2021/12/31

MoneyLookの明細データをExcelにコピペして他の家計簿アプリ向けに変換する方法

【2022/03/03追記】:2022/02/25に、MoneyLookに明細データをCSVファイルとして出力する機能が実装されましたので本記事の内容は古くなってしまいました。CSVファイルのデータ変換については2022/03/03の記事をご覧下さい。


_SBIビジネス・ソリューションズが提供するアカウントアグリゲーションサービス(AAS)「MoneyLook」は、2020年5月に新サービスを開始し2021年3月に旧サービスを停止して全面移行しました。その際に発出されたFAQの「MoneyLookについて」では、今後の新規機能開発の筆頭項目に「口座情報のExcel出力機能」が挙げられております。2020/06/07 新Moneylookの現状はアレですが将来に期待しましょう で触れましたように、この機能は当初は2020年7月に実装される見込みだったのですが、2021年12月に至ってもリリースされておりません。

_ま、一般消費者向けAASの中では、取引データをExcelファイルやCSVファイルでエクスポートできる機能を無料で提供しているものは無く(必ず何らかの形で有料機能となっている)、MoneyLookにそれを望むのは酷かもしれませんが…本当に実装されるのか甚だ怪しいものだと言わざるを得ません。 

_そこで、Moneytreeの場合と同様に、MoneyLookでも明細データをブラウザ上でコピーしExcel上で貼り付けられることを応用してMFF形式への変換を行う機能をMFFマクロV2.28に備えました。

1.MoneyLookの明細データをブラウザ上でコピーする

_Google Chrome上で、MoneyLookの明細データをクリップボードへコピーする方法は↓のようになります。筆者の環境では、Microsoft Edge(当然ながらChromiumベースの版)、Sleipnirでも可能であることは確認しています。なお、MoneyLookでは銀行・カード・電子マネーでそれぞれ明細データの表の形式が異なりますが、どれも同じ方法でコピーできます。

Moneylookで取得した明細データをコピーする方法

2021/12/30

kakei+へのデータのインポート方法は結局のところ不明

 ←前回の記事:2021/12/29 kakei+からエクスポートした取引データを他の家計簿アプリ向けに変換する

_kakei+へデータをインポートする方法についての悲報です。

_kakei+は、その前身であるPC家計簿ソフト「生活家計簿3.0」のデータ(CSVファイル)をインポートできるとの触れ込みですが…同ソフトが2021年5月にサポート終了し入手不可能になった今となっては、このデータの形式を調べる方法が無いという状態であり、MFFマクロによるkakei+へのインポート機能の開発は頓挫しております。

_実は、きびだんごの暮らしというブログでは、Zaimのデータを元に、生活家計簿3.0のCSVファイルの形式を真似たCSVファイルを作成しKakei+にインポートした事例が紹介されています。これはかなり大きな手掛かりだ!…というわけで早速調べ始めたところ、kakei+のインポート機能は、どうやら生活家計簿3.0が出力するCSVファイルのファイル名に依存しているようです。

_この点に関しては、kakei+の公式サイトに 使いこなしのヒント【kakei+にデータをインポートする】 というページがあり、生活家計簿3.0からのCSVエクスポートの方法が解説されています(なんと動画まである。これらの情報から、生活家計簿3.0からは「年集計」で出力した全CSVという形式でエクスポートしなければならず、ファイル名は"K2021.1~12.CSV"のような形になることが判りました(拡張子が大文字でなければならない、という点も罠であった)

_しかし…先のブログ記事のCSVファイルの画像を拝見すると、どうやら費目・項目には固有のコード番号(費目ID)が割り振られており、これを指定しなければならないらしいのです(↓の画面ではインポートに成功しているように見えるが、既存の費目・項目と同名の、新規の費目・項目が作られてしまっており、うまくいっていない)。これを調べるには、やはりkakei+に「全ての費目・項目を使ったダミーの取引データ」を入力して、そのデータをCSVファイルとしてエクスポートするしかありません。

_そこで、mercariで中古の「生活家計簿3.0」を購入したのですが(定価が7,000円もしていたんですねこのソフト)、このソフトはパッケージ販売時点ではどうやら16Bitアプリであったようで、結果として64BitのWindowsにはインストールできませんでした。おそらくパッケージ販売以降のアップデートで32Bitアプリになったものと思われ、2021年5月でサポートを終了している以上、アップデートデータを入手することも最早できそうにありません。

_というわけで、kakei+へデータをインポートする方法については、現時点では筆者にはお手上げです。また、仮に出来たとしても…kakei+にインポートしたデータはユーザーが編集できず、手入力したデータと比べてかなり冷たい取り扱いがなされます。

_現時点のkakei+のインポート画面↓にはなにやら気になる記載があります。この「将来的な対応」って奴に期待しましょう。できれば、前回の記事でご紹介した、kakei+からエクスポートしたCSVファイルの形式でインポートできるようになってくれれば嬉しいんですがね…

kakei+へのインポートをこれだけ試したがうまく行かない

_kakei+関係の記事はこれで一応連載終了です。大きな機能改変等がありましたら、また取り上げたいと思います。

2021/12/29

kakei+からエクスポートした取引データを他の家計簿アプリ向けに変換する

_今回の記事は前々回からの続きです。MFFマクロV2.28を使用して、オンライン家計簿サービス「kakei+」からエクスポートした取引データをMFF形式に変換する方法を解説します。

6.kakei+から取引データをエクスポートする

_kakei+のデータエクスポート機能は少々判りにくいところにあります。①↓の画面の左ペインにある【当座表】を叩き、②画面上部の【検索】を選択。今月の取引データ全部を抽出するのであれば③【今月を設定】→④【検索する】の順に叩くと該当するデータがリストアップされます。ここで画面下部の【CSVエクスポート】を叩くと、デフォルトのダウンロードフォルダにYYYYMMDD_export_registers.csv というファイルが吐き出されます。

_つまり、kakei+はデータをある条件で抽出した結果をCSVファイルとしてエクスポートできるわけでして、他の家計簿アプリをぶっちぎりで凌駕する性能を誇っています。CSVファイルはUTF-8(BOM付)でエンコードされており、改行コードはLFのみです。なお、ファイル名のYYYYMMDDにはダウンロードした日付が入ります。

_CSVファイルがExcelに紐付けられている環境では、ダウンロードされると同時にExcelがこのCSVファイルを開くはずです(BOM付なのでUTF-8でエンコードされていてもExcelは文字化けせずに読み込める)

kakei+取引の検索とCSVファイル出力

2021/12/28

MFFマクロV2.28はkakei+とMoneyLookに対応しました

_前回の記事:2021/12/26 kakei+の費目構成と入力UI で予告しましたMFFマクロV2.28を公開します。例によって、マクロの導入方法は 固定ページ:家計簿アプリ間データ変換ツール「MFFマクロ」公開中 を、マクロのソースリストは 固定ページ:MFFマクロの導入法と使用法 をご覧下さい。

MFFマクロV228の動作概念図

_今回のバージョンでは、

  • オンライン家計簿サービス「kakei+」からエクスポートした取引データをMFF形式に変換する機能
  • アカウントアグリゲーションサービス「MoneyLook」からコピペした明細データをMFF形式に変換する機能
_を備えました。いずれも具体的な操作方法は今後の記事の中で解説していきます。

_しかし…今回も、↑の図におけるMFFマクロの左側の家計簿アプリリストが増えるだけで、右側のリストは増えませんでした。単なるAASであるMoneyLookはまだしも、かなり優れた家計簿サービスであるkakei+へのデータインポートができないとは…困ったもんだ。

2021/12/26

kakei+の費目構成と入力UI

←前回の記事: 2021/12/24 kakei+カケイプラスに取り組む

4.kakei+の取引種別と費目について

_kakei+の費目リストを↓に示します。羽仁もと子女史の家計管理の特徴として、食費を副食物費・主食費・調味料費の3つに分けることが挙げられます。「外食」が主食費に、酒類が「飲料・嗜好品」として調味料費に含まれており、この費目構成のままではかなり違和感を感じるのではないかと思われます。が、費目は一応カスタマイズできるようにはなっているものの、はっきり言って推奨はされていません。

_既存の費目・項目については非表示化と並び替えのみが可能で、名称変更・削除は不可能。ユーザーが追加したものについては非表示化・並び替え・名称変更・削除が可能です。データの削除によって発生する様々な不具合を回避するように実装されていることが判ります。類似例としてはZaimが挙げられるでしょう。

kakei+の費目一覧

2021/12/24

kakei+カケイプラスに取り組む

 _みなさまこんにちは。たこぶつでございます。個人的にいろいろありまして、久しぶりに記事をアップします。 

_今回から、婦人之友社が提供しているオンライン家計簿サービス「Kakei+」(カケイプラス)を取り上げます。同社が2000年から発売していたWindows版ソフト「生活家計簿」の後継として2020年5月にリリースされています生活家計簿3.0サポート終了を知らせるページにそのように書いてある)。以前当Blogで取り上げたスマートフォン用アプリ「家計簿カケイ」とは無関係です。

_kakei+は羽仁もと子案家計簿の進化型、を標榜しています。羽仁もと子女史は家計簿の考案者だということですが、浅学な筆者は存じませんでした…。Kakei+のマニュアルのPDFはこちらからダウンロードできます(2020年9月1日付:9.4MB)。また、操作を解説した動画はこちらにありますのでご覧下さい。

_ちなみに、現時点におけるkakei+は、取引データのエクスポートは可能ですがインポートは事実上不可能(別途解説します)なので、当Blogではkakei+のデータをMFF形式に変換するところまでを取り上げます。

1.アカウント登録と初回ログイン

_kakei+のサイトにメールアドレスとパスワードを登録すると、アカウント情報として

  • 氏名(姓+名)
  • ニックネーム(ひらがな)
  • 性別(女性・男性・その他)
  • 誕生年(西暦)
  • 都道府県
  • 家族構成(配偶者、子ども(1人)、子ども(2人)、子ども(3人以上)、孫、自身の親・配偶者の親、兄弟姉妹、その他、同居していない)

_といった個人情報を登録させられます。その後、初回のログイン時には↓のようなチュートリアルが表示されます。

_なお、試用期間は2か月で、それ以降は2021年12月現在で年間2,400円(税別)の費用がかかります。月額200円ということは「オンライン家計簿うきうき」と同額で、いわゆるアカウントアグリゲーションサービスを実装していないオンライン家計簿サービスの有料相場はこのあたり、ということになるのでしょう。

kakei+へようこそ

2021/12/04

GnuCashのグラフ機能の紹介を忘れてました

_GnuCashとのデータ変換に関する連載は 2021/11/24 家計簿データをMFF形式から変換してGnuCashへインポートする(後篇)で一応終わりましたが、グラフ機能についてご紹介するのを失念しておりました。そもそも筆者がGnuCashへのデータインポートにこだわったのは今回の記事の元ネタになるデータを投入するためだったのに、MFFマクロV2.27を公開して満足してしまっていたようです…

_今回は、 2020/07/26の記事で触れた、マイクロソフトマネーと同レベルのグラフを描くことを目標にします。長期的な支出の傾向を掴むための↓のようなロングスパンでの積上げ棒グラフです。

マイクロソフトマネーの費目別支出額推移のグラフ例

_GnuCashで↑のようなグラフを表示させるには、↓のように操作します。しかし…2021年になってからの3ヶ月分しか表示されず(これは筆者が2021年度のデータを投入していないからです)、グラフの項目も8つしかありません。あれ~こんなグラフしか表示できないのか~? と最初はかなりがっくりきました。

GnuCashで「費用チャート」を表示させても最初はこんなグラフにしかならない

2021/12/03

DARUMA家計簿の超迅速対応に追いつくのは至難の技です

 _2021/11/27 DARUMA家計簿のさらなる進化に期待(第二弾)で要望として触れました事項について、記事掲載の翌日に開発元から「早速対応したよ」と連絡をいただきました。いや、確かに「超迅速な」とは申し上げましたけど…Hanisana Apps恐るべし。

1.フリーワード抽出が実装されました

_メモ欄を対象としたフリーワードでのデータ抽出・出力機能が追加されました。「検索」と呼ばなかったのは、ヒットしたデータを編集できるわけではなく、ヒットしたデータのみがCSVファイルとして出力される、という動作になるためです。なお、出力したCSVファイルのフォーマット等についてはこちらの記事を参照してください。

メモ欄のフリーワード抽出が可能になった

2021/11/27

DARUMA家計簿のさらなる進化に期待(第二弾)

_筆者がGnuCashに取り組んでいる間に、DARUMA家計簿に新機能が登場しておりました。なお、本記事の第一弾はこちらです

1.カレンダー機能

_2021/06/20 DARUMA家計簿の設計はよく練られています でご紹介した画面構成ががらりと変わりました。設定メニュー>その他設定 で基本画面をカレンダー形式に切り換えられるようになっています。事実上、こちらが標準となるでしょう。何せ、従来のDARUMA家計簿は本日がデフォルトで選択されて何も入力されていない画面から始まるので、「うわ、いつから入力をサボっていたんだ?」と過去に遡る操作をしなければならず、少々気が滅入るところがありました…

_画面下部の勘定科目別の集計表(その日付における資産・負債の残高と、収入・支出の発生額を表示する。マスターマネーのマネービュアーがまぐち君の集計表画面に相当する)を展開すると、上部のカレンダー画面が上下方向に圧縮されるというギミックが秀逸です(日付を選択するのが少々キツくなりますが)

DARUMA家計簿にカレンダー機能が追加された

2021/11/25

OsidOriの目立たないが重要な不具合の修正について

_筆者がGnuCashにかまけている間に他の家計簿アプリにもいろいろ動きがありました。まずはOsidOriから。

1.OsidOriの支払担当の認識がアプリ画面と出力データで違っている

_OsidOriは、支出額の支払い(または収入額の受取り)を わたし・家族・パートナー の誰が担当するのか、という情報が非常に重要であります。↓の例では、7月24日の3000円の買い物はパートナーが支払担当になっています。これは夫が見ている家族画面なので、パートナーとはすなわち妻のことです(OsidOriでは近年のいろいろアレな流れを受けてか、夫とか妻とかいう言葉を徹底的に避けているようですが)。ちなみにこのデータは妻が入力したので、支払元口座である"02財布"を夫側から修正することはできません。

7月24日の3000円の買い物はパートナーが支払担当になっている

2021/11/24

家計簿データをMFF形式から変換してGnuCashへインポートする(後篇)

←前回の記事:2021/11/23 家計簿データをMFF形式から変換してGnuCashへインポートする(前篇)

_今回は、前回に出力したCSVファイルをGnuCashに取り込みます。

3.GnuCashへのインポートも簡単ではない

_データインポート機能には↓のようにアクセスします。

GnuCashのインポート機能へのアクセス

2021/11/23

MFF形式の家計簿データを変換してGnuCashへインポートする(前篇)

←前回の記事:2021/11/22 ついにGnuCashに対応 MFFマクロV2.27出現

_今回は、MFFマクロ(V2.27以降)を使用して、MFF形式のデータをGnuCashにインポートする手順をご紹介します。記事にすれば割とあっさり終わりますが、この機能を実装するには大変な手間がかかりました。

_しかも、今回の記事を執筆中に、MicrosoftがOfficeソフトを更新して画面デザインを変えやがったため、画面例のキャプチャを全てやり直しする羽目になりました。ここのところ筆者の身にはロクなことが起きません…(泣)。

_なお、Excelの更新によって、クイックアクセスツールバーが標準では非表示になりました。これは非常に困るので、Excelで【ファイル】タブ>【ホーム】メニュー>【その他…】サブメニュー>【オプション】を選択し、Excelのオプションダイアログ内の【クイック アクセス ツール バー】設定画面で□クイック アクセス ツール バーを表示する のチェックBOXをONにして、MFFマクロ動作用のアイコンを表示するように設定してください。

1.MFF形式データをGnuCashにインポートできる形にする

_サンプルのMFF形式データは、実はGnuCashからのエクスポートのテストに使用したものを利用します↓。セルに色をつけているのは説明を判り易くするためで、本来のデータにはありません。各色はそれぞれ

  • 2021/10/22の緑色系のデータ:給与明細
  • 2021/10/26の黄色系のデータ:クレジットカードによる買い物
  • 2021/10/28の青色系のデータ:お土産を現金・Suica併用で買った
_という取引を示しており、いずれも「明細分離用」という仮想の口座を設定して疑似的に複合仕訳を実現しているものです(家計簿アプリを活用するうえでの典型的な手法ですね)。よって、これらは当然スプリット取引としてGnuCashにインポートさせたいところです。

_そこで、MFFマクロV2.27では、MFF形式のL列を「スプリットフラグ」というデータ列として使用します(L列は、本来はMFFマクロのACF機能用ですが、GnuCashはインポートの際に勘定科目の対応関係を設定する機能があるのでACFを使う必要はありません)。スプリットフラグとは、MFF形式の複数のデータがスプリット取引を構成していることを明示するための自然数で、ユーザーが以下のように入力します。

  • 同じ日付で、同じ口座名の複数のデータに入力する。↓の2021/10/28の例のように、振替取引が複数含まれていても構わない。
  • 支出欄・収入欄の総額がそれぞれ同じになるようにする。↓の2021/10/26の例では支出・収入とも計1133円。
  • 親取引(これは1つだけ)となるデータ行に1を、子取引となるデータ行(これは複数)に2以上の自然数を入れる。子取引全てを2と指定しても、2以上の連番としてもかまわない。また、同じ日に複数のスプリット取引が発生する場合は、100の位を異なるものにする(101を親として、子を102~199とする。200台・300台…でも同様)
  • 親取引は、対象となる複数の取引の中でそれを代表するものを指定する。例えば↓のデータ例では2021/10/22の給与明細であれば、「明細分離用」口座から「あの筋銀行」口座に300,000円が振り込まれた体になっている取引が該当する。
  • スプリット取引に含まれる振替取引に対しては、反対取引(↓の画面でグレーに塗った行)の方にはスプリットフラグは入れないこと。また、そのような反対取引はデータ変換の処理対象外となる。反対取引が無いデータであればそのままで良い。
  • スプリット取引にせず、通常の取引データとしてインポートさせる場合はスプリットフラグ欄には何も入れない。
_↓の画面例の①のようにスプリットフラグを入力し、②D1セルのプルダウンメニューでGnuCashと設定し、③セルカーソルをD1セルに合わせた状態でMFFマクロを動作させます。

_なお、マクロを動作させる時点では、オートフィルタの絞り込み機能は使用しないようにしてください(オートフィルタ機能を解除しろということではなく、絞り込みをするな、という意味です。絞り込んでいる場合はMFFマクロが強制的に解除します)。これは、MFFマクロが処理の途上でMFF形式データを(日付とスプリットフラグをキーにして)昇順ソートする段階があるのですが、その際に絞り込みをかけているとExcelが「表示中の行だけでソートする」という動作をして、スプリット取引のデータ行が不連続になる場合があるためです。

GnuCashインポートテスト用MFF形式データ

2021/11/22

ついにGnuCashに対応 MFFマクロV2.27出現

_お待たせしました。前回記事の予告のように、鬼のように大変な思いをしてMFFマクロをGnuCashとのインポート/エクスポートのデータ変換に対応させることができました。バージョンナンバーも、現行のV2.23からV2.25にする予定が、さらにV2.27にまで飛びました。その理由は、プログラムをGnuCashからのエクスポート(GnuCash2MFF)で1回、GnuCashへのインポート(MFF2GnuCash)で2回、全面的に書き直したためです。

MFFマクロV2.27概念図

_当Blogでは、MFFマクロを公開後、解説記事を執筆中に改良点や不具合を発見してさらにバージョンアップすることがよくあります。GnuCashへの対応については絶対にそうなることが判っていたので、プログラム公開を延ばしておりました。…が、当該サブルーチンだけでなく、周辺のサブルーチンまで改修しなければならなくなったのは誤算でした。

_一連のバージョンアップ作業の中で、MFFマクロの大きな問題点も見えてまいりました。今回のGnuCashへの対応の中で最も足を引っ張ったのが、振替取引のデータに対して「反対取引をでっちあげる」というMFF形式の仕様です。

_もともと、この仕様は、マイクロソフトマネーにデータをOFXでインポートする際「1口座ずつしかインポートできず、振替取引を認識させることもできない」という制約に対応し、MFF形式の家計簿データを「口座名」で絞り込んでOFXファイルを出力する、という運用を想定したものです。つまり、口座A→口座Bの振替取引に対し、口座Aからの振替支出のデータはあっても、口座Bへの振替収入のデータは無い(口座Bの出納を正しく認識できない)…という事態を回避するための仕組みです。

_ところが、GnuCashは複式簿記を強く意識した造りになっているため、「口座A→口座B」の取引データと「口座B←口座A」の取引データの両方があると…データ変換処理の中で「口座Bを借方、口座Aを貸方とするX円の資金移動」と「口座Aを借方、口座Bを貸方とするマイナスX円の資金移動」という二つの表現が両立してしまい、特にスプリット取引のように「主軸とする口座名をデータから特定する」という処理を記述する際に大混乱を起こすのです。GnuCashが負の金額を取り扱える仕様になっているのが事態をさらに厄介にする…。このあたりの頭の整理のためにサブルーチンを全面的に書き直しする羽目になった、というわけです。

_幸いであったのは、直前に、複式簿記を基本設計としたDARUMA家計簿への対応を経験していたことでした(例えば2021/07/19 DARUMA家計簿からのデータエクスポートの方法も新しくなりました。これが無かったら労苦はさらにキツいものになったでしょう。

_また、MFF形式のもう一つの難点が「取引先欄」が収入・支出取引と振替取引でデータの意味が異なる、という仕様です。これも、毎度毎度の処理において、取引データがどちらの取引を意味しているのかを判断しなければならず、プログラムが非常に冗長になる原因になっています。

_このように、MFFマクロも次の大幅改良をそろそろ考えなければならないようです。いつになるかは判りませんが…

次回はいよいよGnuCashにデータをインポートします→

2021/11/19

GnuCashからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する(後篇)

 ←前回の記事:GnuCashからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する(前篇)

_今回は前回の続きで、GnuCashからエクスポートしたデータをExcelに読み込ませるところから始まります。

【2029/03/29追記】:この記事はGnuCashV4シリーズに対応しており、GnuCashV5シリーズでは、取引データをエクスポートした際のCSVファイルの形式が変更されています。詳しくは2024/03/29 GnuCashV5シリーズからエクスポートした取引データに対応したMFFマクロV2.54登場 を参照して下さい。

2.CSVファイルをExcelへ読み込む

_Excelを起動し、空のワークシート上でMFFマクロを動作させ、出現したダイアログで「GnuCashからエクスポートされたCSVファイル」を指定して、ワークシートに読み込ませます(ファイル名にGnuまたはGNUが含まれていることでGnuCash由来のファイルであると判定します)。このCSVファイルはUTF-8でエンコードされている(BOM無し、改行コードはCR+LF)ので、普通にExcelで開くと文字化けします。

MFFマクロでGnuCashからエクスポートしたcsvファイルを読み込む

2021/11/17

GnuCashからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する(前篇)

 ←前回の記事:2021/11/10  GnuCashにデータを入力する方法(スプリット取引篇)

_GnuCash関連の連載もいよいよ本題に入ります(え、今までは本題じゃなかったの?という突っ込みはさておき)。GnuCashからエクスポートしたデータを、MFFマクロMFF形式に変換する方法を解説します。

1.GnuCashからのエクスポート

_の2回の記事で、GnuCashに取引データを入力した結果、各勘定科目の残高は↓のようになっているはずです。

これまでの例題を入力した結果

_ ここから、取引データをCSVファイルとしてエクスポートします。コマンドへのアクセスは↓のとおり。

取引をCSVにエクスポート_を選択する

2021/11/10

GnuCashにデータを入力する方法(スプリット取引篇)

 ←前回の記事:2021/11/09 GnuCashにデータを入力する方法(通常取引篇)

_前回は、借方・貸方が1対1で対応する「通常取引」の入力方法を解説しました。しかし、GnuCashを使いこなすなら、1つの取引で複数の借方と複数の貸方が対応する「複合仕訳」を実現する「スプリット取引」機能をマスターすることが欠かせません。今回はその入力方法を解説します。

1.家計簿アプリの複合仕訳機能の状況について

_複合仕訳の入力ができる家計簿アプリは、筆者の知る限りではDr.WalletMoneyProZaimマイクロソフトマネーの4つがありますが、それぞれ、できること、できないことがあります。そこでそれらをまとめたのが↓の表になります。

_【2022/01/10追記】:マイクロソフトマネーのエクスポート機能についての認識に誤りがありましたので修正しました。

複合仕訳が可能な家計簿アプリの性能一覧

_このように、複合仕訳機能に関して、4つのアプリはいずれも完璧とはいきません。最も優れているのはZaimですが、それとて支出でしか複数の費目を扱えませんので、給与明細を複合仕訳で入力するのは(ダミー口座を活用しなければ)不可能です。

_これに対し、GnuCashは支出・収入に跨がった取引を記帳可能で、しかもインポートの際にそのようにデータを認識させることができ、さらにエクスポートの際にもデータの欠落が発生しません(このあたりはいずれ解説します)。この「スプリット取引」の機能こそGnuCashの神髄と言えます。

2021/11/09

GnuCashにデータを入力する方法(通常取引篇)

←前回の記事:2021/11/07 GnuCashの動作設定

_GnuCashに最初に触れるユーザーは、まず「どうやってデータを入力すればいいんだろう」と途方に暮れるところでしょう。他の家計簿アプリと異なり、GnuCashは普段の操作においても、常に複式簿記を強烈に意識しなければならないからです。今回は、GnuCashのデータ入力UIのうち、借方・貸方が1対1で対応する「通常取引」(これは筆者の勝手な造語ですが)について解説します。2021/10/31の記事で触れた「スプリット取引」については次回の予定です。

1.まず収入取引を入力してみる

_GnuCashの操作は、↓の【勘定科目タブ】から、操作対象とする勘定科目をダブルクリックして入力画面に移行する、というのが基本になります。すなわち、取引に使用した口座をベースに入力するか、取引の結果として生じた費目をベースに入力するか、どちらの方法でも同じ結果になります。ここでは、親しみやすい前者の手順で入力してみましょう。まず、「23あの筋銀行」の、赤枠で囲った部分をダブルクリックします↓。

23あの筋銀行の名称または残高欄をダブルクリックする

2021/11/07

GnuCashの動作設定

←前回の記事:2021/11/05 GnuCashの勘定科目を設定する


_今回は急遽予定を変更して、GnuCashの動作設定について解説します。我が国のユーザーが家計簿として活用するには項目の大半が無用ですが…中には重要なものもあるので飛ばさずにご覧下さい。なお、↓の画面例の【編集】メニューの中で、【設定】の下に【スタイルシート】という項目があり、色遣いやフォント等をカスタマイズできますが、GnuCashとのデータ変換には関係ないので解説は割愛します。

GnuCashの設定画面

2021/11/05

GnuCashの勘定科目を設定する

←前回の記事:2021/11/04 GnuCashをセットアップする

_今回は、GnuCashを活用するうえでの最重要事項である「勘定科目」について解説します。

1.勘定科目と勘定科目タイプ

_GnuCashには資産・負債・純資産・収益・費用の5種類の勘定科目があり、その下に12種類の「勘定科目タイプ」があります↓。勘定科目タイプとは…例えば、"資産”の部に「その筋株式会社売掛金」という勘定科目を作って、それに「売掛金」と勘定科目タイプを設定すると、GnuCashの「売掛金」に関する機能の動作対象としてこの勘定科目が選択されるようになる、という一種のフラグのようなものと考えてください。ですから、この「勘定科目タイプ」の設定を間違えるとGnuCashはユーザーの意図どおりの動作ができません。

 また、これらとは別に「複数の通貨・商品を含む取引のために」ということで"通貨取引"という特殊な勘定科目タイプが用意されています。普通に家計簿として使う分には気にしなくて良いでしょう。

2021/11/04

GnuCashをセットアップする

_GnuCashの連載に突入するにあたり、まずすべきことはインストールとセットアップです。当BlogではPC(Windows)版を取り扱います。なお、公式サイトはこちらです(日本語)。インストーラのダウンロードもここから行ってください。2021年10月25日現在の最新バージョンは4.8です。

_なお、インストール手順には特筆すべき事柄は無いので、今回はGnuCashの初回起動から解説します。

1.インストール後の初回起動

_インストール後の初回起動では↓のようなダイアログが出現します。 ここでは【勘定科目セットを新規作成する】を選びます。何せGnuCashはこれをやらなければ何も出来ませんから。

GnuCash初起動後のチュートリアル

2021/10/31

11月の予告…GnuCashとの苦闘の結果をお届けする予定です

_当Blogの記事のアップが滞っているのは、筆者が怠けているか大ネタを仕込んでいるかのどちらかですが…今回は後者の方です。

GnuCashタイトルダイアログ

_現在、GnuCash(公式サイトはこちら)に取り組んでおります。当Blogでは初めて登場するソフトウェア名ですな(これまで1回も記載したことが無いはずです)。正直に申し上げれば、これまでは極力避けるようにしておりました。さる読者の方から記事化の要望をいただいており、1年前にインストールはしてみたものの…あまりの取っつきにくさと、まだまだ未対応箇所がある日本語化の状況にあっさり挫けた、というのが実情です。

_GnuCashは小規模な事業者に向けた財務・会計ソフトと言われつつも、もちろん家計簿アプリとしても活用できます。その特長は…筆者としては、いわゆる複合仕訳を可能とする「スプリット取引」機能にあると考えています。すなわち、1回の取引に、複数の仕訳情報を含めて記帳できるわけです。

_類似の機能はDr.WalletMoneyProZaimマイクロソフトマネーにも実装されておりますが、収入・支出を混在させられないとか、取引データをエクスポートすると情報が欠落するとか、それぞれに問題を抱えています。また、取引データを「複合仕訳のデータである」とアプリ側に認識させてインポートできるのは、筆者の知る限りではZaimのみです。これらに対し、GnuCashはエクスポート/インポートの双方向でスプリット取引機能を活用できます。

_ただし、スプリット取引として記帳されたデータをエクスポートしても、それを正しく解釈するのは大変な困難が伴います。そしてより困難なのは、取引データをGnuCashにインポートする際に、スプリット取引を正しく認識させることでありまして…GnuCash側のバグではないかと疑われる動作も見られました。

_現在の状況としては、スプリット取引のエクスポート/インポートに対応したMFFマクロは概ね開発できており、筆者の友たるマスターマネーのデータをGnuCashにインポートし、さらにGnuCashからエクスポートすることで全く同じ家計簿データを再現できるところまでは確認しております。ソースリストは近いうちに公開できるでしょう。

_問題は、GnuCashそのものの解説をどこまでするか、という点でありまして…ネット上には非常に断片的な情報しか無いため、操作方法や考え方といったところまで触れなければならないのは覚悟しておりますが…筆者の乏しい能力と意気地では自ずと限界が来ます。よって、当Blogの基本方針どおり、データ変換に関する内容を中心に取り扱いたいと思います。それでもかなりのボリュームになるだろうなあ~

連載記事はこちらです→

2021/10/16

マネーフォワードMEのバッジ vs オカネレコのレコパス

_2021/10/11付でマネーフォワードMEに「バッジ」機能が新設されました。マネーフォワードMEの各種機能を活用すると「バッジ」が貰えます。実のところ、ユーザーには何の役にも立ちませんが… 筆者はヘビーユーザーたるを自負しておりますので、瞬時にコンプリートしてしまいました。

マネーフォワードMEのバッジ機能

2021/10/14

マスターマネー6 更なるアップデート

_2021/10/03「マスターマネー6 超久々のアップデート」に続き、2021/10/13付でマスターマネー6のバージョンアップが行われました。

マスターマネーがまたアップデート

_アップデートの内容はこちらを参照していただきたく。もっとも、この内容では何がどう改善されたのかさっぱり判りませんけどね。

_なお、今回のVer 6.10.032では、アップデートの際に「アップデートファイルに定義がありません」というエラーメッセージが出て、先へ進めないケースがあります。その対処法も公式サイトをご覧下さい。何も調べずにいきなりアップデートを実行して慌てないようにしましょう。

2021/10/03

マスターマネー6 超久々のアップデート

_10月に入り、9月分の決算処理のためマスターマネー6を起動しますと、超久しぶりに↓のダイアログが出現しました。

マスターマネー久々のアップデート

_アップデートプログラムのインストーラでは修正項目が明らかにされていないため、大きく間の空いたアップデートをすんなり受け入れるのは若干抵抗がありましたが…開発元のFAQページを見ますと、今年の祝日の変更に伴うカレンダーの修正であったようです。修正後のカレンダー機能がこちら↓。

マスターマネー6のカレンダーが今更修正された

_ちなみに、家計簿アプリ別の、今年に発生した祝日変更への対応状況については2021/01/09「家計簿アプリの2021年カレンダー祝日の修正状況(追記あり)」でレビューしております。

_しかし…マスターマネー6は(筆者の記録では)アップデートが2015年4月以降途絶えており、開発・販売元(株式会社プラト)はサポート体制を事実上クローズしていると見ていたので、今回の処置には正直申し上げて驚きました。

_しかも、今回のアップデータの公開は2021/09/28付で、今後の変更は10/11の平日化しかなく「今更カレンダーを修正するか~?」とも思いましたが…家計簿で過去を遡行する際、休日配置は重要な情報ですから修正されるのはやはり有り難いものです。

_そして、嬉しかったのが、開発元が我が友マスターマネーのサポートを継続していたことです。プログラムの根幹を見直すような大型アップデート(マスターマネー7?)は期待薄であっても、「6」はまだまだ現行製品と捉えてよさそうです。

2021/10/02

MFFマクロのソースコード公開にまつわる深刻な問題と対処法について

_先日、MFFマクロのあるユーザーの方から「V2.23でマスターマネー取込用のCSVファイルを出力させる際にエラーが発生する」というご連絡がありました。状況をうかがいますと↓のような事象と思われます。メッセージボックスを表示させる"MsgBox関数"を記述した行が"Ms"の位置で改行されており、これがコンパイルエラーを起こしています。

ソースリストをGoogleDriveサイトからVBEにコピペして実行させるとエラーが発生する

2021/09/26

LINE家計簿が2021年11月8日をもってサービス終了

_今朝知りました。いずれそうなるだろうな…と考えてはおりましたが、2018年11月のサービスリリースから3年でLINE家計簿が脱落です。2020年11月にスクレイピングによる金融機関連携機能を廃止(Account Trackerを経由できなくなった)、2021年3月に銀行APIによる連携機能を廃止…と、徐々にサービスを縮退させていたので、昨年の今頃には運営側は「そろそろ潮時」と見ていたものと思われます。

LINE家計簿終了

OsidOriのデータバックアップ機能が改善されたのでデータ変換方法も変わります

_2021/09/25「MFFマクロV2.23を公開しました」を受けて、OsidOriから出力した明細データの変換方法の解説をやり直します。なお、データ出力の手順そのものは2021/08/04「OsidOriのデータバックアップ機能実装は家計簿アプリ業界の画期となるか」と変わりません。すなわち、UIは改善されていない、ということです(泣)。

1.OsidOriのデータ形式はどのように変わったか

_はっきり申し上げれば、筆者の「振替元・振替先の口座名がデータから欠落している」という指摘(2021/08/04の記事)に対し、H列に振替元欄・I列に振替先欄が追加されただけです↓。この2列は振替取引の場合にのみ情報が入り、その他のデータ列には変更は無いようです。

OsidOri改修後の明細データサンプル(振替取引に番号を付けた)

2021/09/25

MFFマクロV2.23を公開しました

_2021/09/17「MFFマクロのOsidOri対応の現状について」で予告しておりました、スマートフォン向け家計簿アプリ「OsidOri」の改修版 Version1.19.0(16067)以降に対応したMFFマクロV2.23を公開しました。例によりまして、以下の固定ページを参照して下さい。

_OsidOriにはデータをインポートする機能は無いので、V2.23でも、OsidOriのデータをMFF形式に変換する一方向のみに対応しています。具体的な操作や変換処理の内容については次回をお楽しみに。

2021/09/20

Zaim:Web版のホーム画面が微妙に変わった

_本日、Zaimにアクセスするとホーム画面が微妙に変わっていることに気づきました。ちなみに、↓は2020年4月の変更前のホーム画面です。

2020年4月までのZaimホーム画面

2021/09/17

MFFマクロのOsidOri対応の現状について

_2021/09/07「やはりOsidOriのユーザーサポートは素早いです」でOsidOriのCSVファイル出力機能(公式にはデータバックアップ機能と呼んでいるが実態に合っていない)が改善された件に触れましたが、現時点においてはMFFマクロのOsidOri Version1.19.0(16067)への対応は見合わせております。

_これは、このバージョンのOsidOriのCSVファイル出力機能にまだ不具合らしきものを発見し、開発元の対応待ちとなっているためです。

_2021/08/04「OsidOriのデータバックアップ機能実装は家計簿アプリ業界の画期となるか」の時点のOsidOriは

  • 振替取引の振替元・振替先口座を特定する情報が欠落する
  • 「わたし」・「家族」それぞれの中で完結する振替取引がデータから欠落する

_という仕様となっておりました。

_それが修正されたのが現バージョンですが、それでも

  • 振替取引の振替元・振替先の口座名が入るようになったのに負の金額が入ることがある
  • 振替元・振替先の口座名が同じで金額が正負両方の2つの振替取引が含まれることがある

_…このように困った事態となっております。特に「必ず発生するわけではない」という点がね…

_振替取引は、MFFマクロを家計簿アプリに次々に対応させていく際には高確率で厄介事を生み出しますが、それは家計簿アプリそのものを開発する側でも同じことのようです。

【2021/09/29追記】:上記2点は、開発元によれば「仕様」とのことでした。詳しくは2021/09/26「OsidOriのデータバックアップ機能が改善されたのでデータ変換方法も変わります」を参照してください。

2021/09/07

やはりOsidOriのユーザーサポートは素早いです

_2021/08/04「OsidOriのデータバックアップ機能実装は家計簿アプリ業界の画期となるか」で、OsidOriから出力されるCSVファイルの仕様についてご紹介しました…が、

  • 振替取引のデータに、振替元・振替先の口座名を特定できる情報が入らない
  • 「わたし」または「家族」の中で完結する振替取引がデータに含まれない

…というわけで、このデータからは口座の残高推移を追うことができず深刻な不備がある、と申し上げました。

_この件に関しては筆者から開発元に改善を要望しておりましたが、先日「改良版をリリースした」旨の連絡をいただきました。上記の記事から一ヶ月ほどしか経っていません。

_OsidOriアプリ(Version1.19.0(16067))から出力されたCSVファイルを確認しますと、上記の不備は確かに改善されています。「わたし」と「家族」の取引明細を別々に出力させなければならない、という点は相変わらずですが、そこはOsidOriの設計思想の根幹に関わる話なので変更するのは難しいでしょう。

_とにかく…大きな欠陥があったOsidOriのデータが、一挙に使いものになるレベルになったのは喜ばしき限りであります。ただし、CSVファイルの形式が変更されたので、MFFマクロは作り直しになります。こちらについては筆者はOsidOriの開発元ほど素早くできませんので、しばらくお待ちありたく。

MoneyLinkその5:CSV明細取込とはこういう機能

_MoneyLinkの連載もこれで最終回です。MoneyLinkにはWeb明細帳にデータを取り込む方法(明細取込区分と言う)として

  • (1)オンライン…金融機関サイト連携機能(アカウントアグリゲーションサービス)に拠る
  • (2)オフライン…金融機関サイトからダウンロードしたCSVファイルに拠る
  • (3)Excel…MoneyLinkが出力したExcelブックにユーザーがデータを入力することに拠る

 の3つがあり、(1)については2021/09/03の記事で、(3)については前回の記事で解説しました。今回は残る(2)について触れます。

1.オフラインWeb明細帳の登録

_金融機関サイトからDLしたCSVファイルによりデータを受け入れる「オフラインWeb明細書」を登録します。対象となる金融機関は、実は「PayPay銀行」「JCB法人カード」「MUFGカード・ビジネス/AMEX」の3つのみです(2021年8月時点)。

オフラインWeb明細帳の登録

2021/09/06

MoneyLinkその4:MFF形式から変換した明細データをアップロードする

_今回は、前回の反対で、MoneyLinkに明細データを取り込ませる方法を解説します。実のところ、これを実施したところでMoneyLink単体では何の役にも立ちませんし、後述のように少々特殊なことをしなければならないので、実装すべきかどうか大いに悩みました。最終的には、MoneyLinkと連携して動作する会計ソフトにデータを渡す方法としては有用かと思いまして実装しましたが…まあ、半分以上は筆者の意地です。

1.Excel用Web明細帳を登録する

_MoneyLinkは、家計簿ソフトではなく帳簿管理ソフトである…とは何度か申し上げておりましたが、ここでは少し詳しく解説します。

_MoneyLinkでは、明細を取り込む帳簿を「Web明細帳」と呼んでおり、このWeb明細帳にデータを取り込む方法(明細取込区分と言う)は

  • (1)オンライン…金融機関サイト連携機能(アカウントアグリゲーションサービス)に拠る
  • (2)オフライン…金融機関サイトからダウンロードしたCSVファイルに拠る
  • (3)Excel…MoneyLinkが出力したExcelブックにユーザーがデータを入力することに拠る

_の3つがあります。(1)については既に述べました。(2)については解説を次回に廻し、今回は(3)について述べます。なお、MoneyLinkそのものには明細データを手入力する機能は実装されていません。

_まずすべきことは、Excelでデータを取り込むWeb明細帳の作成です。MoneyLinkのウィンドウ上部にある【Web明細帳設定】のアイコンを叩き、↓の例では"01財布"という名称で設定しています。

Excel用Web明細帳を登録する

2021/09/05

MoneyLinkその3:Excelデータ出力とMFF形式への変換

_前回に公開したMFFマクロV2.22を活用して、MoneyLinkからExcel出力したデータをMFF形式に変換する方法を解説します。

1.MoneyLink上での作業について

_ところで、MoneyLink上でユーザーが行うべき作業は…実のところ、取得した明細データに対して「メモ」を入力するのみです↓。それ以外のことは、データの追加・削除を含め一切できません。つまり、MoneyLinkは使い始めたら明細データが際限なく増えていくのみであり、グラフ表示機能も予算管理機能もありませんし、そもそも明細を費目別に仕訳ける機能も無いです。これらは全て会計ソフト側で行うべきこと、という考え方のようです。

取り込んだ明細データにメモを入力する

_そこで当Blogでは、↑メモ欄への入力は(品名)(@店名)(※備考)(#費目)という書式(拡張MFF書式)で行うことをお奨めします。()内は任意に省略可能で、順番は (品名) が先頭で (#費目) が末尾であれば (@店名) (※備考) は逆順でもOKです。このようにすることで、このデータをMFFマクロで変換する際に、これらの情報をMFF形式データに反映させることができます。

2021/09/04

お詫び:MFFマクロV2.21に大バグがありました

_2021/08/05の記事にて公開したMFFマクロVersion2.21に大きなバグを発見しました。このバージョンでは、2021/08/26「マネーフォワードME、OsidOriのデータ欄をどうやってMFF形式に変換するか?」で述べましたように、マネーフォワードMEおよびOsidOriからダウンロードしたデータに含まれる文字列データの処理方針を変更したわけですが、その際のテストの不足で、筆者が意図しない動作をするようにコードを作っておりました。

_どのようなバグかと申しますと…マネーフォワードMEの内容欄(およびOsidOriのお店欄)に 品名@店名※備考 のMFF書式で文字列を入れていても、品名がMFF形式データに反映されない、というかなり痛いものです。本日、8月分の我が家の決算処理を行っている途上でこのバグを発見しました。

_よって、本日 2021/09/04の記事で公開したV2.22にも同様のバグが含まれておりました。現時点では修正した版を MFFマクロの導入法と使用法 のページにアップしております(ソースリストの先頭の改変履歴にその旨を記載してあります)。また、2021/08/26の記事も溯って追記・修正をしております。

_2021/08/05以降にマネーフォワードMEおよびOsidOriのデータ変換にV2.21を使用されたユーザーの方は、変換後のデータをご確認下さい。おそらく、家計簿アプリにデータを手入力した取引については、「何を買ったのか」の情報が欠落していると思われます。大変申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

MFFマクロV2.22を公開しました

_PC向けアカウントアグリゲーションアプリ「MoneyLink」に対応したMFFマクロV2.22を公開しました。例によりまして、以下の固定ページを参照して下さい。

_これに伴い、MFFマクロの動作の概念図も更新しました↓。金融機関サイトからのデータを他の家計簿アプリに流し込めるようになるのは嬉しい限りですね。だからこそ筆者はデータを受け入れる機能の無いアプリには怒りを感じずにはいられないのです。

MFFマクロV2.22の概念図

2021/09/03

MoneyLinkその2:金融機関サイトから明細データを取り込む

_前回では、MoneyLinkのPCソフトをインストールしました。今回は、金融機関連携機能を設定し、明細データを取り込むところまでを解説します。↓の画面は前回からの再掲です。

MoneyLinkの初回起動

_MoneyLinkは、基本的に↑の預金通帳的なUIで操作します。至ってシンプル。まずするべきことは、↑のダイアログで【はい】を選択(ここで【いいえ】で抜けた場合は上部の【Web明細帳設定】を叩く)して↓のダイアログで金融機関との連携を設定することです。

Web明細帳登録

2021/09/01

MoneyLinkその1:インストールから初回起動まで

_前回の記事で予告しましたとおり、PC向けアカウントアグリゲーションサービス「MoneyLink」の連載を始めます。しばしお付き合い下さい。

_MoneyLinkは専用PCアプリをインストールしなければ使えません(ダウンロードはこちらから)。なお、DLの際はメールアドレスの入力が必要です。

インストール時にユーザー名と会社名を入力させられる

_インストール完了後、アプリを起動すると↓のように「重要なお知らせ」が表示されます。アカウントアグリゲーションサービスの稼働状況を知らせるもので、業務用だけにこのあたりはきちんとしています。他のAAS付オンライン家計簿サービスは、専用ページにアクセスしないとこういう情報に行き当たりませんからね。

MoneyLinkの重要なお知らせ

2021/08/29

悩み深き新ネタ「MoneyLink」に挑戦中

_ソリマチ株式会社が提供しているアカウントアグリゲーションサービス「MoneyLink」に関する調査を行っております。

_ソリマチは「みんなの青色申告」「会計王」「給料王」などの会計ソフトのベンダーですが、これらのソフトとの連携を主目的にMoneyLinkというAASを提供しています。

_MoneyLinkは、今時珍しく専用PCソフトが用意されており、ソリマチのサーバーを経由して金融機関サイトからデータ(Web明細と呼んでいる)を得るようになっています(同様に専用PCアプリが有った、昔のMoneyLookとは動作は異なります)。このデータはExcelの形式で出力可能であり、また、手入力専用の口座を設定して、その明細データをExcelシートの形でアップロードできます。

MoneyLinkでモバイルSuicaのデータを取り込んだ

_しかも(2021年8月現在)無料です。これは、主力の会計ソフトの販促を狙ったものと思われます。もちろん家計簿ではないので、予算管理だのグラフだのといった機能は一切ありませんし(そもそも取引を費目別に仕分けるという機能自体が無い)、AASを提供している金融機関も銀行・クレジットカード・電子マネーのみで、証券会社・各種ポイント・通販等は対象外です。

_このように純然たる業務用ではありますが…(ミロク情報サービスのAccount Trackerを採用している)OsidOriMoneytreeのように、同様のAASがどれもこれもデータ出力を有料機能としているなかで、無料でデータのダウンロード/アップロードまで可能というのは大変大きな魅力であります。

_そこで当Blogでも取り上げるべく動いております。ダウンロードの方は(多少手を焼いたものの)見通しは立ちましたが、問題はアップロードの方でして、かなり特殊な方法に拠っており、果たしてMFFマクロに実装できるのか、できたとして意味があるのか、かなり悩んでおります。

_研究成果を披露するにはもう少しお時間をいただきたく。

2021/08/26

マネーフォワードME、OsidOriのデータ欄をどうやってMFF形式に変換するか?【追記・修正済】

【2021/09/04追記】2021/08/05公開のMFFマクロV2.21にて行った、本記事に基づく仕様変更部分に重大なバグがありました。V2.22にて修正してありますが、本記事の内容もそれに伴い追記・修正を加えました。


_金融機関サイトから取引データを取得する「アカウントアグリゲーションサービス」(AAS)を提供している家計簿アプリのうち、マネーフォワードMEとOsidOriは、取得した取引データをユーザーが好き勝手に編集することを許さない仕様となっています。データの削除も、日付と金額の変更もできません。

_マネーフォワードMEについては、2020/07/23 マネーフォワードMEからダウンロードしたデータを他の家計簿アプリ向けに変換する で解説しましたように、AASによって取得した取引データの「内容欄」の文字列は編集不可。OsidOriについては 2021/08/05 MFFマクロV2.21出現と、OsidOriのデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法の解説 で触れましたが、同様に「お店欄」の文字列が編集不可となります。

_このような仕様は、金融機関側と家計簿アプリの取引履歴の認識が一致することを保証するために必要なのだ、とは一応理解できます(一方で、Zaimは、このあたりはユーザーの自己責任と割り切っているようです)。しかし…金融機関サイトが「内容欄」(マネーフォワードME)あるいは「お店欄」(OsidOri)に入れ込んでくる文字列にはカタカナや略称が使われていて、それを家計簿アプリからエクスポートしてMFFマクロMFF形式に変換しても、家計管理に便利とは到底言えず、これをユーザーが編集できないのは少々困りものです。

_そこで、MFFマクロでは、マネーフォワードMEとOsidOriで(AASで取得した取引データであっても)ユーザーが自由に文字列を入力できる「メモ欄」に特殊な書式(MFF書式と呼んでいます)で入力することで、内容欄あるいはお店欄に入れられている文字列を上書きしたり、解釈を変えたりできる機能を備えています。

_ところが、その機能がどのように動作するのかについては、前述の二つの記事でもあまり詳しく触れておらず、また、正直なところ筆者自身も脳内でモヤっとしたままコードを書いており、時折、意図しない動作をすることが不満ではありました。そこで、Ver2.21への更新を機に、マネーフォワードMEとOsidOriのデータをMFF形式に変換する際のルールを以下のように明確化しました。

2021/08/22

「家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較」を更新しました

【2022/05/21追記】:本記事を更新した記事はこちらをご覧下さい。


_2021/01/15「家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較」を更新いたしました。この記事をまとめて以降、Clev家計簿、DARUMA家計簿、家計簿カケイ、OsidOriの各アプリについてインポート/エクスポート機能をご紹介しており、今回、その評点を追加しております。なお、↓の表の評点は、インポート/エクスポートの際にユーザーが受ける制約や手間といった「障壁」を点数化しており、「低い点数ほど好ましい」ものとなっています。

家計簿アプリ別のデータインポート・エクスポート機能の性能比較(Ver2)

2021/08/09

DARUMA家計簿のさらなる進化に期待

 _2021/07/19「DARUMA家計簿からのデータエクスポートの方法も新しくなりました」でデータインポート/エクスポート機能をご紹介して以降も、DARUMA家計簿の進化は続いております。

1.DARUMA家計簿の新機能を簡単に紹介すると

  • ①…DARUMA家計簿の基本画面。ここで日付欄を長押しすると…
  • ②…Android標準UIにより日付をジャンプして選択できるようになりました(これは登場直後にはありませんでした)
  • ③…日付を2021/04/01にした状態で【集計】ボタンを叩くと…
  • ④…当月を「2021年4月」とした集計画面に移行します。
  • ⑤…2021年4月から過去13ヶ月の「01財布」という資産の残高推移が棒グラフ表示されます(これは登場時からの機能)
  • ⑥…2021年3月の支出について、円グラフを表示します(これは最近新登場した機能)。なお、この円グラフは、描画の開始位置をぐりぐりと回転させることができます。
  • ⑦…2021年3月の「01財布」の取引一覧を表示します(これも最近新登場した機能)。マスターマネーにおけるマネービューアから取引一覧を表示させる機能に似ています。
  • ⑧…⑦の画面で個別の取引をタップすると、その取引日(ここでは2021年3月3日)の基本画面に移行する(これも最近新登場した機能)
DARUMA家計簿の新機能

2021/08/06

OsidOriのデータをMFF形式経由で他の家計簿アプリ向けに変換する方法

【2021/09/26追記】:OsidOriのバージョンアップに伴い、本記事の内容は古くなってしまいました。こちらの記事を参照して下さい。

_前回の記事に引き続き、OsidOriのデータをMFF形式経由で他の家計簿アプリ向けに変換する方法をご紹介します。やっとここまで来たか…

1.OsidOriのデータをMFF形式に変換する

_今回サンプルとするOsidOriのデータは、以前の記事の再掲です。

OsidOriから出力したCSVファイル

_MFFマクロV2.21を導入した状態で↑の画面例のようにMFFマクロを動作させますと、

MFFマクロが出力するダイアログ

2021/08/05

MFFマクロVersion2.21公開

_家計簿アプリ間データ変換ツール「MFF(むふふ)」マクロのV2.21を公開しました。以下の固定ページを参照して下さい。

_今回のバージョンアップによる追加・変更点は以下のとおりです。

  • OsidOriのデータバックアップ機能で出力したCSVファイルをMFF形式に変換する機能を追加した
  • マネーフォワードMEのデータをMFF形式に変換する際に「メモ欄」に入力したデータの取り扱いを変更した(別途解説します

_これに伴い、MFFマクロが変換元・変換先としている家計簿ソフト/アプリに関する概念図も変わりました。OsidOriは金融機関サイトとの連携機能(アカウントアグリゲーションサービス)を備えているため、ユーザーにとっては家計簿データを入手する手段が大きく広がることになります。ああ、これで振替取引がまともに出力できれば、OsidOriの存在意義はマネーフォワードMEやZaimにも匹敵することになるのですが…現時点では、残念なことにそこにはとどいていません。

MFF_V221概念図

2021/08/04

OsidOriのデータバックアップ機能実装は家計簿アプリ業界の画期となるか

_2021/07/23「OsidOriにデータダウンロード機能が加わりました(追記あり)」からだいぶお待たせしてしまいましてすみません。

_OsidOriのデータバックアップ機能についてご紹介します。ただし…開発元はデータバックアップ機能、と称していますが…実態としてはバックアップというよりはダウンロードやエクスポートと言うべきものになっています。

1.OsidOriからCSVファイルを出力する

_①OsidOriのメイン画面左上方にあるメニューボタンから【データバックアップ】をタップします。②の画面では、上部に【月次集計】と【取引明細】の二つのタブがありますが、当Blogで用事があるのは後者ですので必ずこちらを選択してください(よく忘れます)。「取得する画面」とは、現在操作中のユーザーから見て、個人画面に表示する取引明細を出力するか、家族画面に表示する取引明細を出力するか、を選択します。実のところ、両方のデータを得なければあまり役には立たないでしょう。

_③はデータ取得期間の開始日・終了日を指定するところですが、なんとドラムロール式のUIが採用されていて、使いにくいことこの上なし!

_②の画面で【データを出力する】ボタンを叩くと、Androidの標準共有メニューが現れ(スクリーンショットが撮れない)、メールやクラウドストレージ等の方法で出力したファイルを外へ取り出せます(④はDropboxを使用している例です)

_ファイル名はYYYYMMDD(開始日)-yyyymmdd(終了日)_osidori_trans.csvとなります。先の「取得する画面」が個人/家族に拠らず同じなのは少々困りものですね。なお、出力されるファイルはUTF-8でエンコードされており(BOM付)、改行コードはLFのみ。CSVファイルがExcelに関連付けられている状態で(たいていの環境ではそうなっています)エクスプローラ上でCSVファイルをダブルクリックすれば、文字化けせずに開くことができます。

OsidOriからCSVファイルを出力する

2021/08/02

OsidOriの精算管理機能の不可思議な動作を追う(追記あり)

_前回に続くOsidOri新機能の解説第二弾は、「わたし」と「パートナー」との間での割り勘や傾斜配分のやりとりを支援する「精算管理機能」(2021年5月26日リリース)をお届けします。コイツも一筋縄ではいかないですよ…

1.まずはフツーに取引明細を入力する

_↓の画面例のように、その筋亭というお店で夫婦二人でラーメンを食べて、「わたし」(妻)が1,600円払った、という取引明細をを入力してみます。このとき、画面最下段にある【未清算リストに入れる】をONにします。この取引を表示する画面は個人画面でも家族画面でも構いませんが、ここでは【個人画面】を選択しています。

まずはフツーに取引明細を入力するが、未清算リストに入れるようにする

2021/08/01

OsidOriの代行入力機能も簡単なようで複雑です

_皆様お暑うございます。

_OsidOriについては前回を除けば2021年1月以来しばらく記事が途絶えており、その間に新機能の追加がいくつかありました。が、自分とパートナーの取引明細・口座残高等の情報の開示/非開示を制御するうえでOsidOriはかなり複雑な動作をしますので、新機能の動作も公式のヘルプ(アプリ内でアクセスします)以上の解説が必要でしょう。まずは2021/03/19にリリースされた代行入力機能から。

1.代行入力機能とは

_パートナーがずぼらでなかなか明細を入力しやがらないので、仕方なく自分が代理で入力してやるから有り難く思え…という機能です。

_↓は妻の立場から取引明細を入力しているところですが、ここで支払担当を「パートナー」と指定すると、本来は夫が入力すべき明細を代行で入力することになります。この場合、支払方法は自動的に「現金」というダミーの口座に固定されます(よって、夫側で事前に「現金」を設定していなくてもこのようにセットされる)。また、この取引明細を表示する画面を(夫の)個人画面に設定して保存しようとしても、「それはできない」と怒られます。

代理入力機能でパートナーの個人画面に表示する取引明細は入力できない

2021/07/23

OsidOriにデータダウンロード機能が加わりました(追記あり)

【2021/09/26追記】:OsidOriのバージョンアップに伴い、本記事の内容は古くなってしまいました。こちらの記事を参照して下さい。

_OsidOriに、「データバックアップ機能」と称して、データをダウンロードできる機能が加わりました。

_ちなみに、現時点における当BlogのOsidOri関係の最終記事は 2021/01/05 OsidOriのユーザーサポートは素早いです であり、それ以降のOsidOriの機能追加はアプリの最下段の「タイムライン」>「アプリのアップデート情報」で確認できるのですが、

  • 2021/06/22 OsidOri家計診断
  • 2021/05/26 精算管理機能(割り勘計算等を行う)
  • 2021/03/21 取引明細の代行入力(本来パートナーが担当すべき取引を自分で入力できる)
  • 2021/02/04 予算設定機能・電卓機能
  • 2021/01/03 カレンダー機能

_となっており、「データバックアップ機能」がいつ実装されたのかは不明です。

_主なアップデート内容 となっているので載っていなくてもおかしくはありませんけど、こんな重要な機能増強を宣伝しないとは理解に苦しむところです。

【2021/07/25追記】:Google Playで確認したところ、データバックアップ機能は2021/07/16リリースだそうです。しかし、07/25時点でもタイムラインには載っていない…

_ところで、ダウンロードできるのは

  • 月次集計(収入・支出の月別総額) 最長1年分
  • 取引明細(個々の取引データ) 過去の任意の期間(最長100日以内)

_の二種類のデータで、後者についてはプレミアムプランの機能となっています。

_なお、OsidOriは情報を「パートナーに開示する/しない」に関して非常に複雑な動きをするアプリであり、おそらくはそれに起因すると思われる、ダウンロード機能に関する不可思議な動作について調べています。それに伴い、OsidOriに対応したMFFマクロV2.20の公開は当面見合わせておりますのでご了承ください。


次回のOsidOri関係記事は、代行入力機能の紹介です→

2021/07/19

DARUMA家計簿からのデータエクスポートの方法も新しくなりました

_DARUMA家計簿にデータインポート機能が追加装備されたに伴い、DARUMA家計簿からのエクスポート機能も刷新されましたので、MFFマクロのデータ変換処理も全面的に見直しを行いました(前バージョンの記事は 2021/06/22 DARUMA家計簿のデータをMFF形式経由で他の家計簿アプリ向けに変換する です)

1.DARUMA家計簿側のエクスポート操作

_DARUMA家計簿の新バージョンでは、バージョンアップ以前の形式でのエクスポート機能も残されていますが、MFFマクロではあっさりと新バージョンに乗り換えました。アプリが出力したCSVファイルは、メールなりクラウドドライブなりでPC側に持ち込みます。

DARUMA家計簿からデータをエクスポートする

2021/07/18

DARUMA家計簿にデータインポート機能が加わりました(後篇)

_今回は、前回の記事の続きです。 

3.DARUMA家計簿にデータをインポートする

_インポート用のCSVファイルを、DropboxなりGoogle Driveなりメールなりの方法でスマートフォン側に移して、今度はDARUMA家計簿側の操作です↓。なお、DARUMA家計簿はインポート用のデータファイルの格納場所を特定していません。このあたりは、インポート機能を有する他のAndroid向け家計簿アプリ(「かけ~ぼ」・「らくな家計簿」)よりも優秀です。

DARUMA家計簿にインポートする

2021/07/17

DARUMA家計簿にデータインポート機能が加わりました(前篇)

_皆様こんにちは。2021年5月登場のDARUMA家計簿については、2021/06/22 DARUMA家計簿のデータをMFF形式経由で他の家計簿アプリ向けに変換する にてエクスポート機能についてご紹介しました。先日、アプリのバージョンアップによりデータインポート機能が実装されましたので、早速こちらもレポートしたいと思います。

1.DARUMA家計簿の科目の設定

_今回、筆者はDARUMA家計簿の科目を↓のように設定しました(画面が水色系ではなくオレンジ系になっているのは旧バージョンの画面と区別するためで、旧バージョンでも選択可能でした)。"資産"(現金・電子マネー・銀行口座等)および"負債"(クレジットカードやローン等)といった口座名称については半角数字2桁の通し番号を付けていますが、これは筆者の慣習であって必須条件ではなく、"負債"の口座名に"☆"を含めるのが必須条件になります。その理由は後刻お話しします。

DARUMA家計簿の科目設定例

_DARUMA家計簿のインポート機能は、アプリ内で未定義の科目名が含まれているデータ行を取り込まない仕様になっているので、他の家計簿アプリから持ってきたデータをインポートするには、MFFマクロACF機能を活用しなければなりません。

2021/07/15

家計簿カケイのグラフ機能と総評(追記あり)

 _家計簿カケイの連載もこれで一段落です(前回の記事はこちら)。最後に、グラフ機能を取り上げてから総評といきましょう。

【2021/07/18追記】:未発見の機能がありましたので改めてご紹介し、評価を見直しました。

1.グラフ機能は標準以上の能力がある

_カケイのグラフ機能は、週間/月間/年間の支出/収入のカテゴリ別割合を円グラフ表示するものと、6週/6か月/6年間の支出/収入額の推移を棒グラフ表示するものがあります。残念ながら、グラフの項目をタップして取引データに直接アクセスする機能は無いので、浪費の原因や、節約のヒントを直感的に得るのは難しいです。

カケイの円グラフとカテゴリ別バーグラフ

2021/07/14

家計簿カケイのデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法

 _2021/07/13「MFFマクロV2.19を公開しました」により家計簿カケイのデータをMFF形式に変換できるようになりましたので、今回はその方法を解説したいと思います。カケイに関する前回の記事は2021/07/12「君は家計簿カケイの特異な動作についていけるか」です。

1.家計簿カケイ側のエクスポート操作

_家計簿カケイの設定メニュー>機能>CSV出力から↓のように操作します。メール送信かGoogle Driveのどちらかで外部に取り出します。【出力設定】の各項目は以下のとおり。

  1. 出力対象→データを出力する家計簿を選択する
  2. 出力範囲→全て、今月、先月、月を指定、年を指定 のいずれかを選択する
  3. 区切り文字→カンマかタブのいずれかを選択する
  4. 文字コード→UTF-8かSHIFT-Jisのいずれかを選択する

_MFFマクロV2.19は区切り文字=カンマ、文字コード=UTF-8(改行コードはCR+LF、BOM無し)で出力されたCSVファイルに対応しています。

カケイのデータをCSVで出力

2021/07/13

MFFマクロV2.19を公開しました

_家計簿アプリ間データ変換ツール「MFF(むふふ)」マクロのV2.19を公開しました。

_この二つの固定ページを参照して下さい。

_今回のバージョンアップでは、

  • 家計簿カケイからエクスポートしたCSVファイルをMFF形式に変換する
  • MFF形式データをDARUMA家計簿にインポート可能な形式に変換したCSVファイルを出力する

_の二つの機能を追加したほか、

  • ACF機能のバグ(元データが空白になっている費目に変換ルールを作ってしまい、変換結果が振動を起こしていたのを、元データに対しては変換ルールを作らないようにした)を修正
  • CSVファイル出力の際に末尾に空行が入っていたのを入らないようにした
_の二件のバグ取りを行っています。

2021/07/12

君は家計簿カケイの特異な動作についていけるか

 _今回は、他の家計簿には無い、家計簿カケイの特異な動作について解説します。前回の記事はこちら。

1.振替取引について

_家計簿カケイにおいて振替取引を入力するには、↓の画面例のように残高画面において、個々の資産のアイコンをタップします。現金をタップした場合は、別の現金資産への【現金移動】、銀行をタップした場合は現金への【引き出し】、現金からの【預け入れ】、他の銀行への【送金】…という具合に、取引の対象となる資産種別に応じて名称を使い分けています。

カケイの振替取引機能へのアクセス手順

2021/07/11

君は家計簿カケイの設定の嵐に耐えられるか(後篇)

_今回は、前回の途中で挫けた内容の続きです。家計簿カケイを使いこなすのは正直なところ大変です。決してクセが強いわけではありませんが…

5.家計簿カケイの資産設定

_家計簿カケイの資産種別は

  • 現金
  • 銀行口座
  • 電子マネー
  • クレジットカード

_の4種類。初期状態では「現金」という資産種別の中に”現金”という名称の資産が1つ設定されているだけです。

5.1 現金の設定

_財布やタンス預金を設定します。設定した個別の資産に対しては、名称変更、(現在表示中の家計簿に対する)使用/不使用の切換、削除、順序変更が可能です(これはこの後の銀行口座・電子マネー・クレジットカードでも同様)

カケイの現金の設定

2021/07/10

君は家計簿カケイの設定の嵐に耐えられるか(前篇)

_今回は、家計簿カケイの多機能・高機能ぶりの一端をご覧に入れます。前回の記事と順番が前後しているところがありますのはご容赦下さい。

1.初回起動時の設定

_カケイは決して「初心者向きのシンプルな家計簿アプリ」ではありません。インストール後の初回起動の段階からユーザーに高度な決断を迫るところがあります↓。少々気合を入れて取り組まねばなりません。

_当Blogは家計簿カケイの使い方を詳細説明するのが目的ではないので、こういう流れで設定が進むんだということをご理解いただければよろしいかと思います。

カケイの初回起動時の設定

_なお、カケイはユーザーが初見の画面では、簡単なチュートリアルが表示されます。結構親切ですね。

2021/07/08

家計簿カケイのレビューはまずカテゴリ構成から

 _前回の記事で予告しました「家計簿カケイ」のレビューを連載でお届けします。

1.カテゴリ構成

_家計簿カケイでは費目のことをカテゴリと呼びます。そのデフォルトの構成は以下のとおり。カテゴリの下位にサブカテゴリを有する二階層構造となっています。

_また、カケイは複数の家計簿を管理できます。似たような機能を持っている家計簿アプリとして「かけ~ぼ」が思い浮かびますが、そちらとは意味あいがかなり違っていて2020/06/01「誰も教えてくれない「かけ~ぼ」での家計管理法(前篇)」参照)、カケイではカテゴリを家計簿ごとに 表示/非表示 を選択する方式を採っています。

家計簿カケイのカテゴリ構成

2021/06/30

次に狙うのは家計簿カケイ

_もはやPC家計簿ソフトには全く期待できないので、スマホ家計簿アプリのローラー作戦を展開しております。現在取り組んでいるのは「家計簿カケイ」。前回のDARUMA家計簿とは正反対の多機能系家計簿アプリです。

_しかし…このアプリの名称はなんとかならなかったのかな~ なんか、こう、投げやり感があるんですよね。もちろん、アプリそのものの造りはその正反対なのですが。

_研究成果を披露できるのはもう少し先のことになります。データインポート機能はありませんが、使い方を筆者が理解するだけでも時間がかかりそうです。

2021/06/25

DARUMA家計簿の資産・負債の設定数が増えました

_2021/06/20「DARUMA家計簿の設計はよく練られています」で資産・負債の設定可能数が8個・5個じゃ足りないよ~と申し上げたところ、早速作者の方が対応してくれました。新バージョンのアプリではそれぞれ15個・8個に増加しています。これに伴い、DARUMA家計簿の科目一覧を改めて示すと↓のようになります。

DARUMA家計簿の科目(改善後)

_設定メニュー>科目設定>標準設定に戻す を実行すると反映されます。ただし、それ以前にユーザーが設定を弄っていても元に戻されてしまいますのでご注意ありたく。入力されている取引データが消滅するわけではありません。

_まあ、資産が15個あれば大抵の家計管理には対応できるでしょう。あまり多く設定すると、入力時にプルダウンメニューで選択するのがウザったくなってしまいますからね… そういう場面を極力減らすのが設計思想となっているアプリなので、無制限に増やせるという仕様にはならなかったようです。

_なお、この改良は2021/06/22「DARUMA家計簿のデータをMFF形式に変換する」で公開したMFFマクロV2.17の動作には影響を与えません。

2021/06/22

DARUMA家計簿のデータをMFF形式経由で他の家計簿アプリ向けに変換する

_今回は、前回にお約束しましたとおり、DARUMA家計簿からエクスポートしたデータをMFFマクロを用いてMFF形式に変換する方法を解説します。

【2021/07/18】アプリのバージョンアップにより本記事の内容は古くなってしまいましたのでこちらの記事を参照して下さい。

1.DARUMA家計簿からのデータのエクスポート

_↓のような手順で行います。エクスポートの対象とするデータを絞り込む機能は無く、アプリ内に保存されている全データが問答無用で吐き出されます。出力されたデータは、Android標準のデータ共有方法にて、メールやクラウドストレージ等を経由してPCに送ることができます。↓の例ではDropboxを使用しています。ファイル名は darumanote.txt、文字コードはUTF-8で、データセパレータはカンマとなっています。つまり、事実上.csvファイルと言っていいのですが、なぜか拡張子は.txtなんですね…。

DARUMA家計簿からデータをエクスポートする

_なお、このテキストファイルのデータをExcelに取り込むには、PowerQueryを使用しなければなりません。その手順の解説は今回は割愛します。

2021/06/21

広告を表示するようにしました

_本日2021/06/21から当Blogに広告を表示するようにしました。昨年9月に申請したGoogle AdSenseの審査がやっと通ったためです。もっとも、どうやら申請は完全に放置されていたようで、いい加減頭に来て、つい最近「どうなってんだ?」と問い合わせの連絡をしたら、今日になって「おめでとうございます!」だって… 審査は長くて2週間という話は一体なんだったのか、説明はありません。

_正直、Bloggerでも独自ドメインを取得しなければダメなのかと思っていましたが、そういうことではなさそうです。

2021/06/20

DARUMA家計簿の設計はよく練られています

_前回の記事の予告どおり、DARUMA家計簿をレビューします。今回で使い方を一通り解説し、次回はDARUMA家計簿からエクスポートしたデータをMFF形式に変換する方法を採り上げる予定です。

1.DARUMA家計簿とは

_DARUMA家計簿は、数多ある家計簿アプリに挫折してきたユーザーが達磨のように再挑戦することを想定して命名されたアプリだそうです。確かに…当Blogで詳細に取り扱ってきたAndroid用家計簿アプリはClev家計簿OsidOriおカネレコかけ~ぼらくな家計簿貯まる家計簿などがありますが、支出管理に特化した「おカネレコ」を除けばいずれも動作には特徴(必ずしも特長ではない)があり、習熟するにはそれなりの時間と根気が必要です。その点、DARUMA家計簿は、さしたる努力なしに、素直に使いこなせるでしょう。

DARUMA家計簿の基本画面

_なお、現時点ではDARUMA家計簿は無料版(↑アプリ画面下部に広告が表示される)のみで、有料版はありません。

2021/06/19

DARUMA家計簿の研究を開始しております

_最近更新が滞っておりますたこぶつでございます。

_現在、Android用家計簿アプリ「DARUMA家計簿(←リンク先はGoogle Play)の研究に取り組んでおります。このアプリは2021年5月、つまり、つい最近登場したばかりで、ダウンロード数もまだまだ少ないですが、筆者としては大いに期待しております。

DARUMA家計簿の基本画面

_それは、このアプリの振る舞いが単純になるように、よく練られて開発されているからです。筆者が友と呼んで憚らない「マスターマネー」をスマホアプリ化したら多分こうなるだろう、という造りになっています(ただし、データインポート機能が未実装なのは残念ですが…)

_そのため、レビューはごく短い連載で済むでしょう。近日の公開にご期待下さい。

2021/06/07

オンライン家計簿サービスと銀行サイト間のAPIによるデータ取得頻度の制限について

_銀行法の改正により、2020年10月以降、オンライン家計簿サービスをはじめとするPFM(Personal Finance Management)事業者は、銀行サイトとの連携機能を、銀行側との個別の契約に基づいて(APIにて)提供することが義務化されました。APIによる連携は、それ以前のスクレイピングによる連携に比べてセキュリティやネットワーク負荷といった面で格段に優れているのですが、どうもここ最近、データ取得の頻度を銀行側が制限する動きが出ているようです。

_Moneylookが2020年5月末日にサービスを全面刷新した頃、Moneylookの公式サイトに

銀行の口座管理が「オープンAPI」によって提供される銀行の情報取得は、月2回までとさせていただきます。また従来の画面操作による情報取得は不可となります。

_という記載が出現しており(現在はこの告知文はリンク切れとなってます)、今思えば、このころにはすでにPFM事業者・銀行間でAPIによるアクセス回数を制限する動きが始まっていたわけですが…本日、Moneytreeと銀行サイトとの再連携を設定している際に、驚くべき表記を発見しました↓。

MoneytreeのMUFG銀行のログイン情報更新画面

2021/05/27

Clev家計簿のグラフ機能と総評

 _Clev家計簿の連載は今回の第7弾で一段落です(前回の記事はこちら)。

1.グラフ機能について

Clev家計簿のグラフ機能

_Clev家計簿のグラフ機能は結構優秀です。

_①は基本的な月間支出の円グラフで、項目名をタップすると②のようにそのデータの内訳を表示します。実はこの状態でもデータをエクスポート可能ですが(方法は2021/05/23の記事と同一です)、エクスポートしたExcelファイルに対してMFFマクロ(V2.16以降)を動作させると、支出取引であっても収入取引としてMFF形式に変換してしまいますのでご注意下さい。

_③・④・⑤はそれぞれグラフ描画の設定変更画面で、ご覧のとおり柔軟に設定変更が可能です。⑥は支出額の月間推移を棒グラフとして表示させた画面です。これも④の設定画面で年単位での推移を表示させることもできます。

2021/05/24

Clev家計簿のデータをMFF形式に変換する処理の概要

_今回は、前回の記事の続きで、Clev家計簿のデータをMFF形式に変換する際のMFFマクロの処理について解説します。

1.支出・収入取引の変換

_Clev家計簿は、ユーザーが自由記入できるデータ欄が「項目名」と「メモ」の2つあります。店名欄はありません。そこで、当Blogでは、項目名欄に 品名@店名 の形式(MFF書式)で入力することをお奨めします(品名・店名とも省略可能)。MFFマクロは、品名・店名をそれぞれ適切なデータ欄に格納するよう動作します。

Clev2MFFの動作(支出・収入取引)

_なお、前回の記事のとおり、Clev家計簿はデータを支出・収入それぞれ別のファイルとしてエクスポートします。どちらのデータであるかは、ExcelのA1セルの内容から判断します。

2021/05/23

Clev家計簿からエクスポートしたExcelファイルをMFF形式経由で他の家計簿アプリ向けに変換する方法

_スマホ用家計簿アプリ「Clev家計簿」の連載も第6弾(前回の記事はこちら)。いよいよ大詰めの、Clev家計簿からMFF形式へのデータ変換について解説します。

1.MFFマクロV2.16を公開しました

_今回、Clev家計簿に対応したMFFマクロV2.16を公開しました。以下のページをご覧下さい。ここから先はV2.16を導入されている前提で解説します。

2.Clev家計簿からデータをエクスポートする

_Clev家計簿は、画面で見ている月の取引データを、支出・収入別にExcel形式(.xlsファイル)でエクスポートできます。支出・収入が別ファイル、というのが何とも困った仕様ですが、これはClev家計簿の設計の根幹に起因するのでどうしようもないようです。

_操作方法は↓のとおりです。

_①はClev家計簿のカレンダー画面。2021年5月の支出総額はこの時点で1,230円です。②で【Excelにエクスポート】を選択し、④で【電子メール】を選択します。④の選択肢はちょっとした罠になっていて、【電子メール】を選ばないと、その先にある共有メニュー先を選択する画面(スクショが撮れないので↓にはありません)に辿り着けません。⑤の画面はClev家計簿アプリが吐き出したExcelファイルをスマホ内のストレージに保存するところで、⑥はそのファイルをDropboxのフォルダに【追加】するところです。ファイル名は、

  • 支出データであれば"支出(YYYYMMDD_HHMMSS).xls"
  • 収入データであれば"収入(YYYYMMDD_HHMMSS).xls"
_と、Excelファイルを出力した日付・時刻に基づいて付与されます。

_なお、Excelファイルをスマホの外に出す方法としては、他にLINEアプリや電子メールアプリ等と連携することもできますが、最も安定的に動作するのはDropboxです。

Clev家計簿から支出のExcelファイルをエクスポートする

注目の記事

家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ

_今回の主題は…家計簿アプリとデータをやりとりするときに使用するファイルの形式について、です。筆者がこれまで MFFマクロ に対応させてきた家計簿アプリは27種類(Money通帳とあっと家計簿は別カウント)。まず、家計簿アプリからエクスポートする方向では↓のようになります。...

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