当Blogでは、複数の家計簿ソフト/アプリ間でデータをやり取りするツールとしてMFFマクロを公開し、基本的な手順を解説しております。が、応用例を解説した記事はあまり多くはありません。最近では2022/09/17 Dr.Walletのデータを、順序が変わらないように「らくな家計簿」にインポートする方法を検討する(前篇)ぐらいでしょうか。
今回は、ある読者の方のリクエストで、レシートをスマートフォンで撮影して認識させた取引データを、PCのてきぱき家計簿マム10にインポートする方法を解説します。過去の記事と重複するところも出てくるでしょうが、その点はご容赦を。概略の手順を示すと
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「スマートレシート」でレシートを撮影し、「スマートレシート」で明細データをPCにメール送付
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メール送付した明細データをPCに保存
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PCのExcelでMFFマクロを動作させ、明細データを「てきぱき家計簿マム10」向けに変換
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「てきぱき家計簿マム10」に、変換したデータをインポートする
ということになります。今回は1.~3.までを取り扱います。4.は次回です。
1.スマートフォン側の操作
(1)スマートレシートをインストールする
レシートの明細データをスキャンして家計簿データに変換するスマートアプリはいくつかありますが、今回の記事では「スマートレシート」を取り上げます。その理由は、データをアプリ外に持ち出せる機能が無料でサポートされているからです(他のアプリでは、そもそもその機能が無かったり、あっても有料だったりする)。
スマートレシートはiPhone版とAndroid版があり、ここでは後者を対象にします。詳細は2023/11/04 電子レシート「スマートレシート」試用レポート の記事から連載しておりますが、簡単に復習しましょう。
インストールの手順は若干面倒です↓。
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Googleのプレイストアで「スマートレシート」と検索して、「スマートレシート」アプリをインストールする。
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「スマートレシート」アプリを起動後、ID(携帯電話番号かメールアドレス)とパスワードを指定する(当然ながら両方ともメモっておく)
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Googleのプレイストアで「レシートスキャン」と検索して、「レシートスキャン」アプリをインストールする。
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「レシートスキャン」アプリを起動する。インストール後の初回起動では、規約への同意と、IDおよびパスワード(スマートレシートアプリと同一にすること)・メールアドレス・性別・生年月を登録し、メールアドレスの生存確認と本人確認を行う。
…このように、スマートレシートというサービスを使うには、スマートフォンに二つのアプリをインストールしなければなりません。
(2)「レシートスキャン」でレシートを撮影する
「レシートスキャン」アプリは、二回目以降に起動すると、いきなりレシートを撮影する画面から始まるようになっています。レシートの撮影後、「読み取り結果編集」の画面で、レシートの合計金額と、読み取り結果の合計金額が合っていることを確認します(合っていない場合は撮影に失敗しているので画面左上の【キャンセル】でやり直す)。
合っている場合は、そのまま画面下部の【レシートを登録】をタップします。なお、この時点では、商品一つ一つの分類は「未登録」のままになっているはずですが、これは後に「てきぱき家計簿マム10」側で割り当てる場面がありますので、そのままで構いません。
ここまで終わったら「レシートスキャン」アプリを閉じてください。

(3)「スマートレシート」アプリでレシートのデータをPCへ送る
今度は、スマートフォンの「スマートレシート」アプリを起動します。起動画面の右下にある「その他」のアイコンをタップし、メニュー内の「レシートデータ出力」をタップすると「レシートデータ出力」の画面に移ります。ここで、データをPCへ送るレシートの日付の範囲を指定し、さらにデータの送付先のメールアドレスを指定して【出力】をタップすると、そのメールアドレスに“YYYYMMDDhhmmss_XXXXXXXXXXXXXXXX.tsv” という名称のTSVファイルが送付されます。YYYYMMDDhhmmssは、データを送付した時刻(西暦年・月・日・時・分・秒)、XXXXXXXXXXXXXXXXは「スマートレシート」のサービスにユーザー登録した際に各ユーザーに割り当てられた16桁の会員番号です。

2.メール送付した明細データファイルを保存する
操作はここからPC側に移ります。まず、Outlook等のメールソフトで、スマートフォンから送付された「スマートレシート」のTSVファイルを適当なフォルダに保存します。↓は筆者のPCのOutlookの画面例です。

3.MFFマクロでデータを変換する
(1)MFFマクロでExcelにデータを読み込む
次にExcel(MFFマクロの導入法と使用法 によりMFFマクロが動作できるようになっていること)を起動し、空のワークシートを開いた状態でMFFマクロを動作させると、家計簿アプリのデータファイルを読み込むためのファイル指定ダイアログが出現します。ファイル形式は”tsvファイル”を選択し、フォルダを、先にTSVファイルを保存したフォルダとして指定すると、そのフォルダに保存されているTSVファイルの一覧が表示されます。ここで、先ほどメールソフトから保存したTSVファイルを選択すると、その中身がワークシートに読み込まれ、そのままMFF形式へ変換されます。


(2)MFF形式データの確認と修正
これでレシートの明細データがMFF形式に変換されました↓。
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口座名欄:空欄なのでセルが黄色くなっている→「マム10」に取り込む際に指定するのでこのままで大丈夫です
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取引先欄:レシートから読み取った店舗名が入っている→これは「てきぱき家計簿マム10」の店名欄に入ります
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内容欄:同様に「マム10」の品名欄に入ります。レシートというものはお店によってメーカーが判別できるようにいろいろな文字を付け加えているので、そういった余計な文字はここで削除しましょう。レシート紙面の文字数制限によって商品名が途中で切れてしまっているのも、ここで修正します(今回の例ではその操作は省略しています)
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費目欄:「スマートレシート未分類」という文字列が入っている→「マム10」に取り込む際にするのでこのままで大丈夫です

また、このワークシートには、「マム10」に取り込みたくない余計な明細データが含まれています(2025/04/26以前のデータ)。そういったデータは、Excel上でその行ごと削除するなどして消してしまいます。
(3)てきぱき家計簿マム10用のデータを出力する
ExcelのワークシートにMFF形式データが展開されている状態で、D1セルのプルダウンメニューを「てきぱき家計簿マム10」にセットして、D1セルにセルカーソルを合わせたままでMFFマクロを動作させます。

出力するCSVファイルを保存するフォルダとファイル名を指定するダイアログが出現しますので、適当なフォルダとファイル名を指定すれば、てきぱき家計簿マム10に取り込める形式のCSVファイルが出力されます。

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