2022/06/01

さらばMoneyLookよ…大変お世話になりました

_2022/02/21 MoneyLookが無料サービスを終了 でお知らせしましたとおり、昨日2022/05/31をもってMoneyLookの無料版のサービスが終了しました(公式案内)。では、「有料版」はどうなったのか…?と言いますと、どうやら一般消費者向けには提供されないままのようです。

_これまでMoneyLookによって取得してきた明細データは、2022/06/30まではCSVファイルとして取り出すことができます。そのデータをMFF形式に変換する機能は、2022/03/03 MoneyLookから出力したCSVファイルの明細データを家計簿アプリ向けに変換する方法 にてMFFマクロに実装済です。データの移行はお早めに。

_MoneyLookは2002年にサービスを開始した、この分野の草分け的存在です。Zaimが2011年、マネーフォワードが2012年のカットオーバーですから相当先行していたわけです。ただし、当初のMoneyLookは専用のPCソフトを使用するものでした。金融機関へのログイン情報は、ユーザーのPC内に暗号化して保存され、他人に握られることは無いため安全性が高い…という触れ込みだったのです。もちろん、当時は金融機関とのAPI接続なんて仕組みは無く、MoneyLookが金融機関サイトに勝手にアクセスして、スクリーンスクレイピングによって残高や明細データを得ていたので、今から思えば大して安全でもなかったわけですがね。

_その後、いつのことか失念してしまいましたが、専用PCソフトでのサービスから、Internet Explorer用のアドインモジュールとしてログイン情報マネージャーをインストールする形に移行しました。しかし、この方式は「金融機関へのログイン情報をユーザーのPC側に保存し、サーバー側には保存しない」というMoneyLookの理念を守ってはいたものの、ユーザーにとっての利便性はイマイチで…後発のZaimやマネーフォワードが「クラウド側に金融機関へのログイン情報を保持する」という仕組みであってもユーザーの支持を得た(もちろん、これを危険視する人はまだまだおいでですが)のと対照的に、MoneyLookはマイナーなサービスに転落して行ったのでした。

_2020年5月31日に、「新MoneyLook」として、銀行サイトとのAPI接続をサポートしたクラウドサービスが開始されました。しかし、この期に及んでも「Moneylook口座情報管理ツール」というブラウザプラグインで金融機関へのログイン情報を管理するという仕組みは残され、すでにクラウドサービスとして確固たる地位を築いていたZaim・マネーフォワードMEとの格差をどうにかするには遅すぎたようです。

_ちなみに、筆者は2020/06/24 我が友マスターマネーはPC家計簿ソフトの基本であります で述べましたように、2011年にMicrosoft Moneyが「MSNマネー残高照会サービス」というアカウントアグリゲーションサービス(AAS)を停止したのを機に、その代替策を探す過程で家計簿アプリ間のデータ変換の研究を開始しております。その際にAASとして採用したのがMoneyLookでして、当時は↓のようなデータ変換の仕組みを構築しておりました。ML2CSVというExcel用VBAマクロが、こんにちのMFFマクロの先祖ともいうべきものです。

2011年当時の家計簿間データ変換のチャート

_↑のチャートの中で、「gooワンビリング」・「Ultrasoft MoneyLink」は、すでに使えないものになってしまいました(「Felica2Money」は一時サイトが消えていましたが復活したようです)。そして、MoneyLookも過去帳入りの存在となります。家計簿アプリ/サービスは継続的に提供されるべきもの、と申し上げてきたものの、現実にはこのように入れ替わりが極めて激しい世界なのです。

_MFFマクロのMoneyLook関係の機能はいずれは削除する予定であり、動作の概念図のチャートからもMoneyLookは消え去ります。寂しい限りですが、一時は筆者の家計管理の生命線ともなったサービス(最期まで無料でした)に敬意を表して今回の記事を締めたいと思います。さらばMoneyLookよ…大変お世話になりました。

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