_うきうき家計簿シリーズを集中的に取り上げている連載も終盤になってきました(前回の記事はこちら)。今回は、PCソフトの製品版である「Superうきうき家計簿」について触れます。
1.Superうきうき家計簿の概要
_Superうきうき家計簿はダウンロード版がVectorから購入可能です。↓の画面例のように、フリー版より若干見た目は派手にアレンジされています。カラーデザインは他に2種類選択することができます。
_Superうきうき家計簿の製品紹介の公式ページにはフリー版との機能比較表があります。製品版がフリー版に対して最も優位なのは、実は「口座出納帳」↓を表示する機能です。他の家計簿アプリではこの口座出納帳が標準のユーザーインターフェースになっているものが多いのですが、うきうき家計簿ではフリー版に対しこの機能で製品版を差別化しているようです。
_残念ながら出納帳を表示した状態でデータをCSVファイルとして出力するような機能は製品版にも実装されておらず(マスターマネーにはあるのに…)、Web版「オンライン家計簿うきうき」の「家計元帳」の検索機能を活用するか、PCソフト版からテキスト出力したデータをMFFマクロで変換・加工する等の工夫が必要になります。
_しかし、↓の画面そのものは、高解像度ディスプレイであれば全部の情報を一覧できて非常に見やすいものとなっています。なにせ、マイクロソフトマネーは1行に取引の全情報を表示してくれないし、マスターマネーや「がまぐち君」は1取引を2行に分けて表示するので見にくいんですよね~
2.Web同期機能
_ところで、先に述べた機能比較表の「Web同期」欄には「『うきうき』で有料会員登録を行わなくても、家計簿データや日記・予定の同期が出来るようになります」という意味深な注釈があります。Web版「オンライン家計簿うきうき」は、プレミアムサービスでPCソフト(フリー)版との同期ができる、とアナウンスされていますが、「この注釈の意味するところは『Superうきうき家計簿を購入すればWeb版でもプレミアムサービス相当の機能が使える』ということなのかな?」と、一瞬期待したくなるところです。
_しかし、結論から申し上げると、これはそうではなく、Web版(オンライン家計簿うきうき)の無料サービスでユーザー登録をしていても、Superうきうき家計簿との組み合わせで「Web同期機能のみ」は使える、ということになります。
_このように、うきうき家計簿は
- Web版(無料サービス)とWeb版(プレミアムサービス)
- PCソフト(フリー版)とPCソフト(製品版)すなわちSuperうきうき家計簿
_の関係性が大変判りにくいものになっています。このあたりは次回に解説します。
_では、Web同期機能そのものは、というと… Superうきうき家計簿は、フリー版が家計簿データのみであったのに加えて、日記および予定をWeb版と同期させることができます↓。しかし、同期結果を知らせるダイアログには、日記および予定のデータを同期した結果は表示されないのです。ううむ、ちょっと残念な実装ですなあ。
3.データ出力機能について
_2020/07/17『「オンライン家計簿うきうき」からエクスポートしたデータを他の家計簿向けに変換する』では、Web版からダウンロードしたCSVファイルの形式をご紹介しました↓。
_これに対し、2020/07/19「うきうき家計簿PCソフト(フリー)版はWeb版とは微妙に違います」では、PCソフト(フリー版)からテキスト出力されるCSVファイルの形式をご紹介しました↓。
_Superうきうき家計簿からテキスト出力されるCSVファイルは、それよりさらに異なっています。開発元もなかなか酷いことをしてくれるものだ…。同じタイトルのソフトウェアが3とおり(正確には4とおり)のCSVファイルを出力するとはいい度胸です。
4.うきうき家計簿(PCソフト版)のデータをMFF形式に変換する処理について
_ 2020/07/17『「オンライン家計簿うきうき」からエクスポートしたデータを他の家計簿向けに変換する』と同様、今回はPCソフト版→MFF形式の変換処理を解説します。収入・支出取引の場合↓は、至極単純に始末することが出来ます。
_PCソフト版は、Web版にあった「固定費」および「お金移動」という欄がありません。特に振替取引における後者の影響は大きく、うきうき家計簿の「振替取引の種類によってデータの入れ方が異なる」というあまり褒められない特徴にいちいち対応しなければならないのです↓。
_また、同じPCソフトであっても、Superうきうき家計簿はフリー版には無かった「数量」・「単価」の欄が加わっており、Web版と同等のデータを取り扱うことが出来ます。この、数量・単価というデータは、MFF形式を設計する際、このデータを取り扱う家計簿アプリは少数派だったので潔くシカトすることにしたのですが、ちょっとマズかったかな…。
_これまで筆者は、MFFマクロの開発においては、MFF形式のデータを各家計簿ソフト/アプリ向けに変換する処理に手間と時間を要しておりました。うきうき家計簿においては、むしろMFF形式へ変換する処理に苦労させられました。まいったなこりゃ。