2020/07/24

マネーフォワードMEからコピペしたデータを他の家計簿アプリ向けに変換する

_今回は、前回の「マネーフォワードMEからダウンロードしたデータ」ではなく、Web版のブラウザ画面からコピペしたデータをMFF形式に変換する方法を解説します。


_【2020/10/08追記】 マネーフォワードME Web版の画面表示の仕様変更に伴い、データをブラウザ上でコピーする場面と、Excel上にペーストする場面では、当記事とは異なる画面に変わっています。操作等は変わりませんが、2020/10/08「マネーフォワードMEのサイトの変更に伴いMFFマクロV2.12を公開しました」も参照して下さい。

_【2020/11/01追記】 コピペで得たデータには計算対象フラグが含まれていないため、MFFマクロ側で強制的に 振替取引の場合=0、収入・支出取引の場合=1としてMFF形式に変換するように動作を改めました。2020/11/01「MFFマクロV2.13公開 マネーフォワードMEからコピペしたデータの処理を改善しました」を参照して下さい。


_マネーフォワードMEのWeb版は、ブラウザ画面に取引データの項目・内容を省略せずに表示する仕様であり、コピペで取引データを得ることが可能です先日のリニューアルが完遂していたらこれはできなくなるところでした)。なお、使用するブラウザはGoogle Chromeあるいはその系統に属する新EdgeやSleipnir等に限定されます。少なくとも、現状ではIE11や旧Edgeでは以下のような操作はできません。

_また、この方法を適用するには、マネーフォワードMEへのデータ入力について以下の制限が生じます。

  • 内容欄・メモ欄に、数値と解釈できる文字列のみを入力しないこと(全角文字でもダメ)。MFFマクロはそれを金額と認識してしまう。
  • 内容欄・メモ欄に"/"と"("の両方が含まれる文字列を入力しないこと。MFFマクロはそれを日付と認識してしまう。

_このように運用していただいている前提で、まず、マネーフォワードの収入・支出詳細表示の画面で↓のように範囲を指定してコピー(Ctrl+C)します。

マネーフォワードMEからコピーする

_Excelで新しいワークシートを開いておき、「形式を選択して貼り付け」で「テキスト」データとして貼り付けます↓。

Excelにペーストする

_↓のように貼り付けられます。A1セルに"計算"の文字列が来るようにしてください(MFFマクロはこれにより「マネーフォワードMEからコピペして得たデータだ、と判別します)。この状態でMFFマクロを動作させると、コピペで得たデータには「年」を特定する情報が無いため「西暦何年のデータなのか」を尋ねてきます↓。

Excelにペーストする

_西暦年を入力すると↑、コピペで得たデータが、マネーフォワードMEからダウンロードしたデータに準じた形に整形されます↓。

ExcelにペーストしたデータをマネーフォワードME形式に変換する

_ただし、コピペとダウンロードでは以下の点が異なっています。

  1. コピペしたデータには「計算対象」の欄にデータが入らない
  2. コピペしたデータには(取引データを一意に区別する)IDが入らない
  3. コピペしたデータは、ダウンロードしたデータより振替取引の相手先の認識が確実になる
  4. コピペしたデータは、同じ振替取引のデータが重複することがある

_このうち3.について少々解説しておきます。前回の記事で、筆者は「マネーフォワードMEからダウンロードしたデータには振替取引の相手先の口座名が入っていない」と申し上げました。しかし、Web版の画面上では、↓のように、振替取引の振替元・振替先は両方とも表示されているのです(もちろん、マネーフォワードMEが自動認識したり、ユーザーが修正入力をした結果として、ですよ)

これがマネーフォワードMEのWeb版画面上での振替取引だ

_そこで、MFFマクロではこのことを利用して、Excelにコピペした後の(マネーフォワードMEのCSVファイル形式への)データ変換の際に、↓のように振替取引のデータをでっち上げるようにしています。これは、前回に触れた「振替取引のマッチング処理」の際に確実にマッチングされるようにする目的があります。

マネーフォワードMEのWeb版の振替取引データを整形するとこうなる

_…というわけで、Excelにコピペしたデータ→マネーフォワードMEからダウンロードしたCSVファイルの形式→MFF形式 と2回の変換を行った結果が↓です。前回の記事と同じデータを変換していますが、すでに振替取引がペールグリーンに塗られており、マッチングが行われていることが判ります。ただし、口座名が入っていない黄色のセルが皆無になる、という保証はありません。

マネーフォワードMEからコピペで得たデータは振替取引の相手先が確定できている

_さらに言えば、マネーフォワードMEは同じ振替取引のデータを重複して表示することがある最上部で示した画面例のデータでは、10/2の「クレジットカードからモバイルSuicaへの9,500円のチャージ」が重複している)ので、情報の過不足に対してはユーザー側で修正していただかねばなりません。

_これまで述べてきましたように、マネーフォワードMEは、ダウンロードするにしろコピペするにしろ、データにどうしても不備が発生するという厄介な仕様になっています(先日発生したリニューアルのロールバック事件の際にも修正されていませんでした)。MFFマクロは、このようなマネーフォワードMEの奇怪な振る舞いに極力対応するように作ってはありますが、最終的にはユーザー各位のチェックが必要ですのでくれぐれもご注意下さい。

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