2025/12/19

鉄道におけるクレジットカードのタッチ決済は家計管理上の問題があるかもしれない、という話

 いわゆる非接触決済サービスについて、鉄道各社でFelica系ICカード決済ではなくクレジットカードのタッチ決済を導入する動きが出てきております。筆者はFelica系の代表格であるSuicaのユーザーですが、先日、伊豆箱根鉄道駿豆線に乗車する機会があり、同線に導入されたクレジットカードタッチ決済を試してみました。

 使用したのはJRE BANKのキャッシュカード。これにはJCBのデビットカード機能が付いていて、タッチ決済に対応しています。

 駿豆線の各駅の改札口にはタッチ決済用の端末が備えられていて(少々判りにくいところにあったりします)、そこへタッチするとワンテンポ遅れて反応音が鳴ります。この「ワンテンポ遅れて」というところが「都市圏の巨大な旅客流動にはタッチ決済では対応できないのでは?」という各方面からの懸念事項になっているわけです。しかし、地方鉄道の旅客数で、旅客の大多数がタッチ決済を使うわけでもなく、しかも混雑する改札ゲートを避けたところに端末を設けている限りでは、その点はあまり問題にならないように思われます。

 タッチは、乗車駅と降車駅の2箇所で行います。降車駅でのタッチで決済額が確定するわけですが、では、乗車駅の情報がどのように取り扱われているのか? 運賃計算はどのように行っているのか、そういった実装面は正直なところ判りません。また、一般ピープルがそれを気にする必要はないのでしょう。

 ただし…当Blogの主題である家計簿アプリによる家計管理においては、少々問題がありそうなところが見えてきました。

 JRE BANKに付帯するJCBデビットカード機能は、実は即時引落しではなく、その翌日に銀行口座(この場合は当然JRE BANK)から引き落とされるのです。つまり、利用日の認識が1日ズレてしまう…! これは「デビットカードだから」こうなるのであって、クレジットカードであれば利用日は正しく認識されるのであろうとは思いますが…

 しかも、Suicaであれば、交通系ICカードとして乗車駅(入場駅)と降車駅(出場駅)の名称が利用履歴に記録されます。この情報は、例えばマネーフォワードMEでは、モバイルSuicaとの連携機能およびSuicaカードの履歴読み取り機能で自分の家計簿データとして取り込むことができますが、残念ながらクレジットカード会社のタッチ決済では、このような情報はユーザーには提供されないようです。

 マネーフォワードMEでJRE BANKの明細履歴を取り込むと、「JCBデビット A*******」(*は数字)という無意味な文字列と決済額のみが、利用日の1日後の日付で取り込まれます。筆者としては、その明細のメモ欄に、本当の日付と、取引の内容(乗車区間等)を手入力しなければなりません。費目の認識も、いちいち思い出して指定することになります。今回、試してみたのは1回だけで、1日に何回もタッチ決済を利用した場合にどのようになるのか、は、まだ調べていませんが…

 このように、新しいサービスが導入されたときは、当Blogとしては家計管理が楽になる方向の進化であるのかどうかに注目するものの、たいていの場合は残念な調査結果になります。そして、将来にそれが改善される可能性は非常に薄い。このあたり、なんとかならないものか…と常に思うのであります。

2025/11/14

三菱UFJ銀行のアプリがChatGPTと連携するそうです

 三菱UFJ銀行のアプリがChatGPTと連携する、というニュースがありました。例えば、三菱UFJ、アプリをChatGPTに連携 日本企業初・顧客に家計管理提案 - 日本経済新聞 が詳しいです。ちなみに…同銀行が提供していた家計簿アプリMable(当Blogで取り扱ったことはありません)は2024年3月にサービスを終了しており、前述のアプリとは現行の「三菱UFJ銀行」アプリになると思われます。

 AIと連携動作する、という触れ込みはマネーフォワードMEもZaimも行っていましたけど、取得した明細データの費目の自動割付をAIで行うという程度で、ちっとも賢くならず(例えば 2021/04/10 マネーフォワードMEのAIとやらはいつまでたっても賢くならない 参照)、AIの成長と効果を実感するのは困難なレベルでした。 

 ところが、生成AIとの連携動作、となると話は別で、家計簿アプリとChatGPTが直接データをやり取りすることで、生成AIの分析結果などを家計簿アプリ側で表示可能となり、生成AIを鍛えた結果が家計簿アプリの機能増強に直結します。ユーザーは、アプリの更新を待たずに新機能の恩恵を受けることができるようになるでしょう。

 ああ、この業界にも生成AIの魔の手が及んできたか…!

2025/11/13

Suica Renaissanceで最も期待するのは、コード決済でもチャージ上限額アップでもなく「物販の嵐」問題を改善すること

 JR東日本が202412月に打ち出した「Suica Renaissance」(スイカルネッサンス)ですが、つい先日、その第二弾の構想が発表されました。コード決済に対応し、チャージの上限額も2万円から30万円に大幅にアップされます。個人間送金にも対応。そして少々残念なのがSuicaペンギンの勇退。

 ネットに出ている記事では モバイルSuicaが大進化 コード決済対応&上限30万円、Suicaペンギン卒業の真意とは が詳しいようです。

 …が、筆者としては、とにかくSuicaの利用履歴データが「物販」だらけになる「物販の嵐」問題を何とかしてほしいところです。他の電子マネーでは利用履歴に店舗名が入るのに、Suicaはそうではない。モバイルSuicaがガラケー向けに出現したのは20061月だそうですから、もう20年近く放置されている問題です。

 しかも、モバイルSuicaサイトとデータ連携しているマネーフォワードMEなどの家計簿アプリは、オンラインで取得した明細データをユーザーが改竄できないように、この「物販」という何の役にも立たない文字列を修正できない仕様としていることが多いのです。例えばマネーフォワード「物販」とは?ITプロの管理技わかりやすく解説! の記事が詳しいです。例外は多分Zaimぐらいじゃないか…?

 Suica Renaissanceでは、ぜひ利用履歴に店舗名が入るように改善していただきたい。これはユーザーが現に困っていて、しかも他の電子マネー等の決済手段に対して決定的に劣っている点ですから。

 Suica利用履歴データを家計簿アプリとAPIで連携できるようになれば最高です。JR東日本が生活ソリューション企業として「勇翔」できるかの試金石となるでしょう。第三弾での発表に期待するや切であります。

2025/11/02

MoneyProのカテゴリー構成が変わっていました

  先日、ある事情でMoneyProのデータを刷新する必要があり、新規の帳簿(MoneyProでは「プロファイル」または「プロフィール」と呼んでいる)を作成したところ、デフォルトで用意されているカテゴリー構成が変わっていることが判りました。

 MoneyProについては、当BlogをBloggerに移転した直後に紹介しており、カテゴリー構成は 2020/05/26 MoneyProレビューその2:カテゴリーと口座の設定 でふれているところですが…はっきり言えば酷いものでした。

 現在のカテゴリー構成を↓に示します。赤が追加されたもの青が削除されたものです。

MoneyProのデフォルトのカテゴリー構成2025年11月時点

 …さすがにiTunesは消滅しています。しかし「食費」が存在しないとか、「銀行」という支出のカテゴリー名称としては極めて不適切なものがあったり…結局ツッコミどころ満載なのは相変わらずでした。

 ただ、家計簿アプリは、プログラムの更新は行っても、カテゴリー構成などの初期設定的なところは初回リリース当時のまま、ということがよくあります。それを考えれば、地味なところも見直す、という開発側の姿勢は良いと思いますね。

 がんばってカスタマイズしていきましょう。

2025/09/17

PayPay取引履歴CSVファイルのインポート機能はマネーフォワードMEよりZaimの方が先に実装してました

 2025/08/10 マネーフォワードME(iOS版)にPayPayの取引履歴CSVデータをインポートする機能が出現しました をアップした際、(アカウントアグリゲーション機能を経由しないとはいえ)家計簿アプリがPayPayの取引履歴データに対応したのはマネーフォワードMEが初めてだと認識しておりましたが、実はZaimの方が先行していたようです(例えば Impress Watch 2025年2月26日 家計簿アプリ「Zaim」、PayPayの取引履歴取り込みに対応。大変失礼しました。

 その具体的な方法ですが、PayPayアプリからのCSVファイルのダウンロードについては 2025/09/02 PayPayに対応 MFFマクロV2.71出現 の冒頭部分を参照してください。

 そのあとは、スマートフォンのダウンロードフォルダ内に格納されたCSVファイルを、↓のようにZaimアプリに取り込みます。Zaim側では、この機能は「電子マネーデータの取り込み」と呼ばれており(↓の①画面 これはAndroid版)、2025年9月時点ではWeb版にはありません。

 ↓の②画面では、CSVファイルがスマホ内のどこにあるかを指定するわけですが、ここでは驚くべきことに「写真と動画」 を選んで、③画面でダウンロードしたファイルを選びます

ZaimにPayPayのCSVファイルを取り込む

 その後、↑④・⑤画面で、取引履歴データをZaimのどの口座に取り込むのかを選択します。その際、↑⑤画面で【アップロードをテスト】を選ぶと、Zaimにどのように取り込まれるのかが表示されます(つまり、この画面ではすでにZaimの形式にデータが変換されています)。↑⑤画面で【本番の家計簿にアップロード】を選ぶと、↑⑦画面のようにデータが取り込まれた旨のメッセージが出ます。

 取引履歴データが正しく取り込まれたか確認するには、Zaimアプリで、PayPayのデータを取り込んだ口座の履歴データを確認します(↑⑧画面)。ただし、この時点で、取り込んだデータにはカテゴリが指定されていませんので、アプリ上で一つ一つ設定していかねばなりません。


 なお、ZaimのWeb版(Windows PC上で実行している)でデータを取り込むには…

  1. PayPayアプリで取引履歴データをダウンロード
  2. ダウンロードしたCSVファイルをメールやファイル共有システム等でPCに持ち込む
  3. PCに持ち込んだCSVファイルを 2025/09/02 PayPayに対応 MFFマクロV2.71出現 の「2.PayPayの取引履歴データをExcelで正しく開く方法」でExcelで開く
  4. Excelで開いたデータをMFFマクロでMFF形式に変換
  5. MFFマクロでデータをMFF形式に変換する
  6. MFF形式データを、MFFマクロでZaimの形式に再変換してCSVファイルとして出力する
  7. ZaimのWeb版に、6.で出力したCSVファイルを取り込む

 …こういった手順になります。なかなか面倒くさいですが、この方法には、↑の6.の段階でACF機能でデータのカテゴリ(費目)を設定しておけば、Zaimにデータを取り込んだ後のカテゴリの指定作業をしなくてもよくなる、という利点があります。

 ユーザーの皆様の状況に応じて使い分けていただければと存じます。

2025/09/02

PayPayに対応 MFFマクロV2.71出現

 久々のMFFマクロの更新です。2025/08/10 マネーフォワードME(iOS版)にPayPayの取引履歴CSVデータをインポートする機能が出現しました で少々匂わせていた新機能を実装。PayPayアプリからダウンロードした取引履歴データをMFF形式に変換できるようになりました。MFFマクロV2.71のソースリストや導入方法につきましては MFFマクロの導入法と使用法 のページをご覧ください。

MFFマクロV2.71の動作概念図

1.PayPayアプリから取引履歴データをダウンロードする

 Android版のPayPayアプリから取引履歴データをダウンロードする方法は↓のとおりです。スマートフォン本体にダウンロードしたCSVファイルを、Android標準の共有メニューからメール等の方法でPCに移します。↓の例ではGmailを使っています。

 なお、PayPayの取引履歴データは、Transactions_YYYYMMDD-yyyymmdd.csv のようなファイル名になります。YYYYMMDDは対象期間の開始日、yyyymmddは終了日です。なお、ファイルのエンコードはUTF-8、改行コードはCr+Lf。BOM付なので、Excelで直接開いても文字化けしません。

PayPayアプリからCSVデータをダウンロードしてPCに送る

2025/08/12

シンプル家計簿MoneyNoteにプレミアムプランが出現したが、購入できない状態

 シンプル家計簿MoneyNoteは、文字どおりシンプルでありながら完成度が高く、筆者としては2024/04/15 新年度から家計簿アプリを始めるなら多分シンプル家計簿MoneyNoteがいいと思う で述べましたように、初心者にもお勧めできる家計簿アプリだと考えておりました。が、最近、このアプリを起動してみると…これまで無料で提供されていたCSVファイルの出力機能が、プレミアムプラン(有料)の機能とされてしまったようです。

シンプル家計簿MoneyNoteに有料プランができたが購入できない状態

 「サブスクリプションではない」という点は評価できるのですが…↑のようにプレミアムサービスを購入しようとしても、現時点でアプリ側が反応せず、価格がいったいいくらなのかすら知ることができない状態です。

 しかも、↑の左の画面の【PC用データの出力】機能は、すでにプレミアムサービスへの移行を促す画面に切り替わっているので、現時点でこのアプリのデータを正規の方法でアプリ外へ取り出すことはできません(当Blog独自の方法で、バックアップデータをMFF形式に変換することはできますけど)。これはかなり困った事態だ…。有料機能を使用開始するなら、こういった事態にならないように細心の注意を払わないといけませんなあ。

 当Blogでは、シンプル家計簿MoneyNoteから出力した取引データをMFF形式に変換する機能のほか、本アプリのデータバックアップ機能を活用して、MFF形式データを本アプリに強引に取り込ませる機能も実装しております。が、このプレミアムプラン出現でMFFマクロの動作にどのような影響が出るかも、現時点では不明です。情報が得られましたら、レポートしたいと思います。

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