2025/01/05

「まねーぼ」の検索機能と補遺と総評

←「まねーぼ」関係の前回記事:2025/01/04 「まねーぼ」のグラフ機能・予算管理機能には課題山積

 「まねーぼ」の連載も今回で一応終わりです。最後は検索機能について触れます。

6.「まねーぼ」の検索機能にも課題あり

 「まねーぼ」の検索機能は、ホーム画面右上にある虫眼鏡のアイコンから↓画面①に推移してアクセスします。まず困ったことに、検索機能だというのにすでにこの時点で検索対象期間は今月(2025年1月)に設定されています。ここでは↓画面②で「全て」に変更します。そして検索対象文字列を入力すると、メモ欄にそれが含まれる取引データが検索されます(↓画面③)。

「まねーぼ」の検索機能

 問題はここから。↑の画面③で検索された取引データはカテゴリが「健康」、サブカテゴリが「病院」でした。では、このサブカテゴリたる「病院」でキーワード検索をかけると…↑画面④のように「そんなデータは無い」とすっとぼけた結果を返してきます。

 ここまで「まねーぼ」にかなり触れてきましたが…いろいろな機能を試す場面で、サブカテゴリが登場しないことに違和感を感じてきました。いろいろな情報がカテゴリ別には表示できても、そこからさらにサブカテゴリ別に表示することができないんですね。これまでは「まあ、そんなものか」と思っていましたが、まさかサブカテゴリがキーワード検索にもヒットしないとは心底驚きましたな。これではサブカテゴリが何の役にも立っていません。

 次善の策として、↑画面⑤で支出カテゴリとして「健康」を指定して(サブカテゴリは指定できません)検索すると、該当するデータは↑画面⑥のように全て抽出されます。せめて、この検索結果をCSVファイルとして出力する機能があればよかったのですがねえ。

7.補遺

(1)カテゴリ別統計機能の謎について

 前回の記事で謎としていた、カテゴリ別統計機能における緑数字・赤数字ですが、どうやら謎が解けました。これは、例えば2024年のデータを表示している場合は、期首である2024年1月に対する各月の増減を示しているらしい。

「まねーぼ」のカテゴリ別月次推移表示の数字の謎を解く

 ↑の画面①が2024年1月に対する増減を示しているなら、その2024年1月の支出額を変化させればそれに伴って増減も変化するだろう、というのが↑画面②です。その支出額はカテゴリ「健康」で変えているので、意図どおりになっていることを確認したのが↑画面③です。

…しかし、これも実装した意図が謎です。家計管理に役立つ情報とは到底思えないからです。もしかすると、これも前月との増減を表示するのが開発側の本当の意図であって、バグによってそれが実現できていないだけなのかも…。

(2)「まねーぼ」の体感速度について

 これまでの「まねーぼ」の連載においては、月間16件の取引データを2022年4月~2024年12月にかけてインポートして動作を見てきましたので、処理速度はそんなに気にするレベルではありませんでした。しかし、筆者の同期間の生データ(平均210件/月)をインポートしますと、さすがに「遅さ」(もっさりというレベルではない)を体感せざるを得ません。

 「まねーぼ」は(今回の連載ではスルーしましたが)パートナーと帳簿を共有できる機能があり、必然的にデータは「まねーぼ」運営側が用意したサーバー側に保持されます。そのため、特に残高の計算と時系列グラフの描画の際にサーバーとの通信が行われ、これにかなり待たされることになります。例えば2023年1~12月の支出の推移をグラフ表示させると20秒以上を要します。

 提供されている機能は違いますが、同レベル以上のデータ量を保持しているマネーフォワードMEやZaimでグラフ表示にそんなに待たされるか…?と言われるとそんなことはありません。そして、ユーザーにしてみれば(マネーフォワードMEやZaimより安価とは言え)「まねーぼ」に課金したうえで初めて実態を知ることになるわけです(インポート/エクスポート機能はサブスクリプションの有料機能ですから)。早急にボトルネックになっている処理を特定して改善されることを願ってやみません。単純にサーバーの力の差だとは思えません。

8.「まねーぼ」の総評

 筆者としては、「まねーぼ」をインストール後、プレミアムプランが2週間無料ということで、その間にレポートを済ませてしまうつもりでしたが…とにかくこうも突っ込みどころが満載だと「どうしてこんな実装になっているんだ?」とさらに追求して、結局予想外に時間をかけてしまいました。

 目指しているところはいいんです。家計簿の共有機能は今や業界のトレンドですし、予算管理機能も月間・年間で別に設定できるのはナイスです。インポート/エクスポートがあれだけ素直にできるのも素晴らしい。

 しかし…エクスポート後にユーザーによる全データの再保存操作が必要、というところからケチが付き始めましたね。筆者の手持ちデータをインポートした後に地獄を見ました(保存操作が必ず漏れるので、何を漏らしたのかを探索するのに鬼のように苦労する)。そして、前回解説したグラフ機能・予算管理機能にもどうやらバグか仕様不備と思われるところが複数見られました。今回レポートしたサブカテゴリの継子扱いぶりは、もはや笑うしかないレベルです。

 「まねーぼ」の有料プランは買い切りではなくサブスクリプションです。現在の「まねーぼ」のクオリティでサブスクリプションに値するか…? と言われると、コイツは相当厳しいと言わざるを得ません。一通りの使い方で見えてきた問題点は今回の連載で洗い出せたと思いますので、まずは早急に改善していただきたいところです。

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