2021/05/22

誰も教えてくれないClev家計簿の使い方(その3:資産間振替機能)

_今回のClev家計簿連載第5弾は、前回の第4弾で解説した「残高管理機能」を設定すると使えるようになる「資産間振替機能」を取り上げます。Clev家計簿はこれに関しては非常に特異な動作をするため記事も長大になりますが、ご容赦あってお付き合い下さい。

1.資産間振替取引を入力する

_まず最初に資産間振替の取引データを入力します。通常の支出・収入取引とは全く異なる方法になります↓。基本的には、出金元となる資産を選択→振替額を入力→入金先となる資産を選択 という流れです。

Clev家計簿で資産間振替取引を入力する

_ところで、ここでClev家計簿の支出データをExcel形式でインポートしてみましょう(その方法は次回に解説します)。↑で入力したのは、"2021/05/21に「03現金ストック」から「01財布」へ20,000円移動した"という取引ですが…

Clev家計簿からExcelデータをエクスポート(資産間振替が含まれていない)

_…データに含まれていません。そう、ここがClev家計簿の特異なところでして、収入・支出管理に邪魔になる資産間振替は、デフォルトではこういったデータに含めないようになっているのです。つまり、このデータをMFF形式に変換しても「03現金ストック」および「01財布」という資産の残高を正確にトレースすることはできなくなります。

2.資産間振替の記帳形式を変更する

_そこで、Clevでは資産間振替の取引を

  • "03現金ストック"から20,000円の振替支出があった
  • "01財布"に20,000円の振替収入があった

_と、支出・収入取引として記帳するように変更できる機能があります。これはそういうモードがあるのではなく、↓のように個々の資産間振替取引に対して操作します。

Clev家計簿で資産間振替取引の記録形式を変更する

_↑の画面例を見ても判るとおり、②と⑥の画面における5/21の"03現金ストック"からの20,000円の支出は、表示上は何の変化もありませんが、Clev家計簿内部では大きな処理上の変化が起こっています。すなわち、Excelファイルとして支出データをエクスポートすると、↓のように、20,000円の資産間振替の支出が含まれるようになります。

Clev家計簿からExcelデータをエクスポート(資産間振替が含まれている)

3.反対取引に対しても記帳形式の変更が必要

_ところで、2.で行った操作は、

  • "03現金ストック"から20,000円の振替支出があった
  • "01財布"に20,000円の振替収入があった

_の前者に対して記帳形式を変更しただけであって、後者に対してはまた別途の操作が必要です。なんとも煩雑なことだ…

Clev家計簿で資産間振替取引の記録形式を変更したら反対取引も同様にする

_↑の操作によって、Excelファイルとしてエクスポートした収入データにも、資産間振替による20,000円の収入が記帳されるようになります。

Clev家計簿からExcelデータをエクスポート(収入側にも資産間振替が含まれている)

4.記帳形式は元に戻すことも出来る

_このように、資産間振替を支出&収入として記帳すると、Excelファイルとしてエクスポートしたデータにも含まれるようになるというメリットはあるのですが、支出・収入の総額に資産間振替による金額も含まれてしまい支出・収入管理の邪魔になる、という欠点もあります。そこで、一旦記帳形式を変更したものを↓のような操作で元に戻すことができます。もちろん、これも2つの取引についてそれぞれ行わなければなりません。

Clev家計簿で記録形式を変更した資産間振替を元に戻す

_このように、Clev家計簿の資産間振替という機能は、使いこなすにはかなりの習熟と手間を要します。ただし、Clev家計簿は、大抵の操作は後で(多少面倒ではありますが)元に戻せるようになっています。今回の記事を参考にいろいろ試してみて、このアプリの振る舞いを覚えていきましょう。


次回はいよいよデータのエクスポートについてです→

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