2020/06/20

Moneytreeの一応の総評

_前回までのMoneytreeに関する連載も、書き残しをフォローして今回で一応締めます。


1.グラフ機能

_「Moneytree=家計簿アプリのサンプル」という位置付けに相応しく至ってシンプル。Web版画面上部の【トレンド】で、資産残高と支出額の時系列縦棒グラフを表示するのみです。個別の資産やカテゴリを選択するとそれのみを集計したグラフに切り換えることはできます。

Moneytreeの口座残高のトレンド表示

_他の家計簿アプリでありがちな「月間の支出費目の構成比率の円グラフ」とか「口座別残高の時系列積上げ棒グラフ」といった機能はありません。筆者としては、グラフ表示の開始月・終了月をユーザーが変えられるようになっているだけでずいぶん使い勝手が良くなると思うのですがね。

Moneytreeの支出額のトレンド表示

2.スマホアプリについて

_Moneytreeのスマホアプリは、セキュリティ強化ということでスクリーンショットが撮れない設定になっています。他のBlogではスマホの画面そのものを撮影しているところもありますけど、正直申し上げて筆者はそこまでして紹介する意義が見出せないので当Blogでは取り上げません。

3.有料プランと無料プランの差異

_有料プランは、2020年6月現在、月額500円・年額5400円のMoneytree Workがあります。無料プランに対する追加機能は以下のとおりです。

  • レシート自動照合(撮影したレシートと、口座連携で得た取引データを照合する)
  • 経費精算書の作成
  • レシートの(写真の)保管
  • データ出力(CSV・Excel形式)
  • バックグラウンド更新(Moneytreeサーバーが自動的に金融機関サイトから取引データを取得する)

_当Blogでは当然データ出力機能が気になるところですが、筆者は経費精算がやりたいわけじゃないので有料プランは試していません。出力されるデータの形式はこちらのBlog記事「MoneyTree&Excel。スマホで全資産をチェック、経理にも家計簿にも便利なしくみ。」を参考にして下さい。出力されるデータには口座名称(ニックネーム)ではなく生の口座番号が入るため、口座番号を口座名称に変換する仕組みをExcelのVLOOKUP関数で構築されており、細かいところで気が利かないMoneytreeを使いこなす苦労がよく判ります。

_そういった欠点が是正されたうえで、有料プランで

  • 現金管理機能の強化(複数の財布に対する取引累積式の残高管理機能)
  • カテゴリ構成の完全カスタマイズ

_が可能になるんだったら試してみようか、という気になるのですが…期待薄ですなあ。

4.Moneytreeの今後

_これまで見てきましたように、Moneytreeは、家計簿アプリとしてはナンですが、MT Linkによるアカウントアグリゲーションサービスは優秀です。何せMT Linkは業務用の会計ソフトにもデータを提供しており、Fintechの業界において確固たる地位を築いています。個人ユーザーとしても、MT Link設定ツールとしてのMoneytreeアプリのユーザー登録は事実上必須になるのでしょう。

_しかし…Moneytreeと連携する家計簿アプリや銀行アプリは、「おカネレコプラス」の連載で申し上げたように、今のところMoneytreeビューア以上のものではないんですね。CSVファイルでのデータ出力機能が無いためです。

  • 「Moneytree連携機能を備えたアプリがどいつもこいつもCSVファイル出力機能を実装していない(少なくとも実装しているかどうか明言されていない)のは、Moneytreeとの契約条項に起因するのか、アプリ開発元の単なる職務怠慢なのか?」

_筆者としてはこの点が非常に気になります。今後も動向を注視していきたいところです。

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