2021/07/12

君は家計簿カケイの特異な動作についていけるか

 _今回は、他の家計簿には無い、家計簿カケイの特異な動作について解説します。前回の記事はこちら。

1.振替取引について

_家計簿カケイにおいて振替取引を入力するには、↓の画面例のように残高画面において、個々の資産のアイコンをタップします。現金をタップした場合は、別の現金資産への【現金移動】、銀行をタップした場合は現金への【引き出し】、現金からの【預け入れ】、他の銀行への【送金】…という具合に、取引の対象となる資産種別に応じて名称を使い分けています。

カケイの振替取引機能へのアクセス手順

 そこで、資金の移動元と移動先の資産種別により、どのような名称になるかを示したのが↓の表になります。過去にもどっかでこんな表を作ったよな…(2020/05/14「てきぱき家計簿マム9 レビューその3:入力UI」参照)。

カケイの振替取引の種別のチャート

_カケイは、銀行との取引については、同時に手数料を入力することができます(画面例は省略します)。なかなか面白い機能と言えます。

_銀行口座からのクレジットカードの引き落とし取引は、ユーザーが作成するものではなく「カケイ」が自動的に作成します。そのため、この取引データは「カケイ」からエクスポートしたCSVファイルにも含まれません。

_このように、家計簿カケイの動作は少々特殊であり、よく理解していないと、他の家計簿アプリにデータを移したときに残高が合わなくなったりする原因となりますのでご注意ありたく。  

2.残高調整について

_一般的な家計簿アプリでは、残高調整機能は「現時点で認識している残高との差額を、不明支出または不明収入として記帳する」という形で実装しています。しかし、家計簿カケイでは、「指定した日の残高を、入力した金額そのままに設定する」というものになっています。入力の方法を↓に示します。

_ このような実装の利点としては、過去に記帳ミスがあってそれを修正したとしても、指定した時点の残高はズバリ指定した金額に強制的にセットされるため、それ以降の残高推移に影響を与えないようにできることが挙げられます。一方で、過去に発生した使途不明金がいつどこでいくら発生したかを追うのは著しく困難になるでしょう。

カケイの残高調整機能

_ この残高調整のデータは、「カケイ」からエクスポートしたCSVファイルにも含まれます。しかし、このデータがあっても、他の家計簿アプリにインポートしたところで、口座の残高推移を追うことはできません。そういうわけで、カケイの残高調整機能は、他の家計簿アプリにデータを変換するつもりであるならば、むしろ使うべきではなく、ユーザーが実額との差額をきちんと使途不明金(または裏金)として把握して記帳すべきです。

_そのため、次回にご紹介する予定の「MFFマクロの家計簿カケイ対応機能」では、残高調整データは変換対象としません。

_では、この残高調整機能の使いどころは…? 実に簡単。投資証券口座や貴金属等の、相場によって評価額が上下するような資産の、当日の残高を記録するのに活用すれば良いのです。決して無意味に実装されているわけではありません。


次回はカケイからエクスポートしたデータの変換について触れます→

注目の記事

家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ

_今回の主題は…家計簿アプリとデータをやりとりするときに使用するファイルの形式について、です。筆者がこれまで MFFマクロ に対応させてきた家計簿アプリは27種類(Money通帳とあっと家計簿は別カウント)。まず、家計簿アプリからエクスポートする方向では↓のようになります。...

最近の人気トップ3