2023/11/04

電子レシート「スマートレシート」試用レポート

 前回の 2023/10/29 スマートレシートに挑んでいます で予告しましたとおり、スマートレシートという電子レシートサービスについてレポートします。

1.概要

 スマートレシートというサービスは、若干仕組みが複雑でして、1台のスマートフォンに「スマートレシート」と「レシートスキャン」という二つのアプリをインストールしなければなりません。インストールは順不同で、片方にIDとパスワードを登録すれば、もう片方も同じIDとパスワードでログインすることで連係動作します。

  • アプリ「スマートレシート」は、スマートレシートのサービスに加盟しているお店で支払いをする際に、アプリ画面に表示されるバーコードをお店のレジに読み込ませると、加盟店から電子レシートが送られるようになっています。そのデータはTSVファイルとして出力できます。なお、その加盟店が独自に提供しているアプリ(ポイントサービスが多い)とスマートレシートサービスを連携させると、そのアプリを使うだけで電子レシートを受け取れます。
  • アプリ「レシートスキャン」は、「スマートレシート」の補助ツールで、紙のレシートをスマートフォンのカメラで撮影し文字認識でレシートデータを入力できるほか、手入力でレシートデータを作成できます。そのデータはスマートレシートのサーバーに登録され、アプリ「スマートレシート」を経由してTSVファイルとして出力できます。

 両者の関係性を図解すると↓のようになります。

スマートレシートとレシートスキャンの相関図

2.レシートスキャンから使ってみる

 まず、アプリ「レシートスキャン」を使ってみましょう。インストール後の初回起動では、例によって、規約への同意と、ID(携帯電話番号かメールアドレス)・パスワード・メールアドレス・性別・生年月と登録、メールアドレスの生存確認と本人確認を行います。

 二回目以降は、↓のように、起動するといきなりレシートを撮影するようになっています(画面①↓)。ここで紙のレシートを読み取らせると、かなり正確に、かつ、レシート特有の余計な文字を含まない形でデータ化されます(画面②↓)。ただ、この状態では1品目毎のカテゴリーは指定されていない(自動的に割り振る機能は無い)ため、ユーザーがそれを指定しなければなりません(画面③↓)。

レシートスキャンで紙のレシートを取り込む

 「スマートレシート」サービスでは、固定分類(カテゴリー)として 食費、日用品、住まい、エンタメ、教育・教養、医療・保険、美容・衣類、クルマ、その他商品 の9種類があり、ユーザーが追加することもできます。が…残念ながら、追加したカテゴリーは、後述するアプリ「スマートレシート」と連携動作する際には無視されてしまうので、あまり意味はありません。今回の例では、「消費税」というカテゴリーを追加しています(画面④↑)。

 そんなこんなで、取り込んだレシートのデータにカテゴリーを設定し、さらにレシートデータで欠けている文字(例えば「いつも新鮮ハーフ」だけでは何の商品なのかさっぱり判らないので「ベーコン」を末尾に加えています)を補完入力しましたら、【レシートを登録】ボタンを叩いて(画面⑤↑)、スマートレシートのサーバーにデータを登録します(画面⑥↑)。その後は、↓の画面例のようにレシートデータの内容や画像等を確認できます。なお、データおよび画像は13ヶ月間保持されます。無料で提供されているサービスですからそんなところでしょう。

レシートスキャンでレシートの内容を確認する

 家計簿アプリとしての「レシートスキャン」は、口座という概念が薄く、グラフ機能も無いので、かなり機能が限定された支出管理ツールの域を出ません。

3.スマートレシートからのデータ出力

 「スマートレシート」という電子レシートサービスの基幹となるのが、アプリ「スマートレシート」です。ここでは加盟店との連携サービスの管理等ができるのですが、それらは当Blogの主題ではないので省略しまして、このアプリからレシートデータを出力する方法を解説します。と言っても、対象期間を指定して、ユーザー登録済のメールアドレスへ添付ファイルの形でメール送付されるだけです。

 なお、このデータには、

  • 「レシートスキャン」で撮影・読み取ったレシートのデータ
  • 「レシートスキャン」で手入力したデータ
  • 「スマートレシート」で加盟店から送付された電子レシートのデータ

 の全てが含まれます。

スマートレシートでデータを出力する

 その添付ファイルのファイル名は YYYYMMDDhhmmss_XXXXXXXXXXXXXXXX.tsv という形で、前半がデータをサーバーから出力した年月日時刻、後半がユーザーIDとなる16桁の10進数です。

 エンコードはShift-JIS、改行コードはCR+LF、データセパレータはTABで正真正銘のTSVファイルであり、ExcelにはPowerQueryを使って読み込むことになります。それはちょっと面倒臭いので、MFFマクロの新バージョンV2.45ではこのTSVファイルを読み込む方法を提供しています(読み込んだ結果が↓です)

スマートレシートから出力したTSVファイルの中身

次回はTSVファイルをMFFマクロV2.45で読み込み、MFF形式データに変換する方法を解説します。

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