2021/06/20

DARUMA家計簿の設計はよく練られています

_前回の記事の予告どおり、DARUMA家計簿をレビューします。今回で使い方を一通り解説し、次回はDARUMA家計簿からエクスポートしたデータをMFF形式に変換する方法を採り上げる予定です。

1.DARUMA家計簿とは

_DARUMA家計簿は、数多ある家計簿アプリに挫折してきたユーザーが達磨のように再挑戦することを想定して命名されたアプリだそうです。確かに…当Blogで詳細に取り扱ってきたAndroid用家計簿アプリはClev家計簿OsidOriおカネレコかけ~ぼらくな家計簿貯まる家計簿などがありますが、支出管理に特化した「おカネレコ」を除けばいずれも動作には特徴(必ずしも特長ではない)があり、習熟するにはそれなりの時間と根気が必要です。その点、DARUMA家計簿は、さしたる努力なしに、素直に使いこなせるでしょう。

DARUMA家計簿の基本画面

_なお、現時点ではDARUMA家計簿は無料版(↑アプリ画面下部に広告が表示される)のみで、有料版はありません。

2.科目の初期設定

_DARUMA家計簿は複式簿記を強く意識した設計となっており、借方・貸方に入る科目がそれぞれ費目なのか口座名称なのかによって、取引種別が支出・収入・振替のいずれかになる、という動作をします。科目の初期状態を↓の表に示します。

DARUMA家計簿の科目

_2021/06/20時点におけるバージョンでは、カスタマイズ(設定画面は↓のとおり)は 名称変更・順序変更・使用する/しないの切換 が可能であり、追加・削除は不可能。つまり、初期状態より数を増やすことは出来ません。これは作者によれば「できるだけ科目を増やさずシンプルに家計を把握する」というDARUMA家計簿の設計思想によるものだそうです。

_…が、資産が8個まで、というのはさすがに苦しいです。財布・タンス預金・銀行口座(複数の銀行の場合もあれば、一つの銀行に複数の場合もある)・電子マネー(これとて単数では無い)を登録すればすぐに枠が埋まってしまいます。なんとか追加できるようにしていただきたいところです(【2021/06/25追記】早速アプリの方で改善していただきました)。

_なお、筆者は、資産・負債の名称は半角数字で通し番号を付け、収益・費用の名称は半角数字を含めないように付けることを激しくお奨めしますその理由は次回に解説します

DARUMA家計簿の科目の設定画面

3.入力UI

_DARUMA家計簿のデータ入力時のユーザーインターフェースは特に戸惑うところはありません。基本画面で【入力】ボタンを叩き、【支出】【収入】【振替】のいずれかを選択してから借方科目・貸方科目をプルダウンメニューで選択し、日付・金額・メモ欄を入力して登録ボタンを叩いて完了です↓。他の家計簿アプリによく見られる「お気に入り入力」や「繰り返し入力」といった機能はありません。

_なお、自由記入できるデータ欄は「メモ」欄のみであり、MFF形式へのデータ変換に備えて、(品名)(@店名)(※備考)のいわゆるMFF書式で入力することを激しくお奨めします。

DARUMA家計簿の入力UI

_振替取引については、いわゆる振替支出の形で入力します。↓の例は、銀行口座1から50,000円を銀行口座2に振替支出した、ということになります。ただし、銀行口座(資産)からクレジットカード(負債)への引落しについては「クレジットカード1を、銀行口座1から20,000円支払った」という形で入力します。

_クレジットカード(負債)による電子マネー(資産)のチャージは、最初期のバージョンでは振替として入力できなかったのですが、筆者から作者の方に連絡しましたところ、即座に改善していただきました。

DARUMA家計簿の振替取引

_なお、一度入力した取引データは、基本画面で短冊を(長押しではなく)右にスワイプすることで削除ができます。これも、最初はこの操作が判らず、作者の方から教えて貰いました。その後のバージョンアップで、その旨のチュートリアルが表示されるように改善されています。このような、開発元の対応力も、筆者が本アプリを推したい要素の一つです。

4.集計・グラフ機能

_DARUMA家計簿の基本画面の上部にある【集計】ボタンを叩くと、↓の①の集計画面に遷移します。この画面は「マスターマネー」のマネービューア「がまぐち君」の集計表画面と同様ですが、時間単位は月間で固定されています。また、科目名称をタップすると、過去13ヶ月の推移がグラフ表示されます。

_他の家計簿アプリでは、月間の支出の割合を円グラフで表示するというのが一般的です。しかし、あれって見栄えはしますけど、実は家計管理にはあまり役に立たないんですよね…。このように、口座残高や支出費目ごとの推移を教えてくれた方が、貯金のペースや浪費の兆候を把握するには有用でしょう。

DARUMA家計簿の集計・グラフ機能

_ただし、惜しいのが↑の③の画面です。資産額全体の推移を示してくれるのはいいものの、ここはやはり積上げ棒グラフで資産の構成割合が同時に把握できるようになっていると最高です(収入・支出に関しても全く同様)


_以上、DARUMA家計簿の使い方をご紹介しました。「余計なことはしない」という設計方針が徹底されていることがお判りいただけると思います。現時点ではデータインポート機能が未実装であり、手でデータを入力していくしかないので、長期にわたりデータを蓄積していくと、必要を感じる機能が増えていくことになるでしょう。例えば取引データを検索・抽出する機能とか、年単位でのグラフ表示がそうですね。今後のアプリの強化に期待するや切であります。

次回はデータエクスポートと、MFF形式へのデータ変換について述べます→

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