2020/09/29

Zaimアプリの振替取引入力機能の大幅改善

_最近、Zaimアプリで、目立ちませんが重要な機能改善がありました。支出・収入取引を振替取引に修正するときの手順が変わったのです。

_↓まず、従来の手順。(2)の画面では【振替】ボタンは無いものと思って下さい。(3)で取引のカテゴリを変更するボタンをタップし、(4)の画面に至って初めてここで取引を振替に切り換えられることが判ります。また、(5)(6)でも、振替元・振替先の口座が何であったか、ユーザーは予め覚えておいて選択しなければなりません。

Zaimアプリの従来の振替取引の入力方法

_↓が改良後。(2)の画面に【振替】ボタンが新設され、(4)(5)で振替先の口座を指定すると、(6)で、対になっている取引を候補として表示するようになりました。(8)で入力結果を確認すると、従来は対になっていた取引を手動で削除しなければならなかったのが、改良により自動的に削除するようになっています。

Zaimアプリの振替取引入力機能の大幅改善

_手順が減っていないように見えますが、操作の確実性は格段に上がりました。特に、ZaimはWeb版では取引種別を変更できずアプリ版でしかこういう操作ができないので、この改良は大変有り難いですね。

2020/09/28

「かけ~ぼ」V1.52以降のデータを他の家計簿アプリ向けに変換する(後篇)

_前回に引き続き「かけ~ぼ」V1.52以降のデータをMFF形式(中間形式)を経て他の家計簿アプリ向けに変換する方法を解説します。


3.「かけ~ぼ」側の操作

_「かけ~ぼ」のAndroidアプリとDropboxを例にします。↓カレンダー画面左上のメニューボタンで表示されるメニューから【設定】を選択し、表示されるメニューの最下方にバックアップ機能があります。接続状況が”接続中”の状態で、文字コードをShift-JISに設定して(UTF-8にするとExcelで読み込んだ際に文字化けします)、【CSV出力】を叩いてください。 

かけ~ぼ側のデータ出力操作

_「かけ~ぼ」アプリがDropboxのサーバーへのアクセスを完了すると、ユーザーのPCのDropboxフォルダとサーバーが同期され、Dropboxフォルダ>「アプリ」フォルダ>「かけ~ぼ」フォルダ内に前回解説した9つのCSVファイルが格納されます。

2020/09/27

「かけ~ぼ」V1.52以降のデータを他の家計簿アプリ向けに変換する(前篇)

_2020/09/23「「かけ~ぼ」に新バージョンが出現していた…!」でお伝えしましたとおり、「かけ~ぼ」が出力するデータファイルが変更されたため、「かけ~ぼ」V1.52に対応した新しい記事をアップいたします。旧記事はこちらです。


1.「かけ~ぼ」が出力するCSVファイル

_「かけーぼ」は、ユーザーのDropboxのサーバーフォルダ内に「アプリ」およびその中に「かけ~ぼ」というフォルダを作成し、以下の9つのCSVファイルを格納する機能があります(Google Driveも対象となっていますが解説は割愛します)。このファイル群は、本来はスタンドアロンの家計簿アプリである「かけ~ぼ」のバックアップ手段として出力されるものですが、当Blogではこれらを利用して他の家計簿アプリとのデータ変換を行います。

  • budget.csv(予算設定)
  • ※card.csv(クレジットカードおよび電子マネーの設定)
  • ※cashbook.csv(家計簿の取引データ本体)
  • ※cashbook_all.csv(家計簿の取引データをより充実させたもの。かけ~ぼV1.52から追加された)
  • ※codeName.csv(帳簿のコード番号と名称の紐付けデータ)
  • dailymemo.csv(日記のデータ)
  • fixdata.csv(正体不明)
  • ※items.csv(費目の名称、描画色などのデータ)
  • preference.csv(「かけ~ぼ」の設定)

_この中で、データ変換処理に直接関係するのは ※ のついた5つです。

_ちなみに、出力先となっている「かけ~ぼ」というフォルダ名は非常に不適切です。Excelでこのフォルダ名を参照すると「かけ?ぼ」となってしまい、様々な処理の場面でエラーを発生させる原因になりますので、筆者はこのフォルダと並列に「かけーぼ」というフォルダを作って、そちらに全ファイルをコピーして操作しています。 ここは新バージョンでも改善されなかった…!

(1)card.csv

_クレジットカードおよび電子マネーの設定データのファイルです↓。【登録タイプ】の列が重要で、

  • 0:「利用日に登録」するクレジットカード
  • 1:「請求日に登録」するクレジットカード
  • 2:電子マネー

_となっているようです。

_また、↓の例では01財布・02財布という電子マネーが入っていますが、これは筆者が現金を電子マネーとして取り扱う実験をした後に削除したはずのもので、「並び順」=-99というのがそれを示しているようです。「かけ~ぼ」も削除したふりをして実は非表示にしているだけなんだな~というのがこれで判るわけです(代表的な例ではZaimもこういう処理をしています)。

card.csv

2020/09/26

「貯まる家計簿」および「かけ~ぼV1.52」対応のMFFマクロV2.10を公開しました

_…タイトルだけで十分伝わるような気もしますけど、MFFマクロ V2.10を公開しました。本来は「貯まる家計簿」対応ということでV2.09にするつもりだったのです。そこへ「かけ~ぼ」の新バージョンが割り込んできたので公開が遅れてしまいました。

_ただし、「貯まる家計簿」の動作確認の中で、ACFの処理時間が長すぎるのに頭に来て、その点の改良を同時に果たせたのは良かったですね。

2020/09/24

「貯まる家計簿」のクレジットカード・デビットカードに関する動作を研究する

_「貯まる家計簿」連載2回目(前回の記事はこちら)は、クレジットカード・デビットカードに関する機能を解説します。「かけ~ぼ」と同じく、かなり複雑なので判りにくいかもしれませんが、ここを理解していないとこの家計簿アプリを使いこなすことはできないでしょう。

4.クレジットカード・デビットカードの設定

(1)クレジットカードの設定

_また、前回解説した資産の設定画面↓において、【クレジット・デビット設定】をタップすると、クレジットカードの設定画面では、締め日・決済日(引落日のこと※)、引落口座、引落しを記帳する際の費目 を設定します↓。

クレジットカードの設定画面

2020/09/23

「かけ~ぼ」に新バージョンが出現していた…!

_先日、久しぶりに「かけ~ぼ」アプリを開いて、アップデートがあったか確認したら…重要な仕様変更がなされていました。

「かけ~ぼ」のアップデート情報

_早速試してみますと、2020/06/03「「かけ~ぼ」のデータを、他の家計簿アプリ向けに変換する(前篇)」で述べた8つのファイルに、新たに9つめとなる cashbook_all.csv なるファイルが追加で出力されるようになっています。中身をまだ詳細に検討できていませんけど、これまでMFFマクロが参照していたファイルは変更されていないので、致命的な変更とはなっていないようです。

_今後、当Blogでも対応するか否かを含めて、続報はまた改めて。

2020/09/22

「貯まる家計簿」で貯められるようになるための基礎事項

_久しぶりに新しいスマートフォン用家計簿アプリ「貯まる家計簿」に挑戦します。

_無料版と有料版(買い切り200円)があり、後者は広告が表示されません。画面の背景にいつもブタさんの貯金箱が表示されるのがイマイチ…というユーザーもおいでのようで、画面デザインを男性向けにしたという別版「俺の家計簿」もあります。

_早速、基礎事項から見てみましょう。

1.「貯まる家計簿」の資産

_「貯まる家計簿」では、家計の管理単位を資産と呼んでいます。

  • 【通常】資産
    • 普通に収支登録(データ入力のこと)が可能な資産です。
    • 初期状態では「現金」、「預金」、「クレジット」という名称の3つの資産がありますが、使用開始時のチュートリアルで「シンプルな家計簿として使用する」を選択すると「家計簿」という資産だけになります。
    • 資産を新規に設ける際に、クレジットカードであるかデビットカードであるかを設定できます(詳細は後述)。設定しなければ、どちらでもない通常の資産(現金、電子マネー、銀行預金等)になります。一度クレジットカードまたはデビットカードとして設定した資産は、元に戻すことは出来ません。
  • 【集計】資産
    • 任意の資産をグループ化するためのもので、収支登録はできません。マスターマネーで言うところの計算アカウントに相当します。

_なお、資産のカスタマイズは、追加・削除・名称変更・表示/非表示化・順序変更が可能です。↓に設定画面を示します。

「貯まる家計簿」の資産設定画面

2020/09/17

ドコモ口座事件を受けて、Zaimも早速動いております

_本日、Zaimのアプリを開くとこんなお知らせが↓。

Zaimアプリのお知らせ画面

_こういうご時世では、やはりアカウントアグリゲーションサービスでのモニタリングしか対応策(防止策ではない)がありませんからね~ ただし、これを既存ユーザーのアプリ画面に出しても意味が無いでしょうけどね。

2020/09/16

オンライン家計簿サービスと証券会社の口座連携のAPI化が急務です

_ドコモ口座事件を契機に、銀行口座からの不正引き出しが次々発覚しておりますけれども、SBI証券の件は愕然としましたな。SBI証券に口座に不正ログインした第三者が勝手に株式を売却し得た資金を、その証券口座の持ち主と同じ名義で作った銀行のニセ口座 に送金し引き出した、という様相です。この犯罪を成功させるには、被害者をAさんとして

  • SBI証券におけるAさんのユーザーネーム、ログインパスワード、取引パスワード
  • Aさんの名義で銀行に口座を新設し得るだけのAさんの個人情報

_の二つが必要なわけですが…前者の情報により後者の情報を参照することは出来るので、トリガーはやはり前者の情報がどこからか漏れた、あるいは窃取されたこと、になるのでしょう。

_さて、そうなるとその漏れ口を塞いでいかねばなりません。そこで筆者がリスクであると思いますのがアカウントアグリゲーションサービス(AAS)です。

_前回の記事で銀行とAASとのセキュリティ確保について述べましたが、実はAASのAPI接続化というのはあくまで銀行だけが対象であって、証券会社やクレジットカード、何とかPay、電子マネー等には全く及んでいないのです。つまり、PFM事業者がユーザーのIDとパスワードを保持し、サイトへのログインを代行するという構図は変わっていません。

_そしてその中で、資産額の面で最も危険なのが証券会社ですね。もちろん、証券会社はログインパスワードの他に取引パスワードを設けて、顧客の資産に直結する操作にはセキュリティレベルを上げているわけですが… IDとパスワードまで漏れていれば、取引パスワードを窃取するまであと一歩なのですから破られるのは時間の問題です。対策としては、ユーザーが可能な限り長くランダムなパスワードを設定して、頻繁に更新するしかない…

_そういうわけで、銀行APIの次は証券API、そしてクレジットAPI、電子マネーAPIの順に、AASを安全に活用できる道筋をつけることが必要でしょう。特に証券会社のサイトは、保有している銘柄の時価や評価損益など銀行以上に多くの情報を表示するためスクレイピングでの情報抽出は困難であり、API化は非常に有用・有益です。

_今回のような不正引き出しは、完全撲滅がおそらく困難であり、早期発見・早期対処(例えば資金が流出した先の銀行口座を迅速に凍結するなど)が肝要で、AASによって自分の口座の残高の変動をモニタリングするしかありません。しかし、そのためにAASにリスキーな情報を預けるというのもナンセンスな話でしょう。そういう状況を一刻も早く解消すべく、証券業界の行動が望まれるところです。

2020/09/14

地方銀行のセキュリティは本当に甘いのか?

_例のドコモ口座事件に関してマスコミで喧伝されているのが「セキュリティの甘い地方銀行が狙われた」というキーワードです。このキーワードには

  • 地方銀行は一般に(大手銀行よりも)セキュリティが甘いので狙われた
  • 地方銀行にはセキュリティが甘いところがあるので狙われた

_の二つの解釈ができ、マスコミは当然ながら前者で解釈されることを狙って庶民の不安を煽るわけです。

_しかし…地方銀行って本当に(大手銀行に比して)セキュリティが甘いのか? と言うと…以前からアカウントアグリゲーションサービス(以下、適宜AASと略します)を活用している筆者としては疑問に思います。そこで、今回は銀行とPFM事業者(Personal Financial Managementの略。ここではAASを提供している事業者)との間でどのようにセキュリティを確保してきたか、その変遷を解説したいと思います。

1.初期のアカウントアグリゲーションサービスと銀行のセキュリティ

_今から10年以上前から、NTT CommunicationsのAgurippa(MSN残高照会サービスはこれをベースに提供されていた)やMoneylookが提供していたアカウントアグリゲーションサービスの流れを↓に示します。マネーフォワードME・Zaim・Moneytreeも最近まで、2020年3月にサービス停止したKakeibon、2020年4月に銀行との連携を取りやめたDr.Walletもこの方式が主流でした。

スクレイピングによるアカウントアグリゲーションサービスの流れ

2020/09/13

Dr.Walletへ他の家計簿アプリのデータをインポートする方法

_Dr.Wallet関係の連載第4回は、Dr.Walletへのデータのアップロード方法を解説します。前回のDr.Walletからのエクスポートは比較的簡単でしたが、こちらは、例のWeb版の出来の悪さも相まって大いに苦労させられました。

1.Dr.Walletへのインポートに関する情報はあまりに少なく・古く・不確実

_最初に愚痴らせてください。Dr.Walletは2014年に他の家計簿アプリやPC家計簿ソフトからのデータ移行機能を提供しています。しかし、この機能を適用して見事にデータ移行に成功した!という情報がネット上に全く見当たらないのです。

_Web版のインポート機能の画面では、ココマネ、Let's家計簿、てきぱき家計簿マム、マネーフォワード、うきうき家計簿、Zaimからのデータ移行ができる、と公言されていますが、マネーフォワードとZaimからの移行を試したところ、いずれも何らかのデータ項目の欠落やエラーが発生し、まともにはできませんでした。おそらく、他の家計簿アプリでも似たようなものでしょう。

_公式FAQの記事も内容が古く、そこからリンクされている別記事に飛んでも404エラーとなります。nanapiという生活情報サイトを利用してマニュアル的なものを提供していたようですが、nanapiのサイトリニューアルで2年前の時点でリンク切れとなり、さらにnanapi自体が2020/08/31付でサービスを停止しています。しかし、フォローできていない…Dr.Walletの運営面での弱点がこういうところにも現れていますね。

_というわけで、Dr.Walletに一応まともにデータをインポートする方法を提供できているのは、手前味噌ですが大量の試行錯誤を経た当Blogだけなのではないかと思いますよ。

2020/09/12

Dr.Walletのデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法

 _しばらく間が開いてしまいましたが、Dr.Wallet関連の連載3回目(前回の記事はこちら)は、データのエクスポートと変換の方法についてです。

1.Dr.Walletのデータエクスポート機能は非常に残念

_Dr.Walletは有料プランでデータエクスポート機能を提供していますが、最初にお断りしておきますと、そのデータには大変困ったことに振替取引が一切含まれておりません。2年前にこのことを知り愕然として、今に至るまで改善されていないことにさらに愕然としております。

_エクスポート機能は、Web版にログインして画面右上部のユーザーIDを叩くと出現するメニュー内にあります↓。

Dr.Walletのデータエクスポート機能

2020/09/11

ドコモ口座事件に対するマネーフォワードMEとZaimの反応

_ドコモ口座事件について続報。やはり、といいますか、アカウントアグリゲーションサービスに対する不安を払拭するため、両巨頭が動いています。こちらは↓マネーフォワードMEのお知らせ。

マネーフォワードMEのお知らせ

_一方、こちらは↓Zaimのお知らせ。いずれもスマホアプリの通知機能で表明されているものです。

Zaimのお知らせ

_ちなみに、Moneytreeについては筆者が調べた限りでは動きは見られません。もっとも、調べなければ判らないような情報発信ではやっていないのと同じですけどね…


_ところで、今回の事件は、

  • Docomoユーザーでない人の方が狙われた
  • ドコモ口座と連携している35行の預金者全員が狙われるリスクがある

_とのことで、筆者も心配になって両親に「通帳記帳をした方がいい」と連絡しました。何せ預金者当人が残高を監視していなければ被害に遭ったことを検出できないのですから。幸いにして被害はありませんでしたが… 今後、そういう動きが広がっていくのかもしれません。

2020/09/10

BloggerのCSS編集機能はこんなところにあります

_今回、当Blogのデザイン(Bloggerでいう「テーマ」)を変更したわけですが、2020/07/16「Bloggerの改悪と改善は頻繁に行われます」 で述べた仕様変更の罠にまんまと嵌まってしまいました。

_Bloggerにはいくつか困った仕様があり(2020/05/31「Bloggerのカスタマイズをいろいろ試しています」参照)、それに対処すべくCSSの編集を行おうとしたところ…

テーマのカスタマイズメニューから「上級者向け」が消えている

_テーマのカスタマイズメニューから「上級者向け」が無くなっている! こいつは困りました。そして、Bloggerに関する最新情報はいくらググっても出てこないのです。Googleが提供するヘルプは旧仕様のままだし…

ドコモ口座事件、と呼ばれるようになるのかな

 _「ドコモ口座」サービス悪用による銀行口座からの不正引き出しの件です(最初に本件のネット記事を見たときには「どこもろざ?」と勘違いしました)。様相についてはマスコミで既報のとおりかと思いますが、

  • ドコモ側は、メールアドレスだけで口座を開設可能、かつ、ユーザーの銀行口座番号と暗証番号を預かって銀行の口座振替サービスにアクセスする仕様
  • 銀行側は、口座引き落としを伴うサービス連携を、SMS認証等無しに設定可能
  • よって、第三者がある預金者の口座番号と暗証番号が盗めれば、その口座からドコモ口座へ資金を引き出すことが可能になる

_銀行口座番号は社会一般でやり取りすることがあり得る情報ですが、暗証番号はそうではありません。しかしたった4桁の数字であり、ユーザーのプロフィールから高い確度で推測可能という脆弱性があります。街中のATMであれば人間が機械にアクセスする場面があるのに対し、オンラインでこの二つの情報だけで資金引き出しが出来てしまうというのは非常に危険です。そのリスクの対策として月間30万円までの制限を課していたようですが、被害を軽減する効果しかない…。

_つまり、ドコモ側も銀行側も、セキュリティに関するバランス感覚がおかしいのです。

_ドコモ側は、ユーザーの非常に危ない個人情報を預かるリスクを平気で犯しています。電子マネーのチャージであれば、普通はそういうリスクをクレジットカード会社と分担しますよね?

_銀行側は、アカウントアグリゲーションサービスに対してあれだけセキュリティを問題視し、国を動かして規制をかけてまで銀行オープンAPIという仕組みに移行しているのに、一方でこんなにチョロい方法で資金引き出しができる仕組みを作ってしまう。普通ならオンラインバンキングサービスと紐づけさせるところでしょうし、そうしている銀行もあったそうです。

_昨年の7Pay事件から得た「普及を急ぐあまり、セキュリティの甘いシステムを構築してしまうと痛い目に遭う」という教訓はどうなったのだろう…。セキュリティ上の手間を惜しむような(そうしなければキャッシュレスに取り組まないレベルの)ユーザーは置いて行っていっこうに構わないと思うんですがね。

_当面、この被害を防ぐには、それこそアカウントアグリゲーションサービスで銀行口座の残高をモニタリングするしかない、という状況です。気を付けましょう。どんなところから口座番号が漏れているか知れたものでありません。

2020/09/09

マイクロソフトマネーに取り込んだ振替取引を修正する方法

_今回の記事は2020/07/30「マイクロソフトマネーに他の家計簿アプリのデータをOFXファイルとして取り込む方法」の補遺です。マイクロソフトマネーは、OFXファイルで振替取引を取り込むことができないので、MFFマクロでは特殊な収入・支出取引としてOFXファイルを出力するようにしており、データを取り込んだ後に振替取引(マイクロソフトマネーの用語で「資産間移動」)に修正する手順が必要です。その方法を解説するのを失念しておりました…大変申し訳ございませんです。

1.振替取引が含まれたMFF形式データ

振替取引が含まれたMFF形式データの例

_↑のようなデータを例に解説します。上から4行目(青枠)が 03現金ストック という口座から 91テスト用 という口座に20,000円を移動した、という振替取引です。このデータをOFXファイルとして出力します。このデータは"91テスト用"口座しか含まれていないため、口座を絞り込む必要はありません。

2.マイクロソフトマネーに取り込むと

_↓のようになりまして、4行目のデータが振替取引です。しかし、その下の取引フォームを見ると、このデータは資産間移動取引ではなく入金取引になっています。これを修正しなければなりません。

OFXファイルをマイクロソフトマネーに取り込んだ

2020/09/07

Dr.Walletの入力UIはかなり優秀です

_前回から始まりましたDr.Walletの連載は二回目。今回は入力UIを取り上げます(スマホ版のみ。Web版は不出来なので対象外)

1.Dr.Walletの入力UIは当然ながらレシート撮影が中心

_Dr.Walletは、レシートを撮影して運営側に送れば、最短で10分程度経過するとその内容がデータ化されて帰ってきます(観光シーズンのようにレシートの件数が爆発する時期には1日待たされたこともありますが)。無料プランでは、レシート1枚について日付・店舗名・カテゴリ・総額の1レコードがデータ化され、有料プランでは、レシート1枚について日付・店舗名と、買い物1件ごとのカテゴリ・品名・金額が項目数だけデータ化されます。後者を例にしますと、↓のようなレシートに対して、

DrWalletに送ったレシート

_↓このようにデータ化されてきます。そのレシートの最初の買い物が品名欄に入り、金額欄は買い物の総額になっています。

レシートの一覧

2020/09/06

再びDr.Walletと向き合う

_当Blogの家計簿アプリ別の解説も「Dr.Wallet」にたどり着きました。これから数回の連載で取り上げてまいります。

1.Dr.Walletとは何者か

_ご存じのとおり、Dr.Wallet(公式サイトはこちら)はユーザーが撮影したレシートの画像を元に、オペレータがその内容を入力して、ユーザーのアプリに対してデータとして送り返す、というサービスを特長とする家計簿アプリです。マネーフォワードやZaimのスマホ版には、撮影したレシートを文字データとして自動認識する機能がありますが、ユーザーはしばしば「認識不良の修正」や「クソ真面目に入力された余計な文字情報の削除」といった操作を強いられます。その点、人力によるデータ入力精度の高さは、家計簿をつけるという作業の苦痛軽減策として有効と言えます。

Dr.Walletで初めてレシートを撮影したときの画面

2020/09/05

Moneylookの機能整備が停滞…?

_2020/06/07「新Moneylookの現状はアレですが将来に期待しましょう」で、MoneylookのFAQ欄に

  • 口座情報のExcel出力機能(7月予定)
  • 定期預金などの預かり明細取得機能(7月予定)
  • 証券、クレジットカード等の移行(8月予定)

_…とある、と申し述べましたところ、9月に入ってもこれらが実装された気配がありません。それどころか、この記載がサイトから見当たらなくなっております。

_銀行のオープンAPIへの対応はちまちまと継続されているようですが、ログイン後のサイトのトップページに表示される8/13付の「お知らせ」を見るに、どうも法人口座への対応や有料化等を優先ように方針を変えたのではないか、と思われます。

_Moneylook運営サイドの方針はそれで良いとして、上記の対応予定がどうなったのか、はアナウンスが必要でしょう。その内容次第で、ユーザーはMoneylookに対する態度を決めねばなりませんから。


 

2020/09/03

MFFマクロ V2.06を飛ばしてV2.07を公開

_MFFマクロのV2.07を公開しました。

1.V2.06(非公開)における変更点

  • ユーザーがオートフィルタを使って複数の口座で絞り込みをかけている状態で、MFF形式データをターゲットの家計簿アプリ向けに変換する際、重複取引の削除処理を、単純に「振替フラグ=2」の取引データを変換対象外と判定して実行していたが、この方式では必要な取引データが変換対象に含まれないことがある。そこで、複数の口座で絞り込みをかけているときは、表示中の行のみを対象とした振替取引の重複チェックを行うように改良した。
  • MFF形式データを手入力する機能として、セルカーソルが第一行に居ない場合に最終行をコピーして追加するようにしていたが、セルカーソルがある行を青文字でコピーして挿入するように変更した。その際、確認用のダイアログの表示も取り止めた。

2.V2.07における変更点

  • ACFに、口座の変換に関する学習機能を実装した
    このように書けばチョロい改善のように思えるが、実はかなり大変だった… ちなみにこの機能を追加したのは、Dr.Walletのように多くの口座を設定するのに向かない家計簿アプリ向けに、複数の口座を一つの口座に集約するようにデータを変換するため。
_例によって固定ページ:MFFマクロの導入法と使用法 からダウンロードできます。ぜひお試しありたく。

注目の記事

家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ

_今回の主題は…家計簿アプリとデータをやりとりするときに使用するファイルの形式について、です。筆者がこれまで MFFマクロ に対応させてきた家計簿アプリは27種類(Money通帳とあっと家計簿は別カウント)。まず、家計簿アプリからエクスポートする方向では↓のようになります。...

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