_前回に引き続き、家計簿アプリ別のデータインポート/エクスポート機能の性能評価に関する解説です。今回はWindows PC向け家計簿「Money通帳(フリーソフト)・あっと家計簿(シェアウェア)」について取り上げます。
3.Money通帳・あっと家計簿(Mode1運用)
_2020/08/25「Money通帳・あっと家計簿の運用に関するまとめ」でご紹介した図版を再掲します↓。
_Mode1・Mode2とは、筆者が勝手に命名している運用法で、Mode1がMoney通帳・あっと家計簿の特徴である3000種類の品名をベースとした運用、Mode2はその3000種類の品名をガン無視し、他の家計簿アプリと同様の費目名称を設定する運用です(「あっと家計簿」のみ可能です)。まずはMode1を取り上げます。
- エクスポートに関する記事
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TSVファイル:2020/08/18(評点18)
出力されたファイルには費目情報が含まれず、支出・収入の区別もできない。事実上、使い物にならない。 -
CSVファイル:2020/08/19(評点9)
年度ごと・口座別に出力される。 - インポートに関する記事
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OFXファイル:2020/08/20(評点24)
他の家計簿アプリのOFXファイルインポート機能と比較すると、品名を割り付ける際の学習機能の面で優れているが、手間を要することには変わりが無い。 -
CSVファイル:2020/08/21(評点22)
全部の取引データについて3000種類の品名を割り付ける操作が必要になる。
_率直に申し上げて、「他の家計簿アプリとデータをやりとりする」という使途では、Mode1運用は全く向いていません。Money通帳で家計簿を入力し、そのデータをCSVファイルでエクスポートして他の家計簿向けに変換する、という一方通行のみが現実的な使い方になります。
4.あっと家計簿(Mode2運用)
- エクスポートに関する記事(2020/08/23)
- TSVファイル(評点13)
全データが問答無用で出力される。 - CSVファイル(評点9)
年度ごと・口座別で出力される。 - インポートに関する記事(2020/08/24)
- OFXファイルでインポートする意味は無いので評点なし
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CSVファイル(評点21)
Mode1運用のCSVファイルインポートの評点22に近いが、その内訳は全く異なる。費目の初期設定に大きな手間が必要となる代わりに、その後のインポートは円滑にできるようになる。
_Mode2運用は、開発元が本来想定している「あっと家計簿」の使い方とは全く異なりますが、現実に他の家計簿アプリと円滑にデータを(相互に)やりとりするとなれば、このようにしなければならないでしょう。特に、TSVファイルによる「全データのエクスポート」が使い物になるという点は大きいです。
_「あっと家計簿」にMode2運用のデータをインポートした例を示すと↓のようになります。