これまで、「かけ~ぼ」V1.55以降にデータをインポートする方法について、その1/4・その2/4・その3/4 と連載してまいりました。今回は、MFFマクロ(V2.70以降)がどのようにデータ変換を行っているのか、を解説します。
13.振替取引
当Blogでは、MFF形式データに関して、固定ページ:MFF形式とMFFマクロのデータ変換処理について で
6.口座に種別は無い
現金、電子マネー、ポイント、銀行口座、証券口座、クレジットカード、通販など、ありとあらゆる資産は全て口座として取り扱い、一切区別しません。よって、電子マネーで電子マネーをチャージする、といった通常は有り得ない取引も表現できます。
このように述べております。一方、「かけ~ぼ」というアプリは、帳簿・デビットカード・クレジットカード・電子マネーを明確に区別します。この大きな違いを吸収するのがMFFマクロのMFF2KKB()というサブルーチンです。
まず、帳簿・デビットカード・クレジットカード・電子マネーのそれぞれから帳簿にお金を振り返る取引からです。
「かけ~ぼ」では、帳簿→帳簿の振替取引にのみ「帳簿間送金」という標準機能があります。しかし、デビットカード・クレジットカード・電子マネー→帳簿 の振替となると…「かけ~ぼ」はこの3種類のカード類はいずれも支出しか記帳できませんので、2025/04/26 「かけ~ぼ」V1.55以降にデータをインポートする方法について(その1/4)で費目に追加した「振替支出」・「振替収入」を活用して、カードからの支出を「振替支出」、帳簿への収入を「振替収入」として分割して記帳するように変換します。

14.電子マネーへのチャージ
「かけ~ぼ」では、帳簿・デビットカード・クレジットカードから電子マネーへのチャージは普通に記帳できるほか、本来はありえない「電子マネーから電子マネーをチャージする」という取引も記帳可能です。MFFマクロもそれに準じて、↓のように変換処理を行います。

15.収入取引
「かけ~ぼ」では、帳簿への収入取引は素直に記述できますが、前述のとおり、デビットカード・クレジットカード・電子マネーへの収入取引(必然的に"返金取引"となるでしょう)は記帳できません。そこで、デビットカード・クレジットカードについては、負の金額の支出として記帳します(その際の費目は、後でユーザーが指定する。筆者としては「その他支出」を想定している)。電子マネーの場合は、適当な帳簿(ユーザーが後で指定する。筆者としては「91電子マネー用」を想定している)への収入取引を記帳し、その帳簿から電子マネーにチャージする、という具合に変換します。

16.支出取引
最後に支出取引です。いずれも小細工はせず、「かけ~ぼ」の仕様どおりに記帳します。

「かけ~ぼ」というアプリはとにかく振る舞いが非常に独特なので、MFFマクロでインポートした取引データが本当に正しく解釈されているのか? という点を確認するのにとんでもなく手間がかかりました。この手間に見合った成果をお届けできているか、お使いいただいた皆様からぜひフィードバックをいただけますと幸いです。