久々のMFFマクロの更新です。2025/08/10 マネーフォワードME(iOS版)にPayPayの取引履歴CSVデータをインポートする機能が出現しました で少々匂わせていた新機能を実装。PayPayアプリからダウンロードした取引履歴データをMFF形式に変換できるようになりました。MFFマクロV2.71のソースリストや導入方法につきましては MFFマクロの導入法と使用法 のページをご覧ください。

1.PayPayアプリから取引履歴データをダウンロードする
Android版のPayPayアプリから取引履歴データをダウンロードする方法は↓のとおりです。スマートフォン本体にダウンロードしたCSVファイルを、Android標準の共有メニューからメール等の方法でPCに移します。↓の例ではGmailを使っています。
なお、PayPayの取引履歴データは、Transactions_YYYYMMDD-yyyymmdd.csv のようなファイル名になります。YYYYMMDDは対象期間の開始日、yyyymmddは終了日です。なお、ファイルのエンコードはUTF-8、改行コードはCr+Lf。BOM付なので、Excelで直接開いても文字化けしません。

ただし、このCSVファイルをExcelで直接開く(エクスプローラ等でこのCSVファイルをダブルクリックして、関連付けられたExcelを起動する)と、↓のように、取引番号が数値データとして解釈され、本来の文字列が得られない、という問題があります。
取引番号は、先頭が0で始まる20桁の10進整数です。Excelの数値データは15桁までで、それ以上の桁は0にされ、Excel上では指数形式で表示される(↓がそうなっている)からです。
もちろん、取引番号は、家計管理に必須の情報ではありませんから無視しても構わないのですが、マイクロソフトマネーのように取引データに固有のIDを付ける機能を有する家計簿ソフトもあります(固定ページ:MFFマクロのOFXファイル出力機能が参考になります)ので、活用できるように考えてみましょう。

2.PayPayの取引履歴データをExcelで正しく開く方法
まず、PC上でExcelを開き、そこから【開く】>【参照】でPayPayの取引履歴データを選択します(その際に、ダイアログでCSVファイルが表示されるように設定します)。

この方法でCSVファイルを開くと、Excelはテキストファイルウィザードでワークシートにデータを取り込みます。その際の方法を↓のように設定していきます。


…そして、データのプレビューにおいて最も右の取引番号欄を「文字列」として取り込まれるように設定します↓。

これで、ExcelにCSVファイルの情報が正しく取り込まれました↓。
なお、MFFマクロには、空のワークシート上でマクロを動作させた場合に、マクロが独自の方法でCSVファイルのデータを読み込む機能がありますが、その機能を使っても、取引番号はやはり数値として取り込まれて、元の情報が失われてしまいます。取引番号を活用するには、↑のような読み込み方をしてください。

3.PayPayの取引履歴データをMFF形式に変換する
↑の状態でMFFマクロを動作させると、MFFマクロはこれをPayPay由来のデータと自動判定してMFF形式へ変換します↓。特殊な操作はありません。
MFF形式のID欄には、取引番号の20桁の数字が文字列として入っています。口座名欄には、PayPayの取引履歴データから得た情報をそのまま入れているので、このデータの変換先の家計簿アプリの設定に合わせて修正してください。
また、支出・収入取引の費目は入っていない(元のデータに無いんだから仕方が無い)ので、これも他の家計簿ソフト/アプリ向けに再度データ変換する前にユーザーの皆さんが入力してください。

今回のMFFマクロV2.71で実装したPayPay→MFF形式の変換処理は↓のように行っています。支出・収入の場合はフツーに変換しますが、チャージの場合は、振替取引に変換します。PayPayのデータにはチャージ元の口座名が含まれているのでこういったことができるのです。

なんとかペイ、という決済サービスは家計簿アプリとの関係を疎にする傾向が強い(当然ながらあまり褒められたものではない)ですが、PayPayは、API連携は無理でも、取引履歴データのCSVファイルを提供することで一歩歩み寄りました。今回、マネーフォワードMEは、2018年に一度廃止したデータ取り込み機能を部分的に再開してでもこの動きに応えたわけです(2025/08/10の記事)。当Blogとしても「そこに変換できるデータがあるから」という精神で対応しました。ぜひご活用ありたく。
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