_今回は(前回の記事はこちら)、MoneyProの残高調整機能について解説します。家計簿ソフトにおいては地味ながら重要な機能であり、どんな動作をするか、あまり期待せず検証しませう。
1.例によってテスト用データの設定から
_テスト用に05財布という口座を、開始残高10,000円で設定します↓。この操作を行ったのは4月5日です。
_これは実験なので、この開始残高を4月1日に変更します↓。
_4月2日に450円の買い物をした、というデータを入力します↓。すると、現時点(4月5日)での残高は9,550円になりますね。
2.MoneyProの残高調整機能の不思議な動作
_「しかし、05財布の中身を確認すると、9,600円ある…」という想定で、残高画面から口座情報編集モードに入り、05財布の残高を9,600円にしてみます↓。なお、MoneyProでは、操作した日時が重要な機能については、日時を指定できないようになっています。
_操作を行った4月5日に05財布の残高を50円増額した、という残高調整データが出現します↓。4月1日の開始残高を10,050円にする、というような動作ではないことが判ります。
_ところが、4月の05財布のトランザクションを表示してみると…データとしては4月2日の450円の買い物しかありません↓。データをエクスポートしても同じです。つまり…エクスポートしたデータには50円の残高調整が含まれないため、他の家計簿ソフト/アプリにデータを移行させても、05財布の残高の計算がこの分だけ狂ってしまうことになります。
_ちなみに、この残高調整データは、金額や日付を変更できます↓。金額はマイナスにすることも可能で、意外に柔軟に対応できるようです。
_しかし…通常、残高調整機能というのは、フツーは支出としては「使途不明金」、収入としては「その他の入金」的な取引データとして記帳するものですよね…。MoneyProでは「画面には表示するがエクスポートしたデータには含まれない」というなんとも中途半端な扱いのトランザクションが出現することになります。はっきり言ってこの機能は使わない方が吉でしょう。少なくとも、証券投資口座のように相場によって残高が変わるような性質の口座の残高のみを記録する目的でのみ使用するべきです(Zaimの残高調整機能と同じですね)。