_今回から、連載で「おカネレコプラス」を取り上げます。2018年10月に「おカネレコ」(直近の記事はこちら)の上位版として登場した家計簿サービスですが、果たして筆者の友となり得るか…!?
1.「おカネレコ」と「おカネレコプラス」 は基本思想が違う
_公式プレスリリースによれば、
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1つのアカウントに「個人」「家計」「仕事」の3つの家計簿が作成可能
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「FPI-J家計の格付け」機能の搭載
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マネーツリー社「MT LINK」と連携した資産管理機能を搭載
_の3点が(「おカネレコ」に対しての)新機能として挙げられています。「おカネレコ レビューその2」で申し上げたとおり、「おカネレコ」は支出管理(と収支管理)はできても、口座ごとの残高管理はできません。その点を、Moneytreeとの連携によりアカウントアグリゲーション機能を装備して強化したものである、と解釈すればよさそうです。
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_しかし…「おカネレコプラス」は残念ながら「おカネレコ」の完全上位ではありません。
2.「おカネレコ」と「おカネレコプラス」の機能の違い
_両者の機能を一覧で示します↓。「おカネレコ」には実装されていても「おカネレコプラス」には実装されていない機能があることが判ります。
_まさか、と思いましたが、
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レシート認識機能
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Excel出力機能
_が「おカネレコプラス」には有料版でも実装されていません。
_ところが…「おカネレコプラス」の入力画面↓には【カメラボタン】があります。では、これは何なのか…?_というと、答えは簡単。これはレシート認識機能ではなく、レシート撮影機能なのです。これでレシートを撮影した後に金額・カテゴリを指定して【入力ボタン】を叩くと、そのデータにレシートの画像が添付されるようになっています(別にレシートである必要すらありません)
_これらのことは、公式ブログを見ても、いくつかのアプリ紹介記事を見ても明示されておらず、実際にアプリを弄り回して判明しました。_「おカネレコ」に関しては公式サイトや公式ブログでの解説が充実しているのに対し、「おカネレコプラス」は今ひとつなのです。
3.「おカネレコプラス」の有料版の意義は?
_また、ここまでの記事をご覧になって疑問に思われた方もおいででしょうが…「おカネレコプラス」の有料版の意義は何でしょうか?_どうやら、シンプルプラン1,000円/月が後にベーシックプラン480円/月に見直された結果が現在のサービスのようですが、それでも正直言って「Excel出力機能が無くてこの価格か!?」と驚くばかりの設定です。しかもこれは買い切りではなくてサブスクリプションですよ? 何かが間違っているような気がしますね。
4.「おカネレコプラス」のカテゴリ構成
_「おカネレコ」と「おカネレコプラス」のカテゴリ構成を比較したのが↓の表です。
_「?」はカテゴリが未指定であることを示す記号です。「おカネレコ」はデータ投入方法が手入力のみであり、入力の際に必ずカテゴリを指定するので「?」は有り得ません。それに対し「おカネレコプラス」ではMoneytreeから取り込んで来た明細データが当初は全て「?」となるため、新規に用意されたわけです。また、残高管理機能が付加されたことで、残高調整のための加算・減算を行うカテゴリとして「残高調整額」が加わっています。
_さらに…「おカネレコプラス」は家計簿を複数作ることが可能で、「個人家計簿」「ファミリー家計簿」と「仕事家計簿」の3種類から選ぶことが出来ます(それぞれの意義や設定方法については公式サイトをご覧下さい)。「仕事家計簿」のみ、デフォルトのカテゴリ構成が大きく異なるのは、個人事業者をメインターゲットとしているためです。