2023/12/30

2023年12月時点のおカネレコWeb版

 2023/12/25 牛透明の謎~家計簿アプリのレシート認識機能をレポートする に続いて、おカネレコを取り上げます。当Blogでおカネレコを最初に取り上げたのは 2020/06/05 おカネレコ レビューその1:入力UI で、それから3年半が経過し、その間、ユーザーに家計簿の入力を習慣づけるためのインセンティブとしてRecoPass2021/10/16 マネーフォワードMEのバッジ vs オカネレコのレコパス で紹介しました)や、データを入力するとかわいい(?)キャラクターが育っていく「マイポケット」といった機能がリリースされています。

 が、それは今回は置いておいて、以前の 2020/06/06 おカネレコ レビューその2:カテゴリ構成、有料/無料プランの違い の時点ではベータ版とされていた、有料機能であるWeb版(パソコン家計簿機能)がどのように変わったかをレポートしたいと思います。

1.クラウド会員になってクラウド同期機能を動作させる

 おカネレコは有料会員になるとクラウド同期機能を使えるようになります。データの同期は↓の画面のボタンを叩いて行います。なお、初めてWeb版(パソコン家計簿機能)を使用する際は、Web版にログインする前に必ずアプリ側で同期をして下さい。カテゴリ構成をカスタマイズしている場合、同期する前にWeb版にログインすると、クラウド側に入っているデータが、初期設定のカテゴリ構成で確定してしまいます。その後に同期させると、カスタマイズする前・後のカテゴリ構成が混在することになります。

おカネレコの同期機能はこのボタン

2023/12/27

当Blogのマネタメへの対応について

 家計簿カケイの後継アプリ「マネタメ」についてです。

 マネタメは2021年11月にAndroid版、同12月にiPhone版がリリースされています。で、現時点のv2.6.0は…↓の画面(左)のとおり、前身のカケイからのデータ移行に関する機能の開発が遅れているとのことで、筆者としては、これを待ってレポートするつもりです。この機能が、独自のファイル形式ではなく、CSVファイル等による家計簿データのインポート機能としてリリースされることをおおいに期待したいところです。

 なお、「マネタメ」のCSVファイル出力機能は、「カケイ」の同様の実装2021/07/14 家計簿カケイのデータを他の家計簿アプリ向けに変換する 参照)を志向しているようですが、現時点では「収入・支出」取引のデータ出力機能しか実装されておらず(↓の画面(右))、残念ながら実用には耐えません。この点も改善が望まれます。

マネタメのデータ入出力機能について

2023/12/25

牛透明の謎~家計簿アプリのレシート認識機能をレポートする

  今回は、当Blogではこれまで取り上げてこなかったネタです。家計簿アプリのレシート認識機能について試してみます。これについてのネット記事は例えば 【2023年】レシート読み取り機能で比較!人気の家計簿アプリ5選 がありますが、当該の記事は実態としては「レシート読み取り機能を有する家計簿アプリの総合的比較」となっています。当Blogの今回の記事は、同じレシートをそれぞれの家計簿アプリで認識させたらどうなるのか? という点のみを比較してみたいと思います。

 テスト対象は、マネーフォワードME、Zaim、おカネレコ、レシーピ、スマートレシート、Recemaru(レシマル)の6つです。Dr.Walletは、有料プランではレシートの品目データを人力入力し、無料プランではレシートの総額のみを人力入力する仕様であり、比較しても意味が無いので対象外です。

1.マネーフォワードME

  • マネーフォワードMEのレシート撮影画面はレシートを表示する範囲が少し狭く設定されている。
  • 3品目目の DCM養生テープ半透明 が 00gpcM養生テーブ牛透明 と認識されている
マネーフォワードMEテーブ牛透明

2023/12/23

MFFマクロV2.48出現 ACFによるMFF形式データ編集機能を強化しました

 今回のMFFマクロの更新では、対応する家計簿アプリの追加ではなく、超久しぶりにACF機能を強化します。例によりまして導入法とソースリストをこちらで公開しておりますのでご参照下さい。

 これまで、MFF形式データをワークシート上に展開しACF機能が動作している状態(便宜的にACFモードと呼ぶ)では、口座名や費目を、データ変換先の家計簿アプリに変換する処理のみが可能であり、支出・収入取引を振替取引に変更するのは大変面倒でした。

 しかし、先日、スマートレシートレシマルからレシートデータをMFF形式データに変換できるようにしたことで、クレジットカードや電子マネーの支払を、レシートデータ専用のダミー口座への振替取引に変更する、という操作をする機会が増えることになります(増えるといいなあ)

 そこで、MFFマクロV2.48では、ACFの機能の一つとして、MFF形式データの支出・収入取引を振替取引に変更できるようにしました。

1.クレジットカードの明細データをMFF形式に変換する

 今回の新機能を説明するにあたり、クレジットカードの明細データをWindowsPC向け家計簿ソフト「マスターマネー」にインポートする、という操作を例にします。

 クレジットカードは「その筋カード」という架空のカードで、その会員サイトからダウンロードした明細データのCSVファイルをExcelで開いたところから始まります(Shift-JISでエンコードされているので文字化けせずに開くことができる、という想定)

その筋カードの明細データをExcelで開いた

2023/12/07

スマートレシートとRecemaruレシマルの一応のまとめ

 さて、11月からスマートレシート(初回記事は2023/11/04 電子レシート「スマートレシート」試用レポートとレシマル(初回記事は2023/12/02 Recemaru(レシマル)試用レポートを試用してデータ変換方法を検討してまいりましたが、ここらで一旦まとめたいと思います。

1.スマートレシート

 スマートレシート↓は「紙のレシートを無くす」という環境問題上の明確な理念があり、加盟店で買い物をした直後にスマートレシートのアプリで電子レシートを確認できます。筆者の経験では、電子レシートを確認するようお店の方に促されました。現時点での加盟店はこちら(←外部サイトへのリンク)を参照してください。また、スマートレシートのアプリは簡単な月間集計機能があるだけで、データを家計簿として活用する方策としてZaimとの連携機能が提供されています(連携の設定はZaim側から行います)。こちらはレシートデータの取得は翌日13:00まで待たされるようになっており、この点でスマートレシートアプリと差別化しているわけです。

スマートレシートのデータの流れ

2.Recemaru(レシマル)

 一方、レシマル↓は(ホームページを確認した限りでは)環境問題対策というよりは家計管理を楽にするソリューションとして展開されています。ユーザーがデータを確認できるのは翌日09:00まで待たされ、筆者の経験ではお店で紙のレシートも渡されました。現時点での加盟店はローソンとフジの2つのチェーンのみです。また、レシマルは簡易的な家計簿アプリとしても作られており、他の家計簿アプリとの連携は今のところ考えられていません。

レシマルのデータの流れ

2023/12/05

Zaimにスマートレシートのデータが自動的に入るように連携する機能を試してみました

【注意】今回の記事は「スマートレシート」に関するものです。レシマルの記事ではありません!


 こんにちは。2023/11/05 MFFマクロV2.45でスマートレシートからの出力データをMFF形式に変換する方法 で「スマートレシートがZaimと連携すればいいのに」と申し上げましたところ、改めて調べましたら今年の9月にZaim側からすでにそういうプレスリリースがなされておりまして赤っ恥をかきました…(冷汗)。

 本件について、Zaim側で提供しているマニュアルはこちらです。連携の設定はZaim側から↓の画面(これはWeb版です)で行います。もちろん、事前にスマートレシートのIDとパスワードを取得していることが前提です。 

Zaimにスマートレシートを連携させるにはショッピングサイトから選択する

 Zaimは毎日13:00に前日までの買い物のレシートデータをスマートレシートから取得し、「スマートレシート」という金融機関口座に入れるようになっています。Zaimとスマートレシートを連携させた直後には、この「スマートレシート」という口座は出現しませんのでご注意下さい。

 Zaimのスマホアプリの画面例を↓に示します。品名に対してカテゴリを自動的に割り付ける機能がありますが、まだ学習できていない品目については「未分類」となっているので、それはユーザーが修正しなければなりません。すなわち、スマートレシート側で設定したカテゴリーはZaim側に取り込まれません。最終的にZaimで家計管理をするなら、スマートレシート側でカテゴリーを設定する必要は無いのです。

Zaimにスマートレシートを連携させた

 ところで、「スマートレシート」という口座に支出額が計上される、ということは…この買い物の支払いに関する明細データが電子マネーやクレジットカードの口座に「連携機能で」取得されたときに、↓の例では2,421円の支出額がダブることになります。Zaimのマニュアルでは、電子マネーやクレジットカード側の明細データを「常に集計に含めない」に設定しろ、としていますが、筆者としてはそれはあまりお奨めできません。Zaimのデータを他の家計簿アプリ向けに変換する際に、集計に含めるか含めないかというフラグ情報を変換先のアプリがサポートしていなければ、そちらで支出額がダブり計上されることになるからです。

 この場合は、電子マネー・クレジットカード側で取得された明細データを、スマートレシートへの振替取引に修正することをお奨めします。これにより「スマートレシートという口座の残高が0であれば、取得したレシートデータと、電子マネー・クレジットカードの支出データが全て整合している」と確認できます。これは、いわゆる複合仕訳をサポートしていない家計簿アプリでよく行われるテクニックです。

 または、その明細データを削除して、スマートレシート側の明細データの口座名を電子マネー・クレジットカードに変更するという方法もありますが、これをやるとZaim側の口座残高推移の認識が狂うリスクがあります。このあたりの事情は、2020/07/12 Zaimの金融機関連携口座に過去の取引データを連結する方法(Part1)からの連載記事を参照して下さい。


 とにかく、スマートレシートとZaimの連携は思いのほか便利です。スマートレシート側で店舗のポイントアプリと連携させていれば、そのお店で買い物をした翌日13:00には自動的にZaimにその買い物のレシートデータが登録されることになるわけですから…。今回の記事は、スマートレシートの機能をご紹介しているのに、結局スマートレシートのアプリの画面例は一切出ていません(笑)。この組み合わせはもっと広く知っていただきたいところですね。

次回のスマートレシートの記事:2023/12/07 スマートレシートとRecemaruレシマルの一応のまとめ→

2023/12/04

レシマルにローソンのレシートデータが自動的に入るように連携できるので試してみました

←前々回の記事:2023/12/02 Recemaru(レシマル)試用レポート(12/3追記)
←前回の記事:2023/12/03 MFFマクロV2.47によるRecemaru(レシマル)データのMFF形式への変換方法

 今回は、Recemaruの「レシート自動入力」機能をテストします。レシマルの競合サービスである「スマートレシート」では、2023/11/04 電子レシート「スマートレシート」試用レポート で述べたとおり、サービス加盟店で買い物をしたら即座に電子レシートのデータを受け取れることが大きな売り文句になっておりました。が、Recemaruのこの機能は、それほど大々的にアピールされているわけではありません。その理由は↓①画面のように、また対象となるチェーンがローソンとフジ(中国地方・四国を中心に展開するスーパー)の二つしかないためのようです。

 今回はローソンでこの機能をテストしたわけですが、筆者は普段はローソンをあまり利用しないので、

  1. ローソンの公式アプリをインストール
  2. ローソンはポイントサービスをPontaに依存しているので、以前に取得したPontaの会員IDとパスワードを発掘してローソンアプリと紐づけ(参考:ローソンでのau PAY 決済時、Pontaカードを提示しなくてもPontaポイントが自動でたまるようになりました!(外部サイト))
  3. ローソンアプリの決裁方法にSuicaが無いことに愕然とし、もっとも導入ハードルの低いau PAYを導入し紐づけ

 …といった前準備にかなり時間を要しました。

 そのうえで、↓①画面からローソンとの連携を設定し、↓②でPontaカード(物理的にカードを持っている必要はない。IDとパスワードがあればよい)を登録すると、↓③画面のように連携機能が動作するようになります。ただし、レシマルでは連携先のチェーン店で買い物をしても即座にレシートデータが送られてくるわけでは無く、前日のデータが09:00にレシマルのサーバーに送られてきます。そのデータをアプリに取り込むのが↓④画面の操作です。

レシマルにローソンのレシートデータが自動的に入るように連携できるので試してみました

 連携したチェーン店から自動的に入力されたレシートデータは↑⑥画面のように「自動入力」と表示されています。その中身を↑⑦画面で確認すると、各品目に対しては費目が指定されておらず、ユーザーが手作業で指定しなければなりません。その結果が↑⑧画面です。

 なお…今回のテストでは、ローソン某店でローソンアプリからau PAYで支払ったところ、紙のレシートは発行されました。スマートレシートは紙のレシートを無くすことで環境問題に貢献する、という理念を謡っているのですが、レシマルはそうではないらしい。

 ところで、↑②画面にしれっと書いてありますが、レシマルは消費税を8%として計算するようになっており、それが↑⑦画面の"消費税(8%みなし)"という文字の意味です。念のため、支払いに使用した決裁サービス(今回の例ではau PAYということになる)上の支出額と、レシートデータ上の支払額を突き合わせた方がいいかもしれません。

 とにかく、大手コンビニチェーンたるローソンの買い物でレシートデータが自動入力される、というのは利便性がかなり高いです(そうでなければ「試してみよう」という意欲も出なかった)。他のチェーンにも拡大することを激しく期待したいところです。

次回のレシマルの記事:2023/12/07 スマートレシートとRecemaruレシマルの一応のまとめ

2023/12/03

MFFマクロV2.47によるRecemaru(レシマル)データのMFF形式への変換方法

 ←前回の記事:2023/12/02 Recemaru(レシマル)試用レポート(12/3追記)

 今回は、レシマルに対応したMFFマクロV2.47によるデータ変換の方法を解説します。

1.MFFマクロV2.47公開

 MFFマクロのVersion2.47による更新点は以下の4つです。

  • レシマルから出力したCSVファイルのデータをMFF形式に変換する機能を新設した
  • スマートレシートから出力したデータをMFF形式に変換する際、負の支出額を収入額に変換していたのを取りやめ、負の支出額のままにするように改めた(レシマルでも同じ動作をする)
  • MFF形式への変換後、支出・収入欄に負の金額が入った場合は当該のセルを黄色に塗って、ユーザーに警告する機能を新設した
  • 便利機能として、MFF形式データの支出欄に負の金額が入っている場合は正の収入額に、収入欄に負の金額が入っている場合は正の支出額に変換する「負の金額の解消」機能を追加した

 これに伴い、動作概念図も更新しています↓。

 なお、MFFマクロの取り扱いについては以下のリンク先をご覧ありたく。

MFFマクロV2.47の動作の概念図

2023/12/02

Recemaru(レシマル)試用レポート(12/3追記)

←前回記事:2023/11/26 Recemaru(レシマル)に取り組んでいます

_Android向け家計簿アプリRecemaru(レシマル)を試用してみました。

1.レシマルの概要

 レシマルのアプリをインストールした直後の初回起動では、新規ユーザー登録として、規約への同意と、ID(メールアドレス)・パスワード・性別・居住する都道府県・誕生年の登録、メールアドレスの生存確認を行います。

 次回以降の起動画面は↓①画面のように至ってシンプル。大抵の処理は①の左上のドロワーメニューから行います(↓②画面)。レシートデータのCSVファイル出力機能は↓③画面にありますが、これについては後述します。

レシマル起動・メニュー・設定画面

 ↑の②画面にある「レシート自動入力」機能は、スマートレシートと同じく、レシマルと連携している店舗のアプリにレシマルのユーザーID・パスワードを登録すると、その店舗で(アプリを使用して)買い物をした際に自動的にレシートのデータが送付されてくる、という便利なサービスです。対象となる店舗は、今のところローソンとフジ(中国・四国地方を中心に展開するスーパー)の二社です。

2023/11/26

Recemaru(レシマル)に取り組んでいます

_スマートレシートの連載(初回の記事:2023/10/29 スマートレシートに挑んでいますに引き続きまして、スマ-トフォン向けレシート管理型家計簿アプリ「Recemaru(レシマル)」に取り組んでおります。

_とりあえず、撮影したレシートから品目毎に取引データを生成して、CSVファイルとして出力できることは確認済です。

_しかし、このアプリは、予想どおり、スマートレシートとは目的や振る舞いが異なっておりまして…記事の構成や、MFFマクロのデータ変換の方針について少々悩んでいるところがございます(つまり、マクロの新版はまだ手を付けていない)本編の掲載まで暫しお時間をいただければ幸いです。

2023/11/17

読者の方からお便りをいただきました

 ちょっと前のことになりますが、読者の方から、連絡フォームを通じてメールをいただきました。

 「マイクロソフトマネー⇒GnuCashのデータ変換がうまくいった」とのことで、MFFマクロがこうしてお役に立てているのは嬉しい限りで、大変励みになります。ありがとうございます。

 動作報告、不具合の通報など、読者の方々からのフィードバックをお寄せください。よろしくお願いします。

2023/11/13

CF-RZ4をChromeBook化しました

 ヒジョーに個人的なことなんですが、サブ・サブマシンになり下がっていたPanasonic Let's Note CF-RZ4のOSをWindows10からChrome OS flexに入れ替えました。

ChromeBook化したCF-RZ4

 手順はネット上にいろいろありますので省略します。ちなみに、もっとも困難だった作業は、実はCF-RZ4をChrome OS flexの起動用USBメモリから起動するためにBIOSメニューを呼び出す場面でした。電源投入後、Panasonicのロゴが出ているタイミングでF2キーを叩いても、どういうわけかそれが認識されずWindows10が起動してしまうのです。起動時にBIOSパスワードを入力するように設定していたのがマズかったらしい。「その設定を外せばいいじゃん」と言われましても、その設定を外すにはBIOSメニューを呼び出さなければならない…というわけで、一時は「こんなつまらないことで詰んでしまうのか!」と落ち込みましたが、Windows10側で設定を弄ることでBIOSメニューを表示させるようにしてなんとか解決しました。

 ChromeBook化の目的は、9年前のマシンであるCF-RZ4を有効利用するためです。Windows11へのアップグレードも拒否されてしまい、Windows10で運用するのも俊敏さの面でかなり苦しかったですからね…ChromeOSならまだそこそこ使えるだろう、というわけです。Chrome OS flexはAndroidアプリを実行できませんのでAndroidスマホ向けの家計簿アプリの稼働テストなどには使えませんけど、久しぶりに導入した新機軸ですからいろいろと試してみたいと思います。

2023/11/05

MFFマクロV2.45でスマートレシートからの出力データをMFF形式に変換する方法(追記あり)

 前回の 2023/11/04 電子レシート「スマートレシート」試用レポート で予告しましたとおり、MFFマクロのVersion2.45を公開します。スマートレシートから出力したTSVファイルのデータをExcel上に読み込み、MFF形式に変換する機能を新設しました。これに伴い動作概念図も更新しています↓。

MFFマクロV2.45の動作の概念図

2023/11/04

電子レシート「スマートレシート」試用レポート

 前回の 2023/10/29 スマートレシートに挑んでいます で予告しましたとおり、スマートレシートという電子レシートサービスについてレポートします。

1.概要

 スマートレシートというサービスは、若干仕組みが複雑でして、1台のスマートフォンに「スマートレシート」と「レシートスキャン」という二つのアプリをインストールしなければなりません。インストールは順不同で、片方にIDとパスワードを登録すれば、もう片方も同じIDとパスワードでログインすることで連係動作します。

  • アプリ「スマートレシート」は、スマートレシートのサービスに加盟しているお店で支払いをする際に、アプリ画面に表示されるバーコードをお店のレジに読み込ませると、加盟店から電子レシートが送られるようになっています。そのデータはTSVファイルとして出力できます。なお、その加盟店が独自に提供しているアプリ(ポイントサービスが多い)とスマートレシートサービスを連携させると、そのアプリを使うだけで電子レシートを受け取れます。
  • アプリ「レシートスキャン」は、「スマートレシート」の補助ツールで、紙のレシートをスマートフォンのカメラで撮影し文字認識でレシートデータを入力できるほか、手入力でレシートデータを作成できます。そのデータはスマートレシートのサーバーに登録され、アプリ「スマートレシート」を経由してTSVファイルとして出力できます。

 両者の関係性を図解すると↓のようになります。

スマートレシートとレシートスキャンの相関図

2023/10/29

スマートレシートに挑んでいます

 さすがに10月に1件も記事をアップしない、というのもマズいのでとりあえず予告編。東芝テック株式会社(外部ページ)が展開している電子レシートサービス用スマートフォンアプリ「スマートレシート」の研究をしています。

 ものすごくざっくり言いますと、「スマートレシート」サービスの加盟店での買い物の際に、会員用アプリの画面に表示されるバーコードをレジでスキャンすると、支払の後でアプリに買い物のレシートのデータが送られてくる、というサービスです。概要や社会的意義についてはこちらをご覧ください(外部ページ)。

 はっきり言って、あまり知られていないサービスだと思います。筆者も、そういうサービスが数年前に町田市で実験された、ということぐらいしか知りませんでした。が、研究してみると、かなり奥深い、しかしまだまだ発展途上だな~という感を持っております。

 現在、このアプリから出力されるレシートのデータをMFF形式に変換するMFFマクロの新バージョンは開発できております。近々公開できるでしょう。問題はむしろこのサービスの仕組みとデータ構造をどうやって解説するか、というところでありまして…図版の作成等にしばらく時間を要します。しばしお待ちありたく。

2023/09/09

くふうAIスタジオ って何者だ?

 久しぶりの更新となります。8月末以降、社命により、個人の立場で、絶対に果たさねばならない超重要なボランティア活動を強制的にやらされておりまして、なかなか当Blogに手を付けられませんでした。「社命により個人の立場で」とか「ボランティア活動を強制的に」と、とんでもなく矛盾する言葉が並んでおりますが…まあ、サラリーマンを長くやっていると、そういう奇妙な事態に巻き込まれることもあるのです。

 さて、先日、ZaimとAPI連携させている銀行口座の再連携作業を行っておりました(どんなに多忙でもこれは定期的にやらなければならない)ところ、銀行のサイトから「"株式会社くふうAIスタジオ"との連携を設定するけどいいよな?」という確認のページが出現しました。え、何のことだ…? と思ってZaimの公式ページを見てみますと…ありました。

 Zaimは、この"くふうAIスタジオ”が運営するPFM事業のブランド名という形になるようです。しかし、Zaimアプリから公式サイトにアクセスすると、まだ会社名が変わっていない…7月以降にもニュースリリースは出しているのに、気づいていないのかな…?

2023/08/21

MoneyProのトランザクション(取引データ)をエクスポートして他の家計簿アプリ向けに変換する方法を改めて解説します

 前回の記事でMoneyProのV2.9.10に対応したMFFマクロV2.44を公開しました。今回は、それにより新仕様のMoneyProからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する方法を解説します。

1.MoneyProからのエクスポート


 (参考)以前のMoneyProからエクスポートしたデータの変換については以下の記事を参照


 今回サンプルとするデータは↓のとおりで、MoneyProの特徴である支出・収入・振り込み(振替取引のこと)・資産購入・資産売却・取得負債(いわゆる借金)・完済負債(いわゆる借金返済)の各種の取引種別を網羅しています。①の開始残高は、MFFマクロでは無視します(後述)。

MoneyProの残高画面の取引一覧

2023/08/20

MoneyProのエクスポート/インポート機能の仕様変更に対応したMFFマクロV2.44公開

 2023/07/09 MoneyProの知られざる大バグフィックスに対応したMFFマクロV2.43登場で、MoneyProのインポート機能の改善に対応しMFFマクロをV2.43に更新した当時、MoneyProのバージョンは2.8.35でした。2023/08/19時点では2.9.10と、ここ最近、頻繁にアプリが更新されています。

 で、先日、MoneyProのインポート機能が更新されたのであれば、エクスポート機能ももしかして…と思って確認したところ、やはり大きな仕様変更がなされていたことに気がつきました。MoneyProはアプリの更新履歴を公開していないため、それがV2.8.35以前なのか、以後なのか、もはや確かめる術はありません。しかし、少なくとも現時点で、MoneyProの振る舞いとMFFマクロの振る舞いは微妙にズレてしまっているので、MFFマクロ側を更新しなければなりません。そこで、今回V2.44を公開いたします

1.MoneyProのエクスポート機能はどのように変わったか

 以前のMoneyProからエクスポートされるデータファイルの中身は、2020/05/30 MoneyProのデータを他の家計簿アプリへエクスポートする(後篇)を参照していただければ判りますように、同じファイルの中で、支出・収入・振り込み(振替取引のこと)・資産購入・資産売却・取得負債・完済負債…という取引種別毎に行をまとめる形でデータが並ぶようになっていました。

 現在のMoneyProでは↓のように、日付をキーに昇順ソートされ、全ての取引種別が混在する形でデータが並ぶようになりました。要するに、インポートするファイルの形式とほぼ同じになっています。

MoneProV2.9.9以降からエクスポートしたトランザクション

2023/07/27

らくな家計簿の同期機能/新PC家計簿機能には注意

 先日、「らくな家計簿」をいじっていると、困った事態に遭遇しました。スマホの「らくな家計簿」にデータをインポートしても、それがいつまで経っても新PC家計簿(2022/12/03 らくな家計簿に新PC家計簿機能が登場 参照)に同期されないのです。

 なぜなんだ…? と思って調べてみますと、どうやら「らくな家計簿」は、同じスマホの中にオフライン用Aとオンライン(同期)用Bの2つの家計簿データが共存する仕様になっているらしい…。図版化すると↓のようになります。

らくな家計簿の新PC家計簿とのデ ータ同期の動作

 「らくな家計簿」のスマホアプリは、4.6.28以降から、会員登録とログイン認証を経て新PC家計簿機能を利用できるようになりました。で、初めて会員登録とログイン認証を行うと(↑②)、その時点でスマホに入っていた家計簿データAがオフライン用となり、オンライン同期用の家計簿データBとして複写され、以後の同期はこの複写された家計簿データBに対してのみ行われるようになります。

 ですから、ログインせずに「らくな家計簿」のスマホアプリ上でデータをインポートし(↑③)、その後にログインして同期させたとしても(↑④)、そのインポートしたデータは新PC家計簿には反映されません。では、どうすべきか? 実に簡単で、「らくな家計簿」のスマホアプリを弄るときは真っ先にログインして、オンライン同期用の家計簿データBにアクセスするようにしなければならないのです(↑⑤)。

 このあたりの事情は、実は「らくな家計簿」のオンラインヘルプに↓のように書いてあるのですが…こんな抽象的で判りにくいものを理解できるわけがありませんよね…

6. 同期データの管理方式
• 初めてログインが行われたデバイスを基準にデータを複製して同期用の家計簿を作成します。
(同期したいデータがあるデバイスから会員登録をしてください。)
既存のデバイスに保存されている家計簿は削除されません。デバイス内の家計簿データ、同期用のデータが別々で管理され、計2つの家計簿が存在することになります。
• ログインすると同期用の家計簿を作成でき、ログアウトすると既存デバイスに保存されている家計簿を作成できます。

 ところで…スマホの中に残っているオフライン用の家計簿Aは一体何の役に立つのか? これは、サーバーを介した同期機能に拠らない「(旧)PC家計簿」機能に活用できるのです。…が、こんなややこしいことをするぐらいなら、潔くログイン必須にしてもらったほうが判り易かったですね。ちょっと残念な仕様でした。

2023/07/16

Clev家計簿の有料プランが変更されていた

_久しぶりにClev家計簿の話題。2021/05/16 誰も教えてくれないClev家計簿の使い方(その1:入力UI) において、有料プランに関して


_プレミアムバージョンは、買い切り620円で広告表示を消すことができ、機能追加はありません。広告は画面最下段のバナーの他、何らかの操作を行った後にランダムに全画面表示されるものがあり、結構ウザく感じられますので、開発元に敬意を表するなら課金に応ずるべきでしょう。


_と記述しておりました。当時のアプリのバージョンは3.11.12でした。

_が、本日、アプリのバージョンを確認したところ、3.13.4となっており、いつの間にか有料プランが「プレミアムサブスクリプション」に改変されていました。350円/月(年払いは3000円なので1200円も割安!)という値付けになっています。また、無料プランでは一部機能が制限されるとのことですが、具体的にどのように差別化されているのかは現時点では不明です。

Clev家計簿のプレミアムサブスクリプション

_…しかし、アカウントアグリゲーションサービス(AAS)もデータインポート機能も無い家計簿アプリが350円/月のサブスクを設定するとはいい度胸です。ちなみにマネーフォワードMEのプレミアムプランの料金はこちらZaimも同様にこちらを参照して下さい。もう少し課金すれば、AASもWeb版も使えるわけですからね(Zaimに至ってはデータのインポートもできる)。開発サイドに、我が国における価格感覚を見直してもらう必要性はありそうです。

2023/07/15

Zaimにタグ機能が出現

 2023/07/14、Zaimアプリにタグ機能が新登場しました。先日ご紹介した「見つける」機能と連動したもので、簡単に言えば、従来のメモ欄に #買ってよかった のように、#に続く定型句をワンタッチで追加して検索しやすくする機能です。

1.Zaimアプリでの操作はこのようになる

_↓の例では、ユーザーが"#生活必需"というタグを追加設定して、130円のお茶の買い物にタグ付けするところを示しています。

Zaimアプリにタグ機能が追加された

_タグはあらかじめ #買ってよかった #おトク #ご褒美 #自己投資 #挑戦 #応援 の6種類が定義されており、これらは削除できません。これにユーザーが定義したタグの追加・削除(上の④の画面で当該のタグを左にスワイプすると削除できる)ができます。表示順序は変更できません。

Zaimの取引データにタグを付ける

_タグは、↑の画面⑧のように、いくつも付けることができます。本当にメモ欄の末尾に定型句を追加するだけですから…

2023/07/14

第4版 家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較

_当Blogでは、これまでに家計簿アプリのデータ入出力機能についての性能比較を↓の記事で掲載しておりました。

_今回、評価項目の整理と、対象とする家計簿アプリの追加、および、アプリのアップデートによる評価の見直しを行いました。これはあくまでも筆者たる たこぶつ の独断と偏見と無知によるものですので、参考程度として決して鵜呑みにはしないようにお願いします。

第4版 家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較

2023/07/09

MoneyProの知られざる大バグフィックスに対応したMFFマクロV2.43登場

 前回の 2023/07/05 【朗報】MoneyProのファイルインポート機能が大幅に改善されたようです【速報】 のとおり、Windows版のMoneyProアプリについて(おそらくはV2.8.35で)コッソリと重要なバグフィックスが行われました。

 以前のMoneyProは、CSVファイルでのデータインポート時に、収入取引にカテゴリを指定していると、カテゴリを正しく認識しない、という不具合がありました2020/10/11 MoneyProアプリのV2.5.4バージョンアップでも不具合は解消せず 参照)。さらに以前はそのようなCSVファイルをインポートしようとした時点でアプリがクラッシュしていた2020/05/29 MoneyProへ他の家計簿アプリのデータをインポートする(前篇) 参照)ので、それに比べればはるかにマシになっていますが、いずれにしても大変困った事態です。

 そこで、当Blogでは、MFFマクロでMoneyProインポート用のCSVファイルを出力する際には、収入取引の場合にカテゴリ欄を空にするという暫定措置で対処しておりました。つまり、収入取引についてはインポート後にユーザー各位が全てカテゴリを再設定しなけれならず、これはかなり大きく余計な手間であったわけです2020/05/29 MoneyProへ他の家計簿アプリのデータをインポートする(後篇) 参照)

 しかし、この度のアプリ側のアップデートでその必要がなくなりましたので、MFFマクロ V2.43ではこの暫定措置を解除して、CSVファイルの収入取引にもカテゴリ欄を入れるよう、本来の処理に修正しました。今回は、その詳細を解説します。

【追記】:MFFマクロV2.44でさらに改良しました。こちらの記事をご参照ありたく。

2023/07/05

【朗報】MoneyProのファイルインポート機能が大幅に改善されたようです【速報】

_取り急ぎ朗報を速報します。Windows向け財務・家計簿アプリ「MoneyPro」 のCSVファイルインポート機能について、当Blogでは、

_…このように2つの不具合を指摘しておりましたが、筆者が本日確認したところ、MoneyPro V2.8.35においてこの不具合が両方とも解消されていることが判明しました(解消されたのがこのバージョンなのかそれより前なのかは不明です)

WindowsアプリMoneyProV2.8.35

_これは、当Blog的にはかなり大きなことです。MoneyPro(のファイル入出力機能)に関する筆者の評価を大幅に見直さなければなりません。読者の皆様に堂々とお奨めできるレベルの完成度になったからです。

_詳細は改めてご紹介します。また、MFFマクロの振る舞いも変更する予定です。しばしお待ちありたく。

2023/07/01

GnuCashにV5シリーズが登場

_詳しくは「窓の杜」の2023/04/03の記事「フリーの会計ソフト「GnuCash 5.0」が公開 ~約3年ぶりのメジャーアップデート」を参照してください(丸投げだわ、3ヶ月も前の情報だわ…)

_株式投資に関する入力機能が強化されたのが今回のアップデートの目玉ですが、他に、勘定科目毎に上限値・下限値を設定し、残高が上限を上回るか下限を下回った場合に警告マークを出す「Balance Limit機能」が追加されています。

_上限値・下限値の設定は↓のように行います。

GnuCashに5.0シリーズが登場

_【勘定科目】タブの見出し行の右端にある▼を押して、カラム・メニューの中からBalance Limitを選択すると、↓のように「L」という一見意味の分からないカラム・タイトルが出現します。対象の勘定科目の残高が下限を下回ると↓のような記号が表示されます。上限を上回った場合は逆向きの記号です。

GnuCashにBalanceLimit機能が登場

_筆者としては…今回の記事を作成するにあたって、GnuCashのカラム・メニューを表示する方法が判ったことが最大の収穫でした。今まで全然気づいていなかった…(泣)。

【2024/03/29追記】:GnuCashV5では、取引データをエクスポートした際のCSVファイルの形式が変更されています。それについては 2024/03/29 GnuCashV5シリーズからエクスポートした取引データに対応したMFFマクロV2.54登場 を参照されたく。

2023/06/24

Zaimにグループ機能が登場

_Zaimに関する前回の記事「2023/06/22 Zaimの「カテゴリ整理AI」機能を試してみた」に続くZaimの新機能「グループ機能」についてです。公式サイトは 家計簿アプリ Zaim、「使う」「貯める」「増やす」など、役割別に口座を管理する「口座グループ機能」をリリース を参照されたく。

_ところで、グループ機能って奴は、Zaimの競合サービスであるマネーフォワードMEには随分前からプレミアムサービスに実装されていました。Zaimはそれに遅れてようやく実装した、という具合に見えますが…実は両者の機能は仕様が大きく異なります。

_マネーフォワードMEのグループ機能は、アプリに登録されている口座の表示・非表示を切り換えるパターンを「グループ」と呼んでおり、基本的に頻繁に切り換えることを想定していません。用途としては、(厳密な意味で「資産」とは呼べない)公的年金を、連携させてはいても常時は非表示に設定しておく…といった形でしょう。

マネーフォワードMEのグループ機能

_それに対して、Zaimのグループ機能は、口座を用途別にまとめて管理できるようにする機能であり、表示・非表示を切り換えるといった考え方ではありません。デフォルトでは「使う」・「貯める」・「増やす」の3つが用意されており、名称変更・順序変更・追加/削除が可能です。また、↓の画面のグループ名をタップすると、少し待たされますが、当該グループの残高推移をグラフ表示し、さらにグラフの元ネタとなる取引履歴にアクセスすることもできます(画面例は省略します)

Zaimのグループ機能

_マネーフォワードMEとZaimのグループ機能の違いを図式化すると↓のようになります。Zaimは、ある口座について、それか1つのグループにのみ所属するか、どこのグループにも所属しないか、を選択するわけです。

マネーフォワードMEとZaimのグループ機能の違い

_…このように、複数のアプリで同じ名称の機能があっても、まるで違う考え方で実装されている、というのは家計簿アプリの世界ではあるあるです。だからこそ当方のようなBlogの存在価値があるわけですな。

_なお、Zaimのグループ機能はWeb版には実装されていません。これは残念!

2023/06/22

Zaimの「カテゴリ整理AI」機能を試してみた

_2023/06/08にアナウンスされました適切な支出項目をAIが提案する新機能「Zaim カテゴリ整理 AI」を公開。現在のところプレミアムサービス(有料)ユーザーが対象で、アプリ版のみの実装でありWeb版では使用できませんが…筆者が使ってみましたところ、とりあえずは↓のような結果になりました。

Zaimカテゴリ整理AIを使ってみる

2023/05/30

マネーフォワードMEのプッシュ通知に新機能

_マネーフォワードMEのスマホアプリ版に新機能です。金融機関連携機能の動作中に手動操作が必要になった場合に、プッシュ通知が来るようになりました。これまでは、連携機能の動作が一段落するのをユーザーが待たされていたのが、大きく改善されます。これが最も有効にはたらくのは…多分モバイルSuicaとの連携においてでしょうね。

_実はこの機能は、Zaimのアプリには以前からありました。マネーフォワードMEがそれにやっと追いついた、というところでしょう。

マネーフォワードMEのプッシュ通知に新機能

2023/05/10

Money+のデータを他の家計簿向けに変換する方法

←前回のMoney+に関する記事


 前回の記事で、Money+に対応したMFFマクロV2.42を公開しましたので、今回はそれを活用してのデータ変換の手順を解説します。

1.Money+からのエクスポート

 Money+からのデータのエクスポート機能は以下のようになっています。

  • バックアップの保存・復旧
    無料で提供されている機能ですが、残念ながらファイルは独自形式であり、ユーザーレベルでは読めません。
  • Excelファイル出力
    有料で提供される機能で、取引明細データを.xlsx形式で出力します。

 ここではExcelファイル出力の手順を示します↓。データの対象期間を指定する機能があります。出力されたファイルは、Android標準の共有機能で他のデバイスと共有できます。ここではDropboxに追加(Dropboxのフォルダ内にファイルを格納する)を選択しています。その左にある「Dropboxで共有」は、Dropbox内に格納したファイルへのリンクを他のユーザーに送って共有するものです。

 ファイル名はMoney+_yyyy-mm-dd-YYYY-MM-DD.xlsx のように、データの開始日~終了日の形になっています。データの開始日は、「全部」の場合は2000-01-01となり、Money+がこの日以降のデータを取り扱える仕様であることが判ります。

Money+のデータエクスポートの手順

2.出力したExcelファイルをデータ変換する

 このExcelファイルを開くと↓のようになります(画面例の書式は見やすいように変更してあります)。この状態でMFFマクロ(V2.42以降)を動作させると…

Money+のデータをMFF形式に変換する

 MFF形式へのデータ変換が実行されます↓。特殊な操作は特に必要ありません。

Money+のデータをMFF形式に変換した

3.MFFマクロがMoney+のデータを変換する際の動作について

 Money+のデータ形式は極めて素直な作りであり、変換処理も単純そのものです。Money+の特長である「対象者」の機能と、有料機能である複数帳簿については対応を見送っています。

 備考欄は、(品名)(@店名)(※メモ) のMFF書式で記帳してあれば、MFFマクロがデータ変換の際に然るべく分解してMFF形式として格納するようにしています。また、費目名(請求書という列名になっているのが何とも困りものですが)についても、Money+側で"食費/酒"といった形式で設定してあれば、費目甲・乙に分解するようにしています。これにより、費目が2階層になっている家計簿アプリにもスムーズにインポートできます。

MoneyPlus2MFF動作チャート(収入・支出データ)

MoneyPlus2MFF動作チャート(振替データ)

 振替データについても↑、Money+からの変換は極めて単純にマクロプログラムを記述できました。こういうデータ形式であれば、Money+のデータインポートの機能も簡単に実装できそうなものなのですが…?

4.Money+総評

 あちこちの日本語が怪しいことを除けば完成度は高いでしょう。「何だこりゃ?」と唸るような奇妙な動きをする場面もないです。ちょっとアレな残高設定機能は、「そういうものだ」と理解して使わないようにすれば実害はありませんしね。

 しかし…データエクスポートが有料機能ってのは首をかしげざるを得ません。Money+と同じオフライン型の家計簿アプリは他にもわんさとありまして、当研究所でこれまでに取り扱った かけ~ぼ・貯まる家計簿・らくな家計簿・DARUMA家計簿・Clev家計簿・家計簿カケイ・毎日家計簿・シンプル家計簿MoneyNoteは、いずれも無料でデータエクスポート機能を提供しておりまして…その他の機能面でもMoney+を凌駕するものはあるわけです。しかも、その有料というのが買い切りではなくサブスクリプションときては…!

 ちなみに、Money+は期間限定で買い切りの有料プランを提供することもあり、先日のキャンペーンでは1,380円でした。これをどう見るか?

 というわけで、Money+がこの市場に食い込むのに必要なのは…先に挙げた家計簿アプリ(らくな家計簿 を除く)には無いデータインポート機能をさっさと実装することでしょう。開発は継続されていますから、今後の機能増強を生暖かく見守りたいところです。それでも、らくな家計簿を上回るのは難しいでしょうけど。

2023/05/09

MFFマクロV2.42公開 Money+からのエクスポートに対応

←前回のMoney+に関する記事


 久々のMFFマクロのバージョンアップです。V2.42で、Money+からエクスポートしたデータをMFF形式に変換する機能を加えました。有料機能への対応のため、需要がどれだけあるか非常に心配ですが、一応対応しておくのが吉でありましょう。ソースリストと導入方法はこちらのページを参照して下さい。

MFFマクロV2.42の動作概念図

 今回も概念図の右側にアプリが登場しなかった…なんでデータインポート機能をサポートしないアプリばかり増えるんだろう。この機能が無ければ、飽和したこの業界で他のアプリからユーザーを奪取することは出来ないのになあ…。


 次回はMoney+からエクスポートしたデータをMFF形式に変換する方法の解説です→

2023/05/08

Money+ 試用レポート(その2)

←前回のMoney+に関する記事


4.カテゴリについて

 Money+では費目のことを「カテゴリ」と呼びます。このあたりもマスターマネーに類似していますね。入力UIにおいてワンタッチで設定するため階層は1つだけです。操作としては、アイコン変更・名称変更・順序変更・追加/削除(当該のカテゴリ上で左にスワイプするとできる)が可能。課金すればカテゴリの追加は事実上無制限となります。開発元はこの独特のアイコンデザインをもって「超かわいい」と主張しているようです、が…?

デフォルトのカテゴリ

2023/05/07

Money+ 試用レポート(その1)

 Androidスマートフォン向け家計簿アプリ「Money+」(マネープラス)をレポートします。Google Playでは「Money+家計簿:超かわいいオフライン家計簿」となっていますが、筆者はそんなに「かわいい」とは思わなかった…

 アプリ情報によれば、2020年5月にV1.0.0、2020年6月にV2.0.0、2022年8月にV3.0.0が出現し、2023年4月現在はV3.4.1となっており、最近でも月1~2回程度のバージョンアップが行われています。

1.まず筆者が語るべき事

 Money+は、データをインポートする機能は(2023年4月時点では)存在しないようです。データをエクスポートする機能は有料のプレミアムプラン(↓の画面②③にある)で「Excelをエクスポート」という機能名(↓の画面③には「請求書をExcelファイルにエクスポートします」とある)で提供されています。

 「請求書」という言葉が引っかかりますが、これは英語のbillを「請求書」と訳しているからで、ここでの本来の意味は「明細書」になります。はっきり言って、このアプリは日本語化の品質がイマイチです。

 それはともかく、当Blogではこの明細データをMFF形式に変換するMFFマクロの新機能を近日中にリリースする予定です。

初回起動画面から各種の設定

2023/05/03

Zaimアプリに「見つける」機能が登場

 Zaimのスマホアプリ版に「見つける」機能が登場しました。公式サイトの 買ったものから買い物傾向を発見できる新機能「見つける」を公開 を参照して下さい。

Zaimアプリに「見つける」機能が登場

 要するに検索機能です。言われてみれば、今まで実装していなかったんですね…Web版には以前からあったのですが2020/07/06 Zaimの検索機能は激しく残念(追記あり)を参照)

 検索条件は、以下のように指定します。
  • 検索対象期間の開始日・終了日を日付で指定(未指定の場合はデータが存在する全期間となる)
  • 検索対象の品名またはメモを指定
Zaimの「見つける」機能の検索条件指定

 検索結果は↓のように表示されます。下の履歴データをタップすると編集が可能です。

「見つける」機能の検索結果

 Web版でもそうでしたが、検索(というより抽出)した結果をファイル出力する機能は有りません。この点は残念ですが、Web版の検索機能の「取引種別(収入/支出/振替)をまず指定しなければならない」という欠点が解消され、より使いやすくなっているのは評価できますね。

2023/03/02

マネーフォワードMEのWeb版が微妙に変わった

_前回に続いて、マネーフォワードMEの話題。

_恐らく2023/03/01からだと思いますが、Web版の画面が微妙に変わりました↓。

_ちなみに、以前のWeb版の画面はこちら↓。↑の画面では、画面上部のメニューが増えて、ベルのアイコンが追加されています。このアイコンはスマートフォンアプリ版のお知らせ機能と同じです。これまで、Web版ではアプリと同じ「お知らせ」に触れられなかった(少なくとも筆者はその方法は知らない)ので、これは大きな改善点です。

_2020/07/18 マネーフォワードMEはまずUIから語りましょう で述べましたように、2020年の7月にマネーフォワードMEの運営側はWeb版のリニューアルで大不評を買い、2日間で元に戻すという事件を起こしています。今回は、当時ほど過激な変更ではないので、すんなり受け入れられるでしょう。

_なお、当Blogでは、2020/07/24の記事で、マネーフォワードME(のWeb版)からコピーしてExcel上でペーストすることでデータをMFF形式に変換する方法(MFFマクロ)を提供しています。今回のWeb版の変更でそれが不可能になる懸念がございましたが、テストしてみたところ従来どおりデータ変換が出来ました。この点も素直にありがたいですね。

2023/03/01

マネーフォワードMEの新プラン「資産形成アドバンスコース」出現

_2023年2月27日に、マネーフォワードMEのアプリ内の「お知らせ」にて、プレミアムサービスの新コースとして「資産形成アドバンスコース」が発表されました。

_この中で注目すべきは「配当金を自動で見える化」という記載。これは何を意味するのか? 配当金を証券会社のMRFやMMF等の「預り金」に入金する設定にしているなら、この預り金口座への入金の情報をマネーフォワードMEが口座連携機能で取得できなければなりません。これまで、その機能を持っているアカウントアグリゲーションサービス(=オンライン家計簿)は筆者の知る限りではMoneytree2020/06/16 今から使ってみる人のためのMoneytree入門 参照)ぐらいです。これに追いついた、ということなんでしょうか?

_問題はサービス価格。従来のプレミアムプランは500円/月(5,300円/年)、「資産形成アドバンスコース」は980円/月(10,700円/年)と、2倍にならないギリギリの設定となっていますが、ちょっと割高感があります。しばらく様子見(という名の先送り)かな~

2023/02/24

Zaimの一部機能の廃止

_個人的にいろいろありまして久しぶりの更新ですがちょっと残念なお知らせです。Zaimが「お金の便利帳」機能のうち「わたしの保険」「わたしの医療費」「わたしのローン」を廃止するそうです↓。

Zaimの機能縮小に関する通知画面

 「わたしの医療費」には、確定申告の際に提出する医療費控除の計算書を作成する機能↓があり、結構便利だったんですけどね…ユーザー全体としては使う人があまりいなかったんだろうなあ。

Zaimの医療費控除計算書作成機能

2023/01/22

家計簿アプリのレシート撮影を確実にする小道具:粘着コルクボード「ハリペタ」

  マネーフォワードME、Zaim、Dr.Wallet、レシーピ等の家計簿アプリには、スマートフォンのカメラでレシートを撮影し、印字されている文字を自動認識して家計簿に記帳する「レシート撮影機能」があります。が、巻き癖のついたレシートをきれいに撮影するのは結構大変です。よくある技としてはクリアファイルに挟んで撮影するというのがありますけど、クリアファイルとレシートが密着しないと文字がボケて正確な認識ができません。

 そこで、新アイテムを導入しました。テープやピンを使わずにメモ類を貼り付けられる粘着コルクボード「ハリペタ」です。楽天市場で3,600円でした。

 これにレシートを貼り付けてスマホで撮影すると↓、レシートの表面が整うので文字がゆがんだりせずに認識されます。もちろん、それぞれの家計簿アプリが実装しているOCRの特性次第でまだまだまともに認識できない場面はあるわけですが、ストレスは確実に軽減されます。レシート撮影を多用する方にはおすすめです。

2023/01/02

当Blogの人気記事ランキング

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 2023年最初の記事では、当Blogの人気記事ランキングをお届けします。下記のようになっております。

 …意外なほどオンライン家計簿の記事がランクインしていません。また、「らくな家計簿」の記事の人気が高いことも判ってきました。あとはマスターマネー6の開発元ががんばって「7」を登場させてくれるといいんだけどなあ。

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家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ

_今回の主題は…家計簿アプリとデータをやりとりするときに使用するファイルの形式について、です。筆者がこれまで MFFマクロ に対応させてきた家計簿アプリは27種類(Money通帳とあっと家計簿は別カウント)。まず、家計簿アプリからエクスポートする方向では↓のようになります。...

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