５．モバイルSuicaのさらに過去の取引データをアップロードする
＿前回の記事を踏まえて、Zaimに2018/09/20より前の取引データをアップロードしてみましょう。ここでは、筆者が2006年以降の全ての家計簿データを管理しているマスターマネーのデータをベースにします。
＿筆者のマスターマネーの「11モバイルSuica」アカウントのアクチュアルデータによると、2018年4月以降の月末残高は↓のとおりです（2019年2月分はまだ入力していませんが、それ以前は正しいデータです）。なお、このデータで重要なのは…実は2018年4月末の残高13,694の左にある繰越額11,023という数字です。これが2018/03/31時点の残高です。
＿ここでは、2018年度初（2018/04/01）から2018/11/30（Zaimと口座連携させたときは2018/12/01以降のデータを取り込めと指定したので）のデータを抽出します。
＿↑の方法で抽出した取引データをMFFマクロでZaim形式に変換したCSVファイルが↓です（口座名称はマスターマネー側で"11モバイルSuica"であったものを手作業で"モバイル Suica"に直しています）。
＿↑のデータは、あくまでこれからZaimにアップロードするものであって、Zaimからダウンロードしたものではないことにご注意ください！ 2018/09/20の２つの取引のうち、上の1296円のデータは、Zaim内部では取引として認識されておらず「残高が6,099円になった」とだけ認識されていることは前回の記事にて述べました。その下の403円の利用は、”この時点の”Zaimの内部では「前残高6,099円から403円を減算して新残高は5,696円となった」と認識されています。
６．アップロードしたはいいのだが…
＿では、このデータ↑をZaimにアップロードします↓。
＿アップロードしたら、一旦Zaimからログアウトして、再度ログインしてください。ZaimはこれをやらないとアップしたデータをWebサイトに反映してくれません。
＿で、モバイルSuicaの口座の残高推移のグラフを見てみると…なんじゃこりゃ？ 2019年2月（22日時点）の残高は4,321円のはずが -1,296円になっています。電子マネーの残高がマイナスになるわけないのに…
７．Zaimの内部処理はいったいどうなっているのだ
＿Zaimと連携して取り込ませたモバイルSuicaの取引データに、さらに以前の取引データをアップロードするところまで行きました。しかし、モバイルSuicaの残高推移の認識はどうやら滅茶苦茶になってしまったようです。この謎を解くため、2018年3月（4月ではダメです。それより以前のデータに鍵があるかもしれないので）以降の取引データをZaimからダウンロードしてみます。
＿ダウンロードしたデータは、実は順番が滅茶苦茶になっていました（原因は不明）。そこで、日付でソートして判りやすくしたのが↓です。一部の行・列は非表示としています。2018/09/20～2018/11/30の間は、筆者がアップロードした水色のデータと、Zaimが最初の口座連携時に入れた黄色のデータが重複していることが判ります。アップロードした際に、重複するデータを消してくれるほどZaimってヤツは親切ではなく、これが残高認識が狂う原因の一つです。なお、行番号141は、Zaimが最初にモバイルSuicaと連携した際に、初期残高を設定するために生成した残高調整データであり、6,099円の入金取引が化けたものではありません。
８．どうやってZaimの残高認識を整合させるか
＿↑のデータを元に、Zaimの残高認識を正す方法を検討するために作成したExcelシートが↓です。こちらも一部の行・列は余計なので非表示にしています。
＿まず、Zaimに2018年3月31日時点のモバイルSuicaの残高11,023円が入っていないのがマズいことはすぐお判りかと思います。これは、その日付でダミーの収入取引をZaim上で入力↓すれば解消できます（同じ日付でモバイルSuicaの残高を11,023円加算させるような残高調整データをアップロードする方法もあります）。
＿↑このデータを入力した後のZaimのモバイルSuicaの残高推移グラフを示します↓。2018年8月末の9,740円まで残高は正しくなりました。しかし、それ以降はまだ狂ったままです。モバイルSuicaは現在は最大20,000円までしかチャージできないのに、9月末には残高が22,812円になっている…
＿その原因が、前述した2018/09/20～2018/11/30の間の残高調整データなのです。↑↑↑の表のうち、赤枠で囲った部分は加算・減算の残高調整が共にプラスの値で入っています。そこで、加算・減算を正しく認識させたデータがオレンジで囲った部分です。この部分の金額の和は5,406円になり、2018年12月以降は、この分だけZaimの残高認識が多くなってしまいます。
＿この問題を解決するには、2018/09/20～2018/11/30の間の残高調整データを削除すればいいわけです。しかし、現時点のZaimではユーザーはそのような操作ができません。思うに、これはZaimの設計上の最大の欠陥でしょうね。
