_2021/01/15「家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較」をベースにした家計簿アプリ別各論は今回の第八弾で一応の最終回です(前回の記事はこちら)。オンライン家計簿アプリ「マネーフォワードME」と、Androidアプリ「らくな家計簿」・「貯まる家計簿」が対象です。
1.マネーフォワードME
_現時点におけるオンライン家計簿アプリ最大手のマネーフォワードME(ユーザー数1200万人と公言している)は、2018年12月に「ME」が付くと同時にデータのアップロード機能を廃止しやがりましたので、現時点ではデータのダウンロードのみが可能です(しかも有料機能!)。その方法は2020/07/23「マネーフォワードMEからダウンロードしたデータを他の家計簿アプリ向けに変換する」でご紹介したとおりで、この機能に対する筆者の評点は11点。口座別出納画面か家計簿画面でDLしたい月のデータを表示させてからDLするという手順であり、任意期間指定も絞り込み結果の出力もできないので、「あまり高機能ではない」と評せざるを得ないのです。
_また、振替取引においては、振替元・振替先のどちらかの口座名がデータに含まれません。MFFマクロはこの難点をある程度補完するように作ってはありますけど、MFFマクロ無しでマネーフォワードMEのデータを取り扱うとかなり面食らうことになるでしょう。
_ちなみに、マネーフォワードMEの画面表示をコピペしたデータをMFF形式に変換する方法もあって(2020/07/24「マネーフォワードMEからコピペしたデータを他の家計簿アプリ向けに変換する」参照。これは無料版でも可能です)、こちらであれば振替取引の振替元・振替先両方が揃ったデータが得られますが…計算対象のフラグがデータに反映されません。ユーザーのニーズに合わせて使い分けていただければと思います。
2.らくな家計簿
(1)「らくな家計簿」へのインポート
_この機能については2020/11/30「他の家計簿アプリのデータをらくな家計簿向けに変換してインポートする」でご紹介しておりますが、その前段の記事
- 2020/11/16「らくな家計簿」へのデータインポートに暗雲が(追記あり)
- 2020/11/17「らくな家計簿」へのデータインポートに雨雲が(追記あり)
- 2020/11/28「らくな家計簿のデータインポート機能はまだ少し怪しいけど不具合は改善されました
_を作成する段階での調査不足から、データをインポートした際に全データを一括で保存する機能を見逃しており、2021/01/15「家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較」では評点を18としておりました。今回、それを14に見直したことで、最高レベルの性能評価となります。
_ただし、この評点には、データのインポートの手順が多いという部分が反映されていません。以下のような手順になります。
- 「らくな家計簿」にインポート可能な形式のテキストファイル(TSVファイル)をMFFマクロで作成する
- そのTSVファイルをAndroidスマホにメール送信する(その他の手段でもいいけど)
- TSVファイルを指定のフォルダに移動させる(【2022/06/18追記】:バージョン4.6以降は仕様が変更され、必ずしもその必要はありません)
- アプリ側で取り込む(↑の画面の操作)
_この面倒さが若干厄介ではありますが、「らくな家計簿」は家計簿アプリとしての基本事項はしっかり造り込まれているので、当Blogが目標としている「マスターマネー的な運用」も充分可能です。
(2)「らくな家計簿」からのエクスポート
_エクスポートについては2020/11/29「らくな家計簿からエクスポートしたデータを他の家計簿アプリ向けに変換する」をご覧下さい。筆者の評点は9で、ごく平均的な性能と言えます。データの任意期間指定や絞り込みができない点が少々残念ですが、実用上はさしたる障害にはならないでしょう。
3.貯まる家計簿
(1)「貯まる家計簿」へのインポート
_2020/10/05「貯まる家計簿」に他の家計簿アプリのデータを変換して一括登録する(前篇)をご一読あればお判りいただけましょうが…貯まる家計簿は評点=23ということで決して使いやすいとは言えません。手順そのものは、Dropboxを経由した「データ一括登録」機能が提供されている↓ので、先の「らくな家計簿」より若干楽にはなっているのですが…インポートした後にユーザーが全ての振替取引を手動で修正しなければならないというのが、どうしようもなく手間がかかるのです。これは「貯まる家計簿」の設計の根幹に起因している難点なので、今後も解消される見込みが薄いでしょう。
(2)「貯まる家計簿」からのエクスポート
_反対に、エクスポートに関しては(2020/10/04「貯まる家計簿」のデータを他の家計簿アプリ向けに変換する方法を参照)、少々独特な期間指定機能を除けば痛い制限などは無いので評点=7と、そこそこ使える性能です。Dropbox経由でPCの指定のフォルダにExcelファイルが直接書き込まれる↓のが有り難いところです。
4.連載を終えて
_2021/01/15「家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較」に基づいた家計簿アプリ別の各論の連載も今回で一応完了です。筆者が少々別のことにかまけていたため3ヶ月以上も要してしまいました。また、連載中に筆者の認識違いを発見して↑の記事の評価表を修正したり、アプリごとのレビュー記事を溯って修正したりする事態もありました。大変申し訳ございません。
_当Blogのメインテーマたる「家計簿アプリ間のデータ変換」について、アプリ側の機能をまとめることができたのはそれなりに意義はあったのではないかと思っております。ユーザー各位の家計簿アプリ選択のご参考にしていただければ幸いです。なお、過去の記事をまとめますと↓のようになります。