_前回に引き続き、マイクロソフトマネーの基礎論の解説です。今回は、他の家計簿アプリと同様に、資産種別と取引種別を取り上げます。
4.マイクロソフトマネーの資産種別
_マイクロソフトマネーでは現金、銀行口座、クレジットカード等をまとめて「資産」と呼びます。通常、「資産」という用語の反語が「負債」であり、「資産額」-「負債額」=「純資産額」であるわけですが、マイクロソフトマネーの用語の使い方としては「負債」を記帳する場合でもその管理単位は「資産」と呼ばれます。ここらへんがややこしいところですが、慣れるしか無いですね。
_そして、マイクロソフトマネーの「資産の設定」(後述します)においては、まず金融機関の種類を
- 銀行預金
- クレジット カード
- 投資
- その他の資産
_の4種類から選び、次に、より詳細な資産の種類を↓の表から選択します。負債を記帳する場合は「その他の資産」からさらに負債的なものを選択することになります。いわゆる現金財布もこの中にあります。また、マイクロソフトマネーの基本設計が行われた当時は「電子マネー」なんてものは無かったので、現金に相当するものとして取り扱うことになります。
_なお、これらの資産の種類の違いは、初期設定の際に、金利の発生や締め日など、特有の設定項目が出現するかしないか、というところに影響が出てきますが…実のところマイクロソフトマネー内部での処理に大きな違いは無いです。例えば、現金を銀行口座に見立てて記帳しても、通販サイトをクレジットカードと見立てて記帳しても、動作不具合を起こすようなことはありません。
_マイクロソフトマネーはとにかく多機能であるが故に複雑ではありますが、特に「MSNマネー残高照会サービス」との連携動作が無くなっている現在では、そんなに厳密に資産を設定することに拘らなくても十分家計管理・資産管理が可能です。
5.マイクロソフトマネーの取引種別
- 出金(場面により「収入」と言ったり「支払」と言ったりして統一されていない)
- 借入/利用(クレジットカードやローン等において借入を行うこと)
- 入金(場面により「支出」と言ったり「預入」と言ったりして統一されていない)
- 返済(クレジットカードやローン等において借入金を返済すること)
- 資産間移動
_の5種類があります。「資産間移動」は、マイクロソフトマネーが管理している資産同士で資金の移動を行っている全ての取引をこのように呼びます。いわゆる振替取引です。
- クレジットカード利用額の銀行口座からの引落し
- ATMでの銀行口座から財布への引き出し
- 財布の現金での電子マネーへのチャージ
_これらは全て資産間移動です。「うきうき家計簿」のように、資産の種別に応じて振替取引が7種類もあったりするような複雑さはありません。
6.マイクロソフトマネーの初期設定
_マイクロソフトマネーの初期設定で最も重要なのが、データを受け入れるための「資産」を作成することです。そのためには「資産と口座」タブの左ペインにある「新規資産の追加」を叩きます↓。
_前述のように、マイクロソフトマネーは金融機関が4種類ありますが、↓では「銀行預金」を選んでいます。なお、下の「□MSNマネー残高照会サービス…」のチェックボックスは、今となっては全く無意味なのでチェックする必要はありません。
_↑で金融機関を「銀行預金」としたため↓の画面では口座種別は3種類のみ選択肢として出現します。ここでは「普通預金口座」を選択し、資産の名称を入力します↓。「読み」を入力させられるのは、これが資産のソート順のキーになっているからです。この後、この資産の初期残高(後で変更できますので判らなければ0円でOKです)と通貨(通常日本円ですね)を指定するダイアログが表示されます。
_↓「91テスト用」という資産が作成されました。しかし、これで終わりではありません。
_↑の画面で【91テスト用】を選択した後、左ペインに現れる【資産の設定の変更】を叩くと↓の画面になります。ここでは、資産の種類を「現金またはその他」に変更し(つまり資産の種類は後で変えられます)、金融機関名を「現金」(これは筆者がテキトーに入力したもの)としています。特に金融機関名の設定は重要で、ここで何らかの名称を入力すると、口座番号欄の下に青枠で囲ったリンクが現れます。これはOFXファイルをこの資産に取り込む準備ができたことを表しているのですが、このリンク先の設定をいじっても意味はありません。
_また、口座番号は必ず、他の資産と絶対に重複しないように指定します。MFFマクロは、OFXファイルを出力する際に、口座名に含まれる数字を口座番号とする機能を持っています(後述)。つまりMFF形式のデータが「91テスト用」という口座名であれば「91」を口座番号と認識します。それを考慮して、ここでは口座番号を「91」としています。
_以上で、91テスト用という新規資産に、データを取り込ませる準備ができました。