2023/08/20

MoneyProのエクスポート/インポート機能の仕様変更に対応したMFFマクロV2.44公開

 2023/07/09 MoneyProの知られざる大バグフィックスに対応したMFFマクロV2.43登場で、MoneyProのインポート機能の改善に対応しMFFマクロをV2.43に更新した当時、MoneyProのバージョンは2.8.35でした。2023/08/19時点では2.9.10と、ここ最近、頻繁にアプリが更新されています。

 で、先日、MoneyProのインポート機能が更新されたのであれば、エクスポート機能ももしかして…と思って確認したところ、やはり大きな仕様変更がなされていたことに気がつきました。MoneyProはアプリの更新履歴を公開していないため、それがV2.8.35以前なのか、以後なのか、もはや確かめる術はありません。しかし、少なくとも現時点で、MoneyProの振る舞いとMFFマクロの振る舞いは微妙にズレてしまっているので、MFFマクロ側を更新しなければなりません。そこで、今回V2.44を公開いたします

1.MoneyProのエクスポート機能はどのように変わったか

 以前のMoneyProからエクスポートされるデータファイルの中身は、2020/05/30 MoneyProのデータを他の家計簿アプリへエクスポートする(後篇)を参照していただければ判りますように、同じファイルの中で、支出・収入・振り込み(振替取引のこと)・資産購入・資産売却・取得負債・完済負債…という取引種別毎に行をまとめる形でデータが並ぶようになっていました。

 現在のMoneyProでは↓のように、日付をキーに昇順ソートされ、全ての取引種別が混在する形でデータが並ぶようになりました。要するに、インポートするファイルの形式とほぼ同じになっています。

MoneProV2.9.9以降からエクスポートしたトランザクション

 また、カテゴリー欄をご覧いただきますと…MoneyProはカテゴリーが二階層構造になっているのですが、以前のMoneyProはカテゴリー欄に第二階層のカテゴリー名称しか入らないというバグに近い仕様になっていました。しかし、現在のバージョンでは、第一階層: 第二階層 という具合に、"コロンと半角スペース"を結合子として両方のカテゴリー名称が入るようになり、大きく改善されました。

 また、困った点もありまして、↑のデータの例ではMoneyProの全データ項目が含まれている(と思われる)のですが、エクスポートの際に出力対象とした期間内に 振込先口座、移動金額、説明、受取人、チェック番号 の各項目を使用するデータが含まれていない場合は、その項目の列が出現しない仕様になっています。そのため、MoneyProからエクスポートしたデータファイルは、最小で↓のような状態にもなり得るのです。

MoneyProからエクスポートしたデータの最小形態

 これは大変厄介極まる事態でして、今回のMFFマクロV2.44ではそれぞれのデータ列の列番号を特定する処理を追加して対応しています。困ったもんだ。

 なお、これらの詳細については、次回の記事で解説したいと思います。

2.MoneyProのインポート機能はどのように変わったか

(1)復習しますと

 インポート機能については、

 で解説しましたとおり、

  • 収入取引にカテゴリーを指定していると取込時に不具合を起こす
  • インポートするファイル名に全角文字が含まれているとクラッシュする

 というアプリ上の問題があり、V2.42までのMFFマクロでは

  • 収入取引のカテゴリーを無指定とし、説明欄の末尾に"#費目甲/費目乙"の形で情報を付加して、ユーザーがカテゴリーを指定する際に参照できるようにする
  • インポートするファイル名のデフォルト名称を"MoneyProImport.csv"と固定する

 このように対処していました。上記のアプリ上の問題が解消されたことで、MFFマクロV2.43ではこれらを取り止めて、他の家計簿アプリ向けのインポート用ファイル出力機能と同じ動作をするようにしています。

(2)補遺を付け加えますと

 すみません、これはMFFマクロV2.43公開時には筆者が把握できていなかったMoneyProの改善点です。上記のように、MoneyProはエクスポートするファイルのカテゴリー欄に"第一階層: 第二階層"のように望ましい形でカテゴリー名称を入れるようになりました。と、いうことは…インポートするファイルも"第一階層: 第二階層"の形でカテゴリーを指定すれば良くなったのではないか? と思い至って調べてみたところ、確かにそのようになっておりました。

 筆者はこれまで、

 といった記事の中で、MoneyProのカテゴリー名称は、例えば第一階層を「食費」としたら、その下の第二階層のカテゴリー名称は「食費/食料品」のように「第二階層のカテゴリー名称のみで親である第一階層のカテゴリー名称が判る」形にすることをおすすめしてきました。さらに、MFFマクロもV2.43まで、MoneyProにインポートするファイルを出力する際は、"食費/食料品”の形でカテゴリー欄にカテゴリー名称を入れるようにしていました。以前のMoneyProはデータをインポートする際に第二階層のカテゴリー名称のみでマッチングするようになっていたからです。

 しかし、現在(少なくともV2.9.10以降)のMoneyProは、第一階層="食費"、第二階層="食料品"とアプリ側で設定し、インポートするファイル内でカテゴリーを"食費: 食料品"と指定していれば、ちゃんとそのカテゴリーにマッチングするようになりました(これはよく考えれば至極当然の動作なのですがね)。そこで、今回公開するMFFマクロV2.44では↓のように動作チャートを変更いたしました。

MFF2MPの収入・支出データにおける動作チャート(MFFマクロV2.44以降)

 つまり、MoneyProの第二階層を"食費/食料品"とする必要は無くなりましたので、ユーザー各位には大変申し訳ございませんが、これまでそのように設定していた場合は 第二階層="食料品" と設定を変更するようお願いします。筆者は基本的にMFFマクロは家計簿アプリ側の考え方や動作に従うべきと考えており、アプリの動作が真っ当なものに改善された以上、当Blog独自の考え方をユーザー各位に押し付けないようにするためです。

 ただし、MoneyProは、画面表示上では、カテゴリー名称は引き続き第二階層のみを表示する↓(第二階層が無い場合は第一階層のカテゴリー名称を表示する)ので、カテゴリー名称は他と重複しないように設定することをお奨めします。例えば、複数の第一階層の下に第二階層として"その他"を設定していると、どの第一階層の"その他"なのかが判らなくなってしまいます(まあ、アイコンで区別できますけどね)

MoneyProの残高画面の表示例

3.MFFマクロV2.44はここを参照


次回はMoneyProからエクスポートした取引データをMFF形式に変換する方法を解説します→

注目の記事

家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ

_今回の主題は…家計簿アプリとデータをやりとりするときに使用するファイルの形式について、です。筆者がこれまで MFFマクロ に対応させてきた家計簿アプリは27種類(Money通帳とあっと家計簿は別カウント)。まず、家計簿アプリからエクスポートする方向では↓のようになります。...

最近の人気トップ3