセージを出さずに黙々と家計簿アプリ向けのファイルを吐き出すようにしていました。

 しかし、MFF形式データの中にカンマ、セミコロン、タブといった「テキストファイルに含まれると不都合な文字」が紛れ込んでいる※のを削除する処理を今回加えたことで、ユーザーではないMFFマクロが勝手に家計簿データを改変する(しかもUndoできない)という事態が発生します。そこで、その前にユーザーが処理を止められるようにするため、ターゲットの家計簿アプリに応じて「これからデータを変換するよ」というメッセージボックスを出すように方針を変えました(OFXファイルのように、出さない場合もありますが、マズい文字の削除の処理は行っています)

 ユーザー各位に対して余計な手間を加えることになってしまいますが、ご了承下さい。

 ※は、「ひかる」に筆者の過去の家計簿データをインポートしていた際に発覚しました。Suicaの利用履歴をAndroid版のマネーフォワードMEアプリのIDカードリーダーで吸い上げた際、乗車駅・下車駅などの文字情報の中にTabが含まれていて、これがtsvファイルでデータをインポートする「ひかる」の現金残高の不整合という形で不具合を起こしたのです。何てこった。


 

2024/03/17

「ひかる」に、他の家計簿アプリからのデータを持ち込むためのデータ変換方法

前回の記事

 今回は、前回とは逆に、他の家計簿アプリの取引データを「ひかる」に持ち込む方法を解説します。その前に、ちょっとした準備が必要です。

【2024/04/07】カテゴリーリストのファイル名を誤って記載しておりましたのを修正しました。大変申し訳ございません。

1.「ひかる」の項目名から禁則文字を取り除く

 「ひかる」のデフォルトの項目名には、全角の読点"、"が含まれているものがあり、MFFマクロACF機能を使用して「ひかる」の項目名を変換しようとした際に、このような記号が障害になります(MFFマクロがエラーで止まる)。これはExcelがある処理を行う際にこのような記号を受け付けないためです。詳しくは、Excelの名前付き範囲に使用できない名前と記号の一覧 | へるぱそねっと (helpaso.net)をご覧下さい。

 そこで、↓のように、記号を含んだ項目名を修正する必要があります。

「ひかる」の「交通、通信」を「交通・通信」に変更する

2024/03/14

「ひかる」のデータを他の家計簿アプリに持ち込むためのデータ変換方法

前回の記事

 「ひかる」に対応したMFFマクロV2.52を出現させましたので、具体的なデータ変換の方法を述べていきます。まず、「ひかる」から出力したデータをMFF形式に変換する方法です。

1.「ひかる」から取引データを出力する

 2024/03/11 「ひかる」のデータ入力方法(振替取引篇)のサンプルデータを入力した時点で表示した出納帳は↓のとおりです。「所得」・「利子配当」・「雑収入」といった収入の項目名の先頭に"□"が付けてあることを確認してください。 

「ひかる」の出納帳を表示する2

 「ひかる」から取引データを出力するには、↓のように「詳細のファイル出力」を選択し、ダイアログで出力対象期間を指定し、区切り記号としてカンマを選択します。画面例では省略しましたが「ファイルの保存ダイアログ」で出力先フォルダとファイル名(デフォルトは"詳細.csv")を指定するとファイル出力が完了します。エンコードはShift-JIS、改行コードはCR+LFです。

「ひかる」から詳細データを出力する

2024/03/11

「ひかる」のデータ入力方法(振替取引篇)

「ひかる」に関する前回の記事

 今回は「ひかる」の振替取引の入力方法を解説します。

3.振替取引

 「ひかる」には資金の管理単位が「現金」・「口座」・「借入」の3種類あることは前々回の記事のとおりです。となると、振替取引は3×3-1=8とおりの入力方法があることになります(「現金」→「現金」の振替は有り得ないから)が、全部取り上げるのは大変なので、日常生活でありがちな4パターンに絞って解説しますね。

3-1.現金から口座への預け入れ

  「口座」を貸方(入金先)にする取引の場合は、項目は「貯蓄入」を選択し、特別品名で入金先となる口座を選択して金額を入力。その電卓ダイアログで出金元が何であるかを指定すればOKです。【現金から】を選択した場合は、備考欄は空で入力ダイアログが出現します。

現金→口座の預け入れを入力

現金→口座の預け入れを入力2

2024/03/10

「ひかる」のデータ入力方法(支出・収入取引篇)

 ←「ひかる」の前回記事

 今回は、WindowsPCソフト「家計簿,出納簿ひかる」の支出・収入データの入力方法です。次回に振替取引の入力方法を取り上げます。ちょっとクセのあるソフトなので記事の分量が多く、このように解説せざるを得ません…。

1.支出取引

1-1.「現金」からの支出

 まず「現金」からの支出を記帳してみましょう。「ひかる」では、

  • ①取引の日付を設定
  • ②取引に該当する項目名を選択
  • ③項目名に対応する特別品名を選択
  • ④金額を入力し、支出元を選択(ここでは【現金から】を選ぶ)
  • ⑤備考欄(前回の記事で述べた設定をしないとダイアログが出現しないことに注意)を入力

 という手順で入力します↓。

「ひかる」に現金での支出を入力する

 ↑の⑤備考欄では、(品名)(@店名)(※備考)の書式、いわゆるMFF書式で入力してください。このデータを「ひかる」から出力しMFF形式に変換すると、MFFマクロ(V2.52以降、今後の記事で公表します)はそれぞれの要素を然るべきデータ欄に入れるように動作します。なお、⑤のダイアログには【Enterで改行】というチェックボックスがあるのですが、この機能は絶対に使わないで下さい。

 備考欄を入力して【OK】を叩くと、入力したデータが↓のように反映されます。

「ひかる」に現金での支出を入力する2

2024/03/09

2024年にPC家計簿ソフト「ひかる」を使ってみる人のための解説

  Windows向けPC家計簿ソフト「家計簿,出納簿ひかる(リンクは公式サイト)」(以下、「ひかる」)を当Blogで取り扱うのは初めてです。オンラインソフトウェア大賞97の最高賞たる金賞を受賞した由緒正しいソフトながら、さすがに登場から四半世紀(!)が経過し、現時点での最終バージョンは2017年2月のV9.60で一応Windows11の動作は公式確認されているものの、かなり古いソフトであることは否めません。

 実は、筆者もかつてチャレンジしたことがありますが、そのころはまだ筆者の家計管理に対する意識が低く、すぐに挫けてしまいました。今回は、そのリベンジということで改めて攻略してみたいと思います。

 真っ先に申し上げておきますと、「ひかる」はテキストファイルによる品名データ(「ひかる」の用語で、取引データのこと)は入力・出力共可能であり、それに対応したMFFマクロの新版は近々公開できる見込みです。

1.「ひかる」のインストールと動作設定

 まず、重要事項。Windows10・Windows11に「ひかる」をインストールする際は、↓の画面のようにインストール先を(手入力で)変更してください。

「ひかる」のインストール先を変更する

 インストール後は、↓のように、新規のデータファイルを作るための設定ダイアログが出現します。そう、あのころは消費税率は5%だった…。

ひかるの初回起動

 また、コイツは古いソフトなので、何もしないと文字がカクカクした状態で表示されます。2020/07/25 マイクロソフトマネー、マスターマネー等のPC家計簿ソフトを高解像度ディスプレイで活用する でご紹介した方法でソフトの動作を調整してください。また、「ひかる」は画面表示に使用するフォントを変更できます。これはかなり有難い機能ですね。1980×1080の画面に表示した例を↓に示します(Windowsで倍率を150%にしています)

動作設定変更後の「ひかる」の画面

注目の記事

家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ

_今回の主題は…家計簿アプリとデータをやりとりするときに使用するファイルの形式について、です。筆者がこれまで MFFマクロ に対応させてきた家計簿アプリは27種類(Money通帳とあっと家計簿は別カウント)。まず、家計簿アプリからエクスポートする方向では↓のようになります。...

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