2023/08/21

MoneyProのトランザクション(取引データ)をエクスポートして他の家計簿アプリ向けに変換する方法を改めて解説します

 前回の記事でMoneyProのV2.9.10に対応したMFFマクロV2.44を公開しました。今回は、それにより新仕様のMoneyProからエクスポートしたデータをMFF形式に変換する方法を解説します。

1.MoneyProからのエクスポート


 (参考)以前のMoneyProからエクスポートしたデータの変換については以下の記事を参照


 今回サンプルとするデータは↓のとおりで、MoneyProの特徴である支出・収入・振り込み(振替取引のこと)・資産購入・資産売却・取得負債(いわゆる借金)・完済負債(いわゆる借金返済)の各種の取引種別を網羅しています。①の開始残高は、MFFマクロでは無視します(後述)。

MoneyProの残高画面の取引一覧

2023/08/20

MoneyProのエクスポート/インポート機能の仕様変更に対応したMFFマクロV2.44公開

 2023/07/09 MoneyProの知られざる大バグフィックスに対応したMFFマクロV2.43登場で、MoneyProのインポート機能の改善に対応しMFFマクロをV2.43に更新した当時、MoneyProのバージョンは2.8.35でした。2023/08/19時点では2.9.10と、ここ最近、頻繁にアプリが更新されています。

 で、先日、MoneyProのインポート機能が更新されたのであれば、エクスポート機能ももしかして…と思って確認したところ、やはり大きな仕様変更がなされていたことに気がつきました。MoneyProはアプリの更新履歴を公開していないため、それがV2.8.35以前なのか、以後なのか、もはや確かめる術はありません。しかし、少なくとも現時点で、MoneyProの振る舞いとMFFマクロの振る舞いは微妙にズレてしまっているので、MFFマクロ側を更新しなければなりません。そこで、今回V2.44を公開いたします

1.MoneyProのエクスポート機能はどのように変わったか

 以前のMoneyProからエクスポートされるデータファイルの中身は、2020/05/30 MoneyProのデータを他の家計簿アプリへエクスポートする(後篇)を参照していただければ判りますように、同じファイルの中で、支出・収入・振り込み(振替取引のこと)・資産購入・資産売却・取得負債・完済負債…という取引種別毎に行をまとめる形でデータが並ぶようになっていました。

 現在のMoneyProでは↓のように、日付をキーに昇順ソートされ、全ての取引種別が混在する形でデータが並ぶようになりました。要するに、インポートするファイルの形式とほぼ同じになっています。

MoneProV2.9.9以降からエクスポートしたトランザクション

2023/07/27

らくな家計簿の同期機能/新PC家計簿機能には注意

 先日、「らくな家計簿」をいじっていると、困った事態に遭遇しました。スマホの「らくな家計簿」にデータをインポートしても、それがいつまで経っても新PC家計簿(2022/12/03 らくな家計簿に新PC家計簿機能が登場 参照)に同期されないのです。

 なぜなんだ…? と思って調べてみますと、どうやら「らくな家計簿」は、同じスマホの中にオフライン用Aとオンライン(同期)用Bの2つの家計簿データが共存する仕様になっているらしい…。図版化すると↓のようになります。

らくな家計簿の新PC家計簿とのデ ータ同期の動作

 「らくな家計簿」のスマホアプリは、4.6.28以降から、会員登録とログイン認証を経て新PC家計簿機能を利用できるようになりました。で、初めて会員登録とログイン認証を行うと(↑②)、その時点でスマホに入っていた家計簿データAがオフライン用となり、オンライン同期用の家計簿データBとして複写され、以後の同期はこの複写された家計簿データBに対してのみ行われるようになります。

 ですから、ログインせずに「らくな家計簿」のスマホアプリ上でデータをインポートし(↑③)、その後にログインして同期させたとしても(↑④)、そのインポートしたデータは新PC家計簿には反映されません。では、どうすべきか? 実に簡単で、「らくな家計簿」のスマホアプリを弄るときは真っ先にログインして、オンライン同期用の家計簿データBにアクセスするようにしなければならないのです(↑⑤)。

 このあたりの事情は、実は「らくな家計簿」のオンラインヘルプに↓のように書いてあるのですが…こんな抽象的で判りにくいものを理解できるわけがありませんよね…

6. 同期データの管理方式
• 初めてログインが行われたデバイスを基準にデータを複製して同期用の家計簿を作成します。
(同期したいデータがあるデバイスから会員登録をしてください。)
既存のデバイスに保存されている家計簿は削除されません。デバイス内の家計簿データ、同期用のデータが別々で管理され、計2つの家計簿が存在することになります。
• ログインすると同期用の家計簿を作成でき、ログアウトすると既存デバイスに保存されている家計簿を作成できます。

 ところで…スマホの中に残っているオフライン用の家計簿Aは一体何の役に立つのか? これは、サーバーを介した同期機能に拠らない「(旧)PC家計簿」機能に活用できるのです。…が、こんなややこしいことをするぐらいなら、潔くログイン必須にしてもらったほうが判り易かったですね。ちょっと残念な仕様でした。

2023/07/16

Clev家計簿の有料プランが変更されていた

_久しぶりにClev家計簿の話題。2021/05/16 誰も教えてくれないClev家計簿の使い方(その1:入力UI) において、有料プランに関して


_プレミアムバージョンは、買い切り620円で広告表示を消すことができ、機能追加はありません。広告は画面最下段のバナーの他、何らかの操作を行った後にランダムに全画面表示されるものがあり、結構ウザく感じられますので、開発元に敬意を表するなら課金に応ずるべきでしょう。


_と記述しておりました。当時のアプリのバージョンは3.11.12でした。

_が、本日、アプリのバージョンを確認したところ、3.13.4となっており、いつの間にか有料プランが「プレミアムサブスクリプション」に改変されていました。350円/月(年払いは3000円なので1200円も割安!)という値付けになっています。また、無料プランでは一部機能が制限されるとのことですが、具体的にどのように差別化されているのかは現時点では不明です。

Clev家計簿のプレミアムサブスクリプション

_…しかし、アカウントアグリゲーションサービス(AAS)もデータインポート機能も無い家計簿アプリが350円/月のサブスクを設定するとはいい度胸です。ちなみにマネーフォワードMEのプレミアムプランの料金はこちらZaimも同様にこちらを参照して下さい。もう少し課金すれば、AASもWeb版も使えるわけですからね(Zaimに至ってはデータのインポートもできる)。開発サイドに、我が国における価格感覚を見直してもらう必要性はありそうです。

2023/07/15

Zaimにタグ機能が出現

 2023/07/14、Zaimアプリにタグ機能が新登場しました。先日ご紹介した「見つける」機能と連動したもので、簡単に言えば、従来のメモ欄に #買ってよかった のように、#に続く定型句をワンタッチで追加して検索しやすくする機能です。

1.Zaimアプリでの操作はこのようになる

_↓の例では、ユーザーが"#生活必需"というタグを追加設定して、130円のお茶の買い物にタグ付けするところを示しています。

Zaimアプリにタグ機能が追加された

_タグはあらかじめ #買ってよかった #おトク #ご褒美 #自己投資 #挑戦 #応援 の6種類が定義されており、これらは削除できません。これにユーザーが定義したタグの追加・削除(上の④の画面で当該のタグを左にスワイプすると削除できる)ができます。表示順序は変更できません。

Zaimの取引データにタグを付ける

_タグは、↑の画面⑧のように、いくつも付けることができます。本当にメモ欄の末尾に定型句を追加するだけですから…

2023/07/14

第4版 家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較

_当Blogでは、これまでに家計簿アプリのデータ入出力機能についての性能比較を↓の記事で掲載しておりました。

_今回、評価項目の整理と、対象とする家計簿アプリの追加、および、アプリのアップデートによる評価の見直しを行いました。これはあくまでも筆者たる たこぶつ の独断と偏見と無知によるものですので、参考程度として決して鵜呑みにはしないようにお願いします。

第4版 家計簿アプリのデータインポート/エクスポート機能の性能比較

2023/07/09

MoneyProの知られざる大バグフィックスに対応したMFFマクロV2.43登場

 前回の 2023/07/05 【朗報】MoneyProのファイルインポート機能が大幅に改善されたようです【速報】 のとおり、Windows版のMoneyProアプリについて(おそらくはV2.8.35で)コッソリと重要なバグフィックスが行われました。

 以前のMoneyProは、CSVファイルでのデータインポート時に、収入取引にカテゴリを指定していると、カテゴリを正しく認識しない、という不具合がありました2020/10/11 MoneyProアプリのV2.5.4バージョンアップでも不具合は解消せず 参照)。さらに以前はそのようなCSVファイルをインポートしようとした時点でアプリがクラッシュしていた2020/05/29 MoneyProへ他の家計簿アプリのデータをインポートする(前篇) 参照)ので、それに比べればはるかにマシになっていますが、いずれにしても大変困った事態です。

 そこで、当Blogでは、MFFマクロでMoneyProインポート用のCSVファイルを出力する際には、収入取引の場合にカテゴリ欄を空にするという暫定措置で対処しておりました。つまり、収入取引についてはインポート後にユーザー各位が全てカテゴリを再設定しなけれならず、これはかなり大きく余計な手間であったわけです2020/05/29 MoneyProへ他の家計簿アプリのデータをインポートする(後篇) 参照)

 しかし、この度のアプリ側のアップデートでその必要がなくなりましたので、MFFマクロ V2.43ではこの暫定措置を解除して、CSVファイルの収入取引にもカテゴリ欄を入れるよう、本来の処理に修正しました。今回は、その詳細を解説します。

【追記】:MFFマクロV2.44でさらに改良しました。こちらの記事をご参照ありたく。

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