2025/05/05

「スマートレシート」でレシートの明細を読み込んで「てきぱき家計簿マム10」に取り込む方法(その2/2)

 今回は、前回の続きで、スマートレシートでレシートを読み込んだ明細データをPCに持ち込み、MFFマクロでデータ変換を行った直後から始まります。

4.てきぱき家計簿マムへのデータ取り込み

(1)てきぱき家計簿マム10側の準備

 「てきぱき家計簿マム10」に明細データを取り込む前に、ちょっとした準備が必要です。レシートを読み込んだ明細データを入れておくための専用のダミー口座を設定しておかねばなりません(初回だけ行えばOKです)

 これは他の家計簿ソフト/アプリでもよく使うテクニックで、クレジットカードや電子マネーでの支出額を、このダミー口座への振替として入力するわけです。このダミー口座では、レシートを読み込んで記帳した支出額と、クレジットカードや電子マネーからの収入額は常にバランスして、残高は0になるはずです。逆に、残高が0になっていない場合は「記帳していない買い物がある!」と判ります。筆者はこのダミー口座として「72明細分離用」という口座を使っていますが、まあ名前はそれと判ればテキトーで構いません。 

てきぱき家計簿マム10にレシートデータ用の口座を設定する

2025/05/04

「スマートレシート」でレシートの明細を読み込んで「てきぱき家計簿マム10」に取り込む方法(その1/2)

 当Blogでは、複数の家計簿ソフト/アプリ間でデータをやり取りするツールとしてMFFマクロを公開し、基本的な手順を解説しております。が、応用例を解説した記事はあまり多くはありません。最近では2022/09/17 Dr.Walletのデータを、順序が変わらないように「らくな家計簿」にインポートする方法を検討する(前篇)ぐらいでしょうか。

 今回は、ある読者の方のリクエストで、レシートをスマートフォンで撮影して認識させた取引データを、PCのてきぱき家計簿マム10にインポートする方法を解説します。過去の記事と重複するところも出てくるでしょうが、その点はご容赦を。概略の手順を示すと

  1. 「スマートレシート」でレシートを撮影し、「スマートレシート」で明細データをPCにメール送付
  2. メール送付した明細データをPCに保存
  3. PCのExcelでMFFマクロを動作させ、明細データを「てきぱき家計簿マム10」向けに変換
  4. 「てきぱき家計簿マム10」に、変換したデータをインポートする

 ということになります。今回は1.~3.までを取り扱います。4.は次回です。

1.スマートフォン側の操作

(1)スマートレシートをインストールする

 レシートの明細データをスキャンして家計簿データに変換するスマートアプリはいくつかありますが、今回の記事では「スマートレシート」を取り上げます。その理由は、データをアプリ外に持ち出せる機能が無料でサポートされているからです(他のアプリでは、そもそもその機能が無かったり、あっても有料だったりする)

 スマートレシートはiPhone版とAndroid版があり、ここでは後者を対象にします。詳細は2023/11/04 電子レシート「スマートレシート」試用レポート の記事から連載しておりますが、簡単に復習しましょう。

 インストールの手順は若干面倒です↓。

  1. Googleのプレイストアで「スマートレシート」と検索して、「スマートレシート」アプリをインストールする。
  2. 「スマートレシート」アプリを起動後、ID(携帯電話番号かメールアドレス)とパスワードを指定する(当然ながら両方ともメモっておく)
  3. Googleのプレイストアで「レシートスキャン」と検索して、「レシートスキャン」アプリをインストールする。
  4. 「レシートスキャン」アプリを起動する。インストール後の初回起動では、規約への同意と、IDおよびパスワード(スマートレシートアプリと同一にすること)・メールアドレス・性別・生年月を登録し、メールアドレスの生存確認と本人確認を行う。

 …このように、スマートレシートというサービスを使うには、スマートフォンに二つのアプリをインストールしなければなりません。

(2)「レシートスキャン」でレシートを撮影する

 「レシートスキャン」アプリは、二回目以降に起動すると、いきなりレシートを撮影する画面から始まるようになっています。レシートの撮影後、「読み取り結果編集」の画面で、レシートの合計金額と、読み取り結果の合計金額が合っていることを確認します(合っていない場合は撮影に失敗しているので画面左上の【キャンセル】でやり直す)

 合っている場合は、そのまま画面下部の【レシートを登録】をタップします。なお、この時点では、商品一つ一つの分類は「未登録」のままになっているはずですが、これは後に「てきぱき家計簿マム10」側で割り当てる場面がありますので、そのままで構いません。

 ここまで終わったら「レシートスキャン」アプリを閉じてください。

レシートスキャンでレシートを読み取る

2025/04/29

「かけ~ぼ」V1.55以降にデータをインポートする方法(その4/4)

 これまで、「かけ~ぼ」V1.55以降にデータをインポートする方法について、その1/4その2/4その3/4 と連載してまいりました。今回は、MFFマクロ(V2.70以降)がどのようにデータ変換を行っているのか、を解説します。

13.振替取引

 当Blogでは、MFF形式データに関して、固定ページ:MFF形式とMFFマクロのデータ変換処理について で

6.口座に種別は無い

現金、電子マネー、ポイント、銀行口座、証券口座、クレジットカード、通販など、ありとあらゆる資産は全て口座として取り扱い、一切区別しません。よって、電子マネーで電子マネーをチャージする、といった通常は有り得ない取引も表現できます。

 このように述べております。一方、「かけ~ぼ」というアプリは、帳簿・デビットカード・クレジットカード・電子マネーを明確に区別します。この大きな違いを吸収するのがMFFマクロのMFF2KKB()というサブルーチンです。

 まず、帳簿・デビットカード・クレジットカード・電子マネーのそれぞれから帳簿にお金を振り返る取引からです。

 「かけ~ぼ」では、帳簿→帳簿の振替取引にのみ「帳簿間送金」という標準機能があります。しかし、デビットカード・クレジットカード・電子マネー→帳簿 の振替となると…「かけ~ぼ」はこの3種類のカード類はいずれも支出しか記帳できませんので、2025/04/26 「かけ~ぼ」V1.55以降にデータをインポートする方法について(その1/4)で費目に追加した「振替支出」・「振替収入」を活用して、カードからの支出を「振替支出」、帳簿への収入を「振替収入」として分割して記帳するように変換します。

MFF2KKBの動作チャートcase10-13 振替取引

2025/04/28

「かけ~ぼ」V1.55以降にデータをインポートする方法(その3/4)

 今回の記事は、前回の続きで、ACF機能を活用して、MFF形式データの口座名・費目を「かけ~ぼ」に定義済みのものに整えたところから始まります。

9.MFFマクロ(V2.70以降)の第二回動作

 続いて、D1セルを「かけーぼ」に合わせた状態で今度は(ACF機能ではなく)MFFマクロを動作させると↓、

MFF形式データをかけ~ぼ形式に変換する

2025/04/27

「かけ~ぼ」V1.55以降にデータをインポートする方法(その2/4)

 今回は、前回の記事で、「かけ~ぼ」アプリ側で費目・帳簿・カードに関する必要な設定を終え、バックアップ機能でそれらのデータを所定のフォルダ内に格納した、という状況から始まります。

5.バックアップデータのコピー

 Dropboxフォルダ>アプリフォルダ>「かけ~ぼ」フォルダ内の全ファイルを、Dropboxフォルダ>アプリフォルダ>「かけーぼ」フォルダ(存在しなければ作成する)にコピーします。これは、「かけ~ぼ」というフォルダ名が、MFFマクロを動作させるときにエラーを起こすためです。

6.syukujitsu.csvを「かけーぼ」フォルダに入れる

 内閣府HPで配布されている、休日・祝日リストsyukujitsu.csvをダウンロードして、Dropboxフォルダ>アプリフォルダ>「かけーぼ」フォルダにコピーします。前回の記事で述べましたように、「かけ~ぼ」V1.55以降にデータをインポートするには、クレジットカードの利用額の引落し取引のデータをMFFマクロででっちあげなければなりません。その引落し日(=請求日)が休日・祝日であった場合に、請求日をその前後の平日にズラす処理が必要になります。その処理のためにこのファイルが必要になります。

 2025年3月時点のsyukujitsu.csvでは2026/11/23の勤労感謝の日まで登録されています。ただし、年末年始やお盆のように、法定祝日以外に、社会通念として祝日的に扱われている日は含まれていません。このデータを活用しても、請求日のズラし処理が誤っている危険性は残っているので、 「かけ~ぼ」にデータを投入した後はユーザーがしっかりチェックする必要があるでしょう。

7.「かけ~ぼ」にインポートしたいMFF形式データを用意する。

  今回のサンプルデータ↓は、2025/03/10~2025/03/25の16日間に、「かけ~ぼ」で考えられる計16種類の取引パターンを含んでいます(メモ欄を参照のこと)。ただし、口座名や費目は、「かけ~ぼ」に定義済のものとは合致させていません(注:費目を少々弄っており、クレジットカードの場合は先頭に★を付けている)

MFF形式データにACFを適用する

2025/04/26

「かけ~ぼ」V1.55以降にデータをインポートする方法(その1/4)

 長らくお待たせしました。MFFマクロV2.70以降を使って、Android家計簿アプリ「かけ~ぼ」の現バージョンにデータをインポートする方法を解説します。なお、「かけ~ぼ」の基本事項については 2020/06/01 誰も教えてくれない「かけ~ぼ」での家計管理法(前篇) からの連載記事を参照して下さい。

1.費目構成の準備

 「かけ~ぼ」は、複数の帳簿を管理可能で、しかも帳簿毎に費目構成を変えることができるという特徴があります。しかし、MFFマクロでデータを運用するなら、全帳簿で共通の費目を使用し、そのうえで「その他支出」 「振替支出」 「その他収入」 「振替収入」を追加してください。↓は筆者なりの設定例です。

「かけ~ぼ」の費目の設定例

2025/03/31

データをインポート可能な家計簿ソフト/アプリの「マイナスの金額」への対応状況まとめ

 2025/02/26 MFFマクロV2.70改修の進捗状況 で触れました、「データをインポート可能な」家計簿ソフト/アプリ別の「マイナスの金額」への対応状況を更新します。結論から言えば、「かけ~ぼ」がマイナスの金額を計上できることがはっきりしただけです。

 ただ、「かけ~ぼ」の場合は、マイナスの金額を計上できなければ、クレジットカードやデビットカードの返金といった特殊な取引をインポートできない(いずれそのうち気が向いたら解説します)ので、これは重要な事実です。

家計簿アプリがマイナスの金額を受け付けるか?

 ×がついている「DARUMA家計簿」と「MoneyPro」に関して、MFFマクロV2.70では、インポート用データを出力する際、MFF形式の「支出欄」および「収入欄」にマイナスの金額が入っている場合には、当該のセルを赤で塗って、修正できるまでデータ出力をしないようにしています。

 ?がついている「Dr.Wallet」・「オンライン家計簿うきうき」・「ゆう子の家計簿」については課金しなければ調査ができないため、不明のままとしています。MFFマクロV2.70では、これらにインポートするためのデータ出力の際には、マイナスの金額が入っていても警告するだけで、データ出力そのものは行います。ユーザー各位でインポートを試していただき、たこぶつまで情報をお寄せください。

 〇がついている家計簿ソフト/アプリについても、マイナスの金額に対して警告はしますが、データ出力は行います。

注目の記事

家計簿アプリとデータをやりとりするファイル形式のまとめ(第二版)

 二年前の2022/03/14 家計簿アプリとデータをやりとりする際のファイル形式のまとめ でご紹介した情報をアップデートしました。 1.家計簿アプリからエクスポートされるファイルの形式一覧 2.家計簿アプリへインポートするファイルの形式一覧 ...

最近の人気トップ3