2020/05/13

てきぱき家計簿マム9 レビューその2:資産種別と取引種別

_「マム」レビュー第2弾(前回の記事はこちら)は、最も重要な、資産種別と取引種別の関係について解説します。


3.「マム」の資産種別と取引種別の関係について

_どの家計簿ソフトでもそうでしたが、

  • 家計簿ソフトにどのような資産種別があるのか
  • 資産間の資金移動をどのように記帳するのか

_この2点は非常に重要な情報でありながら、ネット上で全くと言っていいほどに触れられていません。であるからこそ筆者は当Blogの存在価値がある、と思っているのですが、「マム」のようなメジャーなソフトも例外に非ず、というのはさすがに困ったことですね。

_さて、「マム」には資産種別として

  • 現金
  • 口座
  • 電子マネー
  • クレジットカード

_の4種類があり、さらに、資金移動(「マム」の用語では「お金移動」)のための取引種別は

  • 口座預金
  • 口座引出
  • 口座振替
  • チャージ

_の4種類があります。

_ここで、現金以外の資産について、例として↓のように初期設定したとしましょう(ちなみに、口座と電子マネーは、使用開始日とその時点での残高を入力するようになっています)

「マム」の資産の設定例

_さらに、2020年4月5~11日にかけて、以下のような↓データを「マム」に記帳したとします。

てきぱき家計簿マムにデータを入力した例

てきぱき家計簿マムのクレジットカードの支払いデータ

_ここで、表示範囲を2020年5月に切り換えたのが↑の画面です。黄色に塗られた4件の取引は、筆者が入力したものではなく、クレジットカードCについての取引の銀行引落日が5月7日になる(引落日として設定した6日が休日のため次の平日まで繰り下がる)ため、その日が決済日(「マム」用語では「取扱日」)となる取引がこのように表示されるのです。

_このうち、4/5の銀行A→クレカCの8,000円の振替取引は、「マム」においては本来は記帳すべきでない取引です(同日の旅行費8,000円が5/7に銀行Aから支払われるため、二重に支払うことになる)。また、4/9の電子マネーE→クレカCへの振替も、通常は有り得ない取引なのですが「マム」では入力できてしまいます。さらに言えば4/8の電子マネーEから銀行Bへの振替、4/11の電子マネーから電子マネーへの振替も同様です。

_「マム」は手堅く作られている、と前回に申し上げましたが、このように、そうではないところもあるようです。「マム」で入力可能な「資産種別」と「お金移動」の関係性を表にしました↓。グレー文字の取引は、次回に述べる「お金移動」の画面では入力できないようになっています。

てきぱき家計簿マムの資産種別と振替取引の関係

_また、これらのデータから、日毎の各資産の金額の動きを「マム」の基本画面で表示すると↓のようになります。下段の資産別残高の表示部分には、クレジットカードの残高は表示されません。「マム」では、クレジットカードの残高を管理しない仕様になっているからです。

てきぱき家計簿マムの基本画面

4.エクスポートしたCSVファイルの中身を解説しちゃいます

_「マム」からのデータエクスポートは↓のように操作します。取り出すデータの対象期間を指定可能です。

てきぱき家計簿マムからデータをエクスポートする操作

_エクスポートしたCSVファイルの中身は↓のようになります。内訳欄および取扱欄に入る資産名称は、前述の設定画面例で示した「略称」が入っています。「マム」では、資産名称は本名より略称の方が100倍重要なのに、全角で5文字、半角で10文字しか入りません。また、備考欄にも全角で20文字以内しか入力できないのです。どうも「マム」にはこういうつまらない制約が目立ちますね。

てきぱき家計簿マムからエクスポートしたデータの例

次回は「マム」のデータ入力ユーザーインターフェースについて解説します→

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