＿MoneyProに関する一連の記事（前回の記事はこちら）も、佳境に入ってきました。今回は、MoneyProからのデータのエクスポートについて解説します。
【追記】：MoneyProのアップデート後の状況については 2023/08/21 MoneyProのトランザクション（取引データ）をエクスポートして他の家計簿アプリ向けに変換する方法を改めて解説します を参照して下さい。
１．エクスポートは少々変な方法になる
＿実のところ、MoneyProは「その他の資産」・［その他の負債」に関する取引について実に奇妙な振る舞いをするソフトです。今回はそれについての解説も行うため盛りだくさんの内容になってしまいますがご容赦下さい。
＿まず、MoneyProの残高画面で3月分のトランザクションを全て表示させたときのデータを↓に示します。この中で青線で囲った4つの取引が、上から完済負債・資産売却・取得負債・資産購入になります。
＿さて、これらの↑トランザクションを、レポート画面のトランザクション表示で確認してみますと↓…
＿2020年3月の全てのトランザクションを表示させると、残高画面でのトランザクションには表示されていなかったはずの、↑の赤線で囲ったトランザクションが出現しています。これらは、「その他の資産」・「その他の負債」に関する取引から派生したデータなのです。ユーザーが入力していないデータを勝手に生成する資産管理・家計簿ソフトは極めて珍しいでしょう。では、このデータをエクスポートしてみます。
＿MoneyProのエクスポート機能は、「レポート」＞「トランザクション」表示状態で画面右上に出現するエクスポートアイコンを叩いてアクセスします↓。トランザクションの対象期間を指定し、フィルター機能を効かせた状態でエクスポートすれば、絞り込んだ結果のデータのみが対象となります。
＿↑の画面右上の【シェア相手】を選択すると、Windowsの共有ダイアログが呼び出され、エクスポートしたファイルをメール送付したりできますが…実のところ、あまり使わないでしょう。
＿【保存】を選択すると、エクスポートしたCSVファイルをPC上のどこに保存すべきか指定するダイアログが出現します（【2020/10/08追記】この時点でのバージョンでは、PDFで保存するかCSVで保存するか選択するようになっています。PDFで保存してもあまり意味は無いでしょうが）。ファイル名は「Money Pro トランザクション YYYY_MM_DD_hh_mm_ss.csv」という具合に、エクスポートした日時を元に命名されます。
２．Excelへの読み込みも少々変な方法になる
＿こうしてファイルをエクスポートできたわけですが…しかし、このCSVファイルが何ともくせ者です。UTF-8でエンコードされているのは覚悟していましたが、なんとセパレータがカンマではなくセミコロンなのです。それではCSVじゃなくてSSVファイルじゃねーか…という突っ込みはさておき、このファイルをExcelで読み込む際には、空のワークシート上でMFFマクロを動作させ、出現したダイアログ内でファイルを指定します↓。
＿MoneyPro以外の家計簿アプリから出力したCSVファイルの場合は、先にそのファイルをExcelで開いてからMFFマクロを動作させるところ、MoneyProの場合は逆順になるわけです。
＿MFFマクロは、指定されたファイル名の先頭に"Money Pro"の文字が入っている場合に限り、「UTF-8でエンコードされ、セパレータがセミコロンになっている」という前提でファイルを読み込むようにしています（本当は筆者はこういう例外処理って嫌いなんですけど、仕方がありません）。
＿Excelのワークシートに、MoneyProからエクスポートしたCSVファイルの中身が展開され、さらにMFFマクロがMFF形式に変換するか聴いてきます。ここで【はい】を叩けば↓そのまま変換処理が行われ、【いいえ】を叩けばここで処理は一旦終わります。その状態から再びMFFマクロを動作させれば、MFF形式への変換処理を再開できます。
＿↓MFF形式へのデータ変換が完了しました。
＿後は、MFFマクロのお約束に従い、B1セルまたはD1セルで変換先の家計簿ソフト名を選択してMFFマクロを再度動作させると、その家計簿ソフトにインポートできる形式のOFXファイルなりCSVファイルなりが出力されます。