2021/02/05

家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能に関する各論(Money通帳・あっと家計簿篇)

_前回に引き続き、家計簿アプリ別のデータインポート/エクスポート機能の性能評価に関する解説です。今回はWindows PC向け家計簿「Money通帳(フリーソフト)・あっと家計簿(シェアウェア)」について取り上げます。

3.Money通帳・あっと家計簿(Mode1運用)

_2020/08/25「Money通帳・あっと家計簿の運用に関するまとめ」でご紹介した図版を再掲します↓。

_Mode1・Mode2とは、筆者が勝手に命名している運用法で、Mode1がMoney通帳・あっと家計簿の特徴である3000種類の品名をベースとした運用、Mode2はその3000種類の品名をガン無視し、他の家計簿アプリと同様の費目名称を設定する運用です(「あっと家計簿」のみ可能です)。まずはMode1を取り上げます。

Monry通帳・あっと家計簿のデータ運用

  • エクスポートに関する記事
    • TSVファイル:2020/08/18(評点18)
      出力されたファイルには費目情報が含まれず、支出・収入の区別もできない。事実上、使い物にならない。
    • CSVファイル:2020/08/19(評点9)
      年度ごと・口座別に出力される。
  • インポートに関する記事
    • OFXファイル:2020/08/20(評点24)
      他の家計簿アプリのOFXファイルインポート機能と比較すると、品名を割り付ける際の学習機能の面で優れているが、手間を要することには変わりが無い。
    • CSVファイル:2020/08/21(評点22)
      全部の取引データについて3000種類の品名を割り付ける操作が必要になる。

_率直に申し上げて、「他の家計簿アプリとデータをやりとりする」という使途では、Mode1運用は全く向いていません。Money通帳で家計簿を入力し、そのデータをCSVファイルでエクスポートして他の家計簿向けに変換する、という一方通行のみが現実的な使い方になります。

Money通帳にCSVファイルでインポートする

4.あっと家計簿(Mode2運用)

  • エクスポートに関する記事(2020/08/23
    • TSVファイル(評点13) 
      全データが問答無用で出力される。
    • CSVファイル(評点9) 
      年度ごと・口座別で出力される。
  • インポートに関する記事(2020/08/24
    • OFXファイルでインポートする意味は無いので評点なし
    • CSVファイル(評点21)
      Mode1運用のCSVファイルインポートの評点22に近いが、その内訳は全く異なる。費目の初期設定に大きな手間が必要となる代わりに、その後のインポートは円滑にできるようになる。

_Mode2運用は、開発元が本来想定している「あっと家計簿」の使い方とは全く異なりますが、現実に他の家計簿アプリと円滑にデータを(相互に)やりとりするとなれば、このようにしなければならないでしょう。特に、TSVファイルによる「全データのエクスポート」が使い物になるという点は大きいです。

_「あっと家計簿」にMode2運用のデータをインポートした例を示すと↓のようになります。

あっと家計簿(Mode2運用)にデータをインポートした

次回はMoneytreeとZaimを取り上げます→

注目の記事

家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ

_今回の主題は…家計簿アプリとデータをやりとりするときに使用するファイルの形式について、です。筆者がこれまで MFFマクロ に対応させてきた家計簿アプリは27種類(Money通帳とあっと家計簿は別カウント)。まず、家計簿アプリからエクスポートする方向では↓のようになります。...

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