2023/05/10

Money+のデータを他の家計簿向けに変換する方法

←前回のMoney+に関する記事


 前回の記事で、Money+に対応したMFFマクロV2.42を公開しましたので、今回はそれを活用してのデータ変換の手順を解説します。

1.Money+からのエクスポート

 Money+からのデータのエクスポート機能は以下のようになっています。

  • バックアップの保存・復旧
    無料で提供されている機能ですが、残念ながらファイルは独自形式であり、ユーザーレベルでは読めません。
  • Excelファイル出力
    有料で提供される機能で、取引明細データを.xlsx形式で出力します。

 ここではExcelファイル出力の手順を示します↓。データの対象期間を指定する機能があります。出力されたファイルは、Android標準の共有機能で他のデバイスと共有できます。ここではDropboxに追加(Dropboxのフォルダ内にファイルを格納する)を選択しています。その左にある「Dropboxで共有」は、Dropbox内に格納したファイルへのリンクを他のユーザーに送って共有するものです。

 ファイル名はMoney+_yyyy-mm-dd-YYYY-MM-DD.xlsx のように、データの開始日~終了日の形になっています。データの開始日は、「全部」の場合は2000-01-01となり、Money+がこの日以降のデータを取り扱える仕様であることが判ります。

Money+のデータエクスポートの手順

2.出力したExcelファイルをデータ変換する

 このExcelファイルを開くと↓のようになります(画面例の書式は見やすいように変更してあります)。この状態でMFFマクロ(V2.42以降)を動作させると…

Money+のデータをMFF形式に変換する

 MFF形式へのデータ変換が実行されます↓。特殊な操作は特に必要ありません。

Money+のデータをMFF形式に変換した

3.MFFマクロがMoney+のデータを変換する際の動作について

 Money+のデータ形式は極めて素直な作りであり、変換処理も単純そのものです。Money+の特長である「対象者」の機能と、有料機能である複数帳簿については対応を見送っています。

 備考欄は、(品名)(@店名)(※メモ) のMFF書式で記帳してあれば、MFFマクロがデータ変換の際に然るべく分解してMFF形式として格納するようにしています。また、費目名(請求書という列名になっているのが何とも困りものですが)についても、Money+側で"食費/酒"といった形式で設定してあれば、費目甲・乙に分解するようにしています。これにより、費目が2階層になっている家計簿アプリにもスムーズにインポートできます。

MoneyPlus2MFF動作チャート(収入・支出データ)

MoneyPlus2MFF動作チャート(振替データ)

 振替データについても↑、Money+からの変換は極めて単純にマクロプログラムを記述できました。こういうデータ形式であれば、Money+のデータインポートの機能も簡単に実装できそうなものなのですが…?

4.Money+総評

 あちこちの日本語が怪しいことを除けば完成度は高いでしょう。「何だこりゃ?」と唸るような奇妙な動きをする場面もないです。ちょっとアレな残高設定機能は、「そういうものだ」と理解して使わないようにすれば実害はありませんしね。

 しかし…データエクスポートが有料機能ってのは首をかしげざるを得ません。Money+と同じオフライン型の家計簿アプリは他にもわんさとありまして、当研究所でこれまでに取り扱った かけ~ぼ・貯まる家計簿・らくな家計簿・DARUMA家計簿・Clev家計簿・家計簿カケイ・毎日家計簿・シンプル家計簿MoneyNoteは、いずれも無料でデータエクスポート機能を提供しておりまして…その他の機能面でもMoney+を凌駕するものはあるわけです。しかも、その有料というのが買い切りではなくサブスクリプションときては…!

 ちなみに、Money+は期間限定で買い切りの有料プランを提供することもあり、先日のキャンペーンでは1,380円でした。これをどう見るか?

 というわけで、Money+がこの市場に食い込むのに必要なのは…先に挙げた家計簿アプリ(らくな家計簿 を除く)には無いデータインポート機能をさっさと実装することでしょう。開発は継続されていますから、今後の機能増強を生暖かく見守りたいところです。それでも、らくな家計簿を上回るのは難しいでしょうけど。

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