2021/05/27

Clev家計簿のグラフ機能と総評

 _Clev家計簿の連載は今回の第7弾で一段落です(前回の記事はこちら)。

1.グラフ機能について

Clev家計簿のグラフ機能

_Clev家計簿のグラフ機能は結構優秀です。

_①は基本的な月間支出の円グラフで、項目名をタップすると②のようにそのデータの内訳を表示します。実はこの状態でもデータをエクスポート可能ですが(方法は2021/05/23の記事と同一です)、エクスポートしたExcelファイルに対してMFFマクロ(V2.16以降)を動作させると、支出取引であっても収入取引としてMFF形式に変換してしまいますのでご注意下さい。

_③・④・⑤はそれぞれグラフ描画の設定変更画面で、ご覧のとおり柔軟に設定変更が可能です。⑥は支出額の月間推移を棒グラフとして表示させた画面です。これも④の設定画面で年単位での推移を表示させることもできます。

2.Clev家計簿の総評

_Clev家計簿は、カテゴリのカスタマイズ、資産の設定やグループ化、振替取引のサポート、予算管理機能および検索・絞り込み機能(当Blogではレビューしませんでしたが)、グラフ機能等、家計簿アプリとしての基本機能はかなり造り込まれており、ここまで筆者がテストした範囲では、不可解な挙動も見受けられませんでした。

_しかし、設計として「これはなあ…」と思うところはあります。その筆頭は、やはり資産間振替取引のデータの取り扱いです。一度入力してから、少々目的の不分明な操作をしなければ、資産の残高を正確に追えない…という仕様は極めて残念です。しかも、その操作は振替に伴う2つの取引についてそれぞれ行わねばならず(すなわち連動していない)、ユーザーが管理の手間も大きなものがあります。

_他の家計簿アプリであれば、いわゆる振替取引は「収支計算には反映させないが、資産ごとの残高を計算するには反映させる」と方針は明快です。Clev家計簿は、この欠点だけはどうにかしてもらわないと、収支管理ツール以上の使い方をするのは少々苦しいでしょう。

_そして、筆者としては…このアプリほどデータインポート機能が無いことに怒りを感じたことはありません。これまで当Blogで取り上げた家計簿アプリの中で、データインポート機能が無いのは LINE家計簿MoneytreeMoneylookOsidOriおかねのコンパスおカネレコマネーフォワードME です(リンク先は、それぞれのアプリについての、当Blogにおける初解説記事です)。これらは、アカウントアグリゲーション特化とか支出管理専用とか開発途上であるとか、それなりの設計思想や事情があってそうなっているわけですがマネーフォワードMEは設計思想をいきなり変更してデータインポート機能を廃止したから筆者の心証は悪い)…Clev家計簿は、大量のデータを処理できる機能と完成度を有しているにも関わらず、肝心な機能がすっぽり抜け落ちているように見えるのです。つまり、開発元の怠慢。

_データバックアップ機能では、Google Driveに「GlevMoney」というフォルダを造り、clevmoney_201229_213830.db のようにバックアップした日付・時刻に基づく名称とファイルを保存するようになっていますが、Windowsでは中身を確認する術がありません。

_以上の2点が改良されないと、他のアプリを押しのけてまで使おうというモチベーションは出てこない…というのが筆者の総評です。有料機能でもいいから、何とかならないものでしょうか?

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