_当Blogは、2020年5月にBloggerに移転して以来、旧Blogのネタのリニューアルを中心に記事をアップしてまいりましたが、いよいよオンライン家計簿アプリの巨頭Zaimに着手します。ただし、当Blogとしては今更「Zaimを使うと銀行やクレジットカードの明細を取り込んで家計簿を作ってくれるので節約生活ができるようになりますよ~」的な記事にするつもりは毛頭無く、例によって、家計簿データをアプリ間で相互変換するために必要になる情報を中心に解説してまいります。
1.データアップロード機能はZaimの一大特徴
_2018年12月にマネーフォワードがマネーフォワードMEに名称を変更したと同時にCSVファイルのアップロード機能を廃止した(これで筆者のマネーフォワードに対する心証はかなり悪くなりましたな)ことで、この機能を有しているオンライン家計簿サービスは、筆者が知る限りでは以下の3つとなりました。
- Zaim…後述
- Dr.Wallet…あまり完成度は高くない
- オンライン家計簿うきうき…有料プランで追加される機能
_実は、Zaimの動向にも少々危うさを感じさせるものがあります。2018年3月ごろですが、CSVファイルのデータ列をZaimのデータ項目に割り当てる仕組みが機能ダウンされ、さらに2019年8月8日をもってアップロード機能に関するユーザーサポートが打ち切られました(機能は動作するが質問は受け付けない)。ちなみに筆者はZaimのこの機能のバグを2件指摘しており、初回は少々的はずれな対応をされても最終的には修正していただいていたので、この処置は大変残念でした。
_Zaimのデータアップロード機能は、いずれ別途解説しますが、Zaimに登録されていない口座や費目を指定したデータが含まれていても、ユーザーに断り無く新規の口座や費目を勝手に作って取り込んでしまうという、かなり危険な動作をします。このあたりはユーザーの自己責任、というのがZaim運営側の考え方のようです。よって、筆者のMFFマクロは、このような事態を避けるためにACF機能を実装しているわけです。
2.アカウントアグリゲーション機能は銀行APIにも順調に対応
_筆者はZaim、マネーフォワードME、Moneytreeで同じ複数の銀行と連携を設定しておりますが、銀行APIへの対応状況は Moneytree≒Zaim>マネーフォワードME という感じで、運営が丁寧で手堅い印象です。
_また、2020/06/21「Zaimの金融機関連携機能が改善されました」でご紹介しましたように、自動取得機能の時間間隔が明らかにされるなどの改善も行われております。一年前に比べてずいぶん親切になりました。
3.金融機関連携口座でもデータの追加・修正が可能
_マネーフォワードME・Moneytreeでは、アカウントアグリゲーションによって取得した明細データは、日付・金額の修正が許されず、メモ欄の入力と費目の設定(あるいは振替取引への変更)のみできる仕様になっています。ところが、Zaimは日付・金額の修正まででき、データの取り扱いはユーザーの自己責任という考え方がここにも表れています。
_また、非常に高度な操作が必要になるものの、金融機関連携口座に対し、金融機関サイトから明細データ取得できる時間範囲よりもさらに過去の手持ちデータをアップロードして連結する、という大技も可能です。この件については別途解説します。
4.費目のカスタマイズが可能
_Zaimの費目は、第一階層が「カテゴリー」、第二階層が「内訳」(ジャンルと呼ぶ場合もあり)の二層構造であり、追加・非表示化(削除はできない)・並び替えが可能です↓。マネーフォワードMEおよびMoneytreeは、第二階層の追加および追加した項目の削除のみが可能なので、それに比べると各段に自由度が大きいことが判ります。ただし、Zaimのデフォルトの費目構成は至極常識的なので、根本的にカスタマイズしなければならない、というユーザーは少ないのではないでしょうか。
5.複合仕訳機能を実装
_複合仕訳とは、一つの取引を複数の費目に仕訳ける方法で、こちらのBlog記事(複合仕訳とは?単一仕訳との違いや帳簿の作り方、メリット・デメリット)が参考になります。この機能(複合仕訳)を持っているのは、オンライン家計簿ではZaimとDr.Wallet、PC家計簿ソフトではマイクロソフトマネー、てきぱき家計簿マムぐらいです。
_入力画面は↓のようになります。この機能のため、Zaimは入力の手数が若干多いという難点がありますが、精緻に記帳したい向きには非常に有用ですね。
6.有料プランと無料プランの違い
_Zaimの有料プラン(プレミアムプラン)の価格はこちらをご覧下さい。機能の差異はこちらに紹介されていますが…さっぱり判りませんね。当Blog的に見て最も大きな違いはデータダウンロード機能で、
- 無料プラン…ユーザーが手入力したデータしかDLできない
- 有料プラン…アカウントアグリゲーションで取得したデータもDLできる
_このようになり、有料サービスを設定している家計簿アプリは大抵そうですけど、有料プランでなければ上記の点だけでも使い物になりません。
_2019年8月の値上げ前は税込300円/月で、他の家計簿アプリに対して競争力があったので値上げに踏み切ったようですが、筆者の見たところ、これまでに値上げに見合った機能増強があったか…?というとちょっと苦しいように思えます。今後の改良に期待するところ大です。