2020/12/31

OsidOriの現時点における一応の総評

_OsidOri試用レポートは今回の第6弾(前回の記事はこちら)で一段落です。

1.入力時のユーザーインターフェース

_これまで入力UIに触れるのを失念しておりました…

_↓は取引明細を手入力する画面を示しています。微妙に縦に長く、筆者のスマホの1980px × 1080pxの画面ではちょいと下にスクロールさせないと保存ボタンを叩けません。OsidOriはどういうわけかこのように少々イラつく場面が結構あります。一番下に自由入力欄があるとキーボードが邪魔になるので、こういう画面では保存ボタンは上に配置して欲しいところですなあ。

_なお、金額入力欄には2020年12月時点では電卓機能がありません。Google Playを見ますと要望は多く出されているようですので、いずれ実装されるでしょう。

OsidOriの入力画面は微妙に縦に長い

OsidOriの目標貯金機能は予算管理機能を廃品にする

 _OsidOriの試用レポートの連載第5弾(前回の記事はこちら)は、目標貯金機能を取り上げます。

_世の中の多くの家計簿アプリには、各費目の支出額を予め決めた枠内に収めるようにコントロールする「予算管理機能」が実装されています。しかし予算管理の目的は、究極的にはライフイベントごとに必要になる資金を確保することですから、その資金を必要な時期に必要な額を目指して積み上げることが本来は重要なのです。

_OsidOriの目標貯金機能は、目標額と目標期限を決めて毎月の積立額を(本人とパートナーそれぞれに)算定し、それが実行できているか管理するものです。「頭金」の設定や、資金余裕がある場合の「積み増し」、さらに(あまりやるべきではありませんが)「取り崩し」も可能になっています。

_以下↓はその設定方法と動作に関する解説です。

1.目標貯金機能の設定方法

_夫側のホーム画面から目標貯金コーナーの【貯金を作成する】(これって日本語的にはかなりアレですがね)を叩くと、まず、貯金の目的を聞かれます。選択肢は↓のようになっていますが…実は、これはデフォルトで表示される画像を選択しているだけで、機能そのものには何の影響もありません。画像はユーザーが変更することもできます。例えば、子供が2人いる場合、それぞれの写真を撮って、それぞれの教育資金の貯金を設定する、という使い方ができます。

  • 住宅の購入/頭金
  • 子供の教育資金
  • 結婚/旅行
  • とりあえず貯金
  • 老後資金
  • 繰り上げ返済
  • 車/バイク
  • その他
目標貯金の設定その1

2020/12/30

OsidOriでパートナーと情報を共有した場合の動作(修正あり)

_OsidOriの試用レポート連載第4回(前回の記事はこちら)は、いよいよこのアプリの核心たる「パートナーとの家計・資産情報共有機能」を解説します。多少複雑な話になりますが、しばしお付き合いありたく。

1.口座の残高と明細を共有する

_連載初回の2020/12/27「夫婦の共有家計簿・貯金アプリ「OsidOri(オシドリ)」試用レポート(追記あり)」で解説しましたように、OsidOriでは、夫と妻がペアリングされると、家族画面に所属する口座は相互に残高・明細が開示されます。

_一旦家族画面に所属させた口座を個人画面に戻す(つまりパートナーへの開示を取り止める)ことはできません。そのため筆者は、口座を新規設定する操作は個人画面で行い、熟考したうえで家族画面に移行させることをお勧めしています。概念図に示すと↓のようになり、家族全体に関わる支出(公共料金や食費・家賃など)が発生する口座を家族画面に移す、というイメージです。

_夫からは、妻の個人画面に所属している口座は、通常、残高どころかその存在の把握すらできません。逆もまた然りです。

夫と妻の口座を情報共有した場合にそれぞれが把握できる口座の範囲

2020/12/29

OsidOriのプレミアムプラン課金はアプリの将来への投資です

_OsidOriの試用レポート連載も第三回。前回の記事はこちらです

1.口座と取引の種類について

_ここに至るまで触れておりませんでした…

(1)口座の種類

  • ★銀行口座
  • ★クレジットカード
  • ★電子マネー
  • ★証券/投資信託
  • ☆財布(現金管理)→次項で解説

_の5種類。★は連携機能でデータを取得する口座であり、データの手入力は不可能。☆は全てのデータを手入力します。このあたりの考え方はマネーフォワードMEと同一です。

_OsidOriにアカウントアグリゲーション機能を提供している株式会社ミロク情報サービスが企業向けの会計システムを主力としているためか、通販サイトやネットスーパーとの連携機能が無いのは少々残念です。

(2)取引種別

  • 支出
  • 収入
  • 振替

_の3種類のみです。

_振替取引は2020/12/19のバージョンアップでサポートされたばかりの新機能で、

  • ★連携口座の支出→★連携口座の収入
  • ★連携口座の支出→☆現金口座の収入
  • ☆現金口座の支出→★連携口座の収入
  • ☆現金口座の支出→☆現金口座の収入

_以上の取引の組み合わせを振替取引として入力できます。マネーフォワードMEの「取引相手が不定の振替取引を入力できる」という奇怪な造りまではさすがにマネしていません。

_ただ、このことは、同時に「★連携口座の支出」と「★連携口座の収入」が揃わないと振替取引にできない、ということを意味します。例えば、たいていのクレジットカード(のサイト)は、銀行から引き落とされたお金を「収入取引」として出力したりはしませんから、銀行からの引落しと紐付けて振替取引とすることはできません。そうなると、銀行からの引落しを支出取引としたままにすると、クレジットカードの支出と二重計上になります(家計簿アプリでよく発生する事態です)。これに対応して、OsidOriでは個々の取引を収支に反映する/しないを切り替えられるようになっています。

2020/12/28

OsidOriの費目構成はマネーフォワードMEの類似品です

_夫婦の家計簿・資産情報共有アプリ「OsidOri」の連載第二回(前回はこちら)は、恒例の費目構成の解説です。OsidOriでは「費目」のことを「カテゴリー」と呼んでおり、大カテゴリーと小カテゴリーの階層構造となっています。

1.費目構成をマネーフォワードMEと比べてみた

_今回の記事のタイトルどおり、OsidOriの費目構成はマネーフォワードMEとそっくりです。ただし、2020/07/19「マネーフォワードMEの費目構成に突っ込みを入れるとこうなります」で指摘した点は一部修正されています。全部ではないのが残念ですが…

2020/12/27

夫婦の共有家計簿・貯金アプリ「OsidOri(オシドリ)」試用レポート(追記あり)

_お待たせしました。夫婦で家計・資産状況を共有可能な家計簿・資産管理アプリ「OsidOri」の試用レポートです。このアプリには、現時点でデータのインポート/エクスポート機能はありませんが、アカウントアグリゲーション機能は備わっていますので、自動取得した取引データをどのように取り扱っているのかを中心に見ていきたいと思います。

_【2020/12/28追記】:個人画面と家族画面の切り替えについて解説を失念していたのをフォローしました。

1.OsidOriの初期設定

_OsidOriはオンライン家計簿サービスのプラットフォームとなるアプリです(しかしWeb版はありません)。つまり、データをスマートフォン内に蓄積するのではなく、サーバーに蓄積したデータにアプリ経由でアクセスする形になります。当然、サクサク動く、というわけにはいきません。

_ユーザー登録時には、

  1. メールアドレスとパスワードを入力
  2. そのメールアドレス宛に本人確認のメールが送付される
  3. メール内に記載されたURLにアクセス

_このようにして初めてアプリが使用可能になります。口座の残高と取引に関する極めてセンシティブな個人情報を二人のユーザー間で共有しようというアプリですので、本人確認はそれなりの手順を踏むようになっています。

メールアドレスとパスワードの登録

2020/12/22

OsidOriに苦戦しています

_夫婦(それ以外の関係性でもいっこうに構いませんが)で口座情報を共有するというコンセプトの家計・資産管理アプリ"OsidOri"(オシドリ)のテストを始めております。現時点ではデータのインポート/エクスポート機能は無いので、当BlogとしてはLINE家計簿と同様に軽く流して終わるつもりでした。

OsidOriをインストールした直後の画面

_しかし…2人分のアカウントアグリゲーションサービスで得た取引情報・残高情報をお互いに「共有するか共有しないか」切り換える、それだけのアプリに過ぎぬであろうと思っていたのが、実際にはこれが意外に複雑な動作をしており、少々驚いております。

_家計簿アプリとしてはマネーフォワードMEと極めて類似した実装(いずれ解説できるでしょう)がなされているものの、プライバシーの保護と情報の共有をどうやって両立させているのか、理解するのに相当な時間が必要になりそうです。レポートまでしばしお時間をいただきたく。

2020/12/20

MoneyLookの旧サイト廃止と新サイト完全移行は2021年3月

_アカウントアグリゲーションサービスの草分け的存在たるMoneyLookは、2020年5月31日に新サイトを開設し、旧サイトと並立して運営されてきました。これまでの間に、銀行のAPI対応、電子マネーやクレジットカード等の非銀行系金融機関のスクレイピング連携機能の移行等が行われてきております。

_そして先日、現行MoneyLook(www.moneylook.jp)のサービス終了に関するお知らせ(2020年12月10日)にありますように、旧サイトを2021年3月19日(金)18:00で終了するとアナウンスされました。また、

今後MoneyLookは「口座管理サービス」に集中し、すでに新MoneyLook(kouza.moneylook.jp)にて提供しております 銀行、およびクレジットカード、電子マネーを中心に新MoneyLookにて引き続き口座管理サービスを提供してまいります。

_とあり、旧Moneylookにあった(そしてあまり使われていなかった)機能は移行しないそうです。

_さて、Excelファイルでのデータ出力機能が今年7月を目途にリリースされるはずが果たされないまま2020/09/05「Moneylookの機能整備が停滞…?」参照)すでに12月になっており、法人向け・有料機能を開発する旨の「お知らせ」も8/13に出ていますが、それもどうなったのか(※1)… 新MoneyLook移行後の対応金融機関追加はともかく、機能増強の動きがいまいち見えにくい状況です。MoneyLook運営側の”本音での”今後の展望を聞いてみたいものです。

(※1:【追記】:対応金融機関の検索で先頭に[法人]が付いているものが追加されています)

2020/12/19

新年から家計簿を始めようとしている方は、今すぐ取り掛かったほうがいいですよ

_家計簿アプリの業界は、「新年から家計簿を始めよう」という人を狙っていろいろ宣伝活動を強化するのだそうですが、筆者としましては、家計簿の記帳は旧年中から始めておくことを強くお奨めします。というのは…

Zaimは年末年始はお休みです

マネーフォワードMEも年末年始はお休みです

_…こういうことがあるからです。家計簿アプリの運営側に問い合わせたいと思っても、来週末にはお休みに入っています。

_さらに、金融機関サイトも、年末年始はメンテナンスを入れたりするためにサービスを休止するところがあるので、いざ自分の口座の残高や取引情報を調べようとしてもできない→家計簿を付け始める際の最初にやらねばならない作業から頓挫する→「やあめた!」 という事態になるでしょう。

_忙しい時期ですが、今すぐ取り掛かりましょう。

2020/12/16

老後資金が気になってきた人のためのアプリ「おかねのコンパス」試用レポート

 _今回は「おかねのコンパス for TT」なる資産管理向けAndroidアプリを試用した結果をレポートしたいと思います。なぜこのアプリを選んだのかというと…Google Playの中で探索中にたまたま目についただけですが、結果としては面白いことが判りました。

1.おかねのコンパスとは何者?

_「おかねのコンパス」は、株式会社マネーコンパス・ジャパンが提供する資産管理サービスであり、今回テストしたのは"おかねのコンパス for TT"というアプリです。TTとは東海東京証券を差すようで、証券会社とコラボしたサービス展開をしているわけですが、当Blogでは家計簿/資産管理アプリとしてどーよ、という観点でのみレポートします。

おかねのコンパスの起動画面

2.アカウントアグリゲーションサービス

_↓は「おかねのコンパス」のアカウント登録画面ですが、画面の下に「マネーフォワードの規約について」とあるように、マネーフォワードと連携してアカウントアグリゲーションサービスを提供しています。

IDとパスワードの登録

_例として↓のようにViewカードとの連携を設定する場合、「おかねのコンパス」アプリからマネーフォワードのサイトに移行し、そちらでViewカードのサイトのIDとパスワードを入力します。仮にユーザーがすでにマネーフォワードMEのアカウントを持っていて、Viewカードとの連携を設定してあったとしても、この操作は必要です。つまり、マネーフォワードはViewカードのサイト(View's NET)へのアクセスを代行しているだけで、既存のマネーフォワードMEのアカウントとは無関係なのです。

金融機関との連携はMF-ME経由で行う

_すなわち、MoneytreeにおけるMT-Linkのようなサービス(若干仕組みは異なりますが)をマネーフォワードも展開している、ということになります。よって、「おかねのコンパス」が提供する連携先は基本的にはマネーフォワードと同一です。

3.家計簿アプリとは思わない方がいい

_基本となる【わかる】画面では、金融機関サイトから取り込んだ残高情報に基づき、現時点での資産総額が表示されます↓。ここで【入出金】ボタンを叩くと…

金融機関と連携すると資産総額が表示されるので入出金ボタンを叩くと取引一覧へ

_これまでの取引データの一覧が表示されます↓。ただし、タップして個々の取引の詳細を確認する、なんてことはできません。ここで【家計簿】ボタンを叩くと、

取引一覧から家計簿ボタンを叩くと

_月間の費目別の割合を示した円グラフと、費目ごとの金額が表示されます↓。ここで、詳細を確認した費目をタップすれば…

月間支出の円グラフ

_当該の費目の、半年間の推移が縦棒グラフで表示されます↓。1~6月と7~12月で固定されているのは少々残念。この画面の↓にある個別の取引データをタップしますと…

分類が未分類となっている取引の月次推移

_↓ここまで来てようやく個別の取引データにアクセスできます。しかし、ここでユーザーができることは、実は費目(分類)を振り分けることだけです。マネーフォワードMEでは、それに加えて「メモ欄への入力」と「振替への変更」が可能でしたが、「おかねのコンパス」ではできません。

取得した取引データは分類を設定する以外にできることは無い

_では、費目構成(「おかねのコンパス」では「分類」と呼んでいます)はどうであるか、と言いますと…マネーフォワードMEの「大項目」と全く同じです(そうしなければならない理由は無いはずなのですが、単に面倒くさかっただけなのでしょう)。さらに、マネーフォワードMEが大項目をカスタマイズできないのと同様に、「おかねのコンパス」も費目のカスタマイズ機能はありません。

_つまり、「おかねのコンパス」は、家計簿としては、金融機関から取り込んだ取引データを、マネーフォワードMEと同じ費目(大項目)で振り分けることしかできません。資産管理側にメーターが振り切っています。アカウントアグリゲーションが提供されていない金融機関のデータを手入力する機能も、データをCSVファイルとしてエクスポートするような機能も実装されていません。今後も実装されることは無いでしょう。

_…うーむ、「ありません」「できません」ばかりが語尾に付いていますね。しかし、これは裏を返せば「アカウントアグリゲーションで取得した取引データの費目を振り分けることだけすればよい」なのです。多機能な家計簿アプリは、精緻に記帳しようとすればいくらでもできるのでキリがないが、アプリでできることが限定されていれば、できる最低限のことだけすればよい。「おかねのコンパス」はこのように作ることで資産管理に特化させているわけです。

4.このアプリの目的は何なのか

_このアプリは、ユーザーの金融資産総額を把握したうえで、将来のマネープランを立てる指針(コンパス)とすることを狙って作られています。そのため、マネーフォワードMEではこのあたりの機能は有料プランで提供されているところ、「おかねのコンパス」では無料となっています。これらの機能には基本画面の【そなえる】からアクセスします。以下、代表的なものをご紹介します。

(1)お金の健康診断

_ユーザー当人と配偶者の性別・居住地・生年・年収・貯金額・資産運用額や、当人の性格についての質問にチャット形式で答えていくと、性格面での診断と、年収・年間貯蓄・家賃・投資・保険について、似たようなクラスタの人との比較での評価が表示されます。性格診断は、かなり正確に言い当てられている…と感じました。多少ムカつきますけども。

お金の健康診断の結果

(2)ねんきんネットとの連携

_マネーフォワードMEのねんきんネットとの連携機能は、これまでに支払った年金保険料の総額が資産総額に繰り入れられるのみでした(参考:2020/11/28「ねんきんネットの年金保険料支払実績を資産と見るべきか」。「おかねのコンパス」ではそれに加えて、「ねんきん定期便」の写真(またはスキャニングしたデータ)をアップロードしていくつかの質問(年齢、月収など)に答えると、年金の予想月額を計算し老後資金の検討ができます。

ねんきんネットとの連携

(3)ライフプランコーチ

_年収・副業を含む月収等、かなり細かいデータ入力が必要になりますが、老後を見据えた資金計画を検討できるツールです(マネーフォワードMEの「よそQ」に似た機能です)。SOMPOひまわり生命が提供しています。

ライフプランコーチ

_コイツを活用するには…別途、家計簿アプリ/ソフトを使って、自分の収入と支出を正確に把握しておかねばならないでしょう。つまり、「おかねのコンパス」では把握できない情報を掴んでおくことが重要です。

【2020/12/19追記】:ライフプランコーチはマネーフォワードMEからアクセスするルートもあり、そちらであればマネーフォワードMEに蓄積されているデータが自動的に入力されます。

5.「おかねのコンパス」総評

_マネーフォワード経由で金融機関からゲットした口座情報は、残念ながら前述した【そなえる】からアクセスする各種のコンサル機能とは連携しません。つまり、アカウントアグリゲーションサービスとコンサルサービスが全く別個に動作しています。ま、コンサルのためには、アカウントアグリゲーションだけでは把握できない資産の状況も把握しなければならないので、必然的にユーザーの手入力に頼らなければならず、結局そのようになってしまうのでしょうが…

_現状の造りでは、むしろマネーフォワードの機能の一部として組み込んで、ユーザーがマネーフォワードMEに入力している資産情報等がコンサルに活用できるようになっている方がありがたいですね。一方で、アプリ開発元としては、マネーフォワードとは別個にユーザーの資産情報を(匿名であり、真実であるという保証もありませんが)ゲットできるメリットがあるので、そういう形のコラボレーションにはしにくいかもしれません。

_この手のアプリはまだ発展途上という観が強く、今後の伸長に期待したいところです。

2020/12/13

ZaimのWeb版に取引データの一括編集・削除機能が加わりました

_いつからか不明ですが…ZaimのWeb版に、複数の取引データを一括で編集・削除できる機能が実装されているのを発見しました。

Zaimの一括編集・一括削除機能

_スマホアプリ版にはすでに存在する機能であり、より多くのデータを取り扱うニーズが大きいWeb版が後回しにされたのは腑に落ちませんが、まあ喜ぶべきコトです。あとは、既存の取引データを振替に変更する機能(これもアプリ版にはある!)があれば当面の宿題は片付きますね。

2020/12/11

レシーピ!Android版のBearTail Xへの事業承継と、難民となるiOS版ユーザーのデータ受け入れ先について

_本日、ZaimのWeb版にアクセスしておりますと、↓のような表示が目に入りました。

Zaimに期間限定でレシーピ!のデータ取り込み機能が出現

_今年の3月末でKakeibonがサービスを終了する前に似たような動きがあったので(※1)もしやと思いレシーピ!の公式サイトを見てみますと

_…2ヶ月前の情報でした。

2020/12/08

日曜日の夜に行うべきでない作業

 _筆者は一定周期で金融機関サイトのログインパスワードを変更するようにしております。

_これって、最近の通説では「定期的なパスワード変更をユーザーに強いると、ユーザーがパスワードを使いまわすようになり、却ってセキュリティレベルが下がるからやめたほうがいい」ということになっているらしいです。しかし、オンライン家計簿サービスを常用していると、金融機関サイトにログインする習慣が無くなることで

  • 当該のサイトの使い方やメニューの変更についていけなくなる(特に緊急時にパスワード変更が必要になった時に方法が判らなくなるのはマズい)
  • キャンペーン等の、オンライン家計簿サービスでは把握できない情報を逃してしまう
_こういった副作用があることから、金融機関サイトの操作のリハビリを兼ねて実施しています。

_しかし、こういう作業は日曜日の夜にはやらない方がいいですね。金融機関サイトはメンテナンスを日曜日の夜に行うことが多いためです。

_特に12/6はZaimのサイトメンテナンスも重なったので、金融機関サイトのパスワード変更を終えた後、Zaimに登録してあるパスワードを変更する(銀行はAPI連携になっていても、それ以外の金融機関はまだスクレイピング連携のままのところばかりですから)前にZaimにアクセスできなくなって大変困りました。アカウントアグリゲーションサービスでは、古いパスワードでアクセスして「違っているぞゴルア」と怒られてもしつこくアクセスを試みて、金融機関サイトから当該のIDをロックアウトされるケースがあるのです。

_結局翌朝に大急ぎで作業して事なきを得ましたが…サイトメンテナンスのスケジュールは押さえておかないとダメですね。

2020/12/07

LINE家計簿はその後どうなったのか?

_当BlogにおけるLINE家計簿に関する記事は、現在までに

_の2つのみです。CSVファイルの入出力機能が実装されておらず、当Blogの主題たる「データ変換」の対象になり得ないので関心が無いというのが正直なところですが…リソースの豊富な開発元がやっている家計簿アプリだから進歩があったかな? と考えて久しぶりにアプリを起動してみたところ、エラいことになっていました。

_2020/11/30をもって、銀行・信金・信組・労金・JAバンク・JFマリンバンク以外の連携は全て取り止めとなっています。公式ブログの記事は→【お知らせ】金融機関との連携停止について(2020年11月30日(月)予定)

2020年12月現在のLINE家計簿の金融機関連携機能

_スクレイピングでの連携を全て廃止し、今後はAPI連携ができる金融機関のみが対象となります。また、信金・信組は<2021年度再連携予定>となっている金融機関が多くあります。

_どうやら、スクレイピング連携の維持に膨大な開発リソースを投入できなくなり、API連携の契約および開発が間に合わない連携先は後回しにしたようです。ということは…LINEの家計簿サービスへの熱意が冷めてきたということなのでしょうか。データのインポート/エクスポート関係の開発は期待薄ですなあ…。

2020/12/06

らくな家計簿のPC家計簿機能は有料ながら残念なところも

_「らくな家計簿」関連の連載(前回の記事はこちら)も、有料版限定の「PC家計簿」機能をご紹介して一段落させたいと思います。

【2022/12/03追記】PC家計簿機能は2022年11月に刷新されましたのでこちらの記事をご覧下さい。

1.PC家計簿機能を使用するには

_「らくな家計簿」のPC家計簿機能とは、AndroidスマートフォンとPCを同じ無線LANネットワークに所属させた状態でスマホを「家計簿サービスを提供するWebサーバ」として振る舞わせ、PCのブラウザでの操作を可能にするものです。

_スマホ側でPC家計簿機能をONにして↓、アプリ画面に表示されたURLをPC側のブラウザのアドレスバーに入力すればOKです。極めて簡単。

らくな家計簿のPC家計簿機能をONにする

_ただし、公共の場所にあるWiFiネットワークでこの機能を使うと、万が一URLを他人に知られた場合はその他人もPC家計簿にアクセスできてしまいますので要注意です。自分が支配下に置いているWiFiルーターが提供するネットワークでこそ使うべきでしょう。

2020/12/05

らくな家計簿のグラフ機能は優秀ですよ

_「らくな家計簿」の連載も終盤(前回の記事はこちら)。今回はAndroidアプリ版のグラフ機能についてです。

1.統計画面から費目別実績を表示

_家計簿アプリの定番機能です。グラフの対象期間は、

  • 週間
  • 月間
  • 年間(1月〜12月)
  • 期間(開始日と終了日をそれぞれ指定)

_の4とおりがあり、デフォルトは月間↓となっています。年度単位で表示するなら4番目を使うことになります。

2019年10月の費目の構成割合

2020/11/30

他の家計簿アプリのデータをらくな家計簿向けに変換してインポートする

_今回は、前回の反対で、MFF形式のデータを「らくな家計簿」用に変換してインポートする方法を解説します。

1.MFFマクロでインポート用TSVファイルを出力する

_サンプルデータは↓のとおり。D1セルのドロップダウンリストで「らくな家計簿」を選択し、セルカーソルをD1に合わせた状態でMFFマクロを動作させると、らくな家計簿にインポートするためのTSVファイルを保存します。

MFF形式のデータをらくな家計簿向けに変換する

2020/11/29

らくな家計簿からエクスポートしたデータを他の家計簿アプリ向けに変換する

 _今回(前回の「らくな家計簿」関係の記事はこちら)は、「らくな家計簿」からエクスポートしたデータをMFFマクロを使ってMFF形式に変換する方法を解説します。「らくな家計簿」アプリはインポート機能に若干問題がありましたが、エクスポートの方はさしたる障害はありません。

1.「らくな家計簿」からのエクスポート操作

_↓のようなデータをサンプルにします。外貨で入力したデータを含めてあります。

らくな家計簿からエクスポートのテストをするデータ

2020/11/28

らくな家計簿のデータインポート機能はまだ少し怪しいけど不具合は改善されました

_「らくな家計簿」のデータインポート機能の不具合について続報です。

_↑の記事で述べた不具合が、Android版アプリのV4.5.6で改善されたようです。

1.早速状況を見てみましょう

_↓のExcelデータを「らくな家計簿」にインポートさせます(以前と同じ中身です)

らくな家計簿にインポートするテスト用サンプルデータ

_インポートの際に必要な操作↓は以前と変わりません。

らくな家計簿V4_5_6のインポートテスト

ねんきんネットの年金保険料支払実績を資産と見るべきか

_昨日、Zaim運営側から、2020/11/30以降、ねんきんネットとの連携において、これまでの年金保険料の支払済総額を資産総額に含めて表示していたものを、資産総額から切り離して、別枠で年金受給見込額を表示するようにアプリの動作を更新する、という趣旨のメールが届きました。

_年金、とくに老齢年金は、現に受給年齢に達していない人にとっては、今後の制度変更で受給開始年齢も受給額も変わりうるものであり、将来の資産として計上すべきではない、というのが筆者の考え方です。

_筆者は旧Blog(2017年12月)でも「ねんきんネットを資産として見るべきか」と問題提起したことがあります。当時はねんきんネットとの連携機能を提供していた家計簿アプリは(筆者が知る限りでは)マネーフォワードのみであったので、マネーフォワードのグループ機能(各口座を資産総額に加える/加えないを個別に設定する機能)を使って、「ねんきんネット」を資産総額から除外した「年金除外」というグループを常用する設定例をご紹介しました。

_Zaimがねんきんネットとの連携機能を提供し始めたのは今年の夏頃であったと思いますが、Zaimも、マネーフォワードMEと同様に「これまで支払った保険料は受給できるだろう」という考え方で支払済保険料の総額を資産計上する動作になっています。

_Zaimにはこの点を改善すべく、特にねんきんネットを資産総額とは別扱いにしたようです(マネーフォワードMEと同様の機能が無いため)。これは一応歓迎すべきことですね。資産と呼べないものを資産と認識して家計管理を誤らないよう、気をつけたいところです。

2020/11/26

らくな家計簿の入力UIは優秀です

←「らくな家計簿」の前回記事:2020/11/17「らくな家計簿」へのデータインポートに雨雲が(追記あり)


_ここまで触れるのを忘れておりましたが、らくな家計簿の入力UIはアプリ名どおり「らく」です。入力手順は以下のようになります。

(1)家計簿画面で+ボタンを叩いて入力モードに移行

(2)日付は操作した当日がデフォルトで入っている。タップして変更する(画面例は時刻を取り扱わないモードで取得している)

(3)日付選択画面はAndroidが提供している標準画面

(4)日付を決定すると自動的に資産を選択するモードになる

らくな家計簿入力手順1

2020/11/23

MFFマクロV2.14「らくな家計簿」対応版を公開しました

_「らくな家計簿」に対応したMFFマクロV2.14を公開しました。ソースリストはこちらからアクセスしてください

_昨日から本日にかけて、以下の記事を更新しました。

_「らくな家計簿」にデータをインポートする際の

  • 収入・支出取引のうち、小分類の無い大分類が認識されない
  • 振替取引の振替先の資産が認識されない

_という不具合と思われる事象については、開発元に確認しておりますが今のところ返答がありません。よってMFFマクロV2.14はこの不具合にとりあえず対応した暫定仕様で公開しました。その概要について今後の記事で触れる予定です。→【2020/11/28追記】:「らくな家計簿」AndroidアプリV4.5.6で上記の不具合はいちおう改善されましたので、それに対応したMFFマクロV2.15をアップしました。

2020/11/17

「らくな家計簿」へのデータインポートに雨雲が(追記あり)

_2020/11/16「らくな家計簿」へのデータインポートに暗雲が の続編です。先にネタバレさせておきますが、結局、暗雲は雨雲になってしまいました。

_【2020/11/28追記】:今回の記事に関する「らくな家計簿」の不具合は一応改善されました。こちらの記事をご参照下さい。

3.スマホ側のインポート操作はこのように

_スマホにテキストファイルをメール送付したら、当該のファイルをダウンロードして、ファイル操作アプリ↓を使って"/MoneyManager/import/"フォルダへ移動させます(MoneyManagerとは「らくな家計簿」の英語名のようです)

メール送付したテキストファイルをダウンロードしてimportフォルダへ移動させる

_「らくな家計簿」アプリを起動し、「設定>バックアップ/復元」メニューに移ると、画面の最下段に".txt files"という項目があり、そこに先ほど移動させた"importテスト.txt"ファイルが表示されています。"/MoneyManager/import/"フォルダにテキストファイルが何も入っていない場合は、".txt files"という項目そのものが表示されません。

らくな家計簿側でテキストファイルが認識されているのでタップすると中身が表示される

2020/11/16

「らくな家計簿」へのデータインポートに暗雲が(追記あり)

_「らくな家計簿」(連載三回目、前回の記事はこちらには、Excelから出力したテキストファイル(TSVファイル)をインポートする機能があります。公式のマニュアルはらくな家計簿ヘルプ センター エクセルファイルを利用したImport 機能を参照してください…と言いたいところですが、残念ながらこのマニュアルもあまりアテになりません。その理由は…

1.テンプレートが用意されてはいるのですが

_公式マニュアルのページから、テンプレートとなるExcelファイルをダウンロードできます。そのファイルを開いたところがこちらですが↓、フォントがどうも怪しい…。一抹の不安が頭をよぎります。

import.xlsの中身。フォントが怪しい…

_さて、ここで公式マニュアルの記述↓を見ますとですね…

らくな家計簿のヘルプセンターの記述はテンプレートと矛盾しているぞ

2020/11/14

「らくな家計簿」の費目構成も突っ込みどころだらけです(追記あり)

_2020/10/21「らくな家計簿 に挑戦中です」以来、少々別の分野に取り組んでいたため間が空いてしまいましたが、そろそろ例によって基本事項から手を付けていきます。

_【2020/11/23追記】:本記事の内容を大幅に補強しました。

1.「らくな家計簿」の費目構成

_「らくな家計簿」では費目のことを"分類"と呼んでおり、デフォルトでは↓のようになっています。

らくな家計簿のデフォルトの費目構成

2020/11/12

やはり無料サービスは長続きしない

_本日、Google Photoのストレージポリシーが変更され、これまでGoogleのアルゴリズムによる圧縮を受け入れた画像については無料で無限にアップロードできていたものが、2021年5月以降はGoogle Driveの15GBの容量枠の中でアップロードするようになる…との報がありました。

_当Blogも、Google Photoにアップした画像を記事内に貼り付けて表示させているので、この影響を受けます。もっとも、筆者はGoogle Photoには当Blog用の図版しか入れておらず、さらには当Blogに大容量の写真を載せるつもりも無いのでかなりの長期間耐えられるはずですが…

_今回の措置で心配になるのは「では、その15GBの無料枠というのも将来的に大丈夫か?」というところですね。ネットでは、無料サービスを提供していても、それが商業的に割に合わなくなれば、サービス内容はいとも簡単に変更されますから…。家計簿アプリの前例では、Dr.Walletが2016年に無料でのレシート全データ入力を突然有料化した件が挙げられるでしょう。

_さすがにGoogleは準備期間を経て実施しています。家計簿アプリにも、今後こういったことは発生すると思われます。その際は、金銭の管理という事柄の重要性をぜひとも考慮して「突然」という事態だけは避けていただきたいものです。

2020/11/08

携帯電話の料金とまとめて請求される支出の把握について

_以前から気になっていたことですが、携帯電話会社から請求される通信料の金額には、実は費目として「通信料」に含めるべきでないものが含まれていますよね? 例えば有料アプリの料金とか、携帯電話会社が運営している通販サイトの代金とか。

_そういった付帯サービスの決済額が通信料に対し小さいものであれば、まとめて「通信料」として記帳してもいいのでしょうが、そうでないとなると家計管理が不正確になってしまいます。買い物の履歴も残りませんし…

_では、どうやってそういう付帯サービスの決済額を把握するか? 例えば、auならauのサイトにau IDでログインして料金の内訳を確認すると、↓のように「auかんたん決済」の内訳が表示されます、が…

auかんたん決済の内訳を確認する画面に到達するのはなかなか大変だ

2020/11/01

MFFマクロV2.13公開 マネーフォワードMEからコピペしたデータの処理を改善しました

_2020/07/24の記事にて、マネーフォワードMEからExcelにコピペしたデータを、(マネーフォワードMEからダウンロードされる)CSVファイルの形式に変換し、さらにMFF形式に変換する方法について解説しておりますが、今回、MFFマクロのこの処理動作を改善するバージョンアップ(V2.13)を行いました。

_これは、昨日に、さるユーザーからご要望をいただいたものです。

_マネーフォワードME(Web版)の取引データをブラウザ上でコピーした場合、そのデータには「計算対象欄」の情報が含まれません。そこで、MFFマクロではコピペしたデータをCSVファイルの形式に変換する際に計算対象欄を空欄とし、MFF形式に変換する際に全データの(MFF形式の)計算対象欄を強制的に1にするように処理しておりました。

_しかし、通常、マネーフォワードでは、

  • 支出・収入の取引データは原則的に計算対象=ONとする
  • 振替取引のデータは計算対象=OFFとする
  • 月間収支の計算に含めたくない特別な支出・収入についてはユーザーが計算対象=OFFとする

_このように運用しますよね? そこで、Web版からコピペしたデータについては、マネーフォワードME上の計算対象欄の状態に関わらず、

  • 支出・収入の取引データは計算対象欄=1とする
  • 振替取引のデータは計算対象欄=0とする

_このようにMFF形式に変換するように改善しました。具体的な動作は以下のようになります。

_まず、マネーフォワードMEのWeb版(ブラウザはChrome系をご使用下さい)で↓のように範囲指定してCtrl+Vでコピーします。2019/05/18の2,145円の衣類の買い物(赤枠)の計算対象フラグをOFFにしていることにご注意下さい。

マネーフォワードMEからデータをコピーする

2020/10/21

らくな家計簿 に挑戦中です

_しばらく新規投稿が途絶えておりますが、Android版の家計簿アプリ「らくな家計簿」に取り組んでおります。今のうちに申し上げておりますと、このアプリも名称と実態がかなり乖離しているなあ…という印象です。かなり多機能で、しかもスマホをサーバーのように運用してPCで家計簿データを閲覧することまでできる…使いこなすのは楽ではないでしょう。

_研究成果のお披露目については今しばらくお待ちありたく。

2020/10/11

MoneyProアプリのV2.5.4バージョンアップでも不具合は解消せず

_久々にMoneyProを取り上げます。当Blogで最初に取り上げた2020/05/25の記事以降もアプリは細かく改良されており、先日もバージョンアップがありました。

1.オンラインバンキング機能は邦銀は非対応らしい

_先日MoneyProを立ち上げた際に↓のようなダイアログが表示されました。が、日本の銀行には対応していないようです。Money in Excel同様、期待してませんでしたけど。

MoneyProでオンラインバンキングが使えるようになったそうだが日本の銀行はサポートされていないようだ

2020/10/10

「貯まる家計簿」のグラフ機能と補遺

 _「貯まる家計簿」の連載(前回の記事はこちらです)を一段落させる前に撃ち漏らしを片付けておきましょう。

1.グラフ機能について

_「貯まる家計簿」のホーム画面下部のメニュー中央にある【分析】ボタンがグラフ機能への入り口です。↓の画面の【表示設定】で、グラフ描画の対象期間を 1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・1年・全期間 から選べます(画面例は1ヶ月を選択し、2019年3月分を表示させている)。また、画面下半分の費目を長押しすると、その費目の取引がリスト表示されます。グラフ画面から取引データにアクセスできるのは喜ばしい限りですね。

貯まる家計簿の月間の支出の割合を円グラフで表示

2020/10/08

マネーフォワードMEのサイトの変更に伴いMFFマクロV2.12を公開しました

_本日、MFFマクロV2.12を公開しました。2020/07/24「マネーフォワードMEからコピペしたデータを他の家計簿アプリ向けに変換する」の方法によるデータ変換がうまくいかなくなっていることへの対応です。

_何が起きたのかと申しますと…マネーフォワードMEのサイトからデータをコピーする際に選択される範囲が微妙に変わったのです。これがいつ変更されたのかは不明ですが、↓のように大項目・中項目を絞り込むプルダウンメニューの"全て"という文字列が選択範囲に含まれるようになりました。

マネーフォワードMEからコピーするときの選択範囲の違い

2020/10/07

「貯まる家計簿」に他の家計簿アプリのデータを変換して一括登録する(後篇)

_今回は、前回の記事で出力したCSVファイルを「貯まる家計簿」アプリに一括登録するところを解説します。

5.一括登録そのものは難しくありません

_「貯まる家計簿」Android版では、同じスマホにインストールされているDropboxアプリと連携して、ユーザーのPCの"C:\Users\(ユーザー名)\Dropbox\アプリ\貯まる家計簿"(PCの環境によって異なりますが大抵はこうなるはずです)と同期されたCSVファイルを取り込み(一括登録)します。その一連の操作は↓のようになります。(6)の画面では、(前回の記事で出力した)取り込もうとしているデータを確認できるようになっており、【OK】を叩くと一括登録が実行されます。

「貯まる家計簿」アプリに一括登録する手順

2020/10/05

「貯まる家計簿」に他の家計簿アプリのデータを変換して一括登録する(前篇)

_今回は「貯まる家計簿」連載4回目(前回の記事はこちら)として、MFF形式のデータを一括登録(「貯まる家計簿」の用語です)する方法をご紹介します。

1.「貯まる家計簿」のデータ一括登録機能とは

_「貯まる家計簿」には、Dropboxの"\アプリ\貯まる家計簿"フォルダに保存したCSVファイルをアプリ側で取り込む機能(一括登録機能)があります。そのCSVファイルの雛形となるExcelファイルがテンプレートとして公開されています。ただし、その中身は↓のように、食費に収入額が入っているわ、投資という費目が収入・支出の両方に入っているわで、サンプルとしてはメチャクチャです。これをテスト用にそのまま一括登録したらエラいことになりますので止めたほうがよろしいでしょう。

_MFFマクロは、MFF形式のデータを、このテンプレートと同じ形式のCSVファイルに変換して出力します。他の家計簿アプリでは、データを取り込ませるためにどのような形式にしなければならないのか逐一自分で探求しなければなりませんでしたが、「貯まる家計簿」では標準機能として実装されているのが非常に有り難いところです(少なくとも最初はそう思いました)

貯まる家計簿のデータ一括入力用テンプレート

2020/10/04

「貯まる家計簿」のデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法

_今回は「貯まる家計簿」連載三回目(前回の記事はこちら)として、「貯まる家計簿」から出力したデータをMFF形式に変換する方法をご紹介します。

1.「貯まる家計簿」からのデータ出力

_「貯まる家計簿」Android版では、同じスマホにインストールされているDropboxアプリと連携して、ユーザーのPCの"C:\Users\(ユーザー名)\Dropbox\アプリ\貯まる家計簿"(PCの環境によって異なりますが大抵はこうなるはずです)にExcelファイル(CSVファイルではありません)を出力します。

_↓の画面の左から3番目、出力設定のダイアログでは、出力するデータ期間の長さを1~12ヶ月で指定し、さらに開始月または終了月を指定します。【集計シートを出力する】はチェックしないで下さい。

貯まる家計簿からのデータ出力操作

2020/10/02

MFFマクロV2.11(貯まる家計簿 関係のバグ取りと機能増強)を公開しました

  _「貯まる家計簿」に関するデータ変換の記事を作成中に発見したバグの修正と、不満足であった機能の改善を行いました。ソースリストはこちらからゲットしてください。

_当Blogでは、対応する家計簿アプリを増やした場合、まず、一応動作するMFFマクロを公開しておりますが、解説記事を作っていると、その途上で不備を見つけたり、改良点を見出したりして、すぐにバージョンアップする、ということが頻繁に発生します。また、連載が一段落した後であっても、いきなりマクロを改良したりすることもございます。

_さらに、バグとは言えずとも、マクロの動作を安定化するために細かい修正を行うこともあります(そのような場合いちいち告知は致しません)。マクロプログラムは常に最新版を使用して下さい。よろしくお願いいたします。

2020/10/01

お詫び:Zaimのフィッシングサイトの件は筆者の空騒ぎでした

_2020/09/26に「Zaimのフィッシングサイトへ誘導するメールが来た」という記事をアップしましたが、Zaim運営側に確認しましたところ、家内用に用意したZaimのアカウントを筆者がすっかり失念しており、そのアクセスがしばらく無いよ、という警告のメールであったことが判明しました。空騒ぎしてしまいまして申し訳ございません。当該の記事は検索でヒットすると困るので削除させていただきました。

2020/09/29

Zaimアプリの振替取引入力機能の大幅改善

_最近、Zaimアプリで、目立ちませんが重要な機能改善がありました。支出・収入取引を振替取引に修正するときの手順が変わったのです。

_↓まず、従来の手順。(2)の画面では【振替】ボタンは無いものと思って下さい。(3)で取引のカテゴリを変更するボタンをタップし、(4)の画面に至って初めてここで取引を振替に切り換えられることが判ります。また、(5)(6)でも、振替元・振替先の口座が何であったか、ユーザーは予め覚えておいて選択しなければなりません。

Zaimアプリの従来の振替取引の入力方法

_↓が改良後。(2)の画面に【振替】ボタンが新設され、(4)(5)で振替先の口座を指定すると、(6)で、対になっている取引を候補として表示するようになりました。(8)で入力結果を確認すると、従来は対になっていた取引を手動で削除しなければならなかったのが、改良により自動的に削除するようになっています。

Zaimアプリの振替取引入力機能の大幅改善

_手順が減っていないように見えますが、操作の確実性は格段に上がりました。特に、ZaimはWeb版では取引種別を変更できずアプリ版でしかこういう操作ができないので、この改良は大変有り難いですね。

2020/09/28

「かけ~ぼ」V1.52以降のデータを他の家計簿アプリ向けに変換する(後篇)

_前回に引き続き「かけ~ぼ」V1.52以降のデータをMFF形式(中間形式)を経て他の家計簿アプリ向けに変換する方法を解説します。


3.「かけ~ぼ」側の操作

_「かけ~ぼ」のAndroidアプリとDropboxを例にします。↓カレンダー画面左上のメニューボタンで表示されるメニューから【設定】を選択し、表示されるメニューの最下方にバックアップ機能があります。接続状況が”接続中”の状態で、文字コードをShift-JISに設定して(UTF-8にするとExcelで読み込んだ際に文字化けします)、【CSV出力】を叩いてください。 

かけ~ぼ側のデータ出力操作

_「かけ~ぼ」アプリがDropboxのサーバーへのアクセスを完了すると、ユーザーのPCのDropboxフォルダとサーバーが同期され、Dropboxフォルダ>「アプリ」フォルダ>「かけ~ぼ」フォルダ内に前回解説した9つのCSVファイルが格納されます。

2020/09/27

「かけ~ぼ」V1.52以降のデータを他の家計簿アプリ向けに変換する(前篇)

_2020/09/23「「かけ~ぼ」に新バージョンが出現していた…!」でお伝えしましたとおり、「かけ~ぼ」が出力するデータファイルが変更されたため、「かけ~ぼ」V1.52に対応した新しい記事をアップいたします。旧記事はこちらです。


1.「かけ~ぼ」が出力するCSVファイル

_「かけーぼ」は、ユーザーのDropboxのサーバーフォルダ内に「アプリ」およびその中に「かけ~ぼ」というフォルダを作成し、以下の9つのCSVファイルを格納する機能があります(Google Driveも対象となっていますが解説は割愛します)。このファイル群は、本来はスタンドアロンの家計簿アプリである「かけ~ぼ」のバックアップ手段として出力されるものですが、当Blogではこれらを利用して他の家計簿アプリとのデータ変換を行います。

  • budget.csv(予算設定)
  • ※card.csv(クレジットカードおよび電子マネーの設定)
  • ※cashbook.csv(家計簿の取引データ本体)
  • ※cashbook_all.csv(家計簿の取引データをより充実させたもの。かけ~ぼV1.52から追加された)
  • ※codeName.csv(帳簿のコード番号と名称の紐付けデータ)
  • dailymemo.csv(日記のデータ)
  • fixdata.csv(正体不明)
  • ※items.csv(費目の名称、描画色などのデータ)
  • preference.csv(「かけ~ぼ」の設定)

_この中で、データ変換処理に直接関係するのは ※ のついた5つです。

_ちなみに、出力先となっている「かけ~ぼ」というフォルダ名は非常に不適切です。Excelでこのフォルダ名を参照すると「かけ?ぼ」となってしまい、様々な処理の場面でエラーを発生させる原因になりますので、筆者はこのフォルダと並列に「かけーぼ」というフォルダを作って、そちらに全ファイルをコピーして操作しています。 ここは新バージョンでも改善されなかった…!

(1)card.csv

_クレジットカードおよび電子マネーの設定データのファイルです↓。【登録タイプ】の列が重要で、

  • 0:「利用日に登録」するクレジットカード
  • 1:「請求日に登録」するクレジットカード
  • 2:電子マネー

_となっているようです。

_また、↓の例では01財布・02財布という電子マネーが入っていますが、これは筆者が現金を電子マネーとして取り扱う実験をした後に削除したはずのもので、「並び順」=-99というのがそれを示しているようです。「かけ~ぼ」も削除したふりをして実は非表示にしているだけなんだな~というのがこれで判るわけです(代表的な例ではZaimもこういう処理をしています)。

card.csv

2020/09/26

「貯まる家計簿」および「かけ~ぼV1.52」対応のMFFマクロV2.10を公開しました

_…タイトルだけで十分伝わるような気もしますけど、MFFマクロ V2.10を公開しました。本来は「貯まる家計簿」対応ということでV2.09にするつもりだったのです。そこへ「かけ~ぼ」の新バージョンが割り込んできたので公開が遅れてしまいました。

_ただし、「貯まる家計簿」の動作確認の中で、ACFの処理時間が長すぎるのに頭に来て、その点の改良を同時に果たせたのは良かったですね。

2020/09/24

「貯まる家計簿」のクレジットカード・デビットカードに関する動作を研究する

_「貯まる家計簿」連載2回目(前回の記事はこちら)は、クレジットカード・デビットカードに関する機能を解説します。「かけ~ぼ」と同じく、かなり複雑なので判りにくいかもしれませんが、ここを理解していないとこの家計簿アプリを使いこなすことはできないでしょう。

4.クレジットカード・デビットカードの設定

(1)クレジットカードの設定

_また、前回解説した資産の設定画面↓において、【クレジット・デビット設定】をタップすると、クレジットカードの設定画面では、締め日・決済日(引落日のこと※)、引落口座、引落しを記帳する際の費目 を設定します↓。

クレジットカードの設定画面

2020/09/23

「かけ~ぼ」に新バージョンが出現していた…!

_先日、久しぶりに「かけ~ぼ」アプリを開いて、アップデートがあったか確認したら…重要な仕様変更がなされていました。

「かけ~ぼ」のアップデート情報

_早速試してみますと、2020/06/03「「かけ~ぼ」のデータを、他の家計簿アプリ向けに変換する(前篇)」で述べた8つのファイルに、新たに9つめとなる cashbook_all.csv なるファイルが追加で出力されるようになっています。中身をまだ詳細に検討できていませんけど、これまでMFFマクロが参照していたファイルは変更されていないので、致命的な変更とはなっていないようです。

_今後、当Blogでも対応するか否かを含めて、続報はまた改めて。

2020/09/22

「貯まる家計簿」で貯められるようになるための基礎事項

_久しぶりに新しいスマートフォン用家計簿アプリ「貯まる家計簿」に挑戦します。

_無料版と有料版(買い切り200円)があり、後者は広告が表示されません。画面の背景にいつもブタさんの貯金箱が表示されるのがイマイチ…というユーザーもおいでのようで、画面デザインを男性向けにしたという別版「俺の家計簿」もあります。

_早速、基礎事項から見てみましょう。

1.「貯まる家計簿」の資産

_「貯まる家計簿」では、家計の管理単位を資産と呼んでいます。

  • 【通常】資産
    • 普通に収支登録(データ入力のこと)が可能な資産です。
    • 初期状態では「現金」、「預金」、「クレジット」という名称の3つの資産がありますが、使用開始時のチュートリアルで「シンプルな家計簿として使用する」を選択すると「家計簿」という資産だけになります。
    • 資産を新規に設ける際に、クレジットカードであるかデビットカードであるかを設定できます(詳細は後述)。設定しなければ、どちらでもない通常の資産(現金、電子マネー、銀行預金等)になります。一度クレジットカードまたはデビットカードとして設定した資産は、元に戻すことは出来ません。
  • 【集計】資産
    • 任意の資産をグループ化するためのもので、収支登録はできません。マスターマネーで言うところの計算アカウントに相当します。

_なお、資産のカスタマイズは、追加・削除・名称変更・表示/非表示化・順序変更が可能です。↓に設定画面を示します。

「貯まる家計簿」の資産設定画面

2020/09/17

ドコモ口座事件を受けて、Zaimも早速動いております

_本日、Zaimのアプリを開くとこんなお知らせが↓。

Zaimアプリのお知らせ画面

_こういうご時世では、やはりアカウントアグリゲーションサービスでのモニタリングしか対応策(防止策ではない)がありませんからね~ ただし、これを既存ユーザーのアプリ画面に出しても意味が無いでしょうけどね。

2020/09/16

オンライン家計簿サービスと証券会社の口座連携のAPI化が急務です

_ドコモ口座事件を契機に、銀行口座からの不正引き出しが次々発覚しておりますけれども、SBI証券の件は愕然としましたな。SBI証券に口座に不正ログインした第三者が勝手に株式を売却し得た資金を、その証券口座の持ち主と同じ名義で作った銀行のニセ口座 に送金し引き出した、という様相です。この犯罪を成功させるには、被害者をAさんとして

  • SBI証券におけるAさんのユーザーネーム、ログインパスワード、取引パスワード
  • Aさんの名義で銀行に口座を新設し得るだけのAさんの個人情報

_の二つが必要なわけですが…前者の情報により後者の情報を参照することは出来るので、トリガーはやはり前者の情報がどこからか漏れた、あるいは窃取されたこと、になるのでしょう。

_さて、そうなるとその漏れ口を塞いでいかねばなりません。そこで筆者がリスクであると思いますのがアカウントアグリゲーションサービス(AAS)です。

_前回の記事で銀行とAASとのセキュリティ確保について述べましたが、実はAASのAPI接続化というのはあくまで銀行だけが対象であって、証券会社やクレジットカード、何とかPay、電子マネー等には全く及んでいないのです。つまり、PFM事業者がユーザーのIDとパスワードを保持し、サイトへのログインを代行するという構図は変わっていません。

_そしてその中で、資産額の面で最も危険なのが証券会社ですね。もちろん、証券会社はログインパスワードの他に取引パスワードを設けて、顧客の資産に直結する操作にはセキュリティレベルを上げているわけですが… IDとパスワードまで漏れていれば、取引パスワードを窃取するまであと一歩なのですから破られるのは時間の問題です。対策としては、ユーザーが可能な限り長くランダムなパスワードを設定して、頻繁に更新するしかない…

_そういうわけで、銀行APIの次は証券API、そしてクレジットAPI、電子マネーAPIの順に、AASを安全に活用できる道筋をつけることが必要でしょう。特に証券会社のサイトは、保有している銘柄の時価や評価損益など銀行以上に多くの情報を表示するためスクレイピングでの情報抽出は困難であり、API化は非常に有用・有益です。

_今回のような不正引き出しは、完全撲滅がおそらく困難であり、早期発見・早期対処(例えば資金が流出した先の銀行口座を迅速に凍結するなど)が肝要で、AASによって自分の口座の残高の変動をモニタリングするしかありません。しかし、そのためにAASにリスキーな情報を預けるというのもナンセンスな話でしょう。そういう状況を一刻も早く解消すべく、証券業界の行動が望まれるところです。

2020/09/14

地方銀行のセキュリティは本当に甘いのか?

_例のドコモ口座事件に関してマスコミで喧伝されているのが「セキュリティの甘い地方銀行が狙われた」というキーワードです。このキーワードには

  • 地方銀行は一般に(大手銀行よりも)セキュリティが甘いので狙われた
  • 地方銀行にはセキュリティが甘いところがあるので狙われた

_の二つの解釈ができ、マスコミは当然ながら前者で解釈されることを狙って庶民の不安を煽るわけです。

_しかし…地方銀行って本当に(大手銀行に比して)セキュリティが甘いのか? と言うと…以前からアカウントアグリゲーションサービス(以下、適宜AASと略します)を活用している筆者としては疑問に思います。そこで、今回は銀行とPFM事業者(Personal Financial Managementの略。ここではAASを提供している事業者)との間でどのようにセキュリティを確保してきたか、その変遷を解説したいと思います。

1.初期のアカウントアグリゲーションサービスと銀行のセキュリティ

_今から10年以上前から、NTT CommunicationsのAgurippa(MSN残高照会サービスはこれをベースに提供されていた)やMoneylookが提供していたアカウントアグリゲーションサービスの流れを↓に示します。マネーフォワードME・Zaim・Moneytreeも最近まで、2020年3月にサービス停止したKakeibon、2020年4月に銀行との連携を取りやめたDr.Walletもこの方式が主流でした。

スクレイピングによるアカウントアグリゲーションサービスの流れ

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