2020/10/10

「貯まる家計簿」のグラフ機能と補遺

 _「貯まる家計簿」の連載(前回の記事はこちらです)を一段落させる前に撃ち漏らしを片付けておきましょう。

1.グラフ機能について

_「貯まる家計簿」のホーム画面下部のメニュー中央にある【分析】ボタンがグラフ機能への入り口です。↓の画面の【表示設定】で、グラフ描画の対象期間を 1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・1年・全期間 から選べます(画面例は1ヶ月を選択し、2019年3月分を表示させている)。また、画面下半分の費目を長押しすると、その費目の取引がリスト表示されます。グラフ画面から取引データにアクセスできるのは喜ばしい限りですね。

貯まる家計簿の月間の支出の割合を円グラフで表示

_↑の画面の 日・週・月・年 の各ボタンを叩くと、それぞれの時間単位で過去の実績推移を折れ線グラフで表示します。↓の画面は「年」を選択したところで、↑の画面が2019年3月を表示していたので2019年1~12月のグラフを表示します。「貯まる家計簿」は"年度"の概念が無いため年グラフが1~12月で固定になってしまうのは非常に残念です(月の区切り日を変更する機能はあるのに…)

貯まる家計簿の2019年の収支を折れ線グラフで表示

_↑の年単位画面は収支のグラフで、↓←の月単位のグラフでは費目別に切り替わります。【縮小】ボタンを叩くと、これがどういうわけか年間の費目別実績の推移(↓→の画面)になります。このように、少々腑に落ちない動作も見られます。

貯まる家計簿の分析画面で縮小ボタンを叩くとグラフの描画範囲まで変わってしまう

2.未登録の資産・費目を含んだデータを一括登録したときの動作

_2020/10/05「貯まる家計簿」に他の家計簿アプリのデータを変換して一括登録する(前篇)で申し上げましたように、「貯まる家計簿」はデータを一括登録する際に「その時点で未登録の資産や費目」が含まれていますと↓のように新規に資産・費目を作成するようになっています。この動作を逆手に取ると…「資産・費目を全て削除した状態でデータを一括登録すれば資産・費目を自動的に設定してくれる」ということですね。後でアイコンを指定したり順序を整えたりするのは少々辛いですけど。

未登録の資産がデータ内にある場合の「貯まる家計簿」の動作

3.追加備考機能の不備

_2020/09/22「貯まる家計簿」で貯められるようになるための基礎事項の入力UIの記事において「追加備考機能は使うな」と申し上げた理由について。追加備考機能は↓のようにデータ入力画面の入力設定を変更すると使えるようになります。しかし、追加備考1・2の欄に文字列を入力しても、資産移動取引を入力した際に自動作成される反対取引には反映されないのです。

追加備考機能を使わない方が良い理由

_おそらく複製する処理から抜けてしまっているものと思われますが、他にもそういう箇所があると思わぬ不具合を誘発する危険性がありますので、この機能を使う際にはご用心下さい。Google Playのレビューでも2019年12月にこのバグは報告されており、開発元にとっては既知のはずにもかかわらずまだ解消されていません。

4.前月繰越額を設定する方法

_そうそう、2020/10/04「貯まる家計簿」のデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法で伏線を張っておいたのを回収するのを忘れていました。「貯まる家計簿」に他の家計簿アプリから変換したデータを一括登録したとして、資産の残高認識をどのように合わせるのか…という点です。

_当該の記事で述べたように、この家計簿アプリは、毎月初めに「前月からの繰越額」を資産ごとに計算してアプリ内部で計上する、という動作をします。一括登録で食わせたデータの最初の月は当然ながら前月繰越額=0ですから、そこからその資産の残高推移を計算していくわけです。ということは、その最初の月の「前月繰越額」を手動で設定すればその資産の残高をただしく認識できるようになります。その操作例が↓です。

「貯まる家計簿」の前月繰越額設定機能

_↑の例では、2018年4月以降の取引データを「貯まる家計簿」に食わせており、その月の【前月繰越】は空欄になっています。そこで【前月繰越】を叩くと、その空欄に本来入るべき数字、すなわち2018年3月31日時点での残高を入力できます。他の家計簿アプリであれば大抵は「2018年3月31日時点での残高を、ダミーの収入があった体にして入力する」といった操作をするところですが、「貯まる家計簿」ではこのように取り扱います。

_なお、例えば「2020年10月10日時点のSuicaの残高を9,430円に合わせる!」というような、いわゆる残高調整機能はこのアプリにはありません。


_今回の記事で「貯まる家計簿」の集中連載は一応終わりです。家計簿アプリとしてどのように動作するのか、把握するのがかなり大変でした。「かけ~ぼ」のように入出力の方法まで自分で考えなければならなかったわけではないので、その点は助かりましたけどね。新機能の発見やバージョンアップがありましたら、また取り上げたいと思います。

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