_2021/01/15「家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較」をベースにした家計簿アプリ別各論の第六弾(前回の記事はこちら)では「がまぐち君」と「てきぱき家計簿マム9」のPC家計簿ソフト2本について述べます。
1.がまぐち君
(1)インポート
インポートに関しては2020/08/12の記事を参照して下さい。評点14は最も高評価になります。データ項目の割付をインポート時に指定できるほか、その設定を保存しておく機能があり↓、対象のファイルの構造を理解できていれば大抵のテキストデータを取り込ませることができます。取り込みたくないデータの除外ももちろん可能。ただし、それに伴って、インポート時の手順が多くなっています。
がまぐち君のデータインポート機能 |
(2)エクスポート
エクスポートに関しては2020/08/11の記事をご覧下さい。こちらは評点11であり並みの性能と評価していますが、これはMFFマクロを利用してデータ変換できるのが「がまぐち君の全データエクスポート機能で出力したCSVファイル」に限られているためです。がまぐち君自体には、絞り込みを行ったデータのみの出力機能など、豊富なエクスポート機能が実装されています。
_正直なところを申し上げますと、がまぐち君は多機能すぎて、それぞれの機能に逐一対応するのが大変なんですよね…そういうわけで、データ形式が固定されている「全データ出力のみ」を評価対象とさせていただきました。↑のダイアログに、出力対象とするデータ期間を指定する機能があれば最強クラスと呼んで差し支えないでしょう。
2.てきぱき家計簿マム9
(1)インポート
_てきぱき家計簿マムのインポートに関しては2020/05/16の記事を参照してください。評点は33と、最も低性能な部類です。ただし、世の中にはメジャーな家計簿ソフトでもデータをインポートできないものもあるので、それに比べればマシですが…
_なぜこのような評価になるのかというと、それはもう「インポートの手段がOFXファイルに限定される」という一点に尽きます。しかも、開発元はこの機能を「銀行のサイトからダウンロード提供されるOFXファイルを取り込むため」としており、他の家計簿アプリからのデータ移行を意図しているわけではありません。それを強引に可能にしているのがMFFマクロなのです。
_しかし、OFXファイルは(何度か述べておりますように)取引データに費目を明示的に指定することができず、取り込んだデータの全てに改めて費目を指定しなおさなければなりません↓。これは大きな苦痛を伴う作業です。また、取り込むデータに文字数の制限があるため、情報の欠落も発生します。
_そういうわけで、他の家計簿アプリからのデータの受け入れ先としては、このソフトはお奨めできません。CSVファイルのインポート機能が実装されれば強力なんですがねえ…。大きな手間がかかることを覚悟して取り組めば、家計改善に繋がるいろいろな機能を活用することもできるでしょう。
てきぱき家計簿マム9に取り込んだデータに費目を指定する |
(2)エクスポート
エクスポートに関しては、2020/05/13・2020/05/15の記事に解説しています。評点9と、がまぐち君を凌駕する評価です。絞り込み結果の出力こそできませんが、出力対象期間を指定できるためです↓。
_ただし、評点外の留意事項として、「マム」にはデータの文字数制限がやたらにあります(例えば備考欄は20文字まで)。こういったところが改善されれば非常に有り難いのですが、大きなバージョンアップは望み薄でしょうか…