2024/12/30

MFF形式データを変換して「まねーぼ」にインポートする方法

←「まねーぼ」関係の前回記事:2024/12/29 「まねーぼ」からエクスポートしたデータをMFF形式に変換する方法


 今回は、前回の反対で、MFF形式のデータを「まねーぼ」 にインポートする方法を解説します。

1.インポート前の「まねーぼ」の設定

 データをインポートする前の、「まねーぼ」の資産、カテゴリ(収入/支出)の状況を整理しておきます↓。ほぼデフォルトの設定どおりです。 「まねーぼ」は、アプリ側で未設定であった資産・カテゴリが、インポートするデータに含まれていた場合、ユーザーに問い合わせることなく無条件で新規に資産・カテゴリを作成する、という動作をします。この仕様にはメリット/デメリット双方がありますが、筆者としては、よほど「まねーぼ」とMFFマクロの振る舞いを理解しているユーザー以外は、「まねーぼ」アプリに設定済の資産・カテゴリのデータのみをインポートすることをお奨めします。MFFマクロのACF機能を活用することも有効です。

まねーぼにデータをインポートする前の初期設定

2.MFFマクロによる「まねーぼ」インポート用ファイルの出力

 今回、サンプルとして用意したのは↓のようなデータです。収入・支出・振替取引をすべて含み、2024年4月の一か月間の収支は収入30万円、支出10万円で残高20万円、という設定です。資産(口座名)およびカテゴリ(費目)は全て「まねーぼ」に設定済みのものです。

 このMFF形式データ↓に対して、D1セルのプルダウンメニューで「まねーぼ」を選択し(MFFマクロV2.62以降で登場しています)、セルカーソルをD1セルに残したままMFFマクロを動作させると…ACF機能を使わずに「まねーぼ」向けのファイルを出力するのか?と警告してきますが、ここは【はい】で構わないはずですね。

MFFマクロで「まねーぼ」にインポートするCSVファイルを出力する

2024/12/29

「まねーぼ」からエクスポートしたデータをMFF形式に変換する方法

←「まねーぼ」 に関する前回記事:2024/12/28「まねーぼ」の入力UIについて解説します


【注意事項】:今回の記事をアップするに際し、MFFマクロをV2.62からV2.621に更新しましたソースリストはこちらのページから。あるバグが発覚し、それをこっそり修正してあります。ユーザー各位の環境におけるマクロプログラムの更新をお願いします。


 今回は、MFFマクロを利用して、「まねーぼ」からエクスポートしたデータをMFF形式データに変換する方法を解説します。なお、「まねーぼ」ではCSVファイルのインポート/エクスポートはサブスクリプションによる有料機能となっています

1.「まねーぼ」からのデータのエクスポート

 「まねーぼ」からCSVファイルでデータを取り出すには、↓画面①のデータを手入力して、ホーム画面の右下にある【その他】ボタンのメニュー(↓画面②)にある【CSVエクスポート/インポート】を叩き、↓画面③でエクスポートするデータの対象期間を指定します(↓画面④)。

 そして、画面③の【CSVエクスポート】を叩くと、Androidの標準共有メニューでCSVファイルをファイル共有アプリやメールなどで外部に持ち出すことができます。ファイル名は、対象期間に2024年12月を指定した場合は"MoneyBoard_202412.csv"になります(このファイル名から推測すると「まねーぼ」というアプリの本来の名称が"MoneyBoard"であるらしい)。エンコードはUTF-8(BOM無し、改行コードはCR+LF)ですので、このファイルをExcelで直接開くと文字化けします。

「まねーぼ」の取引データをCSVファイルでエクスポートする

 ところで、「まねーぼ」のCSVファイルの形式に関しては「まねーぼ」のCSVファイルのフォーマットに関する資料 を参照してください。↑画面③の【CSVフォーマット】を叩いても同じページが開きます。ただし、この資料は一部誤りがあるんですよね…

2024/12/28

「まねーぼ」の入力UIについて解説します

←「まねーぼ」 に関する前回記事:2024/12/27 「まねーぼ」の基本事項を解説します

2.「まねーぼ」の入力UI 

(1)「まねーぼ」に収入/支出取引を入力する

 まねーぼの入力UI↓はかなり軽快で優秀です。日付の入力は専用のカレンダーUIで行うのですが(↓画面③)、デフォルトの今日から遠い日付の場合はこれでは大変なので、日付を直接入力して指定する機能があります(↓画面④ ただし区切り記号”/"まで手入力になるのは少し痛い)。

 金額を入力後(↓画面⑤)、すぐにカテゴリをアイコンから選択し、カテゴリアイコンの上部でサブカテゴリを横スクロールしながら選択すると(↓画面⑥)取引を行った資産をアイコンから選択(画面⑦)…という具合に、タッチ数が極限まで少なくなっています。

 自由入力が可能なのは「メモ」欄だけで、当Blogとしましては例によって(品名)(@店名)(※備考)のMFF書式で入力していただきたいところです(↓画面⑧)。入力した結果は↓の画面⑨のように表示されます。

まねーぼに収入取引/支出取引を入力するUI

2024/12/27

「まねーぼ」の基本事項を解説します

←「まねーぼ」関係の前回記事:2024/12/22 「まねーぼ」インポート/エクスポート対応 MFFマクロV2.62出現

 今回からiPhone/Androidスマートフォン向け家計簿アプリ「まねーぼ」について連載をスタートします。これまで当Blogに登場したことはありませんが、筆者としては約1年前から存在はキャッチしておりました。Google Playのレビューを拝見すると2022年の初めごろに出現したようです。2024/12/18 「まねーぼ」に取り組んでおります のとおり、有料のプレミアムプランではCSVインポート/エクスポート機能が使用できます。

 まずは、当Blogの恒例により、家計簿アプリとしての基本事項を押さえておきましょう。

1.まねーぼの基本事項

(1)帳簿とユーザーの設定

 まねーぼを初回起動したときの帳簿のデフォルト名称は「わたしの家計簿」ですが(↓の画面②)、もちろんユーザーが後で変更できます。帳簿は無料版では1つのみ追加できます。

まねーぼインストール直後の帳簿の新規作成

2024/12/22

「まねーぼ」インポート/エクスポート対応 MFFマクロV2.62出現

←「まねーぼ」関係 前回の記事:2024/12/18 「まねーぼ」に取り組んでおります

 「まねーぼ」に関しましては、アプリの紹介記事よりも先に、MFFマクロの新版をお送りします。「まねーぼ」はエクスポートされるデータとインポートするデータの形式が全く同じで、データ構造そのものも素直であり、マクロの開発自体が非常に簡単に終わったためです(このあたりはいずれ述べます)

 ソースリストと導入方法は MFFマクロの導入法と使用法 および MFFマクロのバージョンアップの手順 を参照してください。

MFFマクロV2.62の動作概念図

 ↑動作概念図の縦サイズもさらに長くなりました。なお「貯まる家計簿」2024/12/01 「貯まる家計簿」アプリがサービスを終了したようです 参照)と、「マムクラウド家計簿」2024/09/21 マムクラウド家計簿がサービスを終了するそうです 参照)については表示をグレーにして、MFFマクロのデータ変換機能は残っていることを示しています。

 過去にMFFマクロが対応していたアプリ/サービスについても記載した方がいいのかな…一旦、MFFマクロにデータ変換機能を実装して、その後廃止したものとしては、以下の3つがあります(↑の動作概念図からは消えています)

  • Kakeibon(カケイボエヌ:NTT系のオンライン家計簿サービス。それなりに優秀なアカウントアグリゲーションサービスを実装していた。2020/03/31終了)
  • Moneylook2022/06/01 さらばMoneyLookよ…大変お世話になりました 参照)
  • マネーフォワード(2018年12月に名称に”ME"が付いたのと同時に、取引明細データをアップロードする機能が廃止された)

 …ところで、今後の予定ですが、「マネタメ」のデータインポート/エクスポート機能の整備待ちといったところです2024/07/23 マネタメにCSVファイル入力機能が登場 を参照)。また、当Blogがまだ取り上げていない(存在を感知していない)家計簿アプリの情報収集もぼちぼち行っています。

 すでに対応している家計簿アプリ/ソフトについては、基本的にその後のアプリ/ソフト側の仕様変更を追いかけていませんので、データ変換がうまく行かなくなったときはユーザー各位からの情報提供のみが頼りです。右ペインの「連絡フォーム」からご連絡をいただければ幸いです。


次回はいよいよ「まねーぼ」に関する解説を始めます→

2024/12/18

「まねーぼ」に取り組んでおります

 Android/iPhone向け家計簿アプリ「まねーぼ」に取り組んでおります。最初に申し上げておきますと、このアプリはサブスクリプションのプレミアムプランに加入すると、CSVファイルによるデータのインポートとエクスポートが可能です。

まねーぼのプレミアムプランの内容

 連載の開始まで暫しお待ちありたく。ご期待下さい→

2024/12/04

銀行サイトからダウンロードした入出金明細データをMFF形式に変換する方法~MFFマクロV2.61公開

 当Blogで公開しているMFFマクロは、Excelのワークシートに読み込んだデータの由来を自動判定してMFF形式に変換するのが基本的な動作です。が、その自動判定ができない金融機関のサイトからダウンロードしたデータも「ある程度は」変換できるようにする「自動判定不能データの変換機能」を後に追加実装しました2022/03/28 金融機関からダウンロードした明細データをMFF形式に変換できるMFFマクロV2.33を公開しました 参照)

 しかし、この機能については、筆者はクレジットカードのサイトを主に想定していて、ダウンロードしたデータの金額は「正の値であれば基本的には支出」という前提で作っていました。ところが…先般登場したJREBANK2024/04/17 JREBANKってできるらしいですけど からの記事を参照)のデータを取り込めるか試してみたところ…銀行のような「正の値であれば基本的には収入」という金融機関のデータでは、それではダメだということが見えてきました。

 そこで、その点を改善したMFFマクロV2.61を公開しました(V2.60は小修正に留まるので飛ばしました)。例によりまして導入法とソースリストをこちらで公開しておりますのでご参照下さい。使用方法を以下に解説します。

1.JREBANKアプリから入出金明細をダウンロードする

↓画面はAndroid版のJREBANKアプリです。ホーム画面の【入出金明細】を叩いて遷移した画面の一番下にある【ダウンロード依頼】というボタンを叩いて下さい。「依頼」となっているのは、データの対象期間や量によっては即座にDLできるわけではないからです。

JREBANKアプリで入出金明細のダウンロードを依頼する

2024/12/02

マネーフォワードMEが新機能「ポイントが貯まる家計簿」をリリース

 本日飛び込んできたニュースです。プレスリリースはこちら2024-12-02『マネーフォワード ME』、新機能「ポイントが貯まる家計簿」を提供開始。マネーフォワードMEの機能を活用するごとにVポイントが貯まります。マネーフォワードと三井住友カードの合弁会社発足による効果が早速現れた形ですね。

 実は、マネーフォワードMEにはユーザーへのインセンティブとしてバッジという機能がリリースされていました2021/10/16 マネーフォワードMEのバッジ vs オカネレコのレコパス という記事で紹介済)。ただ、これはユーザーに特段のメリットが無かったので(バッジをコンプリートすれば気分が良いだけだった)、今度の新機能は大きな改善と言えます。

 当面はアプリ内で貯めたポイントを50ポイント単位でユーザーが交換申請する形ですが、そんな面倒くさいことはやっていられないので、いずれは自動的にVポイントが付与されるようになるのでしょう。

 先日発表された「シェアボード」機能を追い越して実装されるという点が若干気になりますが、アプリのバージョンアップを待ちましょう。

2024/12/01

「貯まる家計簿」アプリがサービスを終了したようです

2024/10/06 2024年10月初旬の当Blog記事の人気ランキング の記事のなかで、

貯まる家計簿」の記事がトップ…!? 何があった?

 と申し上げましたが、どうやら「貯まる家計簿」アプリはサービスを終了したらしい…。ただし、このことに関するはっきりした情報が見つかりません。

  • Google Play←アプリが見つからない
  • 公式マニュアル←こちらはアクセス可能だがサービス終了に関する告知などは無い
  • 画面デザインを男性向けにした別版「俺の家計簿」←アプリが見つからない

 「貯まる家計簿 サービス終了」でググると、このキーワードで当Blogの 2020/10/04 「貯まる家計簿」のデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法 が検索されているので、データ変換のニーズが発生したのは事実です。↓の同記事のPVグラフを見ると、どうやら今年(2024年)のはじめにはユーザーに対するアナウンスがあったようです。筆者は2022年にスマホを更新した際に「貯まる家計簿」をインストールしなかったので気づけませんでした。

「貯まる家計簿」のデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法 の閲覧数推移

 ちなみ…Geminiに尋ねると↓のような回答でした。たまる家計簿 サービス終了のお知らせ と混同しているらしい。筆者が訊いているのは「貯まる家計簿」についてなんですがね。

Geminiの誤った回答

 「貯まる家計簿」はデータをインポートできる珍しいアプリだったので、サービス終了(したらしいの)は残念です。ただ、特に振替取引に関して非常に奇怪な動作をするので、その点が改善されなければ、友と呼ぶのは少々苦しかったでしょう。

 MFFマクロの、MFF形式→「貯まる家計簿」 のデータ変換機能は近々削除する予定です。 「貯まる家計簿」→MFF形式 のデータ変換機能は、当面は残しておくつもりです。

2024/11/25

マネーフォワードMEとZaimからパートナー間の家計簿共有機能が登場します

マネーフォワードME:2024/11/20付 【11月22日は「いい夫婦の日」】共働き夫婦・パートナー間で黒字家計を実現する管理スタイルは? 『マネーフォワード ME』、家計管理に関するアンケート結果とワークシートを公開

>『マネーフォワード ME』では、2025年1月下旬より、夫婦やパートナー間でお金の管理ができる新機能「シェアボード」を提供開始予定です。

>本機能は『マネーフォワード ME』の利用者同士で使うことができます。専用ページ内で、『マネーフォワード ME』に連携している金融関連サービスの口座から相手と共有したいものを選択することで、口座状況を一覧で確認可能に。さらに、連携した口座の入出金情報をもとに2人の家計簿も作成されるため、パートナーとともに家計・資産管理に取り組みやすくなります。

Zaim:2024/11/12付 「家計円満」のカギは家計状況の共有だった!家計簿アプリ「Zaim」 にふたりで管理する新機能「ペア家計簿」登場

>新機能「ペア家計簿」では、銀行や証券口座においてパートナーと共有したいものを選んで互いにシェア(共有)することができ、口座残高の合計や推移をいつでも見ることができます。また、「ふたりの意気込み」として一緒にお金に対する目標を設定することも可能。共通の目標を考えふたりのお金を”見える化”することで、お金について話し合うきっかけを作るコミュニケーションツールとして役立てることができます。

…とまあ、極めて近いタイミングで、オンライン家計簿サービスの両巨頭が、パートナー間での共有機能を極めて類似した形で提供することを公表しました。

 パートナー間での家計簿共有、と言えば先行事例はOsidOriですね。2020/12/22 OsidOriに苦戦していますから始まる連載記事でかなり詳細に取り上げましたが、それ以降はトレースしていません。しかし、当時でもOsidOriはかなり複雑な動作をする家計簿アプリであり、率直に申し上げて、使いこなせたペアは恐らくほとんど居なかったのではないでしょうか。

 OsidOriが複雑化した原因は、代行入力とか、精算管理とか、パートナーの家計簿データにある程度干渉するような機能を実装していたことにあります。それに対し、今回マネーフォワードMEとZaimがリリースするのは、どうやらパートナーのデータの一部を閲覧する機能にとどめるようで、それが賢明でしょう。この新機能は、当Blogの主題であるデータ変換とはあまり関連が無さそうですが、注目すべき新情報がありましたらまた取り上げたいと思います。

2024/11/17

クラウドストレージに家計簿データを入れるときは残容量への警戒を怠らないようにしましょう

 筆者は普段はマネーフォワードMEで日々の取引データを記帳し、月初めに、先月の取引データをダウンロードし、MFFマクロで変換してマスターマネーにインポートする、という運用をしています。マスターマネーのデータファイルはクラウドストレージに入れて、PCの起動不能といった事態に対策を打っているわけですが、今回はそれによって酷い目に遭いました。

 マスターマネーにデータをインポートして、それを保存しても、マスターマネーのデータファイルが全く更新されないのです。再度同じデータファイルで起動しても、データの中身はインポート前のまんま。ファイル名を変えて保存しても、新しいデータファイルがクラウドストレージの同期フォルダに入っていない…。愕然としました。我が友マスターマネーの動作がおかしくなったか? となると家計簿の運用を一から考え直さなければなりません。

 原因を探っている間に、一つの仮説にたどり着きました。クラウドストレージの容量を使い切っていて、サイズの大きいデータファイルが保存できなくなっているのではないか? ということです。MFFマクロで生成させたインポート用の小サイズのファイルは保存できている(そのおかげで手戻りは最小限で済みました)…。

 そこで、エクスプローラで同期フォルダを見ていると、データファイルのタイムスタンプは一瞬だけ最新の時刻になるのに、すぐに更新以前の時刻に戻っている…クラウドストレージ側でファイルを消してやがる! しかも、それをユーザーに通知もしない。これはかなり酷い仕様ですな。

 ストレージの容量を使い切った原因も判りました。家計簿ソフトはデータの破損に備えてバックアップデータを保存するのが通例で、かなり古いものがフォルダ内に大量に溜っていたわけです。古いファイルを即刻削除して残容量を回復したら上記の症状は治りました。

 クラウドストレージはファイルの更新履歴を遡行できる機能があるので、見かけのフォルダサイズ以上に容量を食っています。たまにはクラウドストレージにログインして残容量を確認しないとえらいことになりますね。いい教訓になりました(泣)。

2024/11/15

kakei+のインポート機能の強化は3年経っても検討中のままでした

 (株)婦人之友社のオンライン家計簿サービス「kakei+」について。以前、当Blogで取り上げたのは2021/12/30 kakei+へのデータのインポート方法は結局のところ不明 という記事です。

 実は、最近、kakei+から「再チャレンジのあなたも!2カ月無料キャンペーン」というメールが来たんですね。あれから3年近く経っているので、流石になにか機能増強が図られているのではないか、と思いまして、再チャレンジしてみました。

 驚くべきことに、退会した後も、筆者のデータはしっかり残っていました。これは親切と言うべきか、それとも、個人情報の取扱について苦言を呈するべきか…?

1.インポート機能の増強は行われていない

 残念ながら、kakei+のインポート機能は相変わらず、前身のPC家計簿ソフト「羽仁もと子原案 生活家計簿3.0」からのインポートのみをサポートしています。汎用的な家計簿データを取り込めるようにはなっていませんでした。ちなみに、↓の画面で2021年12月にインポートが完了している旨の情報が表示されていますが、これは当時筆者がkakei+へのインポートを試みたもので、結果としてはインポートに失敗しています。

2024年11月のkakei+

 ざっと見たところ、変わったところと言えば、↑の画面の左ペインにマニュアルのPDFへのリンクが追加されているぐらいです。このマニュアルはV2.0に更新されています。

2024/11/03

マネーフォワードMEに取引データを効率的に手入力する方法

 誰もが知っているオンライン家計簿アプリの雄「マネーフォワードME」については、運営会社が三井住友カードと資本業務提携を締結する(←プレスリリース)(簡単に言えばマネーフォワードとOliveが一体的に使えるようになる)とか、個人向けサービスたる"ME"の運営会社が変わる(←利用規約の改訂等のお知らせ)とか、いろいろ動きがあります。が、当面サービス内容に大変更は無いので当Blogでは華麗にスルーいたしまして、今回は、MFFマクロによってマネーフォワードMEをもっと便利に活用する方法をご紹介します。

1.スマートレシートのデータをマネーフォワードMEに手入力したい

 2023/12/23 MFFマクロV2.48出現 ACFによるMFF形式データ編集機能を強化しました の記事をアップした際にご紹介を忘れていたのですが…このバージョンではもう一つ機能を追加しておりました。それが、MFF形式データを、マネーフォワードME(Web版)に手入力しやすく変換する機能(サブルーチン名はMFF2MFME)です。

 マネーフォワードMEは、2018年12月に現名称に変更した際に、取引明細データをアップロードする機能を廃止しており、マネーフォワードMEが連携していないサービスのデータは手入力するしか無いので、せめてその作業をやりやすくしよう、というのがこの機能の狙いです。

 ここでは、例として「スマートレシート」という電子レシートサービスのデータ↓を、マネーフォワードMEに手入力する方法をご紹介します。スマートレシートについては 2023/11/04 電子レシート「スマートレシート」試用レポート からの連載記事を参照してください。

スマートレシートのデータ

 スマートレシートのデータをワークシートに読み込んだ状態で、MFFマクロを動作させる↑と、MFF形式へのデータ変換が行われます↓。このデータをマネーフォワードMEに手入力する、というのが今回の記事の主題です。

スマートレシートのデータをMFF形式に変換した

2024/10/19

マムクラウド家計簿のデータをMFF形式に変換する

←マムクラウド家計簿に関する前回の記事:2024/10/18 マムクラウド家計簿の難民救済策~MFFマクロV2.58出現

1.マムクラウド家計簿のデータについて

 マムクラウド家計簿のデータをダウンロードするには、2024/11/26 10:00までに専用ページで申し込みが必要です。その後、メール(迷惑メールとして振り分けられていないかご注意下さい)で送付されたURLからパスワード付ZIPファイルの形でDLできます(2024/12/10 10:00まで)

 このZIPファイル("kakeibo.zip")を展開すると、

  • 01_レシート入力.csv (支出・収入取引データ)
  • 02_収入入力.csv (収入取引データ)
  • 03_お金の移動入力.csv (振替取引データ)
  • 04_残高調整.csv (残高調整データ)
  • 05_取扱.csv (マムクラウド家計簿内の口座の定義情報)
  • 06_費目.csv (マムクラウド家計簿内の費目の定義情報)

 の6つのCSVファイルが入っています。エンコードはUTF-8、改行コードはCR+LF、BOM付ですので、Excelで直接(文字化けせずに)開くことができます。この6つのファイルのうち、家計簿データを再構成するために必要なのは01~04の4つです。

2.マムクラウド家計簿のデータを変換する

 そこで、上記の01~04のファイルをそれぞれExcelで開いた状態で(↓の画面例では"01_レシート入力.csv")MFFマクロ V2.58以降を動作させますと…

マムクラウド家計簿からDLした「レシート入力」のデータ

 データがMFF形式に変換されます↓。

マムクラウド家計簿の「レシート入力」のデータをMFF形式に変換した

2024/10/18

マムクラウド家計簿の難民救済策~MFFマクロV2.58出現

 2024/09/21の記事で既報のとおり、 マムクラウド家計簿が2024/11/26 10:00でサービスを終了します(←公式サイト)。それに伴い、これまでユーザーが入力してきたデータをダウンロードできるようになりました。

 そのデータをMFF形式に変換する機能をMFFマクロV2.58にて新設しました。詳細は次回に解説します。

MFFマクロV2.58の動作概念図

 本来、マムクラウド家計簿はサービス終了が決まっているので、当BlogとしてはMFFマクロを正式対応させず、MCK2MFFという、MFFとは別のマクロを暫定的に作成して公開するつもりでした。しかし、データをMFF形式に変換する際に、MFFマクロのサブルーチンを活用しなければ効率が悪いということが判明し、結局、MFFマクロへの機能追加という形になりました。これ以上プログラムが肥大化するのは避けたいんだけどなあ…

2024/09/21

マムクラウド家計簿がサービスを終了するそうです

 こんにちは。たこぶつでございます。昨年同様、ここ最近は社命による強制ボランティアに従事しておりまして、ブログの更新が滞っておりましたが、先日、さる読者の方から連絡フォームで情報をいただきました。オンライン家計簿サービス「マムクラウド家計簿(←公式サイト)」が2024/11/26をもって終了するそうです。詳しくは公式サイトをご覧ありたく。

 2024/07/29に新規登録受付とスマホアプリの提供が中止されているので、それより前に予告はされていたのでしょう。

 PC家計簿ソフト「てきぱき家計簿マム」のオンライン版である「マムクラウド家計簿」について、当ブログでは無視を決め込んでおりました。筆者の過去記事2020/07/21 開発元も教えてくれないうきうき家計簿シリーズの全体像 の最終段を参照しますと…2017年8月のメンテナンスで大幅リニューアルを行ったところ、トラブルが頻発。1年以上経過した翌2018年11月に有料機能(300円/月だった)を無料開放し、2019年12月にはPC版(てきぱき家計簿マム9(←当Blogの最初の記事))からのデータ移行機能の不具合修正を断念…という悲惨な状況でした。これでは使えるサービスとして皆様にご紹介するわけにはいかない…

 ただし、運営元たるSANTECのサービス終了手順は誠実なもので、ユーザーが個別に申し込めば、これまで蓄積したデータをCSVファイルとしてダウンロードするサービスを提供するそうです(標準でCSVファイル出力機能は実装していなかった)。オンライン家計簿のサービス終了時のたたみ方、すなわち「難民政策」は事業者によってけっこう差が大きくて、詳しくは2021/09/26 LINE家計簿が2021年11月8日をもってサービス終了 で述べていますが、データのダウンロードサービスを一般告知せずにサイレントで提供したLINE家計簿とか、かなり出来の悪いデータを提供したKakeibonとか、あまり誉められない事例もあるのです。

 なお、「マムクラウド家計簿」からダウンロードしたデータの形式や構造は、筆者は把握していないので、このデータをMFF形式に変換するツールを提供することは今のところできません。ご要望をいただければ、できる範囲で対処したいと存じます。

【2024/10/19追記】マムクラウド家計簿→MFF形式 のデータ変換機能は、MFFマクロV2.58で対応しました。

2024/08/24

超簡単家計簿のデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法

←超簡単家計簿関連の前回記事:2024/08/20 MFFマクロV2.57出現 超簡単家計簿からのエクスポートに対応


 今回は、MFFマクロV2.57を活用して、超簡単家計簿からエクスポートしたExcelファイルのデータをMFF形式に変換する手順を解説します。

1.超簡単家計簿からExcelファイルをエクスポートする

 今回、対象とするデータを↓に示します。超簡単家計簿の欠点として、入力した情報が、かなり省略した形で表示されることが挙げられます。カテゴリを示すアイコンと、メモ欄の内容(フォントサイズを最小にしても9文字目以降は"…"になる)、そして金額のみで、どの口座から支払ったのかが判りません。もうちょっと情報量を増やして欲しいところですなあ。

2024年7月分のサンプルデータ

2024/08/20

MFFマクロV2.57出現 超簡単家計簿からのエクスポートに対応

←超簡単家計簿関連の前回記事:2024/08/18 「超簡単家計簿」をご紹介します


 超簡単家計簿からエクスポートしたデータをMFF形式に変換する機能を新設したMFFマクロV2.57を公開します。例によって、ソースリストと導入方法はこちらのページをご覧下さい。

MFFマクロV2.57の動作概念図

 この↑動作概念図も随分縦長になったものだ…。もしかすると、筆者が気づかないうちにアプリ側でデータ形式が変わって、MFFマクロが対応しなくなっているケースがあるかもしれませんMoneyPro とか かけ~ぼ とか、実例はあります)。筆者も全アプリの保守的な動作確認はしておりませんので、そのようなことがありましたら右ペインの連絡フォームでお知らせいただけますと幸いです。

 なお、V2.57では、マネーフォワードMEに対する動作の改善も行っております。これについてはまた別途解説します。


 次回は、超簡単家計簿のデータをMFF形式に変換する方法をご紹介します→

2024/08/18

「超簡単家計簿」をご紹介します

 今回から、Androidスマートフォン向け家計簿アプリ「超簡単家計簿」を取り扱います。2022年10月リリースながら全世界で100万DLを越えていますGoogle Playの当該ページはこちら。ただし、アイコン名は「家計簿」で、困ったことにシンプル家計簿MoneyNote(←リンク先は当Blogの記事群)と同じになります。黄色地の猫のアイコンが目印です。

 先に申し上げておきますと、データインポート機能は無く、データエクスポート機能は有料機能です。プレミアムプランは2024年8月17日現在、2000円/年。つい先日まで1320円/年だったはずなのですが…。

 なお、このアプリ、開発元(Holoscope365)は「カナヘイの家計簿ストーリー(←リンク先は当Blogの記事群)を強く意識しているらしく、Google Playには↓(左側)のような記述があるのが面白いです。

なんか面白いことが書いてある

2024/08/04

JREBANKのオンライン家計簿アプリとの連携について

 JR東日本が開設した銀行「JREBANK」については、2024/04/17 JREBANKってできるらしいですけど で触れましたとおり、オンライン家計簿アプリとの連携機能がどのように実装されるのか、が気になっておりました。

 メジャーな家計簿アプリ3社の対応は以下のようになっております。

  • マネーフォワードME
    連携先にJREBANKは登場せず、楽天銀行の「JREはやぶさ支店」「JREこまち支店」といった、楽天銀行の一支店として連携機能を設定します。
  • Zaim
    連携先にJREBANKが登場しており、連携を設定する際に楽天銀行のサイトにアクセスして認証するようになっています。
  • MoneyTree
    連携先にJREBANKが登場しません。楽天銀行との連携は有料機能となっているため、テストはできませんでした。

 JREBANKは楽天銀行のBaaS(Bank as a Service)により構築されており、オンライン家計簿アプリとのAPIによる連携機能は、楽天銀行を介して提供されるのだろう、と考えていましたが、実際そのとおりでした。取りあえず良かった。

2024/08/03

Let’s家計簿のインポート機能の不具合について

 今回は、前回で予告しました、Let's家計簿のインポート機能の不具合とその回避方法を解説します。実は、不具合は筆者が現在発見しているものが2つあります。

1.インポートをキャンセルしても未登録の口座や費目が登録される

 まず、↓のようなMFF形式データをLet's家計簿インポート用データに変換します。ただし、あえてACF機能は使いませんので、Let's家計簿に登録していない口座や費目が含まれています。

MFF形式データをACFを使わないでLet's家計簿向けに変換する

 MFFマクロが出力したLet's家計簿インポート用ファイルの中身は↓です。

ACFを使わないで出力したLet's家計簿インポートファイル

2024/08/02

他の家計簿アプリのデータをLet's家計簿向けに変換してインポートする方法

 今回は、前回とは反対に、Let's家計簿へのデータインポートの方法を解説します。

1.Let's家計簿側の準備

 Let's家計簿は、データのインポート機能に不具合があり次回の記事で述べます)、それを回避するにはMFFマクロを使用する前にACF機能(Account and Catogory Fixer)を使って、費目や口座名に「Let's家計簿に未登録のものが無いように」整えなければなりません。以下に、Let's家計簿の口座・クレジットカード・費目の設定例を↓に示します。

Let's家計簿の口座の設定例
Let's家計簿のクレジットカードの設定例

2024/08/01

Let's家計簿からエクスポートしたCSVファイルデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法

前回のLet’s家計簿関係記事:2024/07/30 Let's家計簿再登場記念 MFFマクロV2.56出現

1.Let's家計簿からCSVファイルを出力する

 今回は、MFFマクロV2.56(以降)を使って、Let's家計簿からCSVファイルで出力した家計簿データをMFF形式に変換する方法を解説します。使用するデータはLet's家計簿に標準的に入っている「家計簿の入力サンプル」で、2007年2月を対象にします。画面上では↓に示すとおりで、

2007年2月のサンプルデータ

2024/07/30

Let's家計簿再登場記念 MFFマクロV2.56出現

前回のLet's家計簿関係記事:2024年にLet's家計簿を使い始める方のための入門編その3


 2024/07/13 【特報】Let's家計簿がフリーウェア化 でご報告しましたとおり、Let's家計簿が有力なPC家計簿ソフトとして再登場したことを受けて、MFFマクロもV2.56にて対応しました。前回のバージョンはV2.54で、V2.55は諸般の事情により未公表となります。

 ↓のチャートの左側・右側双方にLet's家計簿が登場して、これは当Blog的には大変うれしいことです。なお、Let's家計簿はOFXファイルでのデータインポートも可能ですが、当Blogでは性能評価をしていない(多分今後もしないでしょう)ので青の矢印は記載していません。

 ソースリストと導入方法についてはMFFマクロの導入法と使用法の固定ページを参照して下さい。

MFFマクロV2.56の動作概念図

 これから、Let's家計簿からのエクスポートLet's家計簿へのインポートについて解説記事をアップしていきます。予告しておきますと、残念ながら一筋縄では行かない奴ですよコイツわ。

2024/07/23

マネタメにCSVファイル入力機能が登場

 これは朗報です。Androidスマートフォン向け家計簿アプリ「マネタメ」にCSVファイル入力機能が登場しました。

マネタメV2.14.0でCSVファイル入力機能が出現

 ただし、現時点では、マネタメのCSVファイル入力機能でインポートできるのは収入・支出取引のみで、振替取引はまだ対応していないようです。また、CSVファイル出力機能も、振替取引には未対応でした。

2024年7月時点のカケイとマネタメのCSVファイル関係機能

 前作「家計簿カケイ」と「マネタメ」のCSVファイル関係の機能実装状況をまとめると↑のようになります。当Blogでは、マネタメが振替取引を完全サポートしましたら、MFFマクロの新バージョンをもって対応したいと考えています。こりゃ大ネタになること必定。一応、「マネタメ」のラベルは新設しました。

2024/07/22

2024年にLet's家計簿を使い始める方のための入門編その3

 前回の記事:2024/07/21 2024年にLet's家計簿を使い始める方のための入門編その2

 今回はLet’s家計簿のレポート機能についてです。

6.Let's家計簿のグラフ機能

 グラフ機能には↓のようにアクセスできます。

Let's家計簿のグラフ・レポート機能へのアクセス

 ↓は「今年度の月次比較グラフ」。2007年1~12月で表示していますが、Let's家計簿は年度の始まりの月を任意に指定可能であり、2007年4月~2008年3月で表示させることもできます。

Let's家計簿の「今年度の月次比較グラフ」

2024/07/21

2024年にLet's家計簿を使い始める方のための入門編その2

 前回の記事:2024/07/20 2024年にLet's家計簿を使い始める方のための入門編その1

 今回はLet’s家計簿の入力手順について。画面は「家計簿をつける」の一つだけですが、この家計簿ソフトは場面によってかなり複雑な挙動をします。慣れないうちはかなり戸惑うのではないでしょうか?

5.Let's家計簿の入力UI

 Let's家計簿のサンプル家計簿で解説します。すでに、2007年1月3日にジャスコで3件、トイザらスで2件の買い物のデータが入っています。Let's家計簿は、同じ日に同じ「お店」で買い物をした、というデータを複数入力すると、「レシート合計(3件)」のように合計金額を表示する機能があり、いわゆる複合仕分が可能です。その前に青文字で[一括]と表示されているのは、支出がクレジットカードであり(口座欄の"ViewSuica"の前に★が付いている)、一括払いで入力されていることを示しています。

 ここでは、同じ1月3日に「アトレ」で2つの品物を買った、という支出データを追加入力します。まず、その日付のセルを選択し↓、

 コンテキストメニュー(マウスの右ボタンをプレスすると出現する)の「ここに一行挿入」を選択します↓。

2024/07/20

2024年にLet's家計簿を使い始める方のための入門編その1

 2024/07/13 【特報】Let's家計簿がフリーウェア化 で予告しましたとおり、Let's家計簿の連載を始めたいと思います。まずはインストールした直後からです。インストール作業そのものに特別な事柄はありません。

1.Let's家計簿の初回起動はこんな感じ

 Let's家計簿は、起動すると、操作する家計簿を選択するためのダイアログを表示します↓。初回起動時には、「家計簿の入力サンプル」という名称の家計簿データがすでに入っており、このデータを選択すると…

Let's家計簿の起動画面

 ↓このように、基本画面と共に、いくつかのチュートリアルが表示されます。Let's家計簿が支持されてきた理由の一つが、ユーザーが初めて行う操作についてバルーンやダイアログでガイドする機能が充実していることです。また、この家計簿のサンプルは、2007年1月~2008年6月の18ヶ月間のデータが入力されており、集計表やグラフといった、ある程度データが蓄積されていないと無意味な機能を試すことができるのが何ともありがたいです。

Let's家計簿の初起動後の画面

2024/07/13

【特報】Let's家計簿がフリーウェア化

 7月10日付の「窓の杜」の記事によれば、PC家計簿ソフトのかつての巨頭たる「Let's家計簿」が、2024年7月6日をもってシェアウェアからフリーウェアに移行されたそうです。

 Let's家計簿については、作者の公式サイトの更新が2015年に停止しており、SNSにはシェアウェアフィーを振り込んでも作者から連絡が来ないとの泣きのメッセージが入るなど、何やら不穏な状況になっておりました。筆者(たこぶつ)としても、そのようなソフトを取り上げるわけにはいかないためダンマリを決め込んでいたところ、上記の情報に接したわけです。

 Let's家計簿は1998年に出現し、最終バージョンが2013年のV5.93。インストール後、30日の試用期間が経過した後は、上記の記事にあるユーザーIDとパスワードをユーザー登録画面で入力すれば継続使用できます。今後、アップデートされる可能性は皆無ですが、家計簿ソフトってものは、致命的なバグが排除されていれば、古くても実用上の問題は発生しません。マイクロソフトマネーがそうであるように…。

 というわけで、当Blogとしても、最終更新から11年が経過したLet's家計簿を今更ながら取り上げようと考えています。しばしお待ちありたく。

2024/06/22

レシーカ試用レポート

 レシーカは、レシートを撮影するとVポイント(旧Tポイント)をゲットできるiPhoneおよびAndroid向けアプリです。また、レシートデータの手入力ができるほか、買い物の一つ一つに費目を設定して費目別の支出管理が可能。さらに、収入を入力して収支管理までをサポートしています。

 ただし…結論から申し上げれば、データをアプリの外へ持ち出す機能はありませんので、当Blogにおいては継子扱いとならざるを得ません。では、その前提で、レシーカの概要を「少なくとも他のアプリ紹介サイトよりは」詳しくご紹介していきましょう。

1.レシーカの現状

 レシーカの公式サイトは←こちらをご覧下さい。Google Playにおけるレシーカのページはこちらです。無料でサービスを提供しているアプリではありますが、レビューを拝読するに、ポイント付与のルールが変更されたり、動画広告を閲覧させられたり、と、アプリの運用が変更されるたびに評判を落としています。ただ、情報が古いので、現在のレシーカはそこまでダメなのか…?と疑問に思って今回のレポートを思い立った、というのが事の次第です。

 レシーカは、あらかじめお手持ちのVポイントカードの番号をYahoo! IDに紐づけておき(Yahoo!ズバトク というサービスで行う)、アプリの初回起動時にYahoo! IDを入力しなければVポイントは付与されません。

 現在のレシーカ(Android版)の代表的な画面は↓のとおりで、若干画面の右端が見切れてしまっているのが気にはなりますが、筆者が少々取り扱ってみたところでは特段不具合のようなものは感じませんでした。

レシーカのホーム画面・サマリ画面・カレンダー画面

2024/06/14

イオンが電子レシートを全国で導入するのですがアプリからCSVファイル出力はできないそうです

 イオングループが提供しているスマートフォン向けアプリ「iAEON」の一機能として、イオングループの店舗で買い物をした際のレシートを電子化して受け取ることが出来る「レシートレス機能」を提供するそうです。Impress Watchの記事「イオン、全国で電子レシート導入 約4000店」はこちら。

 導入目的は、利便性の向上と、環境への配慮としてのペーパーレス化。

 で、筆者としては当然ながら「iAEONから電子レシートのデータはCSV出力できるんだろうな」と考えるわけです、が、公式サイトの電子レシート機能に関するFAQページを見てみますと…

iAEONの電子レシートデータ出力機能に関する冷たいQ&A
電子レシート機能に関するFAQを引用

…とまあ、何ともバッサリ斬って捨ててくれる素晴らしい回答! 「お客様からのご意見をいただきながら検討してまいります」的な美辞麗句も無い。

 しかし、当Blogで既にご紹介した「スマートレシート」と「レシマル(Recemaru)」はできるのでありまして…この時点で筆者的にはiAEONのレシートレス機能はボロ負け確定です。イオングループの皆さんは他社のサービスは研究していないのか…? FAQには入っているのですから要望があることは認識しているのでしょうけど。

2024/06/13

2024年6月時点のマネタメの状況

  2023/12/27 当Blogのマネタメへの対応について から半年。Android向け家計簿アプリ「マネタメ」は、作者の宣言どおり、2024年3月の時点で前作「家計簿カケイ」のデータを取り込んで引き継げるようになりました。が、筆者が2024年6月7日にアプリを立ち上げた状態↓では、まだ仮対応である、ということになっています。

2024_06_07にマネタメを起動したら出てきた

 また、マネタメの大きな課題であるところの

  • 振替取引のデータをエクスポートできず、エクスポートしたデータから家計簿を再現できない
  • アプリ外からデータをインポートできない(カケイの引継ぎ用データファイルは完全な独自形式だった…泣)

 の2点について、今後どうなるかはアナウンスされていません。これは困ったな、というのが現況です。当Blogではまだ「マネタメ」のラベルを設けることはできませんな…。

 また、マネタメはバージョンアップするとアプリ起動時に↑のような画面を表示するのですが、一度画面を閉じてしまうと、その後はどこをどう操作してもこの画面を再び見ることはできず、次のバージョンアップまで待たねばなりません。これもかなり残念なことであります。

2024/05/20

Moneytreeのデータ閲覧期間短縮その後

 2024/05/12 Moneytreeの無料プランのデータ閲覧期間が短縮されますでお伝えした件ですが、サービス内容切り替え日である5月13日以降も、筆者の過去の取引データは2016年9月まで溯って確認できています。「順次」対応するということなので、いきなり過去データが見えなくなるわけでは無さそうです。

 また、 2020/06/19 Moneytreeのデータを、他の家計簿アプリ向けに変換する でご紹介したMFF形式へのデータ変換も可能なままです。ここを改変されるとさすがに辛いので、この点でも良かったと言えますね。

2024/05/12

Moneytreeの無料プランのデータ閲覧期間が短縮されます

  当BlogでMoneytreeについて触れるのは2022/03/17の記事以来2年ぶりです。公式サイトによれば、2024/05/13(つまり明日じゃん!)以降、Moneytreeの無料プランのデータ閲覧期間が過去12ヶ月に短縮されることになりました(従来は永年であった)

 筆者は、これをサービス改悪と言ってのける方々には与しません。もともと無料で、しかも広告表示も無しで提供されてきたサービスであり、過去1年間のデータが確認できるなら御の字でしょう。そもそも、Moneytreeは家計管理を目的としたアプリではありませんから、得られたデータは 2020/06/19 Moneytreeのデータを、他の家計簿アプリ向けに変換する でご紹介した方法でMFF形式に変換して、他の家計簿アプリで活用すれば良いわけです。

 …もっとも、明日以降も先の方法でのデータ変換ができるのか、はまだ判りませんがね(【2024/05/25追記】:可能でした)。画面デザインが変更されたら、MFFマクロのMT2MFFサブルーチンも作り直しですが、それでは対応できないような変更内容になるかもしれません。しばらく注目していましょう。

【追記】そう言えば、最近 2021/02/07 家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能に関する各論(Moneytree・Zaim篇) の記事の人気が上昇していたのですが、Moneytreeについての情報を求めた読者の動きがあったのですかね…?

2024/04/19

楽天家計簿がいきなり出現

 まずは 楽天、無料の家計簿アプリを突如リリース 1000以上の社外サービスとも連携可能(ITMediaの記事) をご覧ありたく。2024/04/17に出現したそうです。公式サイトはこちら。

 上記の記事の文面から解釈すると、

  • 標準で楽天銀行・楽天カード・楽天モバイル・楽天Edy・楽天市場・楽天ポイントなどと連携
  • 楽天銀行は1口座、その他の銀行1口座と連携可能
  • 銀行以外の他社(楽天グループ以外という意味らしい)サービスとは3アカウントまで連携可能
  • (楽天グループ以外の)1000以上の他社サービスが連携対象となっている

 という具合で、当面無料機能のみ。2024年中に楽天証券等の証券会社との連携による資産管理機能を提供し、さらに拡張機能をサポートした有料プランを提供する、とのことです。

 画面デザインを見ると…どうやらZaimと提携して開発しているようですね。

 とすると、取引データを外部に出力する機能は有料機能となりそうです。もしくは、アプリの狙いが「楽天経済圏にユーザーを縛り付ける」ことと考えれば、提供されないかもしれません。

 さて「見せてもらおうか、楽天家計簿の性能とやらを」と、早速テストに入ろうとしましたが、当面リリースされるのはiOS版だけ。Android版は後日だそうです。ひでえことしやがる…。

2024/04/18

Money通帳・あっと家計簿の2024/02/21バージョンアップについて

 2024/02/21に、Windows PC向け家計簿ソフト Money通帳(フリーソフトがV2.03、あっと家計簿(シェアウェア版)がV3.94にバージョンアップされました公式サイトはこちら)。2022/12/31 Money通帳・あっと家計簿のバージョンアップについて 以来です。

 なお、両者とも↓のように改善点は同じです。

  • 電子明細ファイルのインポート機能を改良しました。
  • 日別集計表を改良しました。
  • カレンダー画面で、日記アイコンダブルクリックで編集できなくなっていたのを修正しました。
  • こまかなバグの修正・機能改善をしました。

 当Blogとしては一番目に注目すべきところですが、前回のバージョンアップでも特に改善点が見い出せず、また(筆者としては)OFXファイルでのインポートを推奨していないこともありますので、改めてのレポートはしない予定です。

2024/04/17

JREBANKってできるらしいですけど

  新しい銀行ができるらしいですね公式サイトのPDFはこちら。そのサービス内容はともかくとして…当Blog的に気になるのが「銀行オープンAPIによるPFM※サービスとの連携機能は提供されるのか?」ということです。

※:Personal Financial Management:個人財務管理。マネーフォワードMEやZaimに代表される、金融機関から自動的に取引・残高データを取得してユーザーに提供するAccount Aggregation機能を提供するサービス。

 JREBANKは楽天銀行のシステムに相乗りする形で構築するそうです。マネーフォワードMEおよびZaimは楽天銀行とのAPI連携ができるので、仕組み的には実装できるのでしょうけど…JREBANK側が、PFM事業者(電子決済等代行業者)とAPI連携に関する個別契約を締結する、という事務手続きを落とさずにやっているか? という点がちょっと心配です。わかってやっているといいんだけどなあ…

 【追記】その後のフォローは 2024/08/04 JREBANKのオンライン家計簿アプリとの連携について を参照してください。

2024/04/15

新年度から家計簿アプリを始めるなら多分シンプル家計簿MoneyNoteがいいと思う

 新年度を機会に家計簿アプリに挑戦した皆さんの中には、二週間が経過しまして、もうすでに諦めて止めてしまったという方もそこそこいらっしゃるかと思います。

 今回は、そういう落ちこぼれてしまった方のために、新年度が始まってまだ時間が経っていないうちに、リトライに向けて家計簿アプリの選び方を解説してみたいと思います。

1.多機能系アプリにいきなり飛びつくのはやめておこう

 マネーフォワードMEやZaim等に実装されている「銀行口座・クレジットカード等のオンラインサイトと連携して取引データを取得する」機能はアカウントアグリゲーションサービス(AAS)と呼ばれています。大変便利な機能ではありますが、家計簿アプリの初心者がいきなりAASを実装した多機能系家計簿アプリに手を出すのはやめておいた方がよろしいでしょう。

 その理由は、

  • AASの設定に必要な、金融機関のオンライン機能の利用申請から使用開始までに手間と時間を要し、その間に意欲が減退する→こんな面倒くさいことをするぐらいならやらないほうがいいや
  • 仮に家計簿アプリにAASの設定ができたとしても、次々と取り込まれてくる取引データに振り回されて、結局面倒くさくなって放置してしまう→放置していてもデータが蓄積されるのは良いが、支出の使途(費目)や、何を買ったか(品名)等は入力されないままで何の役にも立たない
  • 多機能系アプリは課金しないと満足に使えない→自分にとって「課金しなければならないほどの価値を提供してくれるアプリか?」が判らないうちに課金するのは高リスク→無料機能はお試しにもならない

 といったところですが、重要なのは無料機能はお試しにもならないという点です。

 多機能系アプリは、無料で提供している機能をお試し版としているわけですが、これは「アプリの使い勝手」のお試し版であって、「家計簿をアプリで付ける」という行為を習慣化するには向かないのです。

2.最初から完璧を目指さない

 家計管理には、資産管理、口座管理、収支管理、支出管理…という具合に、目的や細かさによって管理レベルに種類がありますが、これから家計簿を付けようというしている方に必要なのはまず収支管理・支出管理というところでしょう。そして、財布の中身、銀行口座、クレジットカードの利用額等すべての数字の勘定が合っていないと気分が悪い…というタイプの人は、そもそも家計簿アプリを使うのが苦にならない気質の持ち主のはずです。

 まずは、全てを把握することはできずとも、一か月間に、何にいくら使っているのかを把握することから始めてはいかがでしょうか。そこで、初心者向けに良く言われる「ざっくり管理」(概算入力)ですが、筆者は金額を大雑把に記帳するのはお奨めしません。個々の取引は日付・金額・使途を正確に記帳しつつ、その中で入力漏れの買い物があってもまあいいや、と考えた方がよろしいでしょう。実は筆者も財布の中の現金の残高が合わず、「謎」という使途不明金の費目で記帳する(そしてその謎が解けることはまず無い)、なんてことが頻繁にあります。

 収支管理・支出管理ができるレベルの家計簿アプリからスタートして、「家計簿をアプリで付ける」という習慣が自分に根付くかどうか、を試すのが先決です。

3.データのエクスポート機能が無料提供されているアプリを選ぶ

 そして、ここが肝要。とりあえず収支管理なり支出管理ができる家計簿アプリでスタートしても、慣れてくれば物足りなくなってくることもあるでしょう。特に欲しくなってくるのは銀行口座やクレジットカード別に残高管理ができる機能です。そうなったときに、他の家計簿アプリに切り換えるにしても、これまで入力してきたデータを持ち出して引き継げないというのは泣けてくる事態です。

 そこで、最初に友とする家計簿アプリには、データをエクスポートする機能が無料で提供されているものを選ぶことを激しくお奨めします(データをインポートできる機能までは必要ありません。それが必要になったときには、とっくに初心者の域を脱しているからです)。当Blogでこれまでに取り扱ったAndroidスマートフォン用家計簿アプリでそのようなものを挙げると

 このようなところが挙げられます。

4.家計簿アプリ初心者にお奨めなのは

 筆者の独断と偏見で申し上げると、初心者向けの家計簿アプリとしては「シンプル家計簿MoneyNote」が優れているように思います。

 ↑のリンク先の記事を追っていただければ判りますが、このアプリには口座という概念が無いので、データ入力の際に入力項目が減っています。その分のスペースを使って、カテゴリー(費目)の指定がアイコンの一発選択だけでできるという画面設計になっているので、入力する際の手数が少ないのです。また、各種のレポート機能が充実しているのも嬉しい。

MoneyNoteの入力UI

 当Blogが提供しているMFFマクロでは、データ入力の際に、シンプル家計簿MoneyNoteのメモ欄に (口座名/)(内容)(@店名)(※備考)(カッコ内はそれぞれ省略可能)という 拡張MFF書式 で入れておけば、このデータをエクスポートしてMFF形式に変換する際に、データに口座名が含まれるようにする機能を提供しています。他の家計簿アプリにデータを持ち込む時に比較的スムーズに処理できます。

 MoneyNoteに不足を感じたら…? そのときは再び当Blogの記事を漁って、次の方策を考えましょう。

2024/04/06

「ひかる」の検索機能・予算機能・グラフ機能

 2024/03/17 「ひかる」に、他の家計簿アプリからのデータを持ち込むためのデータ変換方法 で「ひかる」関係の連載は終わったわけじゃないですよ~

 データを一挙にインポートできるようになったので、大量のデータを入れないと調査できない機能をレポートします。

1.検索機能

 いきなりですが、「ひかる」の検索機能は正直申し上げて残念な部類に入ります。↓は2023年11月の「光熱費」という支出項目の取引データを検索したところですが…借方のデータしか抽出しないので、貸方(すなわち決済方法)が判らないのです。これは「ひかる」のデータ構造がそうなっているので仕方がありません。

 また、この検索結果をファイルとして出力するような機能も無いです。これはかなり惜しい。

「ひかる」の検索機能(項目で検索)

2024/04/01

おかねのコンパス for TT がサービス終了

 2020/12/16 老後資金が気になってきた人のためのアプリ「おかねのコンパス」試用レポート でご紹介した「おかねのコンパス for TT」が2024年6月30日でサービス終了となるそうです。ユーザー宛のメールにて通知が来ました。

 2020年1月にサービス開始ですから4年半の命脈でした。

 このアプリは明細データを外部に出力する機能は提供されていないので「明細データ移行の対応はございません」だそうです。うぬう…!

2024/03/30

家計簿アプリとデータをやりとりするファイル形式のまとめ(第二版)

 二年前の2022/03/14 家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめでご紹介した情報をアップデートしました。

1.家計簿アプリからエクスポートされるファイルの形式一覧

家計簿アプリからのエクスポート

2.家計簿アプリへインポートするファイルの形式一覧

家計簿アプリへのインポート

…これは筆者の備忘を兼ねた参考情報です。何かのお役に立てば幸いです。間違っていたらごめんなさい。

2024/03/29

GnuCashV5シリーズからエクスポートした取引データに対応したMFFマクロV2.54登場

 2024/03/23 GnuCashからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する機能を修正中 で予告しましたように、GnuCashは、V5.0以降で、エクスポートした取引データの形式が変更されたようで、従来のMFFマクロではMFF形式へのデータ変換がうまくできなくなっておりました。そこで、今回MFFマクロをV2.54に更新してこの問題に対処しました。

1.GnuCashの仕様変更とは?

 GnuCashV5シリーズからの取引データのエクスポートは、V4シリーズと同じで、2021/11/17 GnuCashからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する(前篇)でご紹介した方法で行えます。

 GnuCashV4シリーズからエクスポートした取引データの例を↓に示します。

GnuCashV4から出力したCSVファイル

 V4シリーズのGnuCashは、通常、複式簿記の貸方・借方に相当する2行で1データを構成します(貸方・借方の順序は決まっていない)。また「スプリット取引」(1回の取引で複数の貸方・借方を記帳する、いわゆる複合仕訳)では、取引の1行目に相当する「親取引」にのみ日付~アクションの8列に情報が入り、2行目以降(当Blogでは便宜的に「子取引」と呼びます)はこの8列は空欄となります。

 このデータ構造は、データ変換のうえでは結構面倒臭そうに思えますが、「取引データの境界がはっきりする」というメリットがあるのです。

注目の記事

家計簿アプリとデータをやりとりするファイル形式のまとめ(第二版)

 二年前の2022/03/14 家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ でご紹介した情報をアップデートしました。 1.家計簿アプリからエクスポートされるファイルの形式一覧 2.家計簿アプリへインポートするファイルの形式一覧 ...

最近の人気トップ3