2022/05/29

MFF形式データを手入力する方法

 _MFFマクロにはMFF形式のデータの手入力を支援する機能があります。これは2年以上前のVersion1.50から実装していたのですが、これまで解説記事を作成するのをすっかり失念しておりました…誠に申し訳ございません。

_家計簿アプリ(データインポート機能を実装しているものに限ります)を起動することなく、ちょっとしたデータであればMFF形式で手入力して、後でインポートしよう…というような使い方ができます。または、入力UIに問題があるアプリへのデータ手入力にも有用です。

_空のワークシート上でMFFマクロを動作させると、MFFマクロに読み込ませるCSVファイル(またはテキストファイル)を選択するダイアログが出現するわけですが、そこで【キャンセル】を叩くと、「MFF形式データを手入力しますか?」というダイアログが出てきます↓。ここで【はい】を選択すると…

MFFマクロの手入力モードへの入り方

2022/05/21

「家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較」をさらに更新しました

 【追記】本記事を更新した記事は 2023/07/14 第4版 家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較をご参照ください。


_当Blogの主題は家計簿アプリ間でのデータ変換の手段を提供することにあるわけですが、肝心な家計簿アプリ側の性能評価をしなければ、ユーザーの皆さんの家計簿アプリの選定の参考になりません。そこで、前回の 2021/08/22 「家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較」を更新しました の続編(第三弾)として、筆者の独断と偏見で評価した結果を公開します。今回は7つの家計簿アプリの評価を追加し、OsidOriの評価の見直しを行いました。

_なお、↓の表の評点は、インポート/エクスポートの際にユーザーが受ける制約や手間といった「障壁」を点数化しており、「低い点数ほど好ましい」ものとなっています。

家計簿アプリ別のデータインポート・エクスポート機能の性能比較(Ver3)

2022/05/16

「ゆう子の家計簿」の入力UIの課題

←前回の記事:2022/05/08「ゆう子の家計簿」から出力した明細データを他の家計簿向けに変換する方法


_今回は、Windows PC向け家計簿ソフト「ゆう子の家計簿」の入力時のユーザーインターフェースについて解説します。

1.収入・支出取引の入力

_「ゆう子の家計簿」は、↓の基本画面がすなわち入力画面となっています。オレンジ枠で日付を指定すると、その月度における取引データが青枠の中に表示されます。緑枠がデータ入力欄で、↓の状態では日付が15日であること以外は何も入力されていません。

ゆう子の家計簿の起動直後

2022/05/08

「ゆう子の家計簿」から出力した明細データを他の家計簿向けに変換する方法

 ←前回の記事:2022/05/07「ゆう子の家計簿」に他の家計簿アプリの振替取引データをCSVファイルで入力する方法


_今回は「ゆう子の家計簿」から出力したデータをMFF形式に変換する方法を解説します。が、その前に…

1.MFFマクロを小改修しました

_V2.36をV2.36bに改修しました。何をやったのか、と言いますと…「ゆう子の家計簿」のデータを変換する際の、半角カナを全角カナに変換する処理を改善しました。"ペ"が"ヘ゜"と変換されてしまっていたのを"ペ"と変換されるようにしています。ソースリストはMFFマクロの導入法と使用法のページから入手して下さい。

2.「ゆう子の家計簿」からデータを出力する

_メニュータブの【帳票作成】>【口座別明細表】にアクセスすると、↓のように口座別明細表を出力するためのダイアログが出現します。ここでまず操作すべきは【帳票設定】というボタンです。

「ゆう子の家計簿」口座別明細表出力のダイアログ

2022/05/07

「ゆう子の家計簿」に他の家計簿アプリの振替取引データをCSVファイルで入力する方法

←前回の記事:2022/05/06「ゆう子の家計簿」に他の家計簿アプリの収入・支出データをCSVファイルで入力する方法


_今回は、前回の収入・支出データに対し、振替取引を「ゆう子の家計簿」にインポートする方法を解説します。正確には「インポート後に振替取引に修正する方法」と言うべきかもしれません。

1.CSVファイルを取り込むところまでは前回と同じです

_問題は、そのデータに振替取引がどのように含まれているか?という点です。MFFマクロV2.36以降では、MFF形式データに、”オートフィルタで絞り込んだ口座A”に対する振替取引(振替相手を口座Bとする)が含まれている場合、

  • 振替収入であれば"★口座B→口座A"
  • 振替支出であれば"★口座A→口座B"

_という文字列を備考欄に入れるようにしています。ユーザーは備考欄の★を目印にして、その取引を「ゆう子の家計簿」で言うところの口座間振替取引として入力することになります。↓の例では、"11MSuica"という口座Aに対して、"52その筋カード"という口座Bから9,000円振り替えています。すなわち、クレジットカードにより電子マネーをチャージしているわけです。この取引データを選択(赤枠)すると、↓の画面の青枠で囲った部分に暫定的なデータが入ります。

入力データに含まれている振替取引を選択する

2022/05/06

「ゆう子の家計簿」に他の家計簿アプリの収入・支出データをCSVファイルで入力する方法

←前々回の記事:2022/05/03 MFFマクロV2.36公開「ゆう子の家計簿」との入出力に対応しました

←前回の記事:2022/05/04「ゆう子の家計簿」の口座と費目を調査する


_今回は、MFFマクロによりMFF形式データを「ゆう子の家計簿」向けに変換しインポートする方法をご紹介します。MFFマクロV2.36以降では、ある家計簿データをMFF形式に変換した後、他の家計簿アプリ向けに再変換する際に、再変換先のアプリとして、D1セルのプルダウンメニューに「ゆう子の家計簿」が加わっています↓。

1.MFF形式データの状態では単一の口座に絞り込む

_「ゆう子の家計簿」は、2022/05/01 PC家計簿ソフト「ゆう子の家計簿」をご紹介します で触れたとおり、2021年7月の更新で、OFXファイルの取込機能がCSVファイルによるデータ入力機能に変更されています。が、取り込めるデータ項目は日付・入金額・出金額・備考 の4つしかなく、費目どころか「どの口座の取引なのか」という情報すら無いという惨状です。

_そのため、MFFマクロV2.36では、OFXファイル出力の際と同様に、MFF形式のデータが単一の口座のみで構成されているか、「口座名」欄を(Excelのオートフィルタによって)単一の口座で絞り込んでいないと「ゆう子の家計簿」向けのデータを出力しない仕様としました↓。

ゆう子の家計簿には複数口座からなるデータをインポートできない

2022/05/04

「ゆう子の家計簿」の口座と費目を調査する

 ←前回の記事:MFFマクロV2.36公開「ゆう子の家計簿」との入出力に対応しました


_今回は、PC家計簿「ゆう子の家計簿」の家計簿ソフトとしての基本的な事柄、すなわち日付関係の設定項目と、口座種別、費目構成をご紹介します。

1.日付に関する設定項目

_「ゆう子の家計簿」は、家計管理に必要な日付に関しては↓のように設定できます。率直に言えばかなり高機能です。

ゆう子の家計簿の基本情報設定

2022/05/03

MFFマクロV2.36公開「ゆう子の家計簿」との入出力に対応しました

 _前回から取り上げている「ゆう子の家計簿」に対して、インポート用のデータ出力と、エクスポートデータの変換機能を追加したMFFマクロV2.36を公開しました。

MFFマクロV2.36の動作概念図

_久々にチャートの右側に家計簿アプリが追加されました。前回追加したのは昨年11月のV2.27(GnuCashへのインポートに対応)ですから半年ぶりです。データインポートができるアプリってもっとあっても良さそうなものなのですが…


次回は「ゆう子の家計簿」の口座・費目の構成について解説します→

2022/05/01

PC家計簿ソフト「ゆう子の家計簿」をご紹介します

_ゆう子の家計簿は古参のPC家計簿ソフトながら当Blogでは初登場となります。これまでの開発履歴を見てみますと、

  • ゆう子の家計簿(16bit版) Ver.1.0〜2.6D 1995年11月〜 1997年12月
  • ゆう子の家計簿32 Ver.1.0〜2.5F 1997年 5月〜 2002年12月
  • ゆう子の家計簿V3 Ver.3.0〜3.5B 2002年12月〜 2014年 8月
  • 2014年9月15日にVer4.0aリリース

…1995年11月ってことはWindows95の時代からあるわけで、かなり歴史は長いです。しかし、最近のメジャーアップデートは2021年7月2日のVer4.4Aで(ちなみにPDFのマニュアルも4.4Aとなっている)、このときに「インターネットバンキング入力関連の改善」として

  • 銀行WebサイトからCSVファイルをダウンロードし入力する「CSVファイル入力」を追加
  • 「Webデータ貼り付け入力」「CSVファイル入力」で入力済み明細のチェック機能を追加
  • 「ofxファイル入力」を削除(サポートする銀行がないため)

_このような改良が行われています。つまり、CSVファイルのデータをインポートできるようになったのは結構最近のことなのです。ちなみに現在の最新バージョンは2021年11月30日公開のVer.4.4Eであり、現在もサポートが継続されているようです。


もともとは

_Web明細入力とOFX取り込みという機能がありました。前者は、マニュアルの24ページに

 インターネットバンキングやクレジットカード会社のWeb には「入出金明細表」という表示があります。この一覧表を表示し、それをコピー&ペーストすることで家計簿へデータを取り込むものです。ただし取り込むことができない銀行もあります。対象ブラウザはインターネットエクスプローラ(IE)のみです。他のブラウザはコピー形式が違うため動作しません。

_と書かれていて、MicrosoftがIEのサポートを終了した今日にあってはもはや無用の長物と言えます。よって当Blogでは取り上げません。

_一方、OFX取り込みは前述のとおり2021年7月に機能が廃止されています。我が国におけるOFXの廃れぶりを見ればやむを得ないところでしょう。これを代替するのが新設されたCSVファイル入力機能ですが、

インターネット・バンキングのWebからCSVファイルをダウンロードし、それを読み込むことで明細を入力します。ただし、費用項目に関する情報はダウンロードしたファイルに含まれていませんので、家計簿の項目とダウンロードした明細データとの間で対応付けを行う必要があります。

…このように、銀行やクレジットカードのサイトからDLしたCSVファイルを前提としているので、費目情報が含まれていないと、はなっから決めてかかっているわけです。ただし、

この家計簿では、以前にCSVファイルから入力した内容を覚えていて、口座と備考の情報から、適切な項目、内訳を選択するようにしています。

…と、学習機能を備えているらしいです。つまり、当Blogがマイクロソフトマネーの使い方として提唱しているMode2のように、備考欄へのデータの入れ方次第では、費目と結び付けて、比較的楽にデータを再構成できる可能性があります。

_というわけで、CSVファイル入力機能は、結局のところ取り込めるのは

明細データの編集で利用する項目は「日付」「入金」「出金」「備考」です。

_なお、備考欄は半角で24文字までしか入りません。これは困ったな…

_ただ、「てきぱき家計簿マム」のように口座種別によってインポート機能が使えなかったりするような仕様にはなっておらず、インポートした後に、どの口座での取引かを指定するようになっています。すなわち、複数口座のデータをまとめて投入することはできません。

バックアップ機能を利用したインポートはできない

_「ゆう子の家計簿」には30世代までのバックアップファイル作成・復元機能があります。それを使って一挙にデータを取り込めないか?と考えたのですが、どうやら独自形式らしく不可能であるようです。

他の家計簿明細データの取り込み という機能がある

_「入力」>「他の家計簿明細データの取り込み」で、「ゆう子の家計簿」で作成した、他の家計簿データをマージできます。これは他の家計簿ソフトでは見たことが無い機能です。口座・項目が一致していることが望ましいのですが、そうでないデータでも取り込みは一応できるようです。


_このように「ゆう子の家計簿」へのデータインポートは決して楽にはできそうにありません。エクスポートについては、また稿を改めてご紹介するつもりです。


次回は「ゆう子の家計簿」に対応したMFFマクロの新バージョンを公開します→

注目の記事

家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ

_今回の主題は…家計簿アプリとデータをやりとりするときに使用するファイルの形式について、です。筆者がこれまで MFFマクロ に対応させてきた家計簿アプリは27種類(Money通帳とあっと家計簿は別カウント)。まず、家計簿アプリからエクスポートする方向では↓のようになります。...

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