2025/03/31

データをインポート可能な家計簿ソフト/アプリの「マイナスの金額」への対応状況まとめ

 2025/02/26 MFFマクロV2.70改修の進捗状況 で触れました、「データをインポート可能な」家計簿ソフト/アプリ別の「マイナスの金額」への対応状況を更新します。結論から言えば、「かけ~ぼ」がマイナスの金額を計上できることがはっきりしただけです。

 ただ、「かけ~ぼ」の場合は、マイナスの金額を計上できなければ、クレジットカードやデビットカードの返金といった特殊な取引をインポートできない(いずれそのうち気が向いたら解説します)ので、これは重要な事実です。

家計簿アプリがマイナスの金額を受け付けるか?

 ×がついている「DARUMA家計簿」と「MoneyPro」に関して、MFFマクロV2.70では、インポート用データを出力する際、MFF形式の「支出欄」および「収入欄」にマイナスの金額が入っている場合には、当該のセルを赤で塗って、修正できるまでデータ出力をしないようにしています。

 ?がついている「Dr.Wallet」・「オンライン家計簿うきうき」・「ゆう子の家計簿」については課金しなければ調査ができないため、不明のままとしています。MFFマクロV2.70では、これらにインポートするためのデータ出力の際には、マイナスの金額が入っていても警告するだけで、データ出力そのものは行います。ユーザー各位でインポートを試していただき、たこぶつまで情報をお寄せください。

 〇がついている家計簿ソフト/アプリについても、マイナスの金額に対して警告はしますが、データ出力は行います。

2025/03/30

MoneyProへのインポートに向けたMFFマクロV2.70のデータ変換の仕様変更について

 2025/03/29 MFFマクロV2.70ついに登場 の記事で、MFF形式データで負の金額を取り扱えるようにした「MFFマクロV2.70」を公開しました。それに伴い、過去の記事で、MFFマクロの MFF形式→家計簿アプリ 方向のデータ変換処理の概要を示した「動作チャート」を差し替えておりますが、MoneyProについては

 …と、MoneyProの改良に合わせて動作チャートを変えており、これらの記事の図版を差し替えると混乱するため、最新の動作チャートを新規ページとして掲載します。

1.支出/収入データの場合

 MFFマクロV2.70における MFF形式→MoneyPro のデータ変換処理は↓のように行います。MFF形式では負の金額を許容しますが、MoneyProは許容しないので、MFFマクロのいわゆる「二回目動作」の際には、負の金額が入っているセルをで塗って処理を中断し、ユーザーに修正を促すようになっています。また、MFF形式の収入欄・支出欄にはどちらか片方にしか金額を入力できません。

MFF2MPの動作(支出・収入データの場合)V2.70

2.振替データの場合

 振替取引のデータについても、負の金額を認めず、修正を促す機能を実装しました。

MFF2MPの動作(振替データの場合)V2.70

 当サイトはあくまでBlogであるため「仕様変更に伴う最新情報の更新」といった事態には不向きなんですよね…。むしろWikiの方が向いています。が、Wikiは所感を書き連ねたりするには不向きであり、筆者としてはBlogの方が好ましいため、当面このスタイルを維持したいと思っています。

2025/03/29

MFFマクロV2.70ついに登場

 長らくお待たせしました。MFFマクロV2.70を公開します。ソースリストはこちらから。

 今回の新版で新たにデータ変換ができるようになる家計簿ソフト/アプリは有りません。が2025/02/18 MFFマクロの大きな仕様変更について で予告しましたように、MFF形式データ(家計簿A→中間形式→家計簿B という2回のデータ変換を行う際に経由する中間形式) で「支出欄・収入欄」の両方に金額を入れるのを許容していたものを許容しないようにして、かつ、支出欄・収入欄それぞれにマイナスの金額を入れられるようにしました。

 これにより、支出の費目であっても、マイナスの金額を入れることで、例えば税金の還付金のような記帳ができるようになります(納税額から還付金を差し引いて正確な納税額を算出できる)。ただし、あくまでデータのインポート先の家計簿アプリがマイナスの金額に対応していることが条件です。

 この結果、MFF形式→家計簿B のデータ変換を行う動作(いわゆる第二回動作)の際に、「支出欄・収入欄」の両方に金額が入っている場合は処理を中断するようにしました。マイナスの金額が入力されている場合は警告するのみです。

 MFFマクロの動作やMFF形式データの仕様に関する記事は、今後更新していきます。データインポートが可能な家計簿アプリ/ソフトについては、それぞれの過去の記事に掲載したデータ変換のチャートをすでに差し替えてあります。

 なお、2024/12/01 「貯まる家計簿」アプリがサービスを終了したようです で予告しましたように、「貯まる家計簿」インポート用ファイルの出力機能は削除しました。

 また、これまで散々愚痴っていた、Android向け家計簿アプリ「かけ~ぼ」への対応についてですが、なんとかやり切りました。これまでの動作を大きく改変していますので、今後、解説記事をアップし直す予定です。

2025/03/15

MFFマクロV2.70改修の進捗状況その後~「かけ~ぼ」に悩まされています

 2025/02/26 MFFマクロV2.70改修の進捗状況 の続報です。正直なところを申し上げますと、「かけ~ぼ」への対応に非常に手間取っております。

 「かけ~ぼ」は2020年8月にV1.52.0に更新され、その際にバックアップ機能で"出力"するファイルが増えました。このあたりは 2020/09/27 「かけ~ぼ」V1.52以降のデータを他の家計簿アプリ向けに変換する(前篇) で述べたとおりです。

 この時点で、筆者は「かけ~ぼ」がバックアップ機能で"入力"するファイルは変わっていない、と認識していました。ところが…今回、MFFマクロにおいてMFF形式→「かけ~ぼ」のデータ変換を行う"MFF2KKB"というサブルーチンを改修し、「かけ~ぼ」へのインポート(バックアップ復元)を試みたところ、全然うまくいきません。その原因を探っていくと、どうやら、「かけ~ぼ」は2021年7月のV1.55.0への更新の際に、バックアップ機能で"入力"するファイルを、それまでの"cashbook.csv"から"cashbook_all.csv"に変更したらしいのです。

 つまり、2021年7月から現在まで3年半もの間、MFFマクロで「かけ~ぼ」へのデータインポートはできない、という状況が続いていたわけです。しかし、その知らせを筆者がいただけていない、ということは…なんだか泣けてくる結論が出てきます。

 しかも、MFF2KKBはかなり大規模な再改修が必要です。その結果としての「かけ~ぼ」へのデータインポートの方法も、シンプル家計簿MoneyNoteに似た方法になる見込みです2024/01/23 シンプル家計簿MoneyNoteにデータをインポートできるようにしたぜ(データ修正篇) からの連載記事を参照してください)。つまり、かなり面倒なものになるでしょう。

 この際、「かけ~ぼ」へのインポート方法の提供を諦める、ということを含めて、やり方を検討したいと思います。MFFマクロV2.70の公開はもうしばらくお待ちありたく。

 

2025/02/26

MFFマクロV2.70改修の進捗状況

 前回の記事(2025/02/18 MFFマクロの大きな仕様変更について)で予告した、MFFマクロV2.70に向けた改修の進捗状況です。

MFFマクロV2.70改修の進捗状況

 「データをインポート可能な」家計簿ソフト/アプリがマイナスの金額を取り込めるのか? という点については、現時点で「?」になっているものがいくつかありますが、これらは、確認するために新規にコストがかかる(有料プランに課金しなければならない)ので、当Blogでは「かけ~ぼ」を除いてこれ以上の取り組みはしません。MFFマクロの動作としては、「?」のソフト/アプリに向けにデータ変換を行う際に、マイナスの金額が入っていることを警告はしつつも、インポート用のファイルはマイナスの金額を含んだものを出力できるようにするつもりです。

 改修未了である「かけ~ぼ」については、かなり手間がかかるのでなかなか進んでおりません。V2.70のリリースはまだしばらくお時間を頂戴したく。

2025/02/18

MFFマクロの大きな仕様変更について

 先日、さるユーザーの方から「マイナスの支出・収入額」を取り扱えるようにしてほしい、とのご要望をいただきました。

 MFF形式データでは、支出・収入欄にマイナスの金額を入れることを禁じてはおりません。しかし、MFFマクロでMFF形式データを、家計簿ソフト/アプリへインポートする形式に変換する「第二回動作」の際には、

 金額=収入欄-支出欄

 と計算して、金額<0であれば支出取引、金額>0であれば収入取引、と判断するので、負の金額を入れると、結果として取引が反対になってしまうのです。

 この方針では、例えば確定申告で所得税の還付金を受け取った場合に、それを「マイナスの税金を支出した」と取り扱うことができません。「その他収入」のような形で収入の費目の一種として取り扱うことになり、現状のMFFマクロではそのようなデータを家計簿ソフト/アプリ向けに出力することになります。

 そうなると、税金の還付金のようなものを正しく「税金」の集計額に含められず、会計期間中に支払った所得税が正確にいくらであったのかが判らなくなります。そこで、マイナスの支出・収入額を、家計簿ソフト/アプリ向けに出力できるようにしてほしい、というのがそのユーザーの方のニーズになります。

 実はこの問題点は以前から認識しておりました。

 しかし…MFFマクロの大幅改修となるのと、これまで MFF形式→家計簿ソフト/アプリ のデータ変換の記事に掲載してきた処理チャートを全て描き直すのも恐ろしく大変なので躊躇していました。

 また、これまでのMFF形式データでは収入欄・支出欄の両方に金額を入れることを許容してきたのも、見直さなければなりません。「第二回動作」の際に、そういうデータ行を弾く必要が出てまいります。ただし、データ出力対象の家計簿ソフト/アプリがマイナスの金額を許容しているかどうかを調べるのも大きな手間がかかるので、ここはユーザー各位の自己責任ということにさせていただきたいと考えています。

 このようなMFFマクロの改修を近々V2.70として行う予定です。

2025/02/15

てきぱき家計簿マム10のデータインポート機能が改善されました

 2025/01/12 てきぱき家計簿マム10 振替取引データのインポート機能が再び不安定化? の続報です。最近のマム10のアップデートでバージョンは10.0.0097となり、データインポート機能における振替取引の取り込みが正常に行えるようになりました。

 ↓はアップデート後のデータインポート機能の画面です。以前は、↓のデータの2024/07/03の「11MSuicaから」の振替取引のところでエラーが出て処理が止まっていましたが、今回は処理は完結しています。この後、2024年7~9月の700件以上のデータも問題無く取り込めました。もっとも、先の「マム10」のエンバグ以前には出来ていたことなのですけどね。

 …ともあれ、マム10の重要機能が正常化したことは喜ばしきことです。開発元のサンテクの対応に大感謝です。

てきぱき家計簿マム10のデータインポート機能が改善された

2025/01/12

てきぱき家計簿マム10 振替取引データのインポート機能が再び不安定化?

 WindosPC向けの老舗家計簿ソフト「てきぱき家計簿マム10」は、2022年11月に「10」が発売され、これまでにも頻繁な更新が続けられてきましたが、最近のバージョンで、振替取引のデータをインポートする際の挙動が不安定化しているようです。

 「10」が登場した当初は、2022/12/04 てきぱき家計簿マム10にCSVファイルのデータをインポートする方法を解説しちゃいます(追記あり) で触れたように、振替取引をそのように認識できないバグがあり、その後のソフトウェアの更新で解消された、という経緯があります。しかし、先日、3ヶ月ぶりに家計簿データのインポートを試みますと…

てきぱき家計簿マム10が再び振替取引を取り込めなくなったらしい

 ↑の画面のように、2024/07/03の「口座振替」の取引データを取り込もうとしたところでエラーが発生するようになってしまいました。前回までのインポートでは発生しなかった現象です。現時点での「マム10」のバージョンは64bit版の10.0.0095です。

 しかも、このバグはかなり根深いものがあるようです。

 今回は2024年7月分の全データをインポートしようとして失敗しています。↑の状況で【続行】を叩くと、プログレスバーが表示されたままの状態で「電子明細の取込」ウィンドウの操作を継続できます。「てきぱき家計簿マム10」は、先の記事でも述べましたように「一度取り込んだデータを重複して取り込まないようにするための仕様」がいろいろと悪さをするので、このウィンドウの中で、取り込みに失敗しているデータを削除しなければなりません。

 ただ、これは単純な話ではない。↑の例では2024/07/03の最初の口座振替のデータがエラーを起こしているのですが、ここまでのデータを全て削除しても、実は「マム10」の内部には、この後に続く2024/07/31までのデータのゴミが残っているのです(これはユーザーには見えない)

 このゴミはどうやって削除するのか、というと…、「口座振替を含まないインポート用のダミーデータ」をでっち上げて、それをインポートするのです(筆者の場合は2024/07/01のデータだけにした)。すると、今度はそのダミーデータに続いて、↑でエラーを起こした「2024/07/03の振替取引」(これを振替Aとします)の次に含まれている振替取引(振替Bとします)までがウィンドウ上に表示され、再びその振替取引がエラーを引き起こします。そこで、また↑のウィンドウ上で取り込みに失敗したデータを全て削除して、また前述のダミーデータのインポートを試みて、振替Bの次の振替Cがエラーを発生させ、さらに取り込みに失敗したデータを削除して…ということを7月分全部のデータについて繰り返さなければなりません。

 これで、「マム10」内部に残ったインポート失敗データを全て削除したとしても、再び振替取引を含んでいるデータをインポートしようとすれば同じエラーでインポートに失敗します。「マム10」をインストールしたことのないWindowsPCにインストールして、データ的にまっさらな状態で試みても同様でした。

 このエラーを回避するには、MFFマクロの処理を書き換えて、振替取引データが「マム10」側で振替と認識されないようにして、インポート後にユーザー各位で全振替データを修正する、という対応をお願いしなければならないでしょう。これは「マム10」の大きな技術的後退です。

  「てきぱき家計簿マム」は、「一度取り込んだデータを重複して取り込まないようにするための仕様」に大きな問題を抱えています。インポートしたデータを家計簿に転記するかしないかを選択できるのは良いとしても、内部処理に不備があってこのような問題を起こすのでは本末転倒です。ここは、機能を削減して、インポートを試みたデータは問答無用で転記され、内部にゴミデータは残さない、という仕様に簡略化したほうが良いのではないか、と思います。

 今のPC家計簿ソフトの厳冬期にも開発を継続されているのは素晴らしいことではありますが、PC家計簿ソフトの優位点であるインポート機能が不安定になるのは極めて残念。サンテク側の迅速なご対応に期待するや切であります。

【追記】本件の続報はこちらです

2025/01/05

「まねーぼ」の検索機能と補遺と総評

←「まねーぼ」関係の前回記事:2025/01/04 「まねーぼ」のグラフ機能・予算管理機能には課題山積

 「まねーぼ」の連載も今回で一応終わりです。最後は検索機能について触れます。

6.「まねーぼ」の検索機能にも課題あり

 「まねーぼ」の検索機能は、ホーム画面右上にある虫眼鏡のアイコンから↓画面①に推移してアクセスします。まず困ったことに、検索機能だというのにすでにこの時点で検索対象期間は今月(2025年1月)に設定されています。ここでは↓画面②で「全て」に変更します。そして検索対象文字列を入力すると、メモ欄にそれが含まれる取引データが検索されます(↓画面③)。

「まねーぼ」の検索機能

2025/01/04

「まねーぼ」のグラフ機能・予算管理機能には課題山積

←「まねーぼ」関係の前回記事:2024/12/30 MFF形式データを変換して「まねーぼ」にインポートする方法


 明けましておめでとうございます。

 「まねーぼ」に関する連載は、年を跨いでしまいましたが今回とあと一回で締めます。

3.まねーぼのグラフ機能

  「まねーぼ」は円グラフ以外の時系列グラフ機能は有料提供となっています。しかし…先に申し上げておきますと、大丈夫かコレで? という感じが満載です。

(1)資産管理機能

 「まねーぼ」の画面下部の【資産】ボタンから資産管理機能にアクセスします(↓画面①)。ここでそれぞれの資産にタッチすると、その資産に関する取引データにアクセスできます(↓画面②)。ここまではスマホアプリとしてはできて当然でしょう。しかし、有料機能である時系列グラフを表示させる(↓画面③)と…

 まず、純資産額のグラフが表示されます。このグラフは、表示させる対象期間は↓画面⑤のようなメニューで変更できるのですが、任意期間が指定できません。そして、「まねーぼ」は年度の開始月を設定できないので、年度が1月始めで無いユーザーにとっては残念極まる事態となっています。

 また、↓画面③の表示内容も、純資産のグラフですから折れ線グラフは1本しか無いはずなのに、もう1本、薄水色の線が出現していて、これが何を意味しているのか不明です。グラフの下には純資産の残高推移を金額表示しているのはよいとして、緑色の数字の意味がさっぱり判らない…ちなみに、この操作は2025年1月に入ってから行っていて、過去一年の表示としているのに金額は2023年2月から表示され、2024年2月で増減の計算を一旦打ち切っているらしい…

 …とここまで書いてきて、↓画面③の薄水色の線の意味がなんとなく判ってきました。コイツはどうやら2023年2月~2024年1月の純資産グラフだな…。そういう意図なら、このグラフは、操作しているのが2025年1月であれば2024年1月、さらにその1年前の2023年1月を起点に表示すべきでしょう。そういう配慮ができているアプリも現にあります。例えば 2021/08/09 DARUMA家計簿のさらなる進化に期待 を参照されたく。

「まねーぼ」の資産関連機能

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