2024/04/19

楽天家計簿がいきなり出現

 まずは 楽天、無料の家計簿アプリを突如リリース 1000以上の社外サービスとも連携可能(ITMediaの記事) をご覧ありたく。2024/04/17に出現したそうです。公式サイトはこちら。

 上記の記事の文面から解釈すると、

  • 標準で楽天銀行・楽天カード・楽天モバイル・楽天Edy・楽天市場・楽天ポイントなどと連携
  • 楽天銀行は1口座、その他の銀行1口座と連携可能
  • 銀行以外の他社(楽天グループ以外という意味らしい)サービスとは3アカウントまで連携可能
  • (楽天グループ以外の)1000以上の他社サービスが連携対象となっている

 という具合で、当面無料機能のみ。2024年中に楽天証券等の証券会社との連携による資産管理機能を提供し、さらに拡張機能をサポートした有料プランを提供する、とのことです。

 画面デザインを見ると…どうやらZaimと提携して開発しているようですね。

 とすると、取引データを外部に出力する機能は有料機能となりそうです。もしくは、アプリの狙いが「楽天経済圏にユーザーを縛り付ける」ことと考えれば、提供されないかもしれません。

 さて「見せてもらおうか、楽天家計簿の性能とやらを」と、早速テストに入ろうとしましたが、当面リリースされるのはiOS版だけ。Android版は後日だそうです。ひでえことしやがる…。

2024/04/18

Money通帳・あっと家計簿の2024/02/21バージョンアップについて

 2024/02/21に、Windows PC向け家計簿ソフト Money通帳(フリーソフトがV2.03、あっと家計簿(シェアウェア版)がV3.94にバージョンアップされました公式サイトはこちら)。2022/12/31 Money通帳・あっと家計簿のバージョンアップについて 以来です。

 なお、両者とも↓のように改善点は同じです。

  • 電子明細ファイルのインポート機能を改良しました。
  • 日別集計表を改良しました。
  • カレンダー画面で、日記アイコンダブルクリックで編集できなくなっていたのを修正しました。
  • こまかなバグの修正・機能改善をしました。

 当Blogとしては一番目に注目すべきところですが、前回のバージョンアップでも特に改善点が見い出せず、また(筆者としては)OFXファイルでのインポートを推奨していないこともありますので、改めてのレポートはしない予定です。

2024/04/17

JRE BANKってできるらしいですけど

  新しい銀行ができるらしいですね公式サイトのPDFはこちら。そのサービス内容はともかくとして…当Blog的に気になるのが「銀行オープンAPIによるPFM※サービスとの連携機能は提供されるのか?」ということです。

※:Personal Financial Management:個人財務管理。マネーフォワードMEやZaimに代表される、金融機関から自動的に取引・残高データを取得してユーザーに提供するAccount Aggregation機能を提供するサービス。

 JRE BANKは楽天銀行のシステムに相乗りする形で構築するそうです。マネーフォワードMEおよびZaimは楽天銀行とのAPI連携ができるので、仕組み的には実装できるのでしょうけど…JRE BANK側が、PFM事業者(電子決済等代行業者)とAPI連携に関する個別契約を締結する、という事務手続きを落とさずにやっているか? という点がちょっと心配です。わかってやっているといいんだけどなあ…

2024/04/15

新年度から家計簿アプリを始めるなら多分シンプル家計簿MoneyNoteがいいと思う

 新年度を機会に家計簿アプリに挑戦した皆さんの中には、二週間が経過しまして、もうすでに諦めて止めてしまったという方もそこそこいらっしゃるかと思います。

 今回は、そういう落ちこぼれてしまった方のために、新年度が始まってまだ時間が経っていないうちに、リトライに向けて家計簿アプリの選び方を解説してみたいと思います。

1.多機能系アプリにいきなり飛びつくのはやめておこう

 マネーフォワードMEやZaim等に実装されている「銀行口座・クレジットカード等のオンラインサイトと連携して取引データを取得する」機能はアカウントアグリゲーションサービス(AAS)と呼ばれています。大変便利な機能ではありますが、家計簿アプリの初心者がいきなりAASを実装した多機能系家計簿アプリに手を出すのはやめておいた方がよろしいでしょう。

 その理由は、

  • AASの設定に必要な、金融機関のオンライン機能の利用申請から使用開始までに手間と時間を要し、その間に意欲が減退する→こんな面倒くさいことをするぐらいならやらないほうがいいや
  • 仮に家計簿アプリにAASの設定ができたとしても、次々と取り込まれてくる取引データに振り回されて、結局面倒くさくなって放置してしまう→放置していてもデータが蓄積されるのは良いが、支出の使途(費目)や、何を買ったか(品名)等は入力されないままで何の役にも立たない
  • 多機能系アプリは課金しないと満足に使えない→自分にとって「課金しなければならないほどの価値を提供してくれるアプリか?」が判らないうちに課金するのは高リスク→無料機能はお試しにもならない

 といったところですが、重要なのは無料機能はお試しにもならないという点です。

 多機能系アプリは、無料で提供している機能をお試し版としているわけですが、これは「アプリの使い勝手」のお試し版であって、「家計簿をアプリで付ける」という行為を習慣化するには向かないのです。

2.最初から完璧を目指さない

 家計管理には、資産管理、口座管理、収支管理、支出管理…という具合に、目的や細かさによって管理レベルに種類がありますが、これから家計簿を付けようというしている方に必要なのはまず収支管理・支出管理というところでしょう。そして、財布の中身、銀行口座、クレジットカードの利用額等すべての数字の勘定が合っていないと気分が悪い…というタイプの人は、そもそも家計簿アプリを使うのが苦にならない気質の持ち主のはずです。

 まずは、全てを把握することはできずとも、一か月間に、何にいくら使っているのかを把握することから始めてはいかがでしょうか。そこで、初心者向けに良く言われる「ざっくり管理」(概算入力)ですが、筆者は金額を大雑把に記帳するのはお奨めしません。個々の取引は日付・金額・使途を正確に記帳しつつ、その中で入力漏れの買い物があってもまあいいや、と考えた方がよろしいでしょう。実は筆者も財布の中の現金の残高が合わず、「謎」という使途不明金の費目で記帳する(そしてその謎が解けることはまず無い)、なんてことが頻繁にあります。

 収支管理・支出管理ができるレベルの家計簿アプリからスタートして、「家計簿をアプリで付ける」という習慣が自分に根付くかどうか、を試すのが先決です。

3.データのエクスポート機能が無料提供されているアプリを選ぶ

 そして、ここが肝要。とりあえず収支管理なり支出管理ができる家計簿アプリでスタートしても、慣れてくれば物足りなくなってくることもあるでしょう。特に欲しくなってくるのは銀行口座やクレジットカード別に残高管理ができる機能です。そうなったときに、他の家計簿アプリに切り換えるにしても、これまで入力してきたデータを持ち出して引き継げないというのは泣けてくる事態です。

 そこで、最初に友とする家計簿アプリには、データをエクスポートする機能が無料で提供されているものを選ぶことを激しくお奨めします(データをインポートできる機能までは必要ありません。それが必要になったときには、とっくに初心者の域を脱しているからです)。当Blogでこれまでに取り扱ったAndroidスマートフォン用家計簿アプリでそのようなものを挙げると

 このようなところが挙げられます。

4.家計簿アプリ初心者にお奨めなのは

 筆者の独断と偏見で申し上げると、そういう目的で使う家計簿アプリとしては初心者向けとしては「シンプル家計簿MoneyNote」が優れているように思います。

 ↑のリンク先の記事を追っていただければ判りますが、このアプリには口座という概念が無いので、データ入力の際に入力項目が減っています。その分のスペースを使って、カテゴリー(費目)の指定がアイコンの一発選択だけでできるという画面設計になっているので、入力する際の手数が少ないのです。また、各種のレポート機能が充実しているのも嬉しい。

MoneyNoteの入力UI

 当Blogが提供しているMFFマクロでは、データ入力の際に、シンプル家計簿MoneyNoteのメモ欄に (口座名/)(内容)(@店名)(※備考)(カッコ内はそれぞれ省略可能)という 拡張MFF書式 で入れておけば、このデータをエクスポートしてMFF形式に変換する際に、データに口座名が含まれるようにする機能を提供しています。他の家計簿アプリにデータを持ち込む時に比較的スムーズに処理できます。

 MoneyNoteに不足を感じたら…? そのときは再び当Blogの記事を漁って、次の方策を考えましょう。

2024/04/06

「ひかる」の検索機能・予算機能・グラフ機能

 2024/03/17 「ひかる」に、他の家計簿アプリからのデータを持ち込むためのデータ変換方法 で「ひかる」関係の連載は終わったわけじゃないですよ~

 データを一挙にインポートできるようになったので、大量のデータを入れないと調査できない機能をレポートします。

1.検索機能

 いきなりですが、「ひかる」の検索機能は正直申し上げて残念な部類に入ります。↓は2023年11月の「光熱費」という支出項目の取引データを検索したところですが…借方のデータしか抽出しないので、貸方(すなわち決済方法)が判らないのです。これは「ひかる」のデータ構造がそうなっているので仕方がありません。

 また、この検索結果をファイルとして出力するような機能も無いです。これはかなり惜しい。

「ひかる」の検索機能(項目で検索)

2024/04/01

おかねのコンパス for TT がサービス終了

 2020/12/16 老後資金が気になってきた人のためのアプリ「おかねのコンパス」試用レポート でご紹介した「おかねのコンパス for TT」が2024年6月30日でサービス終了となるそうです。ユーザー宛のメールにて通知が来ました。

 2020年1月にサービス開始ですから4年半の命脈でした。

 このアプリは明細データを外部に出力する機能は提供されていないので「明細データ移行の対応はございません」だそうです。うぬう…!

2024/03/30

家計簿アプリとデータをやりとりするファイル形式のまとめ(第二版)

 二年前の2022/03/14 家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめでご紹介した情報をアップデートしました。

1.家計簿アプリからエクスポートされるファイルの形式一覧

家計簿アプリからのエクスポート

2.家計簿アプリへインポートするファイルの形式一覧

家計簿アプリへのインポート

…これは筆者の備忘を兼ねた参考情報です。何かのお役に立てば幸いです。間違っていたらごめんなさい。

2024/03/29

GnuCashV5シリーズからエクスポートした取引データに対応したMFFマクロV2.54登場

 2024/03/23 GnuCashからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する機能を修正中 で予告しましたように、GnuCashは、V5.0以降で、エクスポートした取引データの形式が変更されたようで、従来のMFFマクロではMFF形式へのデータ変換がうまくできなくなっておりました。そこで、今回MFFマクロをV2.54に更新してこの問題に対処しました。

1.GnuCashの仕様変更とは?

 GnuCashV5シリーズからの取引データのエクスポートは、V4シリーズと同じで、2021/11/17 GnuCashからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する(前篇)でご紹介した方法で行えます。

 GnuCashV4シリーズからエクスポートした取引データの例を↓に示します。

GnuCashV4から出力したCSVファイル

 V4シリーズのGnuCashは、通常、複式簿記の貸方・借方に相当する2行で1データを構成します(貸方・借方の順序は決まっていない)。また「スプリット取引」(1回の取引で複数の貸方・借方を記帳する、いわゆる複合仕訳)では、取引の1行目に相当する「親取引」にのみ日付~アクションの8列に情報が入り、2行目以降(当Blogでは便宜的に「子取引」と呼びます)はこの8列は空欄となります。

 このデータ構造は、データ変換のうえでは結構面倒臭そうに思えますが、「取引データの境界がはっきりする」というメリットがあるのです。

2024/03/23

GnuCashからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する機能を修正中

 本日、GnuCashにデータを投入する作業をしていた際に気が付いたのですが、GnuCashはどうやらV5.0に更新された時点で、取引データをエクスポートする際のデータ形式が変更されているようです。

 現在、MFFマクロの修正に着手しています。データの入れ方の基本方針が覆っており、相当な難物ですので更新版公開までかなりお待ちいただくことになると思います。ご容赦ありたく。

 なお、MFF形式→GnuCashへのインポートは現バージョンV2.53のMFFマクロで可能です。

2024/03/20

MFFマクロV2.53が控えめに登場

 V2.52公開後、こっそりMFFマクロV2.521というバグフィックス版に差し替えていたのを、V2.53で上書きしました。MFFマクロの何たるかについてはこちらソースリストと導入法についてはこちらをご覧下さい。

 これまでは、MFF形式データを出力する際、何もメッセージを出さずに黙々と家計簿アプリ向けのファイルを吐き出すようにしていました。

 しかし、MFF形式データの中にカンマ、セミコロン、タブといった「テキストファイルに含まれると不都合な文字」が紛れ込んでいる※のを削除する処理を今回加えたことで、ユーザーではないMFFマクロが勝手に家計簿データを改変する(しかもUndoできない)という事態が発生します。そこで、その前にユーザーが処理を止められるようにするため、ターゲットの家計簿アプリに応じて「これからデータを変換するよ」というメッセージボックスを出すように方針を変えました(OFXファイルのように、出さない場合もありますが、マズい文字の削除の処理は行っています)

 ユーザー各位に対して余計な手間を加えることになってしまいますが、ご了承下さい。

 ※は、「ひかる」に筆者の過去の家計簿データをインポートしていた際に発覚しました。Suicaの利用履歴をAndroid版のマネーフォワードMEアプリのIDカードリーダーで吸い上げた際、乗車駅・下車駅などの文字情報の中にTabが含まれていて、これがtsvファイルでデータをインポートする「ひかる」の現金残高の不整合という形で不具合を起こしたのです。何てこった。


 

2024/03/17

「ひかる」に、他の家計簿アプリからのデータを持ち込むためのデータ変換方法

前回の記事

 今回は、前回とは逆に、他の家計簿アプリの取引データを「ひかる」に持ち込む方法を解説します。その前に、ちょっとした準備が必要です。

【2024/04/07】カテゴリーリストのファイル名を誤って記載しておりましたのを修正しました。大変申し訳ございません。

1.「ひかる」の項目名から禁則文字を取り除く

 「ひかる」のデフォルトの項目名には、全角の読点"、"が含まれているものがあり、MFFマクロACF機能を使用して「ひかる」の項目名を変換しようとした際に、このような記号が障害になります(MFFマクロがエラーで止まる)。これはExcelがある処理を行う際にこのような記号を受け付けないためです。詳しくは、Excelの名前付き範囲に使用できない名前と記号の一覧 | へるぱそねっと (helpaso.net)をご覧下さい。

 そこで、↓のように、記号を含んだ項目名を修正する必要があります。

「ひかる」の「交通、通信」を「交通・通信」に変更する

2024/03/14

「ひかる」のデータを他の家計簿アプリに持ち込むためのデータ変換方法

前回の記事

 「ひかる」に対応したMFFマクロV2.52を出現させましたので、具体的なデータ変換の方法を述べていきます。まず、「ひかる」から出力したデータをMFF形式に変換する方法です。

1.「ひかる」から取引データを出力する

 2024/03/11 「ひかる」のデータ入力方法(振替取引篇)のサンプルデータを入力した時点で表示した出納帳は↓のとおりです。「所得」・「利子配当」・「雑収入」といった収入の項目名の先頭に"□"が付けてあることを確認してください。 

「ひかる」の出納帳を表示する2

 「ひかる」から取引データを出力するには、↓のように「詳細のファイル出力」を選択し、ダイアログで出力対象期間を指定し、区切り記号としてカンマを選択します。画面例では省略しましたが「ファイルの保存ダイアログ」で出力先フォルダとファイル名(デフォルトは"詳細.csv")を指定するとファイル出力が完了します。エンコードはShift-JIS、改行コードはCR+LFです。

「ひかる」から詳細データを出力する

2024/03/11

「ひかる」のデータ入力方法(振替取引篇)

「ひかる」に関する前回の記事

 今回は「ひかる」の振替取引の入力方法を解説します。

3.振替取引

 「ひかる」には資金の管理単位が「現金」・「口座」・「借入」の3種類あることは前々回の記事のとおりです。となると、振替取引は3×3-1=8とおりの入力方法があることになります(「現金」→「現金」の振替は有り得ないから)が、全部取り上げるのは大変なので、日常生活でありがちな4パターンに絞って解説しますね。

3-1.現金から口座への預け入れ

  「口座」を貸方(入金先)にする取引の場合は、項目は「貯蓄入」を選択し、特別品名で入金先となる口座を選択して金額を入力。その電卓ダイアログで出金元が何であるかを指定すればOKです。【現金から】を選択した場合は、備考欄は空で入力ダイアログが出現します。

現金→口座の預け入れを入力

現金→口座の預け入れを入力2

2024/03/10

「ひかる」のデータ入力方法(支出・収入取引篇)

 ←「ひかる」の前回記事

 今回は、WindowsPCソフト「家計簿,出納簿ひかる」の支出・収入データの入力方法です。次回に振替取引の入力方法を取り上げます。ちょっとクセのあるソフトなので記事の分量が多く、このように解説せざるを得ません…。

1.支出取引

1-1.「現金」からの支出

 まず「現金」からの支出を記帳してみましょう。「ひかる」では、

  • ①取引の日付を設定
  • ②取引に該当する項目名を選択
  • ③項目名に対応する特別品名を選択
  • ④金額を入力し、支出元を選択(ここでは【現金から】を選ぶ)
  • ⑤備考欄(前回の記事で述べた設定をしないとダイアログが出現しないことに注意)を入力

 という手順で入力します↓。

「ひかる」に現金での支出を入力する

 ↑の⑤備考欄では、(品名)(@店名)(※備考)の書式、いわゆるMFF書式で入力してください。このデータを「ひかる」から出力しMFF形式に変換すると、MFFマクロ(V2.52以降、今後の記事で公表します)はそれぞれの要素を然るべきデータ欄に入れるように動作します。なお、⑤のダイアログには【Enterで改行】というチェックボックスがあるのですが、この機能は絶対に使わないで下さい。

 備考欄を入力して【OK】を叩くと、入力したデータが↓のように反映されます。

「ひかる」に現金での支出を入力する2

2024/03/09

2024年にPC家計簿ソフト「ひかる」を使ってみる人のための解説

  Windows向けPC家計簿ソフト「家計簿,出納簿ひかる(リンクは公式サイト)」(以下、「ひかる」)を当Blogで取り扱うのは初めてです。オンラインソフトウェア大賞97の最高賞たる金賞を受賞した由緒正しいソフトながら、さすがに登場から四半世紀(!)が経過し、現時点での最終バージョンは2017年2月のV9.60で一応Windows11の動作は公式確認されているものの、かなり古いソフトであることは否めません。

 実は、筆者もかつてチャレンジしたことがありますが、そのころはまだ筆者の家計管理に対する意識が低く、すぐに挫けてしまいました。今回は、そのリベンジということで改めて攻略してみたいと思います。

 真っ先に申し上げておきますと、「ひかる」はテキストファイルによる品名データ(「ひかる」の用語で、取引データのこと)は入力・出力共可能であり、それに対応したMFFマクロの新版は近々公開できる見込みです。

1.「ひかる」のインストールと動作設定

 まず、重要事項。Windows10・Windows11に「ひかる」をインストールする際は、↓の画面のようにインストール先を(手入力で)変更してください。

「ひかる」のインストール先を変更する

 インストール後は、↓のように、新規のデータファイルを作るための設定ダイアログが出現します。そう、あのころは消費税率は5%だった…。

ひかるの初回起動

 また、コイツは古いソフトなので、何もしないと文字がカクカクした状態で表示されます。2020/07/25 マイクロソフトマネー、マスターマネー等のPC家計簿ソフトを高解像度ディスプレイで活用する でご紹介した方法でソフトの動作を調整してください。また、「ひかる」は画面表示に使用するフォントを変更できます。これはかなり有難い機能ですね。1980×1080の画面に表示した例を↓に示します(Windowsで倍率を150%にしています)

動作設定変更後の「ひかる」の画面

2024/02/14

次のネタはあるPC家計簿ソフトなんですが

…本音を申し上げますと、そのソフトからのデータエクスポートにしても、そのソフトへのデータインポートにしても、一筋縄ではいかないことが見えてきています。複式簿記を強く意識して作られた家計簿ソフトは、明細データの貸方・借方に入っている文字列が費目か口座のどちらを意味するのか区別できない…ってよくある話なんですが、困ったもんだ。

 別に取り組むべき案件もありまして、研究成果をご披露できますまでしばらくお時間をいただきたく。

2024/01/26

MFFマクロのシンプル家計簿MoneyNoteへのデータインポート機能について解説します

 MFFマクロV2.51では、シンプル家計簿MoneyNote(←当Blogの記事集)に、バックアップ機能を経由してデータをインポートできるようになりました。

 しかし、本来できないはずのことを強引にできるようにしたので、これまでのMFFマクロとは少々違った振る舞いをします。そこで、その中身について備忘を兼ねて解説しておきます。

1.データの修正・削除

 2024/01/23の記事でデータの修正について、2024/01/24の記事の末尾でデータの削除について述べましたが、文章と画面写真だけでは判り難いので、以下に図解します。

MoneyNoteのデータを修正・削除する手順

2024/01/24

シンプル家計簿MoneyNoteにデータをインポートできるようにしたぜ(データ追加・削除篇)

 今回は、前回のデータ修正篇に引き続きまして、MFFマクロV2.51以降を活用して、シンプル家計簿MoneyNoteアプリの既存データに別のデータを追加、あるいは既存データから削除する方法を解説します。今回の記事の例題は、↓のように、2024年元旦~1/7までの家計簿データに、新たに1/8~1/14のデータを付け加えることです。

MFFマクロでMoneyNoteにデータを追加

1.データ追加の準備段階

  1. MoneyNoteのAndroidアプリからバックアップデータを出力してWindows PCに送り込む
  2. Excelで空のワークシートを開いてMFFマクロを動作させる
  3. 出現したダイアログでバックアップデータのファイルを選択して読み込ませる

 …ここまでは前回の記事と同じです。違うのは、バックアップデータを読み込んだ後にMFFマクロが表示する↓のダイアログで【キャンセル】を選択することです。

MoneyNoteのバックアップデータを読み込んだら【キャンセル】を選ぶ

2024/01/23

シンプル家計簿MoneyNoteにデータをインポートできるようにしたぜ(データ修正篇)

 前回公表したMFFマクロV2.51で、シンプル家計簿MoneyNote(以下、MoneyNoteと呼びます)のバックアップファイルをでっち上げて、データをインポートできるようになりました。その大まかな手順は

  1. スマートフォンのMoneyNoteアプリに入力されている全データをバックアップファイルとして出力
  2. バックアップファイルをWindows PCのExcelに読み込み、PC側でデータを修正・追加・削除
  3. 全データをバックアップファイルとして出力し、スマートフォン側に持ち込んでアプリで復元する

 このようになります。

 今回は、Android版MoneyNoteアプリに入力済のデータを修正する方法を解説します。次回は、アプリに入力済のデータに、取引データを追加・削除する方法を解説する予定です。

1.MoneyNoteアプリからバックアップデータを出力する

 例として、2024年元旦から1/7まで入力した↓画面①のようなデータを修正する方法を解説します。↓画面②は、このデータに設定してある「固定収支」で、1~3月の毎月27日に60,000円+2,000円の支出が発生する(27日が土休日の場合はその直前の平日になる。だから↓画面①では1/26に発生している)、と入力してあるものとします。

 バックアップデータは、↓画面③の【バックアップデータを出力する】をタップして…

MoneyNoteのデータをバックアップする

2024/01/22

MoneyNoteへのデータインポートを無理やり実装~MFFマクロV2.51出現

 超久々に、↓の動作概念図の右側に家計簿アプリを追加することができます~(感涙)。今回出現したMFFマクロV2.51(V2.50は非公開)により、シンプル家計簿MoneyNoteにデータをインポート可能になりました。この件に関する解説記事は次回以降にアップする予定です。

MFFマクロV2.51の動作概念図

 なお、MFFマクロの取り扱いについては以下のリンク先をご覧ありたく。

2024/01/14

毎日家計簿へのデータインポートについては敗北宣言をしておきます

 こんにちは。たこぶつであります。

 先日、毎日家計簿からエクスポートしたデータファイルの変換方法の更新について 2024/01/01 進化した毎日家計簿への緊急対応~MFFマクロV2.49出現 で述べました。筆者が把握していないうちに、CSVファイルの形式が変わっていたわけですが、残念ながらデータインポートができるように進化したわけではありませんでした。

 そこで、毎日家計簿のバックアップファイルを手掛かりに、MFFマクロでデータをインポートさせられないか、検討してみたところ…速攻で「こりゃ無理だ!」との結論に到りました。

 毎日家計簿は、Googleドライブにバックアップファイルを保存する仕様になっています。2022/02/20 毎日家計簿の試用レビューその3(予算・グラフ機能)で述べたように、zipファイルに10個のcsvファイルが含まれ、全部のファイルの構成を理解するのは困難です。

毎日家計簿のバックアップzipファイルの中身

 ↑のファイル群の中で、個別の明細データはentry.csvに入っています。で、今回、改めてその中身を覗いてみますと↓…いやはや、カテゴリ(費目)、アカウント(口座)、対象者…といった、ありとあらゆる項目にIDコードが振られております。厳密なる帳簿として、改竄を防ぐためなのでしょう。これでは、アプリの開発者以外に、バックアップファイルを解釈してニセモノをでっち上げることは不可能です。

毎日家計簿のバックアップファイルのentry.csvの中身

…となりますと、毎日家計簿にデータをインポートする方法は、開発側で公式に当該機能を開発・公開していただく以外にありませんな。やってくれるのかな…ユーザーとして公式ルートで要望したわけじゃないんですけど、開発側が当Blogをご覧いただけているといいのですが…。

 なお、2024/01/08 シンプル家計簿MoneyNoteへのデータインポートについて研究中です の方は、かなり複雑な操作が必要になりますけど、光明は見えてまいりました。ご期待ありたく。

2024/01/08

シンプル家計簿MoneyNoteへのデータインポートについて研究中です

 2022年8月にシンプル家計簿MoneyNoteをレビューした際に、アプリへのデータのインポートについては今後の課題、としておりました。MoneyNoteは公式にはデータインポート機能を有していませんので、裏口としてデータバックアップ機能を使います↓。もちろん、本来できないはずのことを実現するので一筋縄ではいきません。現在、その研究を進めております。結果をご紹介できるまで暫しお待ちありたく。

MoneyNoteのデータバックアップ機能

2024/01/06

レシーピにサブスクリプションプランが登場

 2023/12/29から月額200円で広告が非表示になるプランが登場しました。レシート認識の度に広告が出るのはウザい、というユーザーの声があったようです。…しかし、データを外に出せないという課題は相変わらずらしい。2023/12/25 牛透明の謎~家計簿アプリのレシート認識機能をレポートする でご紹介したように、レシートの読み取り性能は悪くないんですけどね。

レシーピにサブスクリプションプランが出現

2024/01/01

進化した毎日家計簿への緊急対応~MFFマクロV2.49出現

 あけましておめでとうございます。2024年最初の記事は「毎日家計簿」についてです。当Blogで以前に取り上げたのは2022年2月で、それから2年弱の間に機能増強が行われていますのでご紹介します。

1.設定メニューから見る機能増強

 毎日家計簿の設定メニューを二年前と比べてみますと↓のようになります。

毎日家計簿の設定メニューの進化

…↑この中で注目すべきは、「年の開始月」が変更できるようになったことです。これは 2022/02/14 毎日家計簿の試用レビューその2 で指摘していたところで、いつ対応されたのかはわかりませんが喜ばしいことです。この機能を有している家計簿アプリは少ないですからね。

注目の記事

家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ

_今回の主題は…家計簿アプリとデータをやりとりするときに使用するファイルの形式について、です。筆者がこれまで MFFマクロ に対応させてきた家計簿アプリは27種類(Money通帳とあっと家計簿は別カウント)。まず、家計簿アプリからエクスポートする方向では↓のようになります。...

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