2023/12/07

スマートレシートとRecemaruレシマルの一応のまとめ

 さて、11月からスマートレシート(初回記事は2023/11/04 電子レシート「スマートレシート」試用レポートとレシマル(初回記事は2023/12/02 Recemaru(レシマル)試用レポートを試用してデータ変換方法を検討してまいりましたが、ここらで一旦まとめたいと思います。

1.スマートレシート

 スマートレシート↓は「紙のレシートを無くす」という環境問題上の明確な理念があり、加盟店で買い物をした直後にスマートレシートのアプリで電子レシートを確認できます。筆者の経験では、電子レシートを確認するようお店の方に促されました。現時点での加盟店はこちら(←外部サイトへのリンク)を参照してください。また、スマートレシートのアプリは簡単な月間集計機能があるだけで、データを家計簿として活用する方策としてZaimとの連携機能が提供されています(連携の設定はZaim側から行います)。こちらはレシートデータの取得は翌日13:00まで待たされるようになっており、この点でスマートレシートアプリと差別化しているわけです。

スマートレシートのデータの流れ

2.Recemaru(レシマル)

 一方、レシマル↓は(ホームページを確認した限りでは)環境問題対策というよりは家計管理を楽にするソリューションとして展開されています。ユーザーがデータを確認できるのは翌日09:00まで待たされ、筆者の経験ではお店で紙のレシートも渡されました。現時点での加盟店はローソンとフジの2つのチェーンのみです。また、レシマルは簡易的な家計簿アプリとしても作られており、他の家計簿アプリとの連携は今のところ考えられていません。

レシマルのデータの流れ

3.総括と将来の展望

 この二つのサービスは、運営側がユーザーからレシートデータの提供を受けてマーケティングに活用することを原資として、サーバーとアプリを運用しています。やっていることは同じではあっても、

  • 加盟店の数:スマートレシート>レシマル
  • データの即時性:スマートレシート>レシマル
  • 家計管理機能:スマートレシート<レシマル

 という具合で、残念ながらスマートレシートの方がサービスレベルは優位にありますね。家計管理の機能はレシマルが上回っていても実装は甚だ中途半端であり、その機能をZaimに任せて割り切ったスマートレシートの判断は優れています。

 レシマル側はどう対抗すべきか? まずは加盟店を増やさなければならず、それには加盟店側にメリットが必要です。そのメリットとは「レシマルが使えるからこの加盟店チェーンで買い物をしよう」というユーザーの囲い込みができることです。では、ユーザーがレシマルを使う動機は何か? レシマルは家計管理の改善を狙っているのですから、既存の大手の家計簿サービスと連携動作することが有効でしょう。となると、Zaimの対抗馬としてマネーフォワードME…?

 こうなればかなり便利になりますけど、マネーフォワードMEは、他企業との連携機能で取得した明細データについては、費目とメモ欄の修正以外にユーザーが改変するのを許さない仕様なので、品名の修正ができないという一大欠点が生じます。レシマルとモバイルSuica("物販の嵐"問題は何とかしたい!)だけは例外、という具合にしてもらえればありがたいんですけどねえ…おっと、妄想が過ぎました。

 ところで、スマートレシート側も、加盟店は多いと言っても「比較的」に過ぎません。また、その加盟店にしても、このサービスは頻繁に行く店で多数の商品を購入したときにこそ真価を発揮するのに、どうもコンビニ、スーパーやドラッグストアの類が少ないように思われるのです。靴屋さんが含まれていてもなあ…

 また、スマートレシートは、二つのアプリの連携がイマイチ練られていないところが見受けられます2023/11/05 MFFマクロV2.45でスマートレシートからの出力データをMFF形式に変換する方法(追記あり) を参照ありたく)。もう少し完成度を高めてほしいものです。

 そういうわけで、まだまだこの分野は発展途上だ、という思いを新たにした次第です。

 なお、レシートを撮影してサーバーに送付するとポイントを付与する、いわゆる「レシート買取アプリ」も最近はポイ活の一環として流行り始めています。こちらについてはまた改めてレポートします(しないかもしれません)。こちらは果たしてデータをエクスポートする機能が提供されているのか…?!かなり心配です。

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