2020/05/30

MoneyProのデータを他の家計簿アプリへエクスポートする(後篇)

_前回の記事で、MoneyProからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する操作方法を解説しました。今回は、MFFマクロがその処理をどのように行っているのかを解説します。なにせMoneyProって奴はすごく変なことをするソフトでして、ユーザー各位がこの変換処理の内容を理解していないと、数字が合わなかったりする事態が懸念されますので…長文となることをご容赦ありたく。

【追記】:MoneyProのアップデート後の状況については 2023/08/21 MoneyProのトランザクション(取引データ)をエクスポートして他の家計簿アプリ向けに変換する方法を改めて解説します を参照して下さい。

3.MFFマクロによるMFF形式への変換

_↓に、MoneyProからエクスポートしたデータをExcelに取り込んだところを示します。青線で囲ったところが資産・負債に関係する取引、赤線で囲ったところがそれから派生した取引です。レポート画面で表示させたトランザクションに含まれていたデータがここにも同様に含まれていることが判ります。

MoneyProからエクスポートしたCSVファイル

_↑の画面の状態でMFFマクロを動作させると、MFF形式に変換されます↓。なお、青線で囲ったデータも、赤線で囲ったデータもそのまま変換されています。この両者は金額としては重複しているので、どちらかを削除する必要がありますが…どちらを残すかは、データ変換先の家計簿の運用に応じてユーザー側で決めて下さい。

MoneyProからMFF形式に変換したデータ

_後は、例によりまして、B1セルまたはD1セルで変換先のファイル形式を指定した状態で再度MFFマクロを動作させれば、データ変換後のOFXファイルまたはCSVファイルが出力されます。

4.MFFマクロのデータ変換処理について

_「レビューその1」で述べたように、MoneyProには

  • 収入
  • 支出
  • 振り込み
  • 資産購入
  • 資産売却
  • 負債引受
  • 完済負債

_の7種類のトランザクションがあり、MFFマクロでは一応全て取り扱えるようにしています。以下は運用上の注意事項。

  • MFFマクロでは、MoneyProからエクスポートされたCSVファイルの第一列に入っている「支出」「収入」「振り込み」等の文字列により、その下の行に入っているデータの「トランザクションの種類」を判別しています。そのため、ユーザーがデータ行を勝手に並べ替えてしまうと支出額・収入額の認識がメチャクチャになります。極力「何もしない」ことをお薦めします。

  • MoneyProにはユーザーが自由記入できるデータ項目が「説明」欄1つしかありません。そこで、この欄に 品名@店名※備考 の形式で情報が書き込まれていることを前提として、MFF形式のそれぞれのデータ項目に分解するようにしています。

  • 「MFF形式→MoneyPro」のデータ変換では、MoneyProのバグに対応するため、収入取引については説明欄に 品名@店名※備考#費目甲/費目乙 の形式で書き込むようにしていました。そのようなデータをさらにMoneyProからMFF形式に再変換した場合は、当然ながらMFF形式のメモ欄に 備考#費目甲/費目乙 の形で文字列が入ることになります。#以降を削除するようなところまで気を利かせていませんのでご注意ください。

(1)収入・支出取引

_収入・支出取引の変換処理の内容を↓に示します。これまで述べたように、MoneyProは「その他の資産」・「その他の負債」に関する取引の場合は、口座間の振替取引のデータに加えて、「支払い口座」・「クレジットカード」に関する支払いや入金に関する取引を派生させる、という特徴(特長ではない)があります。筆者としてはそのような余計なデータは削除してしまいたいのですが…MFFマクロは「存在するレコードは消さない」ことを基本方針としているため、そのままにしています(処理が非常に面倒で、しかもそれに見合ったメリットが得られないし…)。 

MP2MFF支出・収入取引

_また、MoneyProには1取引を複数のカテゴリーに分割して記帳する機能(複合仕訳)がありますが、残念ながらデータ変換の際に不幸をもたらしますので使用しない方がいいです(詳細は別途解説します)。

(2)振り込み取引

_「振り込み」の場合、「受取人」欄が元データに入っていたとしても無視するようにしています。明示的に「振り込み」取引となっているなら、受取人はおのずと特定されるはずだからです。

MP2MFF振り込み取引

(3)資産購入・完済負債取引の場合

_この二つの取引は、本質はある口座から「その他資産」・「その他負債」への振替取引に他ならないため、そのようにデータを変換しています。なお、MoneyProはこのような取引にも「カテゴリー」を入力できるのですが(派生させる支出取引にそのカテゴリーが割り付けられるようになっている)、本来その情報には意味が無いはずなのでMFFマクロでは無視しています。 

MP2MFF資産購入・完済負債

(4)資産売却・取得負債取引の場合

_これらの取引も、本質的には「その他資産」・「その他負債」からある口座への振替取引ですから、そのようにデータを変換しています。前述同様、MoneyProはこのような取引にも「カテゴリー」を入力可能ですが(そのカテゴリーが、派生させる収入取引に割り付けられる)、この情報にも意味は無いのでMFFマクロではシカトしています。 

MP2MFF資産売却・取得負債取引

_これでやっとMFFマクロによるデータ変換が双方向で可能になりました。 次回からはMoneyProについて書き忘れたことを連載でフォローしていきたいと思います。

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