_2021/07/23「OsidOriにデータダウンロード機能が加わりました(追記あり)」からだいぶお待たせしてしまいましてすみません。
_OsidOriのデータバックアップ機能についてご紹介します。ただし…開発元はデータバックアップ機能、と称していますが…実態としてはバックアップというよりはダウンロードやエクスポートと言うべきものになっています。
1.OsidOriからCSVファイルを出力する
_①OsidOriのメイン画面左上方にあるメニューボタンから【データバックアップ】をタップします。②の画面では、上部に【月次集計】と【取引明細】の二つのタブがありますが、当Blogで用事があるのは後者ですので必ずこちらを選択してください(よく忘れます)。「取得する画面」とは、現在操作中のユーザーから見て、個人画面に表示する取引明細を出力するか、家族画面に表示する取引明細を出力するか、を選択します。実のところ、両方のデータを得なければあまり役には立たないでしょう。
_③はデータ取得期間の開始日・終了日を指定するところですが、なんとドラムロール式のUIが採用されていて、使いにくいことこの上なし!
_②の画面で【データを出力する】ボタンを叩くと、Androidの標準共有メニューが現れ(スクリーンショットが撮れない)、メールやクラウドストレージ等の方法で出力したファイルを外へ取り出せます(④はDropboxを使用している例です)。
_ファイル名はYYYYMMDD(開始日)-yyyymmdd(終了日)_osidori_trans.csvとなります。先の「取得する画面」が個人/家族に拠らず同じなのは少々困りものですね。なお、出力されるファイルはUTF-8でエンコードされており(BOM付)、改行コードはLFのみ。CSVファイルがExcelに関連付けられている状態で(たいていの環境ではそうなっています)エクスプローラ上でCSVファイルをダブルクリックすれば、文字化けせずに開くことができます。
【2021/09/26追記】:OsidOriのバージョンアップに伴い、これ以降の内容は古くなってしまいました。こちらの記事を参照して下さい。
2.OsidOriから出力したデータファイルの涙すべき仕様
_↓にOsodOriから出力したCSVファイルの中身を示します。F・H・K列のOsidOri固有の機能に基づくデータ欄を除けば、他の家計簿アプリと本質的に異なるところはなさそうです。が…問題は①②③の振替取引にあります。
_2021年8月4日の時点で、OsidOriは振替取引について振替元・振替先の口座名を特定できる情報をデータとして出力しない仕様になっています(↑のデータのI・J列の文字列は筆者がOsidOri内で手入力したものです)。さらに、筆者はOsidOriに↓の4つの振替取引を入力してあるはずなのに、データとして出力されているのは①②③の三つで、④が出力されていません。これは一体どうしたことなのだろう…?
_実は、現時点でのOsidOriは、↓のチャートのように、収支管理を行う単位である「わたし」・「家族」・「パートナー」に跨る振替取引しかデータを出力しないのです。そして、出力するにしても、口座名が判らない…!
(注:この↓チャートは2020/12/30「OsidOriでパートナーと情報を共有した場合の動作」を元にしていますが、大きなミスがありましたので溯って訂正させていただきました。)
_このあたりの事情について開発元に問い合わせたところ、「わたし」・「家族」の収支管理に必要なデータのみを出力する(だから「わたし」・「家族」の中で完結する振替取引のデータなんて必要無いだろ)という考え方とのことです。しかし、これでは各口座の残高の推移を取引明細の累積によって追うことができません。技術的にできないのではなく、あえてそうしている、というのがかなり困ったものです。ユーザーの意見によっては検討するそうですが、ぜひお願いしたいところです。
3.アカウントアグリゲーションサービスを備えた家計簿アプリのデータ出力機能はあまりに重要
_2021年8月4日現在、アカウントアグリゲーションサービス(AAS)とデータ出力機能の双方を備えた家計簿アプリはマネーフォワードME、Zaim、Moneytreeの三つ(悪いですけどDr.Walletは筆者はAAS装備とは認めていません)。今回、そこへOsidOriが加わりました。しかもそのAASは業務用として名高いミロク情報サービスが提供しており、実のところOsidOriのデータ出力機能には筆者は大いに期待しておりました…が、この泣ける仕様には愕然とせざるを得ません。
_AASは、そのデータを家計簿アプリに投入して残高推移を再現できるところに価値があるわけです。それに対し、取引データを意図的に欠落させているOsidOriの設計思想は、正直に申し上げて大きな問題があります。
_この問題へのユーザーの対処としては…振替取引という機能を一切使わずに、全取引明細を収入・支出取引で記帳することですね。そうすればAASで得た取引明細は全て出力データに反映されます。しかし…振替取引は2020年12月にリリースされた新機能であり、それじゃいったい何のために登場させたのか? という話になりますね。
_前回の記事で、精算管理機能と代行入力機能の不整合について触れましたように、OsidOriにはまだまだ奇妙なところが見られます。こういったところが解消されていけば、競合相手と充分戦える家計簿アプリになるでしょう。少なくとも、改良・強化の手を緩めてはいないのですから。