2025/01/12

てきぱき家計簿マム10 振替取引データのインポート機能が再び不安定化?

 WindosPC向けの老舗家計簿ソフト「てきぱき家計簿マム10」は、2022年11月に「10」が発売され、これまでにも頻繁な更新が続けられてきましたが、最近のバージョンで、振替取引のデータをインポートする際の挙動が不安定化しているようです。

 「10」が登場した当初は、2022/12/04 てきぱき家計簿マム10にCSVファイルのデータをインポートする方法を解説しちゃいます(追記あり) で触れたように、振替取引をそのように認識できないバグがあり、その後のソフトウェアの更新で解消された、という経緯があります。しかし、先日、3ヶ月ぶりに家計簿データのインポートを試みますと…

てきぱき家計簿マム10が再び振替取引を取り込めなくなったらしい

 ↑の画面のように、2024/07/03の「口座振替」の取引データを取り込もうとしたところでエラーが発生するようになってしまいました。前回までのインポートでは発生しなかった現象です。現時点での「マム10」のバージョンは64bit版の10.0.0095です。

 しかも、このバグはかなり根深いものがあるようです。

 今回は2024年7月分の全データをインポートしようとして失敗しています。↑の状況で【続行】を叩くと、プログレスバーが表示されたままの状態で「電子明細の取込」ウィンドウの操作を継続できます。「てきぱき家計簿マム10」は、先の記事でも述べましたように「一度取り込んだデータを重複して取り込まないようにするための仕様」がいろいろと悪さをするので、このウィンドウの中で、取り込みに失敗しているデータを削除しなければなりません。

 ただ、これは単純な話ではない。↑の例では2024/07/03の最初の口座振替のデータがエラーを起こしているのですが、ここまでのデータを全て削除しても、実は「マム10」の内部には、この後に続く2024/07/31までのデータのゴミが残っているのです(これはユーザーには見えない)

 このゴミはどうやって削除するのか、というと…、「口座振替を含まないインポート用のダミーデータ」をでっち上げて、それをインポートするのです(筆者の場合は2024/07/01のデータだけにした)。すると、今度はそのダミーデータに続いて、↑でエラーを起こした「2024/07/03の振替取引」(これを振替Aとします)の次に含まれている振替取引(振替Bとします)までがウィンドウ上に表示され、再びその振替取引がエラーを引き起こします。そこで、また↑のウィンドウ上で取り込みに失敗したデータを全て削除して、また前述のダミーデータのインポートを試みて、振替Bの次の振替Cがエラーを発生させ、さらに取り込みに失敗したデータを削除して…ということを7月分全部のデータについて繰り返さなければなりません。

 これで、「マム10」内部に残ったインポート失敗データを全て削除したとしても、再び振替取引を含んでいるデータをインポートしようとすれば同じエラーでインポートに失敗します。「マム10」をインストールしたことのないWindowsPCにインストールして、データ的にまっさらな状態で試みても同様でした。

 このエラーを回避するには、MFFマクロの処理を書き換えて、振替取引データが「マム10」側で振替と認識されないようにして、インポート後にユーザー各位で全振替データを修正する、という対応をお願いしなければならないでしょう。これは「マム10」の大きな技術的後退です。

  「てきぱき家計簿マム」は、「一度取り込んだデータを重複して取り込まないようにするための仕様」に大きな問題を抱えています。インポートしたデータを家計簿に転記するかしないかを選択できるのは良いとしても、内部処理に不備があってこのような問題を起こすのでは本末転倒です。ここは、機能を削減して、インポートを試みたデータは問答無用で転記され、内部にゴミデータは残さない、という仕様に簡略化したほうが良いのではないか、と思います。

 今のPC家計簿ソフトの厳冬期にも開発を継続されているのは素晴らしいことではありますが、PC家計簿ソフトの優位点であるインポート機能が不安定になるのは極めて残念。サンテク側の迅速なご対応に期待するや切であります。

2025/01/05

「まねーぼ」の検索機能と補遺と総評

←「まねーぼ」関係の前回記事:2025/01/04 「まねーぼ」のグラフ機能・予算管理機能には課題山積

 「まねーぼ」の連載も今回で一応終わりです。最後は検索機能について触れます。

6.「まねーぼ」の検索機能にも課題あり

 「まねーぼ」の検索機能は、ホーム画面右上にある虫眼鏡のアイコンから↓画面①に推移してアクセスします。まず困ったことに、検索機能だというのにすでにこの時点で検索対象期間は今月(2025年1月)に設定されています。ここでは↓画面②で「全て」に変更します。そして検索対象文字列を入力すると、メモ欄にそれが含まれる取引データが検索されます(↓画面③)。

「まねーぼ」の検索機能

2025/01/04

「まねーぼ」のグラフ機能・予算管理機能には課題山積

←「まねーぼ」関係の前回記事:2024/12/30 MFF形式データを変換して「まねーぼ」にインポートする方法


 明けましておめでとうございます。

 「まねーぼ」に関する連載は、年を跨いでしまいましたが今回とあと一回で締めます。

3.まねーぼのグラフ機能

  「まねーぼ」は円グラフ以外の時系列グラフ機能は有料提供となっています。しかし…先に申し上げておきますと、大丈夫かコレで? という感じが満載です。

(1)資産管理機能

 「まねーぼ」の画面下部の【資産】ボタンから資産管理機能にアクセスします(↓画面①)。ここでそれぞれの資産にタッチすると、その資産に関する取引データにアクセスできます(↓画面②)。ここまではスマホアプリとしてはできて当然でしょう。しかし、有料機能である時系列グラフを表示させる(↓画面③)と…

 まず、純資産額のグラフが表示されます。このグラフは、表示させる対象期間は↓画面⑤のようなメニューで変更できるのですが、任意期間が指定できません。そして、「まねーぼ」は年度の開始月を設定できないので、年度が1月始めで無いユーザーにとっては残念極まる事態となっています。

 また、↓画面③の表示内容も、純資産のグラフですから折れ線グラフは1本しか無いはずなのに、もう1本、薄水色の線が出現していて、これが何を意味しているのか不明です。グラフの下には純資産の残高推移を金額表示しているのはよいとして、緑色の数字の意味がさっぱり判らない…ちなみに、この操作は2025年1月に入ってから行っていて、過去一年の表示としているのに金額は2023年2月から表示され、2024年2月で増減の計算を一旦打ち切っているらしい…

 …とここまで書いてきて、↓画面③の薄水色の線の意味がなんとなく判ってきました。コイツはどうやら2023年2月~2024年1月の純資産グラフだな…。そういう意図なら、このグラフは、操作しているのが2025年1月であれば2024年1月、さらにその1年前の2023年1月を起点に表示すべきでしょう。そういう配慮ができているアプリも現にあります。例えば 2021/08/09 DARUMA家計簿のさらなる進化に期待 を参照されたく。

「まねーぼ」の資産関連機能

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