_2021/01/15「家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較」をベースにした家計簿アプリ別各論の第三弾(前回の記事はこちら)はMoneytreeとZaimを取り上げます。
5.Moneytree
_Moneytreeはアカウントアグリゲーションサービス(AAS)を主軸としているためエクスポートのみが可能で、しかもそれは有料サービスです。しかし、Moneytreeの有料プランは家計管理ではなく経費精算を主目的としているので当Blogでは取り扱いません。そこで2020/06/19「Moneytreeのデータを、他の家計簿アプリ向けに変換する」では、Web版(無料)からクリップボードにコピーしたデータをExcel上にペーストし、さらにMFF形式に変換する方法をご紹介しています。
_しかし、その「方法」という奴を適用してもですね、
- AASで取り込んだデータを、当Blog独自の書式で補完しなければならない
- 月単位でなければコピペできず、絞り込みもできない
- コピペ自体に手間がかかる
_ということで、2021/01/15の記事における評点は18…と、低性能と言わざるを得ません(点数は操作上の障壁を示しているので数字が大きいほど低性能です)。まあ、本来できないはずのことを無理矢理やっているのに一方的に「低性能」と言ってしまうのはMoneytreeには酷でしょうけど。
_ちなみに、有料版でダウンロードできるCSVファイルについては「MoneyTree&Excel。スマホで全資産をチェック、経理にも家計簿にも便利なしくみ。」という別ブログの記事に紹介されているのですが…
- 口座名にニックネームではなく本物の口座番号が入る(これは個人情報保全の面ではやめてほしい)
- 全データが問答無用でダウンロードされる
_といった厄介な仕様のようでして、こちらも高性能という評価はし難いです。
6.Zaim
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インポートに関する記事(評点18)
2020/07/09「Zaimに他の家計簿アプリから変換したデータをアップロードする」 -
エクスポートに関する記事(評点7)
2020/07/08「Zaimからダウンロードしたデータを他の家計簿アプリ向けに変換する」
(1)インポート
_マネーフォワードME、Moneytree、そしてZaimをAAS付家計簿アプリの3巨頭としますと、他の家計簿アプリのデータをインポート(Zaim用語では「アップロード」)する機能があるのはZaimのみです。実際、2020年4月でサービスを終了したKakeibon、同12月のレシーピ!(iOS版)のデータを受け入れる処置もしています。
_そのインポート機能は評点18と、これまでご紹介したDr.Wallet、MoneyPro、Money通帳・あっと家計簿よりも優秀です(あくまで当BlogのMFFマクロを使用する場合に限ってのことです)。なぜなら、上記↑の記事でご紹介したように、ZaimはZaim形式のCSVファイルのアップロードであれば、特別な操作なしにあっさりとデータを受領するからです。ただし、Zaimに未登録の口座名・費目名がデータに含まれていても、ユーザーに無警告で新規の口座・費目を勝手に作ってしまうという仕様なので、ヘタをするとデータが滅茶苦茶になってしまうリスクもはらんでいます。
_そのリスクを回避するため、MFFマクロには、MFF形式のデータを、予め家計簿アプリに登録済の口座名・費目名に手動で変換しておくための機能(Account and Category Fixer)を備えています。Zaimへのデータのアップロードは事実上この操作が必須なので、それを割り引いた結果が評点18(=未登録口座・費目に対処する機能がある家計簿アプリよりは低性能)となるわけです。
_なお、ZaimはAASの対象口座であってもユーザーがデータの追加・変更・削除が可能であるため、非常に複雑な操作が必要ではありますが、AASで連携する以前の取引データを当該の口座にアップロードして連結できます。
(2)エクスポート
_Zaimからのデータのダウンロードは、無料版ではAASによって取得したデータが除外されるという制限があります。データの絞り込みは日付のみで可能という仕様が若干残念ではありますが、重要データの欠落などの実用上の問題点はありません。